なぜ日本勢は車載セルで世界シェアを落としたのか?
リチウムイオン電池は日本企業が実用化を先導し、2010年代前半には日本勢が車載用セルでも世界の上位を占めていました。しかし2024年の搭載量シェアでは、CATL(36.8%)を筆頭に中国・韓国勢が大半を握り、日本のパナソニックは4.1%で6位にとどまります。
背景には3つの要素があります。第1は投資規模と量産能力の差で、中韓勢は政府支援も得て大規模な工場新設を続け、量産によるコスト低減で先行しました。第2はEV市場の地域構造で、世界のEV販売は中国が最大の市場となり、現地のセルメーカーが需要を取り込みました。第3はリン酸鉄(LFP)系の台頭で、コストと安全性に優れるLFPを中国勢が主導しました。
日本勢はこうしたなかで、量産規模での正面競争よりも、高品質・安全性・特定用途での差別化に軸足を移しています。撤退や縮小もありましたが、部材や特定領域では引き続き存在感を保っています。