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風力発電の導入量|累積の推移と陸上・洋上の内訳【2026年版】

日本の風力発電の累積導入量は2025年末で6,434.2MW(2,866基)に達し、2024年末の5,840.4MWから前年比+10.2%増えました。ただし2025年の新規導入は625.0MW(正味595.5MW)で、過去最高だった2024年の703.3MWからは減速しています。導入量の約96.1%は陸上で、洋上は約3.9%(約253.4MW)にとどまります。立地は風況の良い北海道・青森・秋田など北日本に偏在しています。

累積導入量(2025年末)
6,434.2MW
陸上・洋上の合計、2024年末から+約10%
出典: 日本風力発電協会(JWPA)
累積の基数(2025年末)
2,866
近年の新設機は1基あたり約3.5MWと大型化が進む
出典: 日本風力発電協会(JWPA)
単年導入量(2025年、正味)
595.5MW
新設から撤去を引いた正味。過去最高の2024年(703.3MW設置)から減速
出典: 日本風力発電協会(JWPA)
洋上の累積(2024年末)
253.4MW
全体の約4%、成長の主役だがまだ小さい
出典: 日本風力発電協会(JWPA)

風力発電の累積導入量の推移 (2010-2025年、MW)

2025年末は6,434.2MW、2010年から約2.8倍に拡大
単位: MW
02,0004,0006,0008,0002,338102,5382,6022,6532,7823,027153,2203,3803,6283,8934,407204,5004,7005,1755,8396,43425
出典: 日本風力発電協会(JWPA)「日本の風力発電 累積導入量」(グラフは撤去控除後の正味累積。協会公表の2024年末5,840.4MWとは基準差で約1.7MW差)
年度2010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
累積導入量MW2337.702537.502602.202652.502782.303027.403220.203,3803628.303893.104407.204499.704699.605175.405838.706434.20
前年比+8.5%+2.5%+1.9%+4.9%+8.8%+6.4%+5.0%+7.3%+7.3%+13.2%+2.1%+4.4%+10.1%+12.8%+10.2%
読み解き

日本の風力発電の累積導入量は、2010年の約2,337.7MWから2025年末の6,434.2MWへと、着実に拡大してきました。固定価格買取制度(FIT、再生可能エネルギーで発電した電力を国が定めた価格で買い取る仕組み)が2012年に始まって以降、導入が加速し、2020年には約4,407.2MWに達しました。

その後、環境アセスメント(開発が環境に与える影響を事前に評価する手続き)に時間がかかることなどから2021〜2022年は伸びが鈍りましたが、2023〜2024年に再び加速しました。2025年末の累積は6,434.2MW(2,866基)で、2024年末(約5,840MW)から+約10.2%です。

この累積のほとんどは陸上風力で、洋上はまだ約3.9%です。陸上の適地は北日本に偏っており、今後の大幅な上積みは洋上風力の展開にかかっています。単年の導入ペースは次のグラフで確認できます。なお、グラフの各年の累積は撤去分を差し引いた正味の系列で、協会が公表する2024年末の累積5,840.4MWとは、集計の基準の違いで約1.7MWの差があります。

風力発電の単年導入量の推移 (2010-2025年、正味、MW)

2024年の663.3MWをピークに、2025年は595.5MWへ減速
単位: MW
02004006008002521020064.750.3130245151931602482655142092.520047666359625
出典: 日本風力発電協会(JWPA)「日本の風力発電 累積導入量」
年度2010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
単年導入量(正味)MW251.70199.9064.7050.30129.80245.20192.70159.80248.40264.80514.1092.50199.80475.80663.30595.50
前年比-20.6%-67.6%-22.3%+158.1%+88.9%-21.4%-17.1%+55.4%+6.6%+94.1%-82.0%+116.0%+138.1%+39.4%-10.2%
読み解き

単年の導入量(新設から撤去を差し引いた正味)を見ると、年ごとの勢いの変化がわかります。2020年に約514.1MWとそれまでの最大を記録した後、2021年は約92.5MWへ落ち込み、変動の大きさが目立ちます。

