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家庭用ルームエアコンの出荷動向|猛暑と買い替えが動かす台数の推移【2026年版】

家庭用エアコン(ルームエアコン)の国内出荷は、2024年度に約941万台でした(日本冷凍空調工業会)。年間900万台規模で推移し、猛暑となった年に冷房需要が伸びる傾向があります。すでに二人以上の世帯の普及率は約92.2%と飽和に近く、1世帯あたり約2.8台を保有しています(内閣府 消費動向調査、2026年3月末)。それでも出荷が900万台規模を保つのは、複数の部屋への設置(多室化)と、平均約13.4年での買い替えがあるためです。出荷台数の推移と、普及・保有の実態を整理します。

国内出荷台数(2024年度)
941万台7.3% YoY
前年比7.3%増。猛暑年に伸びる傾向(日冷工)
出典: 日本冷凍空調工業会 国内需要統計
この期間のピーク(2020年度)
1,010万台
2017-2024年度で最も多かった年度。猛暑と巣ごもり需要
出典: 日本冷凍空調工業会 国内需要統計
直近の底(2023年度)
878万台
2017-2024年度で最も少なかった年度。翌2024年度に持ち直し
出典: 日本冷凍空調工業会 国内需要統計

家庭用エアコンの国内出荷台数の推移(2017-2024年度、万台)

年間900万台規模で推移し、猛暑や買い替えで年ごとに増減。2020年度の約1,010万台がこの期間のピーク
単位: 万台
03757501,1251,5009051798118957191,0102092921915228782394124
出典: 日本冷凍空調工業会 冷凍空調機器の国内需要統計(年度、家庭用エアコン 国内出荷台数)
年度20172018201920202021202220232024
家庭用エアコン 国内出荷台数万台905.46981.46957.301009.70929.18914.57877.53941.42
前年比+8.4%-2.5%+5.5%-8.0%-1.6%-4.0%+7.3%
読み解き

家庭用エアコン(ルームエアコン)の国内出荷は、年間900万台前後で推移しています。2017年度の約905万台から、2020年度には約1,010万台まで増加し、この期間のピークとなりました。2020年度は猛暑に加え、在宅時間の増加(巣ごもり需要)が重なった年です。その後は900万台前後で上下し、2023年度は約878万台まで下がった後、2024年度は前年比7.3%増の約941万台へ持ち直しました。

家庭用エアコンの需要は、猛暑による冷房需要が最大の変動要因です。気温が高い年には冷房需要が伸び、出荷が増える傾向があります。加えて、10年前後で更新される買い替え(更新)需要と、省エネ機種への置き換えが下支えとなります。一方、住宅の新築動向や製品価格の上昇は、需要の重しとなることがあります。生活必需品として一定の買い替え需要があるため大きくは落ち込みにくい一方、猛暑の有無で年ごとの振れが生じます。

家庭用エアコンの普及・保有の実態(2026年3月末、二人以上の世帯)

出荷台数(フロー・年度)とは別の、世帯の普及・保有(ストック)の指標。内閣府 消費動向調査
普及率
数値(2026年3月末)
92.2%
意味・読み解き
ほぼ全ての世帯が保有する飽和に近い状態。携帯電話・テレビと並ぶ高い普及率
100世帯当たり保有数量
数値(2026年3月末)
284.5台
意味・読み解き
1世帯あたり約2.8台。複数の部屋に設置する多室化が進む(平均2台以上はルームエアコンと携帯電話のみ)
買い替えの平均使用年数
数値(2026年3月末)
13.4年
意味・読み解き
主要耐久消費財で最も長い使用年数。買い替え理由は「故障」が最多(66.6%)
読み解き

出荷台数(その年に売れた数=フロー)とは別に、世帯にどれだけ行き渡っているか(保有=ストック)を示す指標があります。内閣府の消費動向調査によると、二人以上の世帯における家庭用エアコンの普及率は約92.2%(2026年3月末)で、携帯電話やテレビと並ぶ高い水準です。100世帯当たりの保有数量は約284.5台で、1世帯あたり約2.8台を保有している計算になります。平均して1世帯が2台以上を保有しているのは、主要耐久消費財の中でルームエアコンと携帯電話だけです。

