なぜ太陽光は「作れるのに止める」ことになるのか?
太陽光の出力制御は、一見すると「せっかく発電できるのに止めるのはもったいない」と映ります。しかし、電力は使う量と作る量を常に一致させないと、周波数が乱れて大規模停電を招きます。太陽光は天候と時間帯に左右され、晴れた休日の昼間などは地域の需要を大きく上回って発電するため、余った分をどこかで吸収するか、発電を絞るしかありません。
国の優先給電ルールでは、まず火力を下げ、揚水でため、地域間の送電線で他地域へ送る、といった対策を尽くします。それでも余る場合の最後の手段が、太陽光・風力の出力制御です。制御された分の電力は、発電事業者にとっては売電収入にならず(原則として補償はありません)、事業者にとっても制御を減らすことは切実な課題です。つまり出力制御は「太陽光を増やしすぎた失敗」ではなく、送電網や蓄電の整備が導入のスピードに追いついていないことの表れです。
本質的な解決は、余った電力を捨てずに使えるようにすることです。蓄電池でためる、送電網を増強して他地域や大都市へ送る、需要側で昼間に電気を使う(電気自動車の充電など)といった取り組みが進めば、制御は減らせます。出力制御の量は、太陽光の主力電源化がどこまで「使いこなす」段階に進んだかを測る指標とも言えます。