最終更新
STAT DETAIL · MARKET SIZE

リチウムイオン電池の市場規模|国内販売金額の推移と車載用の伸び【2026年版】

国内のリチウムイオン電池(リチウムイオン蓄電池、LIB)の販売金額は、2023年に約9,000億円(車載用7,795億円+その他1,201億円)でピークを付け、2024年は約8,700億円にやや調整しました。販売金額の大半は車載用で、その比率は2023年に約87%、2024年に約81%と、おおむね8〜9割で推移しています。車載用は2012年から2023年にかけて約6倍に伸びました。一方で販売数量(個)は車載用が2022年にピークを付けており、金額とは山がずれています。販売金額と数量の推移、両者の乖離、需要構造を順に整理します。

車載用の販売金額(2023年)
7,795億円
国内リチウムイオン蓄電池の販売金額の中心、2012年比で約6倍のピーク
出典: 経済産業省 生産動態統計 / 電池工業会
車載用の販売金額(2024年)
7,012億円
前年比 約10%減、EV需要の一服でやや調整
出典: 経済産業省 生産動態統計 / 電池工業会
その他の販売金額(2024年)
1,684億円
民生・定置用など非車載。2024年に回復
出典: 経済産業省 生産動態統計 / 電池工業会
車載用の販売数量(2022年)
898百万個
販売数量(個)のピーク。金額ピークの2023年と1年ずれる
出典: 経済産業省 生産動態統計 / 電池工業会

国内リチウムイオン蓄電池の販売金額の推移(1995-2024年、億円)

車載用とその他(民生・定置用等)の積み上げ。2023年に約9,000億円でピーク、2024年は約8,700億円
単位: 億円
車載用その他(民生・定置用等)
02,5005,0007,50010,00037595969798992,95600010203042,89105060708092,95710111213143,60615161718194,447202122238,69624
出典: 経済産業省 生産動態統計 機械統計 / 電池工業会 二次電池販売金額長期推移
199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
車載用億円000000000000000001,2861,2262,0092,0232,3172,6793,2142,8243,1374,2515,4347,7957,012
その他(民生・定置用等)億円3751,3792,0552,4282,6292,9562,4822,5093,0552,9372,8913,0423,3343,9042,8082,9572,5051,8881,5671,4871,5831,5351,5441,4071,2731,3101,4401,3481,2011,684
合計(億円3751,3792,0552,4282,6292,9562,4822,5093,0552,9372,8913,0423,3343,9042,8082,9572,5053,1742,7933,4963,6063,8524,2234,6214,0974,4475,6916,7828,9968,696
前年比+267.7%+49.0%+18.2%+8.3%+12.4%-16.0%+1.1%+21.8%-3.9%-1.6%+5.2%+9.6%+17.1%-28.1%+5.3%-15.3%+26.7%-12.0%+25.2%+3.1%+6.8%+9.6%+9.4%-11.3%+8.5%+28.0%+19.2%+32.6%-3.3%
読み解き

国内のリチウムイオン蓄電池の販売金額は、1990年代半ばの数百億円規模から2023年の約9,000億円へと大きく拡大しました。1990年代から2000年代にかけては、携帯電話やノートパソコン向けの民生用(グラフの「その他」)が中心でした。

2012年に生産動態統計で「車載用」の区分が新設され(それ以前は車載用の区分がなく、リチウムイオン蓄電池はすべて「その他」に含まれます)、以降はEV市場の拡大とともに車載用が急拡大しました。車載用は2012年の約1,286億円から2023年の7,795億円へと約6倍に伸び、2023年には全体で約9,000億円のピークに達しました。

2024年は車載用が7,012億円へと前年比約10%減り、全体でも約8,700億円にやや調整しました。一方で民生・定置用などの「その他」は2024年に1,684億円へ回復しています。

このグラフに関連するトピック

国内リチウムイオン蓄電池の販売数量の推移(1995-2024年、百万個)

車載用とその他の積み上げ。数量は民生用が多い一方、金額は車載用が中心
単位: 百万個
車載用その他(民生・定置用等)
03757501,1251,500309596979899480000102030492705060708091,31810111213141,03215161718199122021222384424
出典: 経済産業省 生産動態統計 機械統計 / 電池工業会 二次電池販売数量長期推移
199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
車載用百万個0000000000000000074192380449623763839607544894898858575
その他(民生・定置用等)百万個301141892623744804575717818289271,0731,1371,2561,0831,3181,218896653576583654557493412368378293212269
合計(百万個301141892623744804575717818289271,0731,1371,2561,0831,3181,2189708459561,0321,2771,3201,3321,0199121,2721,1911,070844
前年比+280.0%+65.8%+38.6%+42.7%+28.3%-4.8%+24.9%+36.8%+6.0%+12.0%+15.7%+6.0%+10.5%-13.8%+21.7%-7.6%-20.4%-12.9%+13.1%+7.9%+23.7%+3.4%+0.9%-23.5%-10.5%+39.5%-6.4%-10.2%-21.1%
読み解き

