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半導体製造装置・材料の政策と経済安保|装置輸出45,471億円・中国向け42%・経済安保特定重要物資の包含構造【2026年版】

半導体製造装置・材料は、経済安全保障推進法のサプライチェーン強靱化で半導体物資の取組類型に装置・部素材・原料が包含され、経済産業省 半導体・デジタル産業戦略 (令和6年2月初版・令和7年12月最新版) でEnabler位置付け、装置輸出 (財務省 貿易統計) のアジア集中・米中規制対応 という3本柱で整理されます。2025年の装置輸出 (確々報) は中国向け19,108億円 (全国合計45,471億円の42%)、台湾11,107億円、韓国7,146億円、米国3,699億円で、アジア向けに集中しています。経済安保の予算 (全分野) は令和8年5月19日時点で合計約2.56兆円・149件認定・最大助成額1.5兆円ですが、これは装置・材料の専用予算ではなく、半導体物資全体・デバイス含む全分野の合計値です。半導体製造装置は独立物資としては未指定で、半導体物資の供給確保計画の取組類型に包含される構造である点に留意が必要です。

半導体製造装置の輸出総額2025年
45,471億円
財務省 普通貿易統計 概況品別、確々報、暦年合計。2024年44,962億円から微増
出典: 財務省 普通貿易統計 概況品別国別表 輸出 (概況品70131_半導体等製造装置、確々報2025年)
中国向け装置輸出2025年
19,108億円
全体42% (中国は最大相手国)、2024年21,770億円から減少 (米中輸出管理規制の影響)
出典: 財務省 普通貿易統計 概況品別国別表 輸出 (概況品70131、確々報2025年)
経済安保予算 (全分野合計)
約2.56兆円
令和8年5月19日時点、149件認定・最大助成額約1.5兆円。半導体物資 + デバイス含む全分野の合計、装置・材料専用予算ではない
出典: 内閣府 経済安全保障推進法 サプライチェーン強靱化 制度概要 (supply_chain.html、A1 verified)
産業戦略 公表版数
2
令和6年2月初版・令和7年12月最新版。戦略本体はデバイス (Rapidus/JASM) 中心、装置・材料はEnabler位置付け
出典: 経済産業省 半導体・デジタル産業戦略 (令和6年2月版・第14回検討会議 令和7年12月23日版)

日本の半導体製造装置の相手国別輸出 (2025年、億円、上位6相手)

中国19,108 / 台湾11,107 / 韓国7,146 / 米国3,699 / シンガポール1,970 / マレーシア944 (全国合計45,471億円)
単位: 億円6 カテゴリ・合計 43,974
05,00010,00015,00020,00019,108中国11,107台湾7,146韓国3,699米国1,970シンガポール944マレーシア
出典: 財務省 普通貿易統計 概況品別国別表 輸出 (概況品70131_半導体等製造装置、確々報2025年、確報2021-2024年)
カテゴリ中国台湾韓国米国シンガポールマレーシア
値(億円19,10811,1077,1463,6991,970944
シェア43.5%25.3%16.3%8.4%4.5%2.1%
読み解き

半導体製造装置の2025年輸出は中国向け19,108億円 (全国合計45,471億円の42%) で最大、台湾11,107億円・韓国7,146億円・米国3,699億円が上位で、アジア向けに集中しています。中国は2020年以降6年連続で世界最大の装置購入国 (経済産業省 令和7年12月版)、生産能力拡大の継続を反映しています。本ページのチャート内シェア表示は上位6相手の合計を分母とした計算で、上記42% (全国合計分母) とは分母が異なり、上位6合計分母では中国向けが約43%となります。 中国向け装置輸出は2024年の21,770億円から2025年19,108億円へ減少しており、米国の中国向け先端半導体製造装置輸出規制 (BISの最終規則改定など) の影響と整合的です。米国向けは2024年5,298億円から2025年3,699億円へ減少、台湾向けは2024年微変動 (TSMC 2nm GAA量産投資の進行を反映)、韓国向けは堅調維持です。米国向けの減少要因は規制対応と装置投資サイクル谷の双方が複合した可能性があり、単一要因の断定は避けます。 この装置輸出統計 (税関ベース) は暦年集計で、SEMI Billings (販売ベース) やSEAJ日本企業グローバル販売 (会計年度) とは集計の定義が異なり、合算しません。本ページは装置の輸出統計を単独で扱い、デバイスの輸出統計や半導体物資全体の供給確保計画とは別系列として整理しています。

政策3本柱 × 装置・材料への影響マトリクス (政策枠組み / 装置・材料への影響 / 留意点)

