なぜ太陽電池の製造は、これほど中国に集中したのか?
太陽電池の製造は、シリコンの精製からウエハ・セル・モジュールまでを大規模に垂直統合し、量産効果でコストを下げる装置産業へと変化しました。中国勢は、政府の手厚い支援と巨大な国内市場、安価な電力を背景に生産能力を一気に拡大し、ポリシリコンからモジュールまで全工程で世界シェア80%超を握るに至りました。
象徴的なのが、製造シェアが世界の需要シェアを大きく上回っている点です。中国は世界の太陽光需要の約6割を占めますが、製造能力はそれをさらに上回り、モジュール生産では85%超に達します。この供給過剰が世界的なモジュール価格の下落を招き、価格競争に耐えられない海外メーカーの撤退を促す、という循環が生まれています。
上流工程ほど集中が強いのも特徴です。ポリシリコンとウエハは中国のシェアが約95%に近づき、新疆ウイグル自治区だけで世界のポリシリコンの約4割を占めます。セルやモジュールはベトナム・マレーシア・タイなど東南アジアにも生産能力がありますが、その多くは中国企業の海外拠点で、中国系の関与という点では変わりません。