なぜ日本メーカーは風車から撤退したのか?
かつては三菱重工業・日立製作所・日本製鋼所などが風車を製造していましたが、いずれも大型風車から撤退しました。背景にはいくつかの要因があります。
第1に国内市場の小ささです。固定価格買取制度(FIT、発電した電力を国が定めた価格で買い取る制度)が始まる2012年以前は導入量が伸びず、量産による規模の経済が働きにくい状況が続きました。第2に欧米メーカーの規模とコストの優位です。ヴェスタスやシーメンスガメサ(当時はシーメンスとガメサ)は世界市場での量産を背景に、風車の大型化と低コスト化で先行しました。日本メーカーは価格と性能の両面で追随が難しくなりました。
象徴的なのが三菱重工です。2014年にヴェスタスと洋上風力の合弁「MHIヴェスタス」を設立しましたが、2020年に合弁を解消し、ヴェスタスの本体株式を取得する形へ切り替えました。日立も2019年に風車の自社生産から撤退しています。結果として、日本勢は風車本体での競争から退き、基礎工事や部材、運転保守など周辺の領域に軸足を移しました。