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TOPIC DETAIL · WATER & SEWER INFRASTRUCTURE

上下水道インフラと更新|普及の一巡と老朽化・広域化【2026年版】

国内の上下水道は、普及がほぼ行き渡りました。水道普及率は98.3%、下水道処理人口普及率は81.8%で、需要の中心は新しく整備することから、老朽化した施設を更新することへ移っています。一方、人口減で給水人口は減少し、水道事業の経営は厳しくなっています。下水道の普及率は都道府県で差が大きく、更新と整備の両方の課題があります。普及の実態と、老朽化更新・広域化・官民連携の動きを整理します。

水道普及率
98.3%
令和6年度末。上水道はほぼ全国に行き渡り、需要は更新が中心
出典: 国土交通省 水道統計
下水道処理人口普及率
81.8%
令和6年度末。都道府県差が大きい (東京都99.7%〜徳島県19.6%)
出典: 国土交通省
汚水処理人口普及率
93.7%
令和6年度末。下水道に浄化槽・農業集落排水などを加えた普及率
出典: 国土交通省
現在給水人口
12,150万人
令和6年度末。人口減とともに減少に転じ、水道事業の経営を圧迫
出典: 国土交通省 水道統計

都道府県別の下水道・汚水処理人口普及率 (令和6年度末)

下水道処理人口普及率の高い順。全国は下水道81.8%・汚水処理93.7%
全国
下水道処理人口普及率
81.8%
汚水処理人口普及率
93.7%
東京都
下水道処理人口普及率
99.7%
汚水処理人口普及率
99.9%
神奈川県
下水道処理人口普及率
97.2%
汚水処理人口普及率
98.5%
大阪府
下水道処理人口普及率
97.0%
汚水処理人口普及率
98.5%
京都府
下水道処理人口普及率
95.8%
汚水処理人口普及率
98.8%
兵庫県
下水道処理人口普及率
94.4%
汚水処理人口普及率
99.2%
滋賀県
下水道処理人口普及率
93.4%
汚水処理人口普及率
99.3%
北海道
下水道処理人口普及率
92.1%
汚水処理人口普及率
96.6%
富山県
下水道処理人口普及率
87.9%
汚水処理人口普及率
97.9%
石川県
下水道処理人口普及率
86.1%
汚水処理人口普及率
95.4%
長野県
下水道処理人口普及率
86.0%
汚水処理人口普及率
98.4%
福岡県
下水道処理人口普及率
84.7%
汚水処理人口普及率
94.9%
宮城県
下水道処理人口普及率
84.2%
汚水処理人口普及率
93.9%
福井県
下水道処理人口普及率
84.0%
汚水処理人口普及率
97.9%
埼玉県
下水道処理人口普及率
84.0%
汚水処理人口普及率
94.3%
奈良県
下水道処理人口普及率
83.8%
汚水処理人口普及率
91.7%
愛知県
下水道処理人口普及率
82.1%
汚水処理人口普及率
93.6%
山形県
下水道処理人口普及率
79.7%
汚水処理人口普及率
94.9%
新潟県
下水道処理人口普及率
78.9%
汚水処理人口普及率
90.1%
岐阜県
下水道処理人口普及率
78.6%
汚水処理人口普及率
94.4%
千葉県
下水道処理人口普及率
78.1%
汚水処理人口普及率
91.8%
広島県
下水道処理人口普及率
77.9%
汚水処理人口普及率
91.0%
鳥取県
下水道処理人口普及率
75.2%
汚水処理人口普及率
96.3%
沖縄県
下水道処理人口普及率
72.3%
汚水処理人口普及率
88.4%
熊本県
下水道処理人口普及率
71.5%
汚水処理人口普及率
90.5%
岡山県
下水道処理人口普及率
70.9%
汚水処理人口普及率
89.5%
栃木県
下水道処理人口普及率
70.4%
汚水処理人口普及率
90.6%
山口県
下水道処理人口普及率
70.2%
汚水処理人口普及率
90.5%
山梨県
下水道処理人口普及率
70.2%
汚水処理人口普及率
87.6%
秋田県
下水道処理人口普及率
69.6%
汚水処理人口普及率
89.8%
静岡県
下水道処理人口普及率
66.4%
汚水処理人口普及率
86.5%
茨城県
下水道処理人口普及率
66.0%
汚水処理人口普及率
89.0%
佐賀県
下水道処理人口普及率
65.1%
汚水処理人口普及率
88.3%
長崎県
下水道処理人口普及率
65.1%
汚水処理人口普及率
84.8%
岩手県
下水道処理人口普及率
64.3%
汚水処理人口普及率
85.9%
青森県
下水道処理人口普及率
64.2%
汚水処理人口普及率
83.6%
宮崎県
下水道処理人口普及率
62.2%
汚水処理人口普及率
90.4%
三重県
下水道処理人口普及率
61.9%
汚水処理人口普及率
90.0%
愛媛県
下水道処理人口普及率
60.6%
汚水処理人口普及率
85.7%
群馬県
下水道処理人口普及率
57.2%
汚水処理人口普及率
85.8%
大分県
下水道処理人口普及率
56.8%
汚水処理人口普及率
84.0%
福島県
下水道処理人口普及率
56.5%
汚水処理人口普及率
87.9%
島根県
下水道処理人口普及率
53.8%
汚水処理人口普及率
84.4%
香川県
下水道処理人口普及率
47.4%
汚水処理人口普及率
82.4%
鹿児島県
下水道処理人口普及率
44.0%
汚水処理人口普及率
86.5%
高知県
下水道処理人口普及率
43.1%
汚水処理人口普及率
79.9%
和歌山県
下水道処理人口普及率
30.8%
汚水処理人口普及率
72.0%
徳島県
下水道処理人口普及率
19.6%
汚水処理人口普及率
69.6%
読み解き

