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空調の市場規模|エアコン出荷台数の推移と業務用空調の金額【2026年版】

日本の空調市場は、家庭用エアコンが約941万台、業務用エアコンが約85万台の国内出荷(2024年度、日本冷凍空調工業会)を中心とする機器市場です。エコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯機)は約66万台で、近年は年60万〜70万台規模で出荷されています。規模は台数で捉えるのが基本で、業務用については出荷金額でみた市場規模の推計もあります(矢野経済研究所の2024年度予測で4,997億円)。2017年度からの台数の推移で、家庭用・業務用それぞれの動きを整理します。

家庭用エアコン(2024年度)
941万台7.3% YoY
前年比7.3%増。猛暑年に伸びる傾向(日冷工)
出典: 日本冷凍空調工業会 国内需要統計
業務用エアコン(2024年度)
85万台5.5% YoY
前年比5.5%増。店舗用・ビル用マルチ・設備用の合計
出典: 日本冷凍空調工業会 国内需要統計
エコキュート(2024年度)
66万台7.7% YoY
前年比7.7%増。家庭用ヒートポンプ給湯機、近年60万〜70万台規模
出典: 日本冷凍空調工業会 国内需要統計

家庭用エアコンの国内出荷台数の推移(2017-2024年度、万台)

年間900万台規模で推移し、猛暑や買い替えで年ごとに増減。2020年度の約1,010万台がこの期間のピーク
単位: 万台
03757501,1251,5009051798118957191,0102092921915228782394124
出典: 日本冷凍空調工業会 冷凍空調機器の国内需要統計(年度、家庭用エアコン 国内出荷台数)
年度20172018201920202021202220232024
家庭用エアコン 国内出荷台数万台905.46981.46957.301009.70929.18914.57877.53941.42
前年比+8.4%-2.5%+5.5%-8.0%-1.6%-4.0%+7.3%
読み解き

家庭用エアコン(ルームエアコン)の国内出荷は、年間900万台前後で推移しています。2017年度の約905万台から、2020年度には約1,010万台まで増加し、この期間のピークとなりました。その後は900万台前後で上下し、2023年度は約878万台まで下がった後、2024年度は前年比7.3%増の約941万台へ持ち直しています。

家庭用エアコンの需要は、猛暑による冷房需要買い替え(更新)需要、省エネ機種への置き換えに支えられます。気温が高い年には冷房需要が伸び、出荷が増える傾向があります。一方、住宅の新築動向や製品価格の上昇は、需要の重しとなることがあります。エアコンは生活必需品として一定の買い替え需要があるため、大きくは落ち込みにくい一方、猛暑の有無で年ごとの振れが生じます。

業務用エアコンの国内出荷台数の推移(2017-2024年度、区分別、万台)

店舗用・ビル用マルチ・設備用の合計。80万〜95万台のレンジで推移し、店舗用(約64万台)が最も多い
単位: 万台
店舗用ビル用マルチ設備用
025507510082.717881895.11980.92081.92182.32280.62385.124
出典: 日本冷凍空調工業会 冷凍空調機器の国内需要統計(年度、業務用エアコン=店舗用+ビル用マルチ+設備用)
年度20172018201920202021202220232024
店舗用万台64.1467.8573.7462.2362.9963.0661.3864.24
ビル用マルチ万台13.6714.6815.7914.0914.4314.6614.7016.19
設備用万台4.895.445.534.564.454.614.544.64
合計(万台82.7187.9795.0680.8881.8882.3280.6285.07
前年比+6.4%+8.1%-14.9%+1.2%+0.5%-2.1%+5.5%
読み解き

業務用エアコンの国内出荷は、店舗用・ビル用マルチ・設備用の3区分に分かれ、その合計が業務用エアコンの台数となります。2024年度は約85万台で、内訳は店舗用が約64万台と最も多く、ビル用マルチが約16万台、設備用が約5万台です。店舗用は事務所や店舗向けのパッケージエアコン、ビル用マルチは1台の室外機に複数の室内機をつなぐ方式、設備用は工場・倉庫などの大型空間向けです。

業務用エアコンは、コロナ前の2019年度に約95万台まで伸びた後、2020年度以降は80万台台で推移し、2024年度は約85万台となりました。需要先は事務所・店舗・工場・倉庫・学校・病院などの非住宅建築物で、建設需要や設備の更新、省エネ・脱炭素への対応が市場を動かします。景気や建設投資の動向に左右されるため、家庭用に比べて需要先の設備投資サイクルの影響を受けやすいのが特徴です。

空調市場を台数と金額でみる(2024年度)