2023〜2024年は再び加速し、2024年は正味663.3MW(総設置703.3MW)と過去最高を更新しました。ところが2025年は正味595.5MW(総設置625.0MW)へ減速し、増加ペースの鈍化が懸念されています。

2025年に洋上風力の新規稼働がなかったことも、減速の一因です。陸上の適地が徐々に埋まるなかで、導入量を再び押し上げられるかは、洋上風力の商業運転がどれだけ立ち上がるかにかかっています。

風力発電の陸上・洋上の内訳 (2025年末、MW)

累積の約96%は陸上、洋上は着床式が大半で浮体式は実証段階
項目導入量(MW)構成比シェア
陸上6,180.896.1%
洋上(着床式)248.43.9%
洋上(浮体式)50.1%
累積導入量6,434.2100.0%
読み解き

2025年末の累積6,434.2MWのうち、陸上が約6,180.8MW(約96.1%)を占めます。日本の風力発電は、これまで陸上を中心に導入が進んできました。

洋上は合わせて約253.4MW(約3.9%)にとどまります。内訳は、海底に基礎を固定する着床式が約248.4MWと大半を占め、風車を海に浮かべる浮体式は約5.0MWと実証段階です。2025年は新たに商業運転を始めた洋上風力がなかったため、洋上の累積は前年から横ばいです。

遠浅の海が少ない日本では、水深の深い海域でも設置できる浮体式が将来の鍵とされますが、コストや技術の面でこれからの段階にあります。なお、各区分の構成比は小数第1位で四捨五入しているため、合計が100%ちょうどにならない場合があります。

風力発電の導入量が多い主な地域 (累積、MW)

北海道
累積導入量
約1,281 MW
特徴
累積で全国首位。2024年は全国最大の容量増加を記録
青森
累積導入量
約962 MW
特徴
陸上風力が集積する東北の中核
秋田
累積導入量
約913 MW
特徴
陸上に加え、洋上風力の公募海域も集中する
読み解き

風力発電の立地は、風況(風の吹き方)の良い北日本に偏在しています。累積では北海道が約1,281MWで全国首位、青森が約962MW、秋田が約913MWと続きます。2025年の単年でみると、新規導入は福島が最大(約274MW)で、日本最大級の陸上ウインドファームが稼働しました。

風況の良い地域は電力の需要地である都市部から離れているため、発電した電力を送る送電網(系統)の整備が導入拡大の前提になります。北海道と本州を結ぶ送電容量の増強や、海底の送電線の検討が、風力導入の伸びしろを左右します。

主要論点

風力発電の導入ペースはなぜ鈍化しているのか?

累積導入量は2025年末に6,434.2MWまで伸びましたが、単年の新規導入は2024年の703.3MW(総設置)をピークに、2025年は625.0MWへ減速しました。

背景の一つは、陸上の適地が徐々に埋まってきたことです。風況が良く、送電網につなぎやすく、環境アセスメントを通しやすい場所は限られており、新規開発のハードルが上がっています。環境アセスメントには数年単位の時間がかかり、着工までのリードタイムが長い点も、単年の導入量が年ごとに大きく振れる一因です。

もう一つは、洋上風力の立ち上がりの遅れです。今後の大幅な上積みは洋上に期待されていますが、2025年は新たに商業運転を始めた洋上風力がありませんでした。陸上の伸びしろが細るなかで、洋上がどれだけ立ち上がるかが、導入ペースを左右します。

陸上と洋上のどちらが今後の主役になるのか?

現在の累積の約96.1%は陸上で、洋上は約3.9%(約253.4MW)にとどまります。足元では陸上が圧倒的な主役です。

一方、政策上は洋上風力が今後の成長の柱と位置づけられています。陸上は適地が限られるのに対し、洋上は広い海域を使え、大型の風車を並べて大量に導入できる余地があるためです。ただし洋上は建設コストが高く、専用の作業船や送電網の整備も必要で、事業の採算を確立できるかが課題です。

洋上のなかでも、遠浅の海が少ない日本では浮体式の実用化が鍵とされます。着床式が約248.4MWまで導入されたのに対し、浮体式はまだ約5.0MWの実証段階です。中期的には陸上が容量の大半を支えつつ、洋上(特に浮体式)が上積みを担う構図が想定されますが、その立ち上がりの速さは不確実です。

導入量を「MW」で見るのはなぜか、金額では測れないのか?

