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STAT DETAIL · GLOBAL COMPETITION

リチウムイオン電池の世界シェア|車載セルの中韓寡占と日本勢の位置【2026年版】

世界の車載用電池セルの製造は、中国と韓国の企業が大半を握る寡占構造です。SNE Researchの公表値(2024年、搭載量ベース)では、中国のCATLが36.8%で首位、BYDが約17%、韓国のLGエナジーソリューションが約12%と続き、上位を中韓勢が固めます。日本のパナソニックは4.1%で6位です。かつて車載セルで世界上位にあった日本勢は、中韓の大規模投資を背景に相対的な位置づけを下げ、いまは高品質・安全性や特定用途での差別化に軸足を移しています。

CATL(中国)の世界シェア
36.8%
世界首位(2024年、搭載量ベース)
出典: SNE Research公表値(報道経由)
BYD(中国)の世界シェア
約17%
世界2位、CATLと合わせ中国勢で約半分
出典: SNE Research公表値(報道経由)
LGエナジー(韓国)の世界シェア
約12%
世界3位、韓国勢の筆頭
出典: SNE Research公表値(報道経由)
パナソニック(日本)の世界シェア
4.1%
世界6位、日本勢の首位
出典: SNE Research公表値(報道経由)

世界の車載用電池セルの搭載量シェア(2024年、%)

中国のCATL(36.8%)が首位、上位を中韓勢が固める。日本のパナソニックは4.1%で6位
単位: %上位 7
0.010.020.030.040.036.8CATL17.0BYD12.0LGエナジー4.8CALB4.5SK On4.1パナソニック3.8サムスンSDI
出典: SNE Research系の公表値(2024年、車載用電池の搭載量ベース、報道経由)
カテゴリCATLBYDLGエナジーCALBSK OnパナソニックサムスンSDI
世界シェア%36.8017124.804.504.103.80
読み解き

世界の車載用電池セルの搭載量シェアは、中国のCATLが36.8%で首位、BYDが約17%と、中国の2社で世界のおよそ半分を占めます。3位は韓国のLGエナジーソリューション(約12%)で、CALB(4.8%)、SK On(4.5%)、サムスンSDI(3.8%)と、上位は中国・韓国の企業が固めています。

日本のパナソニックは4.1%で6位にとどまり、上位7社のうち日本勢はパナソニック1社のみです。中国と韓国の企業を合わせた合計は約79%に達し、その他の企業が約17.0%を占めます。なお、このシェアは電池の搭載量(数量)ベースの公表値で、有償の調査レポートが一次情報のため、本ページでは報道が伝える公表値を出典を示して引用しています。国内のリチウムイオン蓄電池の販売金額(円建て)とは、集計の対象も単位も異なります。

このグラフに関連するトピック

世界の車載用電池セルメーカー シェア順位(2024年、搭載量ベース)

SNE Research系の公表値(報道経由)。上位7社と日本のパナソニック(6位)を強調。BYD・LGは報道が概数のため「約」表示
CATL(寧徳時代)
順位
1
中国
世界シェア
36.8%
BYD
順位
2
中国
世界シェア
約17%
LGエナジーソリューション
順位
3
韓国
世界シェア
約12%
CALB(中創新航)
順位
4
中国
世界シェア
4.8%
SK On
順位
5
韓国
世界シェア
4.5%
順位
6
日本
世界シェア
4.1%
サムスンSDI
順位
7
韓国
世界シェア
3.8%
読み解き

上位7社を国別に見ると、中国が3社(CATL・BYD・CALB)、韓国が3社(LGエナジー・SK On・サムスンSDI)、日本が1社(パナソニック)という構成です。中国と韓国の企業を合わせると合計で約79%を占め、車載用電池のセル製造が中韓勢に集中していることがわかります。

日本のパナソニックは4.1%で6位です。パナソニックは北米・テスラ向けの円筒形セルに強みを持ち、車載セルで一定の存在感を保っていますが、量産規模では中韓の上位勢に及びません。日本勢はこのほか、GSユアサ(車載・産業用)、村田製作所・TDK(民生小型)、東芝(SCiBによる特定用途)などが用途ごとに役割を担っており、各社の事業は主要企業のページで整理します。