下水道処理人口普及率は、都道府県によって大きな差があります。最も高い東京都が99.7%に対し、最も低い徳島県は19.6%で、その差は非常に大きくなっています。徳島・高知・香川などの四国や、和歌山・島根といった、人口が分散する地方で下水道の整備が途上の傾向があります。これらの地域は人口減も重なりやすく、少ない人口で施設を支える負担が課題となります。人口が集まる都市部では下水道の整備が進む一方、地方では整備がなお残る、という構図です。

これに対し、汚水処理人口普及率は全国で93.7%と比較的高い水準です。これは、下水道に加えて、浄化槽 (各戸で汚水を処理する設備) や農業集落排水などを含めた普及率だからです。地方では、人口密度の低い地域に下水道を通すよりも、浄化槽で処理するほうが効率的な場合があり、地域の実情に応じて処理の方式が選ばれています。都市部は下水道の更新、地方は整備と維持という、地域ごとに異なる課題があります。

主要論点

上下水道の需要は、新設から更新へ移ったのか?

国内の上下水道は、普及がほぼ行き渡り、需要の中心が新設から更新へ移っています。水道普及率は98.3%、下水道処理人口普及率は81.8%で、上水道は全国にほぼ行き渡りました。

今後の課題は、高度成長期に一斉に整備した施設の老朽化です。浄水場や下水処理場の設備、地中に張りめぐらせた水道管や下水管は、耐用年数を迎えるものが増えていきます。これらを計画的に更新していく需要が、これからの水処理業界を支えます。管路 (水を送る配水網) の更新は、掘り返す工事を伴うため費用がかさみ、更新のペースをどう上げるかが課題です。

ただし、下水道は都道府県差が大きく、地方では整備がなお途上の地域もあります。全体としては更新が中心ですが、地域によっては新設・整備の需要も残っており、更新と整備の両方が並行して進みます。

人口減は水道事業にとってどれだけの逆風か?

人口減は、水道事業にとって構造的な逆風です。現在の給水人口は約12,150万人で、人口減とともに減少に転じています。水道事業は、使った水の量に応じた料金で運営されているため、給水量が減れば料金収入も細ります

一方で、施設の更新には多額の費用がかかります。収入が減るなかで更新費用を賄うのは難しく、水道料金の値上げに踏み切る自治体も増えています。加えて、水道の技術を持つ職員の高齢化・退職や、人手不足も進んでいます。

この構図が、広域化や官民連携の必要性を高めています。小さな自治体が単独で事業を続けるのが難しくなるなか、複数の自治体で事業を統合する広域化や、運転・維持管理を民間に委ねる動きが広がっています。人口減という逆風が、事業のあり方そのものの見直しを迫っています。

広域化やウォーターPPPはなぜ必要とされるのか?