家庭用・業務用・給湯は別の品目で、台数を足し合わせない。業務用は出荷金額でみた市場規模(矢野・予測)も別の指標として併記
家庭用エアコン(ルームエアコン)
国内出荷台数(2024年度)
約941万台
金額でみた市場規模
集計範囲・特徴
住宅の冷暖房。猛暑年に増加し、買い替えが中心(日冷工・台数)
業務用エアコン
国内出荷台数(2024年度)
約85万台
金額でみた市場規模
集計範囲・特徴
非住宅の冷暖房。店舗用・ビル用マルチ・設備用に分かれる(日冷工・台数)
エコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯機)
国内出荷台数(2024年度)
約66万台
金額でみた市場規模
集計範囲・特徴
住宅の給湯。給湯の脱炭素で普及が進む(日冷工・台数)
業務用空調設備(金額でみた市場規模)
台数の業務用エアコンより対象範囲が広い
国内出荷台数(2024年度)
金額でみた市場規模
4,997億円(2024年度予測)
集計範囲・特徴
チラーや吸収冷温水機などのセントラル空調も含む。矢野経済研究所の出荷金額ベースの予測値(別の指標)

空調の市場規模はなぜ台数で捉えるのか

一次統計が台数ベース

空調機器の規模を測る基本の指標は、国内出荷台数です。業界団体である日本冷凍空調工業会が、家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュートなどの品目別に、国内向けの出荷台数を集計・公表しています。この統計は台数ベースで、金額(円)は含みません。そのため、空調市場の規模はまず台数で捉え、家庭用約941万台・業務用約85万台(2024年度)のように、品目ごとに見るのが基本となります。

家庭用は気温で振れる

家庭用エアコンの出荷は、その年の気温に左右されます。猛暑となった年には冷房需要が高まり、出荷台数が増える傾向があります。2020年度に約1,010万台まで増えた後、900万台前後で上下してきました。加えて、10年前後で更新される買い替え需要や、省エネ性能の高い機種への置き換えが、下支えとなっています。生活必需品のため大きくは落ち込みにくい一方、猛暑の有無で年ごとの振れが出るのが特徴です。

業務用は台数と金額で見え方が異なる

業務用については、台数のほかに、出荷金額でみた市場規模の推計もあります。矢野経済研究所は、非住宅建築物向けの業務用空調設備の市場規模を、2023年度の実績で4,831億円、2024年度の予測で4,997億円、2030年度の予測で5,668億円と見込んでいます。ただし、この金額が対象とする「業務用空調設備」は、業務用エアコン(パッケージエアコン等)に加えて、チラーや吸収冷温水機などのセントラル空調(建物全体をまとめて冷暖房する中央方式で、大型ビル等で使われる)も含みます。台数でみる業務用エアコン(約85万台)より対象範囲が広く、両者は集計の範囲が異なります。「約85万台」と「4,997億円」を単純に結びつけることはできず、それぞれの指標として読み解く必要があります。

主要論点

空調市場の規模を「台数」で見るのは、どのような意味を持つか?

空調市場の規模は、まず国内出荷台数で捉えます。これは、業界団体の統計が台数ベースで整備されているためです。家庭用エアコンは約941万台、業務用エアコンは約85万台、エコキュートは約66万台(いずれも2024年度)というように、品目ごとに台数で見ます。

台数で見ることには、機種ごとの需要動向を捉えやすいという利点があります。一方で、家庭用・業務用・給湯は用途も単価も異なる別の品目であり、台数を単純に足し合わせて「空調市場全体で何台」とすることには意味が乏しくなります。それぞれの台数を分けて見ることが、市場の実態を正しく捉えることにつながります。

金額でみた市場規模の推計もありますが、これは業務用空調設備など特定の範囲に限られ、台数とは別の指標です。台数と金額のどちらを見ているのかを意識することが、空調市場を理解する出発点となります。

家庭用エアコンの出荷を動かすのは何か?

家庭用エアコンの国内出荷は、年間900万台前後で推移しています。この振れをつくる最大の要因が、その年の気温です。猛暑となった年には冷房需要が高まり、出荷が増える傾向があります。2020年度には約1,010万台まで増加し、この期間のピークとなりました。

気温に加えて、買い替え(更新)需要と省エネ機種への置き換えが、需要を下支えします。エアコンは10年前後で更新される生活必需品のため、一定の買い替え需要が継続し、大きくは落ち込みにくい構造です。一方で、住宅の新築動向や製品価格の上昇は、需要の重しとなることがあります。

今後を見るうえでは、夏の気温の傾向、省エネ・脱炭素に向けた高効率機種への置き換え、電気料金や住宅市場の動向が観察軸となります。気温という外部要因に左右される点が、家庭用エアコン市場の特徴です。

業務用を台数で見るのと金額で見るのは、何が違うのか?