販売数量(個)でみると、金額とは異なる姿が浮かびます。1990年代から2000年代にかけては、携帯電話やノートパソコン向けの小型セルが大量に出荷され、民生用を含む「その他」の数量は2008〜2010年ごろに約1,318百万個(2010年)の規模でした。

2012年以降は車載用が数量でも増えますが、車載用のセルは1個あたりが大きいため、数量の伸びは金額ほど急ではありません。車載用の販売数量は2022年に約898百万個でピークを付け、2024年には約575百万個へと3割超減りました。

金額のピーク(2023年)と数量のピーク(2022年)がずれているのは、1個あたりの容量が大きく単価の高いセルへと製品構成が移っているためです。市場の規模感は数量ではなく金額で捉えるのが適切です。

主要年の車載用 販売金額と販売数量

販売金額は2023年、販売数量(個)は2022年にピーク。金額と数量の山がずれる
2018年
販売金額
3,214億円
販売数量
839百万個
2021年
販売金額
4,251億円
販売数量
894百万個
2022年(数量ピーク)
販売金額
5,434億円
販売数量
898百万個
2023年(金額ピーク)
販売金額
7,795億円
販売数量
858百万個
2024年
販売金額
7,012億円
販売数量
575百万個
読み解き

車載用の販売金額と販売数量を主要年で並べると、両者のピークがずれていることが分かります。販売数量(個)は2022年の約898百万個がピークで、翌2023年は数量が減ったにもかかわらず販売金額は7,795億円と最高になりました。

これは、1個あたりの販売金額(金額÷数量)が上昇しているためです。試みに2018年を100とすると、2024年は約318の水準まで上がっており、大容量で単価の高いセルへと製品構成が移っていることを示します。ここでの「個」はセルとパックなどを区別しない数量のため、1個あたりの金額は製品構成の変化を映す相対的な目安であり、電池の単価そのものではない点に留意が必要です。

2024年は数量が前年比で3割超減った一方、金額の減少は約1割にとどまりました。市場の規模感は、数量よりも金額で捉えるのが適切です。

主要論点

国内市場はどこまで拡大し、2024年の調整をどう見るべきか?

国内のリチウムイオン蓄電池の販売金額は、2020年の約4,400億円から2023年の約9,000億円へと、わずか3年で約2倍に急拡大しました。けん引したのは車載用で、EV・ハイブリッド車向けの需要が世界的に高まった時期にあたります。

ただし2024年は車載用が7,012億円へと前年比約10%減り、全体でも約8,700億円に調整しました。これは市場の縮小というより、世界的なEV需要の伸びが一服したことによる踊り場と見るのが妥当です。民生・定置用などの「その他」は2024年に1,684億円へ回復しており、車載一辺倒だった需要に広がりが出始めています。

国内市場の先行きは、EVの普及ペースと、定置用など新たな用途の立ち上がりに左右されます。急拡大の局面はいったん落ち着いたものの、脱炭素に向けた電池需要の基調は続いており、車載用の再加速と用途の多様化がどこまで進むかが焦点です。

販売金額と販売数量(個)がなぜ食い違うのか?

リチウムイオン蓄電池の国内市場では、販売金額が2023年にピークを付けた一方、車載用の販売数量(個)は2022年にピークを付けており、両者の山が1年ずれています。2024年は車載用の数量が前年比で3割超減ったのに対し、金額の減少は約1割にとどまりました。

この食い違いは、1個(1セル)あたりの容量や単価が上がっていることで説明できます。試みに1個あたりの販売金額(金額÷数量)を2018年を100として指数化すると、2024年は約318まで上昇しており、より大容量で単価の高いセルへと製品構成が移ったことがうかがえます。同じ「1個」でも中身が違えば金額は変わるため、個数の増減だけでは市場の実態を捉えきれません。

したがって、市場規模を語るときは金額で捉えるのが基本です。販売数量(個)は需要の「数」を示す補助的な指標として、金額とあわせて見るのが妥当です。なお、ここでの「個」はセルとパックなどを区別しない集計のため、1個あたりの金額はあくまで製品構成の変化を映す相対的な目安である点に注意が必要です。

国内のリチウムイオン電池の需要は何が動かすのか?