広域化やウォーターPPPが必要とされるのは、人口減と施設の老朽化のなかで、事業を持続させるためです。小規模な自治体ほど、収入の減少と更新費用の負担が重く、単独で水道事業を維持するのが難しくなっています。

広域化は、複数の自治体が水道事業を統合し、施設や人材を共有して効率を高める取り組みです。近隣の自治体で浄水場や事務を共同化すれば、一つあたりの負担を軽くできます。あわせて、運転・維持管理を民間に委ねるウォーターPPPなどの官民連携も広がっており、民間のノウハウで効率化を図ります。

制度の面でも、2024年4月に上水道の整備・管理が国土交通省へ移り (水質の基準づくりは環境省が担います)、下水道と一体で運営・更新する体制になったことが、こうした動きを後押ししています。人口が減っても水は生活に欠かせないため、事業をどう効率化して支え続けるかが、これからの上下水道の中心的な課題です。

中期見通し

近未来1-2年

老朽化した施設の更新と、広域化・官民連携が進みます。人口減で経営が厳しくなるなか、複数の自治体で事業を統合する広域化や、運転・維持管理を民間に委ねるウォーターPPPの導入が広がります。2024年に一体化された上下水道の体制のもとで、更新計画づくりが本格化します。

中期3-5年

中期では、管路をはじめとする施設の更新需要が本格化します。高度成長期に整備した水道管・下水管が一斉に耐用年数を迎えるため、計画的な更新が課題です。更新のペースを上げるには、費用の確保に加えて、工事を担う人材や、点検・更新を効率化する技術 (センサーやデータ活用) の導入が求められます。

長期5-10年

長期では、人口減に合わせた施設の再編が進みます。給水人口が減るなか、施設の規模を需要に合わせて縮小したり、地域をまたいで統合したりする「ダウンサイジング」が課題となります。地方では、下水道と浄化槽の使い分けを含めて、地域の実情に応じた効率的な汚水処理のあり方が問われます。

よくある質問

日本の上下水道の普及率はどれくらいですか?
国土交通省の統計によると、令和6年度末の水道普及率は98.3%、下水道処理人口普及率は81.8%です。下水道に浄化槽などを加えた汚水処理人口普及率は93.7%です。上水道はほぼ全国に行き渡り、下水道も8割を超えていますが、下水道は都道府県によって差が大きいのが特徴です。
下水道の普及率が都道府県で違うのはなぜですか?
下水道は、人口が集まる都市部ほど整備が進み、人口が分散する地方では費用がかかるため整備が途上の地域が残るためです。下水道処理人口普及率は、最も高い東京都が99.7%、最も低い徳島県が19.6%と大きな差があります。地方では、下水道の代わりに浄化槽で処理するほうが効率的な場合もあり、汚水処理人口普及率で見ると差は小さくなります。
なぜ上下水道の更新が課題になっているのですか?
高度成長期に一斉に整備した浄水場・下水処理場の設備や、水道管・下水管が、耐用年数を迎えるものが増えているためです。普及がほぼ行き渡った今、需要の中心は新設から更新へ移りました。とくに地中の管路の更新は、掘り返す工事を伴い費用がかさむため、更新のペースをどう上げるかが課題となっています。
人口減は水道事業にどう影響しますか?
水道事業は使った水の量に応じた料金で運営されるため、人口減で給水量が減ると料金収入が細ります。現在の給水人口は約12,150万人で減少に転じています。収入が減るなかで施設の更新費用を賄うのは難しく、水道料金の値上げや、複数の自治体で事業を統合する広域化、民間への委託などの対応が進んでいます。
ウォーターPPPや広域化とは何ですか?
広域化は、複数の自治体が水道事業を統合し、施設や人材を共有して効率を高める取り組みです。ウォーターPPPは、運転・維持管理などの業務をまとめて民間に委ねる官民連携の枠組みです。人口減と施設の老朽化のなかで、事業を持続させる手段として広がっています。2024年4月には上水道の整備・管理が国土交通省へ移り (水質の基準づくりは環境省)、下水道と一体で運営する体制になりました。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省「都道府県別 汚水処理及び下水道処理人口普及率」(令和6年度末)
  2. 2.
    国土交通省 水道統計 (令和6年度末)
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