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映画業界の市場規模|興行収入の推移とコロナ後の回復【2026年版】

日本の映画興行収入は2025年に2,744億円となり、コロナ前ピークの2019年2,611億円を上回って回復しました。2020年のコロナ禍では1,433億円まで半減していましたが、邦画とアニメ映画の牽引でピーク超えまで戻りました。入場人員は1.89億人、平均観覧料金は1,454円です。世界の映画市場もコロナ後に回復し、2028年には約484億ドルへ拡大する見通しで、日本の回復は世界的な回復局面とも重なっています。

興行収入(2025年)
2,744億円
邦画・アニメ映画が牽引、過去のピークを上回る水準まで回復
出典: 日本映画製作者連盟 興行統計
コロナ前ピーク(2019年)
2,611億円
従来のピーク、2025年がこれを超えた
出典: 日本映画製作者連盟 興行統計
入場人員(2025年)
1.89億人
平均観覧料金1,454円、興行収入を構成する要素
出典: 日本映画製作者連盟 興行統計
世界映画市場(2028年予測)
48.410億ドル
興行収入と映画館広告の合計、コロナ後の回復局面
出典: PwCグローバルE&Mアウトルック2024-2028

日本の名目映画興行収入の推移 (1955-2025年、億円)

戦後から71年間の推移、2025年は2,744億円でコロナ前ピークを超えた
単位: 億円
07501,5002,2503,000556065707580859095000510152025
出典: 日本映画製作者連盟 興行統計
年度19551956195719581959196019611962196319641965196619671968196919701971197219731974197519761977197819791980198119821983198419851986198719881989199019911992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
興行収入億円5476196827237117287307607777697557587898208388257937709271,1711,3081,4571,5241,6051,5821,6591,6331,6951,8631,7221,7341,7941,6121,6191,6671,7191,6341,5201,6371,5361,5791,4891,7721,9351,8281,7092,0021,9682,0332,1091,9822,0291,9841,9482,0602,2071,8121,9521,9422,0702,1712,3552,2862,2252,6111,4331,6192,1312,2152,0702,744
前年比+13.2%+10.2%+6.0%-1.7%+2.4%+0.3%+4.1%+2.2%-1.0%-1.8%+0.4%+4.1%+3.9%+2.2%-1.6%-3.9%-2.9%+20.4%+26.3%+11.7%+11.4%+4.6%+5.3%-1.4%+4.9%-1.6%+3.8%+9.9%-7.6%+0.7%+3.5%-10.1%+0.4%+3.0%+3.1%-4.9%-7.0%+7.7%-6.2%+2.8%-5.7%+19.0%+9.2%-5.5%-6.5%+17.1%-1.7%+3.3%+3.7%-6.0%+2.4%-2.2%-1.8%+5.7%+7.1%-17.9%+7.7%-0.5%+6.6%+4.9%+8.5%-2.9%-2.7%+17.3%-45.1%+13.0%+31.6%+3.9%-6.5%+32.6%
読み解き

日本の名目映画興行収入は、平均観覧料金の上昇を背景に長期的には増加基調で推移し、2025年に2,744億円まで回復しました。1955年の約547億円から1980年の約1,659億円へと料金の上昇とともに水準を上げ、2000年代には2,000億円前後で推移し、2019年に2,611億円のコロナ前ピークに達しました。2000年代以降はシネマコンプレックスの普及が観客動員を支えました。

2020年はコロナ禍で1,433億円へ半減しましたが、邦画とアニメ映画の牽引で回復し、2025年には2,744億円とコロナ前ピークを上回りました。前年2024年の2,070億円からは約32.6%の増加です。

なお、この推移は名目の興行収入で、各年の平均観覧料金をそのまま反映しています。料金は1955年の数十円から2025年の1,454円まで大きく上昇しているため、金額だけで観客数の多さを比較することはできません。実際に入場人員で見ると、史上のピークは1958年頃の約11億人で、2025年の1.89億人の約6倍にあたります。近年の名目興行収入の増加には料金の上昇分が含まれている点に注意が必要です。入場人員と料金の詳しい推移は関連ページで扱います。

世界の映画市場規模の推移 (2019-2023年実績・2024-2028年予測、10億ドル)

コロナ底の2020年から回復し、2028年に約484億ドルへ拡大する見通し
単位: 10億ドル
012.52537.55042.11911.72020.62127.62235.62337.12441.325442646.52748.428
出典: PwCグローバルE&Mアウトルック2024-2028 (経済産業省 資料経由)
年度2019202020212022202320242025202620272028
世界映画市場規模10億ドル42.1011.7020.6027.6035.6037.1041.304446.5048.40
前年比-72.2%+76.1%+34.0%+29.0%+4.2%+11.3%+6.5%+5.7%+4.1%
読み解き

世界の映画市場は、コロナ禍で2020年に約117億ドルへ急減した後、回復局面にあります。経済産業省の資料が引用するPwCの推計では、2019年の約421億ドルから2020年に底を打ち、2028年には約484億ドルへ拡大する見通しで、2020年からの8年で約4.1倍にあたります。2024年以降は予測値です。

この世界市場の数値は、劇場の興行収入に映画館での広告収入を加えた合計を米ドルで集計したものです。日本の主軸である映連の興行統計は興行収入を円で集計しており、対象範囲と通貨が異なるため、世界市場と日本市場を直接比較することはできません。

規模感の目安として、世界の興行収入部分は2024年に約336億ドルでした。為替を1ドル150円と仮定すると約5.0兆円にあたり、日本の同年の興行収入2,070億円はその約4.1%の規模感です。為替や集計範囲の前提次第で変わる参考値ですが、日本は世界の映画市場の中で一定の規模を占める市場と位置付けられます。