国内市場の需要は、大きく3つの用途で動いています。第1は車載用で、EV・ハイブリッド車の生産・販売に連動し、販売金額の8〜9割を占める最大の柱です。世界的なEV市場の動向が、そのまま国内の車載用電池の需要に影響します。

第2は民生用で、スマートフォンやノートパソコン、電動工具などに使われます。かつては市場の中心でしたが、市場が成熟し、数量では今も大きいものの金額面での存在感は車載用に譲っています。第3は定置用で、家庭用や電力系統につなぐ系統用の蓄電システムに使われ、脱炭素と再生可能エネルギーの拡大を背景に新たな需要として立ち上がりつつあります。

これらの用途は、求められる容量・出力・安全性・コストが異なり、使われる電池の種類(化学)も違います。車載偏重だった需要が民生・定置へと広がるかどうかが、国内市場の次の成長を左右します。用途別の詳しい構造は関連ページで整理します。

中期見通し

近未来1-2年

車載用は2024年の調整を経て、EV需要の回復ペース次第で再加速するか踊り場が続くかの分かれ目にあります。世界的なEVの伸びが一服するなか、国内向けの車載用電池の販売金額は当面、大きな伸びよりも底堅い横ばいが見込まれます。民生・定置用の「その他」の回復が全体を下支えします。

中期3-5年

中期では、車載用の需要の回復に加えて、定置用・系統用蓄電池の立ち上がりが国内市場の新たな押し上げ要因になります。脱炭素と再生可能エネルギーの拡大を背景に、家庭用・系統用の蓄電システムの導入が進み、車載一辺倒だった需要構造に広がりが出る見通しです。

長期5-10年

長期では、EVの普及と電力系統の脱炭素化がどこまで進むかが、国内のリチウムイオン電池需要の基調を決めます。あわせて、国内での製造基盤の確保や次世代電池の実用化が、需要の量だけでなく国内で付加価値を取り込めるかを左右します。市場規模を読む際は、金額と数量(個)を区別して捉えることが前提となります。

よくある質問

リチウムイオン電池の国内市場規模はどれくらいですか?
経済産業省の生産動態統計によると、国内のリチウムイオン蓄電池の販売金額は2023年に約9,000億円(車載用7,795億円+その他1,201億円)でピークを付け、2024年は約8,700億円でした。販売金額の8〜9割を車載用が占めます。なお世界全体の市場規模はこれより大きく、集計範囲が異なります。
2024年に市場は縮小したのですか?
2024年は車載用の販売金額が7,012億円と前年比で約10%減り、全体でも約8,700億円にやや調整しました。ただしこれは市場の縮小というより、世界的なEV需要の伸びが一服したことによる踊り場と見るのが妥当です。民生・定置用などの「その他」は2024年に1,684億円へ回復しています。
販売金額と販売数量(個)はどちらで市場規模を見ればよいですか?
市場規模は販売金額で捉えるのが基本です。車載用は販売金額が2023年、販売数量(個)は2022年にピークを付けており、山がずれています。これは1個あたりの容量が大きく単価の高いセルへと製品が変化しているためで、数量だけでは市場の実態を捉えきれません。販売数量(個)は需要の「数」を示す補助的な指標として、金額とあわせて見るのが妥当です。
車載用は市場のどれくらいを占めますか?
販売金額でみると、車載用が国内リチウムイオン蓄電池の大半を占めます。その比率は2023年で約87%、2024年で約81%と、おおむね8〜9割で推移しています。EV・ハイブリッド車向けの需要が最大の柱で、2012年から2023年にかけて車載用は約6倍に伸びました。残りは民生用(スマートフォン・電動工具など)や定置用が中心です。
市場規模データの出典は何ですか?
本ページの販売金額・販売数量は、経済産業省の生産動態統計 機械統計(リチウムイオン蓄電池、車載用/その他)が出典で、電池工業会(BAJ)が二次電池販売金額/数量の長期推移として公表しています。暦年ベースで、車載用の区分は2012年に新設されました(それ以前は区分なし)。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省 生産動態統計 機械統計(電池)
  2. 2.
    一般社団法人 電池工業会(BAJ) 二次電池販売金額/数量長期推移
📄 資料DL💬 無料相談