経済安保・産業戦略・輸出管理の3本柱、装置・材料はそれぞれ異なる位置付けで支援・規制を受ける構造
経済安全保障推進法 (サプライチェーン強靱化)
政策枠組みの概要
内閣府所管、半導体物資の取組類型に装置・部素材・原料を包含
装置・材料への影響
半導体物資の供給確保計画 (施行令第1条) に「半導体製造装置等・半導体部素材等・半導体原料」を包含、令和8年5月19日時点で全分野149件・最大助成額1.5兆円の認定計画
留意点・包含構造
半導体製造装置は独立物資としては未指定、包含構造で支援を受ける設計
METI半導体・デジタル産業戦略
政策枠組みの概要
経済産業省所管、令和6年2月初版 + 令和7年12月最新版
装置・材料への影響
戦略本体はデバイス (Rapidus/JASM) 中心、装置・材料はEnabler位置付け。令和7年12月版はAI需要で装置・素材全般が成長と整理
留意点・包含構造
令和7年12月版「日本のシェアが高い領域は相対的に市場規模が小さい装置群、露光装置・薄膜形成・エッチング装置でシェアを取れていない」と明示
輸出管理 (経済安保上の規制)
政策枠組みの概要
装置・材料の中国向け輸出に直接影響
装置・材料への影響
装置の2025年輸出 (財務省貿易統計、確々報) は中国向け19,108億円 (全国合計45,471億円の42.0%)、台湾11,107億円、韓国7,146億円。米国の中国向け先端半導体製造装置輸出規制の整合対応も論点
留意点・包含構造
装置輸出 (税関) は暦年集計、SEMI Billings (販売ベース) やSEAJ日本企業グローバル販売 (FY会計年度) とは別系列
読み解き

政策3本柱はそれぞれ別の所管・別の目的で運用され、装置・材料への影響は異なる位置付けです。経済安保 (内閣府) は半導体物資の取組類型に装置・部素材・原料を包含する設計で、独立物資指定ではなく半導体物資の供給確保計画の中で支援を受ける構造です。経済産業省 半導体・デジタル産業戦略は戦略本体がデバイス (Rapidus/JASM) 中心で、装置・材料はEnabler位置付け、令和7年12月版で「日本のシェアが高い領域は相対的に市場規模が小さい装置群」と整理されています。 輸出管理は装置・材料の中国向け輸出に直接影響し、装置の2025年輸出は中国向け19,108億円 (全体42%) と最大相手国です。米国の中国向け先端半導体製造装置輸出規制の整合対応、各国の補助競争による装置・材料の調達先・生産委託先の選択など、日本企業の事業判断に複合的に影響します。 3本柱は出所・目的が異なるため、合算評価はしません。本ページの整理は政策枠組みの一覧で、具体的な認定計画の中身 (どの企業のどの装置・材料案件が認定されたか) は内閣府・経済産業省の公表資料に依存します。装置メーカー個社・材料各領域の戦略は装置メーカー・材料各ページで扱い、本ページは政策枠組みの横断俯瞰に集中しています。

主要論点

経済安保で半導体製造装置・材料はどう位置付けられているのか?

半導体製造装置は経済安全保障推進法で独立物資としては未指定で、半導体物資の取組類型に「半導体製造装置等・半導体部素材等・半導体原料」が包含される構造です。経済安保 (内閣府所管) では令和4年12月に半導体を含む11物資、令和6年2月に先端電子部品、令和7年12月に人工呼吸器・無人航空機・人工衛星・ロケットの部品が段階的に特定重要物資として指定されました。半導体は令和4年12月指定の11物資の一つで、半導体物資の供給確保計画 (施行令第1条) の取組類型に装置・部素材・原料が包含される設計です。

経済安保の予算 (全分野) は令和8年5月19日時点で合計約2.56兆円・149件認定・最大助成額1.5兆円です。これは半導体物資 + デバイス含む全分野の合計値で、装置・材料の専用予算ではありません。半導体製造装置の独立物資指定ではなく、半導体物資の枠内で支援を受ける構造である点に留意が必要です。具体的な認定計画 (どの企業のどの装置・材料案件が認定されたか) は内閣府の公表資料に依存し、本ページの整理は政策枠組みの俯瞰に集中しています。

包含構造の意味は、半導体産業全体 (デバイス + 装置 + 材料 + 原料) を一つのサプライチェーンとして強靱化する設計で、装置・材料は半導体物資のサプライチェーンの一部として政策対象になることです。装置・材料単独の政策枠組みではなく、半導体物資全体のサプライチェーン強靱化の中での位置付けとして整理されます。

装置輸出のアジア集中と中国輸出規制の影響は?