すでにほぼ全世帯に行き渡っているにもかかわらず、毎年900万台規模の出荷が続くのは、この「1世帯あたり複数台」という多室化と、買い替えがあるためです。エアコンの買い替えの平均使用年数は約13.4年と主要耐久消費財の中で最も長く、買い替えの理由は「故障」が最も多くなっています(66.6%)。つまり、寝室・居間・子ども部屋など複数の部屋への設置と、10年強で入れ替わる更新需要が、飽和後の出荷を支える構造です。なお、これらの普及・保有は各年3月末時点・二人以上の世帯の調査で、年度ベースの出荷台数とは集計の単位が異なります。

家庭用エアコンの出荷を動かす要因

猛暑と冷房需要

家庭用エアコンの出荷を最も大きく動かすのが、その年の気温です。猛暑となった年には冷房需要が高まり、買い替えや買い増しが進んで出荷が増える傾向があります。逆に、冷夏の年には需要が伸び悩みます。2020年度に約1,010万台まで増えたのも、猛暑に在宅時間の増加が重なったことが背景にあります。エアコンは気温という外部要因に左右されるため、年ごとに出荷が振れるのが特徴です。

買い替え・更新需要

家庭用エアコンは、すでに普及率が約92.2%と飽和に近いため、需要の柱は新規購入よりも買い替え(更新)に移っています。内閣府の調査では、エアコンの買い替えの平均使用年数は約13.4年で、買い替え理由は「故障」が最も多くなっています。10年強で入れ替わる更新需要が、毎年の出荷を安定的に下支えします。生活必需品として使われ続けるため、景気が悪くても大きくは落ち込みにくい需要です。

多室化と省エネ・電化

1世帯あたりの保有台数が約2.8台まで増えているように、寝室・居間・子ども部屋など複数の部屋にエアコンを設置する多室化が、出荷を支えるもう一つの要因です。加えて、省エネ性能の高い機種への置き換えや、暖房も含めた電化(ヒートポンプの活用)が需要の中身を変えています。電気料金の水準や住宅の断熱性能なども、機種選びや買い替えのタイミングに影響します。

主要論点

家庭用エアコンの出荷はなぜ猛暑で伸びるのか?

家庭用エアコンの国内出荷は、年間900万台前後で推移していますが、その振れをつくる最大の要因が、その年の気温です。猛暑となった年には冷房需要が高まり、故障した機器の買い替えや、部屋への買い増しが進んで、出荷が増える傾向があります。

2020年度に約1,010万台まで増加し、この期間のピークとなったのも、猛暑に在宅時間の増加(巣ごもり需要)が重なったことが背景にあります。逆に、2023年度は約878万台まで下がりましたが、2024年度は前年比7.3%増の約941万台へ持ち直しました。

エアコンは気温という外部要因に左右されるため、年ごとに出荷が振れます。もっとも、生活必需品として一定の買い替え需要があるため、冷夏の年でも大きくは落ち込みにくく、900万台前後のレンジで上下するのが基本的な姿です。

ほぼ全世帯に普及したのに、なぜ毎年900万台も出荷が続くのか?

家庭用エアコンは、二人以上の世帯の普及率が約92.2%(2026年3月末、内閣府 消費動向調査)とすでに飽和に近い水準です。それにもかかわらず毎年900万台規模の出荷が続くのは、主に2つの理由があります。

1つは多室化です。100世帯当たりの保有数量は約284.5台で、1世帯あたり約2.8台を保有しています。寝室・居間・子ども部屋など、複数の部屋にエアコンを設置する世帯が増えており、1軒あたりの台数が積み上がっています。

もう1つは買い替え(更新)です。エアコンの買い替えの平均使用年数は約13.4年で、買い替え理由は「故障」が最多です。ほぼ全世帯に行き渡ったあとは、新規購入よりも、故障や老朽化に伴う入れ替えが需要の柱になります。飽和後も、多室化と10年強の更新サイクルが、出荷を安定的に支えているのです。

家庭用エアコンの需要は今後どう変わるのか?