業務用空調には、見るための指標が複数あります。一つは台数で、日本冷凍空調工業会の国内需要統計では、業務用エアコンの国内出荷は2024年度に約85万台、店舗用・ビル用マルチ・設備用に分かれます。これはメーカーが出荷した機器の数量です。

もう一つは金額で、矢野経済研究所は非住宅建築物向けの業務用空調設備の市場規模を、2024年度に4,997億円(予測値)と見込んでいます。ここで注意が必要なのは、金額が対象とする「業務用空調設備」が、業務用エアコンに加えてチラーや吸収冷温水機などのセントラル空調も含む、より広い範囲だという点です。

つまり、台数の「業務用エアコン(約85万台)」と金額の「業務用空調設備(4,997億円)」は、対象とする範囲が異なります。両者を単純に結びつけることはできず、台数は機種の数量、金額はより広い設備の市場規模、と分けて理解することが大切です。

中期見通し

近未来1-2年

家庭用エアコンは、夏の気温が需要を大きく左右します。猛暑が続けば冷房需要が下支えし、900万台規模を保つ見通しです。日本冷凍空調工業会は、2025年度・2026年度も家庭用・業務用エアコンを中心に、前年並みから微増程度の需要を見込んでいます(見込み・見通しの予測値)。製品価格の上昇を受けた需要の選別や、省エネ機種への置き換えが、当面の変動要因となります。

中期3-5年

中期では、省エネ・脱炭素への対応が需要の中身を変えていきます。建築物の省エネ基準の強化や、暖房・給湯の電化(ヒートポンプ化)が進み、高効率機種やエコキュートへの置き換えが進む見通しです。業務用では、建設投資や設備更新の動向が市場を左右します。金額でみた業務用空調設備市場は、矢野経済研究所が2030年度に5,668億円(予測値)と見込んでいます。

長期5-10年

長期では、人口減少のもとで住宅着工が緩やかに減る一方、買い替え需要脱炭素対応が市場を支える構造が続くと見られます。冷媒規制への対応(低GWP冷媒への移行)や、ヒートポンプによる暖房・給湯の電化が、製品と市場の方向を決めます。台数の規模自体は大きくは変わらなくても、省エネ・脱炭素に向けた機種構成の変化が、市場の中身を変えていく見通しです。

よくある質問

日本の空調市場の規模はどれくらいですか?
空調市場の規模は台数で捉えるのが基本です。日本冷凍空調工業会の国内需要統計によると、2024年度の国内出荷は家庭用エアコンが約941万台、業務用エアコンが約85万台、エコキュートが約66万台でした。金額でみると、業務用空調設備の市場規模は2024年度に4,997億円と予測されています(矢野経済研究所、出荷金額ベースの予測値)。台数と金額は別の指標です。
家庭用エアコンは年間どれくらい出荷されていますか?
家庭用エアコン(ルームエアコン)の国内出荷は、2024年度で約941万台でした。年間900万台前後で推移し、2020年度には約1,010万台まで増えました。猛暑となった年に冷房需要が伸びる傾向があり、買い替え(更新)需要や省エネ機種への置き換えも需要を支えています。
業務用エアコンにはどんな種類がありますか?
業務用エアコンは、店舗用・ビル用マルチ・設備用の3区分に分かれ、その合計が業務用エアコンの台数となります。2024年度は約85万台で、店舗用が約64万台と最も多く、ビル用マルチが約16万台、設備用が約5万台です。需要先は事務所・店舗・工場・倉庫・学校・病院などの非住宅建築物です。
業務用空調の市場規模が「台数」と「金額」で違うのはなぜですか?
台数と金額では、対象とする範囲が異なるためです。台数の「業務用エアコン(約85万台)」はパッケージエアコン等を指します。一方、金額でみる矢野経済研究所の「業務用空調設備(4,997億円、2024年度予測)」は、業務用エアコンに加えてチラーや吸収冷温水機などのセントラル空調も含む、より広い範囲です。両者は集計の範囲が異なるため、単純に結びつけることはできません。
空調の市場規模データの出典は何ですか?
台数は、日本冷凍空調工業会(日冷工)の冷凍空調機器の国内需要統計が出典です。会員社の国内出荷台数を品目別に集計しています。金額(業務用空調設備)は、矢野経済研究所の業務用空調設備市場に関する調査で、出荷金額ベースの推計(予測値を含む)です。本ページの台数は2017年度から2024年度までの実績に基づいています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本冷凍空調工業会(JRAIA) 冷凍空調機器の国内需要統計
  2. 2.
    矢野経済研究所 業務用空調設備市場の現状と将来展望(2024年版)
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