風力発電の業界規模は、市場の金額よりも導入量(設備容量、MW)で捉えるのが一般的です。発電設備は一度建てると20年以上使われ、毎年の新設額だけでは業界の規模や実力が見えにくいためです。累積の設備容量は、これまでに積み上げた発電能力を示し、業界の到達点を最もよく表します。

金額で見ようとすると、風車の輸入価格、工事費、事業者の売電収入など、どの断面を取るかで数字が大きく変わり、一貫した業界統計も乏しいのが実情です。そのため本ページでも、導入量(MW)を基本の指標として扱っています。

なお、設備容量(MW)は「最大出力」であって、実際の発電量(kWh)とは異なります。風力は風任せのため、設備をフルに使える割合(設備利用率)は陸上でおおむね2割前後(洋上はより高い)です。容量あたりどれだけ発電できるかは、立地や風況によって変わります。

中期見通し

近未来1-2年

陸上の新規開発が細るなかで、単年の導入量は年ごとの振れが大きい局面が続きます。環境アセスメントを終えた案件の稼働が導入量を支える一方、洋上風力の商業運転が本格化するまでは、大幅な上積みは見込みにくい状況です。

中期3-5年

導入量の伸びは、洋上風力がどれだけ立ち上がるかに大きく左右されます。公募で選ばれた洋上の案件が順次稼働に向かえば導入量を押し上げますが、資材価格の高騰や事業採算の悪化が、計画の遅れや見直しにつながる可能性もあります。陸上は大型化と老朽設備の建て替え(リプレース)が中心になります。

長期5-10年

脱炭素の目標に沿って風力発電の役割は高まる見通しですが、その実現は洋上(特に浮体式)の実用化と、送電網の整備にかかっています。適地と需要地を結ぶ送電の増強、コストの低減、地域との共生をどう進めるかが、長期の導入量を決める要素になります。

よくある質問

日本の風力発電の導入量はどれくらいですか?
日本風力発電協会(JWPA)によると、日本の風力発電の累積導入量は2025年末で6,434.2MW(2,866基)です。2024年末の5,840.4MWから前年比+約10%増えました。2025年の新規導入は正味595.5MWです。
風力発電の陸上と洋上の内訳は?
2025年末の累積6,434.2MWのうち、約96.1%(約6,180.8MW)が陸上で、洋上は約3.9%(約253.4MW)です。洋上の内訳は、海底に基礎を固定する着床式が約248.4MW、風車を海に浮かべる浮体式が約5.0MW(実証段階)です。
風力発電の導入はなぜ減速しているのですか?
新規導入は2024年の703.3MW(総設置)をピークに、2025年は625.0MWへ減速しました。陸上の適地が徐々に埋まってきたこと、環境アセスメントに時間がかかること、そして今後の主役とされる洋上風力の立ち上がりが遅れていることが主な理由です。2025年は新たに商業運転を始めた洋上風力がありませんでした。
風力発電が多い都道府県はどこですか?
累積では北海道が約1,281MWで全国首位、次いで青森が約962MW、秋田が約913MWです。風況の良い北日本に偏在しています。2025年の新規導入は福島が最大でした。
導入量(MW)と発電量(kWh)は何が違うのですか?
MW(メガワット)は設備の最大出力で、これまでに建てた発電能力を示します。一方、実際に発電した電力量はkWh(キロワット時)で測ります。風力は風任せのため、設備をフルに使える割合(設備利用率)は陸上でおおむね2割前後(洋上はより高い)で、容量あたりの発電量は立地や風況によって変わります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 日本風力発電協会(JWPA)「日本の風力発電 累積導入量」
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