半導体製造装置の輸出は2025年に中国向け19,108億円 (全体42%)、台湾11,107億円、韓国7,146億円、米国3,699億円とアジア集中構造です。中国は2020年以降6年連続で世界最大の装置購入国 (経済産業省 令和7年12月版) で、生産能力拡大の継続を反映しています。

米中輸出管理規制の影響は装置輸出統計で観察可能です。中国向け装置輸出は2024年の21,770億円から2025年19,108億円へ減少しており、米国の中国向け先端半導体製造装置輸出規制 (BISの最終規則改定など) の整合対応で先端ロジック・先端メモリ向け装置の中国向け販売が抑制された結果と整合的です。米国向けも2024年5,298億円から2025年3,699億円へ減少、米国内の在庫調整・装置投資サイクル谷の影響と読み取れます。

装置メーカー個社の中国向け売上比率は各社IRの開示粒度に依存し、東京エレクトロン・SCREENホールディングスを含む装置8社で開示状況は異なります。中国向け売上比率が高い企業は規制強化シナリオの感応度が高くなる構造で、各社の中期計画では中国以外の地域 (台湾・韓国・米国) への販売拡大・地域分散の方針が示されています。装置輸出統計 (税関ベース) は暦年集計で、SEMI BillingsやSEAJ日本企業グローバル販売とは別系列であるため、合算評価はしません。

日本の産業戦略と各国政策は装置・材料企業にどう影響するのか?

経済産業省 半導体・デジタル産業戦略は戦略本体がデバイス (Rapidus/JASM) 中心で、装置・材料はEnabler位置付けです。令和6年2月初版・令和7年12月最新版で構成され、令和7年12月版はAI需要拡大で「半導体のボリュームが増え成長、装置・素材全般が成長」と整理しています。同版は装置の領域別シェア構造を分析し、「日本のシェアが高い領域は相対的に市場規模が小さい装置群」「マーケットサイズが大きい露光装置・薄膜形成・エッチング装置でシェアを取れていない」と明示しています。

各国政策の影響は装置・材料企業の事業判断に複合的に及びます。米国のCHIPS法 (CHIPS and Science Act of 2022) は半導体・関連材料・装置の米国内設備投資に対する補助・25%投資税額控除を措置、ガードレール条項で中国向け技術移転を制限する設計です。欧州Chips Actも欧州内の半導体製造能力強化の補助を措置、中国も「製造装置・材料・先端プロセス」を含む大規模ファンド (第2期 約2,040億元) で国産化を加速しています。

日本の装置・材料企業にとっては、各国の補助競争で顧客 (デバイスメーカー) の地域分散が進み、装置・材料の販売地域選択・輸出管理対応の負担が増す環境です。日本の産業戦略は経済安全保障の枠組みと組合せで、国内基盤強化・装置・材料のサプライチェーン強靱化を進める設計で、日本企業の領域別寡占構造 (シリコンウェハ・フォトレジスト・モールディング・EUV検査など) の維持・拡大が政策の重点課題です。本ページは米中の政策単独ではなく、日本の装置・材料への影響軸で整理しています。

中期見通し

近未来1-2年 (2026-2027)

2026-2027年は経済安保の認定計画実行とMETI戦略のEnabler強化が進む局面です。経済安保の予算 (全分野約2.56兆円・149件認定) は半導体物資のサプライチェーン強靱化を後押し、装置・材料は半導体物資の取組類型として支援対象です。METI戦略は令和7年12月版を起点にAI需要拡大期の装置・素材全般成長を捉える設計で、装置メーカー・材料各社の中期計画と整合します。装置輸出の中国向け抑制傾向は米中規制動向次第で継続、台湾・韓国向けはTSMC 2nm量産 + SK hynix/SamsungのHBM投資で堅調維持の見込みです。

中期3-5年 (2028-2030)

2028-2030年は経済安保認定計画の実行結果が現れる時期です。装置・材料の国内基盤強化が実を結ぶか、各国の補助競争で日本企業の販売地域選択が広がるかが中期の焦点です。METI戦略の「マーケットサイズが大きい露光装置・薄膜形成・エッチング装置でシェアを取れていない」課題への対応 (R&D投資 + 共同開発の深化) が問われる時期、装置メーカー個社の戦略がここで分岐する可能性があります。米中規制の長期化は装置輸出のアジア集中構造の組換えを促進、台湾・韓国・米国向け販売の比率調整が中期の主要シナリオです。