世界の競争構造をどう読むか

なぜ中韓勢が世界のセル製造を握っているのか

世界の車載用電池セルの製造で中韓勢が寡占的な地位を築いた背景には、いくつかの要因があります。第1に、投資規模と量産能力の差です。中韓勢は政府の支援も受けながら大規模な工場新設を継続し、量産によるコスト低減で先行しました。第2に、EV市場の地域構造です。世界のEV販売は中国が最大の市場となり、CATL・BYDといった現地のセルメーカーが自国の需要を取り込みました。第3に、リン酸鉄(LFP)系の台頭です。コストと安全性に優れるLFPを中国勢が主導し、採用用途を広げています。これらが重なり、車載セルのシェアは中韓勢に集中しました。

日本勢はどこで役割を保っているか

日本勢は、量産規模での正面競争から、高品質・安全性や特定用途での差別化へと戦略の軸を移しています。パナソニックは北米・テスラ向けの円筒形セルで一定の地位を保ち、次世代の車載電池の開発も進めています。GSユアサは自動車メーカーとの合弁や産業用・鉛蓄電池で、村田製作所やTDKはスマートフォンなどの民生小型電池で強みを持ちます。東芝はSCiB(チタン酸リチウム)による安全性・長寿命・急速充電といった特色ある技術で、定置用や産業用の特定用途を押さえています。世界シェアの数字だけでは見えない、用途や技術ごとの棲み分けが日本勢の役割です。

世界シェア(数量)と国内市場規模(金額)は別物

本ページの世界シェアは、電池の搭載量(数量)ベースで各社の車載用電池を比べたもので、SNE Researchなどの調査会社が公表する値です。一方、国内市場のページで扱う販売金額は、経済産業省の生産動態統計に基づく国内で販売されたリチウムイオン蓄電池の金額(円建て)です。両者は集計の対象(世界の搭載量か、国内の販売金額か)も単位(数量か金額か)も異なるため、同じ会社の数字でも足し合わせたり置き換えたりはできません。世界での競争力を見るなら搭載量シェア、国内の産業規模を見るなら販売金額と、目的に応じて使い分けます。

主要論点

なぜ日本勢は車載セルで世界シェアを落としたのか?

リチウムイオン電池は日本企業が実用化を先導し、2010年代前半には日本勢が車載用セルでも世界の上位を占めていました。しかし2024年の搭載量シェアでは、CATL(36.8%)を筆頭に中国・韓国勢が大半を握り、日本のパナソニックは4.1%で6位にとどまります。

背景には3つの要素があります。第1は投資規模と量産能力の差で、中韓勢は政府支援も得て大規模な工場新設を続け、量産によるコスト低減で先行しました。第2はEV市場の地域構造で、世界のEV販売は中国が最大の市場となり、現地のセルメーカーが需要を取り込みました。第3はリン酸鉄(LFP)系の台頭で、コストと安全性に優れるLFPを中国勢が主導しました。

日本勢はこうしたなかで、量産規模での正面競争よりも、高品質・安全性・特定用途での差別化に軸足を移しています。撤退や縮小もありましたが、部材や特定領域では引き続き存在感を保っています。

中韓勢の寡占はこのまま続くのか?

車載用電池セルの製造は、中国と韓国の企業に集中する構造が続いています。2024年の搭載量シェアでは、中韓勢を合わせて約79%を占め、とくに中国のCATLとBYDの2社で世界のおよそ半分に達します。この集中は、大規模な量産投資とEV市場の中国集中を背景としており、短期間で大きく変わるものではありません。

ただし、変化の芽もあります。米国や欧州は経済安全保障の観点から、中国への電池供給網の依存を下げようとしており、韓国勢や日本勢、地場のメーカーによる現地生産を後押ししています。全固体電池など次世代技術で主導権を握れるかも、将来のシェアを左右します。

日本勢にとっては、量産規模で中韓勢に正面から挑むよりも、安全性・高品質・特定用途や次世代技術で独自の地位を築けるかが焦点です。世界のシェア争いは、コスト競争力と政策・経済安全保障、技術革新が絡み合う構図になっています。

世界シェアと国内市場規模は、どう使い分けるか?