家庭用エアコンの需要は、猛暑による変動を伴いながら、買い替えと多室化に支えられる構造が続くと見られます。普及率がすでに約92.2%と飽和に近いため、市場の柱は新規購入から更新へと移っています。

今後の観察軸となるのは、まず夏の気温の傾向です。猛暑が続けば冷房需要が下支えします。次に、省エネ・脱炭素に向けた高効率機種への置き換えです。暖房も含めた電化(ヒートポンプの活用)が進めば、機種の構成が変わります。さらに、電気料金の水準や住宅市場の動向、住宅の断熱性能なども、買い替えのタイミングや機種選びに影響します。

人口減少のもとで世帯数の増加が頭打ちになれば、新規の設置需要は緩やかに減る可能性があります。ただし、多室化の余地と、約13.4年での買い替え需要が続くため、出荷は当面900万台規模を保つと見られます。台数の規模自体は大きく変わらなくても、省エネ・電化に向けた機種構成の変化が、市場の中身を変えていく見通しです。

中期見通し

近未来1-2年

家庭用エアコンの出荷は、夏の気温が大きく左右します。猛暑が続けば冷房需要が下支えし、900万台規模を保つ見通しです。日本冷凍空調工業会は、2025年度・2026年度も家庭用エアコンを中心に、前年並みから微増程度の需要を見込んでいます(見込み・見通しの予測値)。製品価格の上昇を受けた需要の選別や、省エネ機種への置き換えが、当面の変動要因です。

中期3-5年

中期では、買い替え(更新)と多室化が需要の柱として続きます。普及率が約92.2%と飽和に近いなか、約13.4年の使用サイクルでの入れ替えと、複数の部屋への設置が出荷を支えます。あわせて、省エネ基準の強化や暖房の電化(ヒートポンプ化)を背景に、高効率機種への置き換えが進む見通しです。

長期5-10年

長期では、人口減少のもとで世帯数の増加が頭打ちになり、新規の設置需要は緩やかに減る可能性があります。一方で、買い替え需要と多室化の余地が市場を支える構造は続くと見られます。夏の気温の傾向、省エネ・脱炭素に向けた高効率機種・低GWP冷媒への移行が、市場の中身を変えていく見通しです。

よくある質問

家庭用エアコンは年間どれくらい出荷されていますか?
家庭用エアコン(ルームエアコン)の国内出荷は、2024年度で約941万台でした(日本冷凍空調工業会)。年間900万台前後で推移し、2020年度には約1,010万台まで増えました。猛暑となった年に冷房需要が伸びる傾向があり、買い替え(更新)需要や省エネ機種への置き換えも需要を支えています。
家庭用エアコンの普及率はどれくらいですか?
内閣府の消費動向調査によると、二人以上の世帯における家庭用エアコンの普及率は約92.2%です(2026年3月末)。携帯電話やテレビと並ぶ高い水準で、ほぼ全ての世帯が保有する飽和に近い状態です。100世帯当たりの保有数量は約284.5台で、1世帯あたり約2.8台を保有している計算になります。
ほぼ全世帯に普及しているのに、なぜ毎年たくさん出荷されるのですか?
普及率が約92.2%と飽和に近くても、毎年900万台規模の出荷が続くのは、多室化と買い替えがあるためです。1世帯あたり約2.8台を保有しており、複数の部屋への設置が進んでいます。また、エアコンの買い替えの平均使用年数は約13.4年で、買い替え理由は「故障」が最も多くなっています。飽和後は、新規購入よりも多室化と更新が需要の柱になります。
家庭用エアコンの出荷台数の統計はどこが出していますか?
国内出荷台数は、日本冷凍空調工業会(日冷工)の冷凍空調機器の国内需要統計が出典です。会員社の国内出荷台数を集計しており、家庭用エアコンは2024年度で約941万台でした。日本電機工業会(JEMA)も家庭用エアコン(ルームエアコン)の国内出荷を約941万台(2024年度)と公表していますが、これは日冷工の統計をベースに策定されたもので、同じ水準です。普及・保有については、内閣府の消費動向調査が別途調査しています。
家庭用エアコンの買い替えの目安は何年ですか?
内閣府の消費動向調査によると、家庭用エアコンを買い替えた世帯の平均使用年数は約13.4年で、主要耐久消費財の中で最も長い部類です。買い替えの理由は「故障」が最も多くなっています(約66.6%)。10年強で入れ替わる更新需要が、毎年の出荷を安定的に支えています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本冷凍空調工業会(JRAIA) 冷凍空調機器の国内需要統計
  2. 2.
    内閣府 経済社会総合研究所 消費動向調査(令和8年3月実施)
  3. 3.
    日本電機工業会(JEMA) 民生用電気機器 国内出荷統計
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