長期

2030年以降は経済安保 + METI戦略 + 輸出管理の3本柱が定着し、装置・材料の世界供給網が複線化する段階に入ります。日本企業の領域別寡占構造 (シリコンウェハ・フォトレジスト・モールディング・EUV検査など) は政策枠組みの支援で維持される設計、ただし中国の国産化政策 (第2期約2,040億元規模の大規模ファンド + 製造装置・材料・先端プロセス対象) は中長期で領域寡占構造を侵食するリスクを残します。新材料世代移行 (SiC/GaN/酸化物半導体) も装置・材料のparadigmシフトを促し、政策枠組みは新材料・新装置への支援拡張で対応する見通しです。

よくある質問

半導体製造装置・材料は経済安全保障推進法でどう位置付けられていますか?
半導体製造装置は独立物資としては未指定で、半導体物資の取組類型に「半導体製造装置等・半導体部素材等・半導体原料」が包含される構造です (内閣府supply_chain.html A1 verified)。半導体は令和4年12月に11物資の一つとして特定重要物資指定、半導体物資の供給確保計画 (施行令第1条) の中で装置・部素材・原料が支援を受ける設計です。経済安保の予算 (全分野) は令和8年5月19日時点で合計約2.56兆円・149件認定・最大助成額1.5兆円ですが、これは装置・材料の専用予算ではなく半導体物資 + デバイス含む全分野の合計値です。
日本の半導体製造装置はどこに輸出されていますか?
財務省 普通貿易統計 (概況品70131_半導体等製造装置、確々報2025年) では中国向け19,108億円 (全体42%) で最大、台湾11,107億円、韓国7,146億円、米国3,699億円、シンガポール1,970億円、マレーシア944億円が上位6相手で、アジア向けに集中しています。中国は2020年以降6年連続で世界最大の装置購入国です (経済産業省 令和7年12月版)。
米中輸出規制は日本の装置輸出にどう影響していますか?
中国向け装置輸出は2024年の21,770億円から2025年19,108億円へ減少しており、米国の中国向け先端半導体製造装置輸出規制 (BIS最終規則改定など) の整合対応で先端ロジック・先端メモリ向け装置の中国向け販売が抑制された結果と整合的です。米国向けも2024年5,298億円から2025年3,699億円へ減少しています。装置メーカー個社の中国向け売上比率は各社IR開示粒度に依存します。
日本の半導体・デジタル産業戦略で装置・材料はどう扱われていますか?
経済産業省 半導体・デジタル産業戦略は戦略本体がデバイス (Rapidus/JASM) 中心で、装置・材料はEnabler位置付けです。令和6年2月初版・令和7年12月最新版で構成、令和7年12月版はAI需要拡大で「装置・素材全般が成長」と整理する一方、「日本のシェアが高い領域は相対的に市場規模が小さい装置群」「マーケットサイズが大きい露光装置・薄膜形成・エッチング装置でシェアを取れていない」とシェア構造を明示しています。
装置輸出統計とSEMI BillingsやSEAJ販売は同じ数字ですか?
別系列で、合算しません。装置輸出 (財務省貿易統計、税関ベース、暦年) は日本から海外への輸出で国内向けは含まれず、SEMI Billings (販売ベース、暦年、世界95社以上集計) やSEAJ日本企業グローバル販売 (会計年度、日本企業の世界出荷・海外生産含む) とは集計の定義が異なります。デバイスの輸出統計とも別系列です。本ページは装置の輸出統計を単独で扱い、他系列とは出所別に整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    概況品70131_半導体等製造装置、確々報2025年・確報2021-2024年、暦年・国別。装置の輸出統計 (概況品70131) はデバイスの輸出統計 (概況品70323) と別系列で合算しない
  2. 2.
    令和4年12月の半導体を含む11物資指定 + 令和6年2月の先端電子部品 + 令和7年12月の人工呼吸器等4物資。令和8年5月19日時点で全分野149件・最大助成額1.5兆円・予算合計約2.56兆円。半導体製造装置は独立物資としては未指定、半導体物資の取組類型に包含
  3. 3.
    令和6年2月版 (mext.go.jpミラー経由取得)・第14回検討会議 資料3令和7年12月23日版 (handeji14-3.pdf)。戦略本体はデバイス (Rapidus/JASM) 中心、装置・材料はEnabler位置付け、令和7年12月版で領域別シェア構造を明示
データ出典
財務省 普通貿易統計 概況品別国別表 輸出内閣府 経済安全保障推進法 サプライチェーン強靱化 制度概要経済産業省 半導体・デジタル産業戦略
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