リチウムイオン電池の競争を見るときは、二つの異なる見方があります。一つが本ページの世界の搭載量シェア(数量ベース)で、SNE Researchなどが公表する各社の車載用電池のシェアです。CATL36.8%・パナソニック4.1%という数字は、世界で販売されたEVに搭載された電池の量に基づきます。

もう一つが国内市場のページで扱う販売金額(円建て)で、経済産業省の生産動態統計に基づく国内のリチウムイオン蓄電池の金額です。これは日本国内の産業規模を示すもので、世界の搭載量シェアとは対象も単位も異なります。

両者は混ぜて使うことができません。世界での競争力・順位を知りたいなら搭載量シェア、日本の産業規模を知りたいなら国内の販売金額と、目的に応じて使い分けることが重要です。なお、世界の電池市場全体の規模(GWh)や今後の拡大予測は、政策・産業戦略のページで扱います。

中期見通し

近未来1-2年

世界の車載用電池セルは、CATL・BYDの中国勢と韓国勢が上位を占める構図が続きます。EV市場の伸びが一服するなかでも、中国勢は自国市場とLFP系を軸に高いシェアを保つ見通しです。日本のパナソニックは北米・テスラ向けを中心に、一定のシェアを維持できるかが焦点です。

中期3-5年

経済安全保障を背景とした供給網の再編が競争地図に影響します。米国・欧州が中国依存の低減を進め、韓国勢や日本勢、地場メーカーの現地生産が後押しされます。日本勢は、量産規模ではなく安全性・高品質・特定用途や部材での強みを、世界のなかでどう位置づけるかが問われます。

長期5-10年

全固体電池など次世代技術の主導権が、長期の世界シェアを左右します。液系のリチウムイオン電池で先行した中韓勢に対し、日本勢が次世代技術や特定用途で独自の地位を築けるかが焦点です。脱炭素に向けた電池需要の拡大のなかで、コスト・政策・技術革新が絡み合う競争が続きます。

よくある質問

リチウムイオン電池のセルは主にどこの国が作っていますか?
中国と韓国の企業が世界のセル製造で先行しています。SNE Researchの公表値(2024年、搭載量ベース)では、中国のCATLが36.8%で首位、BYDが約17%、韓国のLGエナジーソリューションが約12%と続き、上位を中韓勢が固めます。中韓勢を合わせると約79%に達します。
世界の車載用電池でトップの会社はどこですか?
中国のCATL(寧徳時代)です。SNE Researchの公表値(2024年、搭載量ベース)で世界シェア36.8%と首位で、2位は同じく中国のBYD(約17%)です。中国のこの2社だけで、世界のおよそ半分の搭載量を占めます。
日本のパナソニックは世界で何位ですか?
SNE Researchの公表値(2024年、搭載量ベース)では、パナソニックは世界シェア4.1%で6位です。上位7社のうち日本勢はパナソニック1社のみで、北米・テスラ向けの円筒形セルに強みを持ちます。日本勢はかつて車載セルで世界上位にありましたが、中韓の大規模投資を背景に相対的な位置づけを下げました。
なぜ日本勢は世界シェアを落としたのですか?
主な理由は3つです。第1に、中韓勢が政府支援も得て大規模な工場投資を続け、量産でコストを下げて先行したこと。第2に、世界のEV販売が中国に集中し、現地のセルメーカーが需要を取り込んだこと。第3に、コストと安全性に優れるリン酸鉄(LFP)系を中国勢が主導したことです。日本勢は量産規模での競争から、高品質・安全性・特定用途での差別化へ軸足を移しています。
世界シェアのデータの出典は何ですか?
本ページの世界シェアは、調査会社SNE Researchが公表する車載用電池の搭載量シェア(2024年)で、一次情報は有償の調査レポートのため、報道が伝える公表値を出典を示して引用しています。電池の搭載量(数量)ベースの値で、国内の販売金額(生産動態統計)とは集計の対象も単位も異なります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    SNE Research世界電池シェア(公表値、報道経由)
  2. 2.
    経済産業省 業界動向・各社IR(補強)
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