このグラフに関連するトピック

主要局面の興行収入と入場人員

戦後最盛期 (1958年)
興行収入 (名目)
約723億円
入場人員
約11億人
入場人員の底 (1996年)
興行収入 (名目)
約1,489億円
入場人員
約1.20億人
邦洋逆転 (2008年)
興行収入 (名目)
約1,948億円
入場人員
約1.60億人
コロナ前ピーク (2019年)
興行収入 (名目)
2,611億円
入場人員
約1.95億人
コロナ底 (2020年)
興行収入 (名目)
1,433億円
入場人員
約1.06億人
ピーク超え回復 (2025年)
興行収入 (名目)
2,744億円
入場人員
1.89億人
読み解き

興行収入と入場人員を並べると、名目の金額だけでは観客数の変化が見えないことが分かります。戦後最盛期の1958年は興行収入が約723億円ですが入場人員は約11億人で、2025年の入場人員1.89億人の約6倍にあたります。当時は平均観覧料金が現在よりはるかに低かったため、名目の興行収入は小さく見えます。

2020年のコロナ底は興行収入1,433億円・入場人員約1.06億人で、コロナ前ピークの2019年から大きく落ち込みました。2025年は興行収入が2,744億円とコロナ前ピークを上回った一方、入場人員1.89億人は2019年の約1.95億人をまだ下回っており、回復を金額面で支えているのは料金の上昇でもあります。

主要論点

コロナ禍からの回復の中身は何か?

日本の映画興行収入は2020年に1,433億円へ半減した後、2025年に2,744億円とコロナ前ピークを上回りました。底からの回復は約1.9倍で、前年2024年の2,070億円からも約32.6%増えています。

回復の中心は邦画、特にアニメ映画です。2025年の邦画興行収入は約2,076億円で全体の75.6%を占め、『鬼滅の刃』無限城編をはじめとする大型のアニメ映画が興行収入の上位を占めました。少数の大型作品が全体を押し上げる傾向が強く、年ごとのヒットの有無が興行収入の変動につながりやすい構造です。

もう一つの要素は平均観覧料金の上昇です。料金は2019年の1,340円から2025年の1,454円へ上がっており、入場人員が2019年の水準まで戻っていない中でも、料金の上昇が金額面での回復を支えています。入場人員の回復と料金の上昇のどちらが続くかが、今後の興行収入を左右します。

興行収入は今後も成長を続けるか、頭打ちか?

2025年の興行収入はコロナ前ピークを超えましたが、入場人員はまだ完全には戻っていません。2025年の入場人員1.89億人は、2019年の約1.95億人をなお下回ります。金額面でのピーク超えは、入場人員の回復に加えて平均観覧料金が1,340円から1,454円へ上昇したことが効いています。

今後を見ると、料金の上昇には観客の負担という上限があり、料金だけで興行収入を伸ばし続けることは難しい面があります。入場人員を増やすには、邦画の大型作品の継続的なヒットや、洋画の回復、新しい観客層の取り込みが必要です。

大型のアニメ映画や人気シリーズに依存した回復は、ヒットの年変動を受けやすい構造でもあります。安定した成長には、人気IPの活用に加えて、実写作品や新規作品をどう育てるかが論点になります。配信の拡大が劇場の集客にどう影響するかも、今後の興行収入を左右する要素です。

世界市場の中で日本市場はどの位置にあるか?

世界の映画市場はコロナ後に回復し、2028年に約484億ドルへ拡大する見通しです。2020年に底を打った約117億ドルから約4.1倍にあたります。日本市場の回復も、この世界的な回復局面と重なっています。

世界市場と日本市場を比べる際は注意が必要です。世界市場は興行収入に映画館広告を加えた合計を米ドルで集計するのに対し、日本の映連の統計は興行収入を円で集計しており、定義と通貨が異なります。世界の興行収入部分は2024年に約336億ドルで、為替を1ドル150円と仮定すると約5.0兆円、日本の同年の興行収入2,070億円はその約4.1%の規模感です。

日本は世界の映画市場の中で一定の規模を占める市場で、邦画の比率が高いことが特徴です。コンテンツの海外展開という観点では、日本の映画やアニメをどう海外市場へ届けるかが論点となっており、関連ページで扱います。

中期見通し

近未来1-2年

興行収入は大型作品の有無に左右されやすい局面が続きます。邦画の人気シリーズやアニメ映画の公開が興行収入を支える一方、ヒットの規模次第で年ごとの変動が大きくなります。劇場公開から配信までの期間をどう設計するかも、各社の公開戦略の論点です。

中期3-5年

入場人員が頭打ちの中で、平均観覧料金の上昇とIMAXや4DXなどの高付加価値の上映による単価の向上が、興行収入を支える方向です。邦画のIP活用が続く一方、料金の上昇には観客の負担という上限があり、入場人員をどう増やすかが課題として残ります。

長期5-10年

人口の減少や配信との競合が進む中で、劇場興行の規模をどう保つかが長期の論点です。劇場でしか得られない体験の価値や、邦画・アニメの海外展開による収入が、国内の興行収入を補う要素になります。世界の映画市場の回復局面を、日本の作品がどう取り込むかが問われます。

よくある質問

日本の映画興行収入はいくらですか?
日本映画製作者連盟の興行統計によると、2025年の映画興行収入は2,744億円です。コロナ前ピークの2019年2,611億円を上回って回復しました。入場人員は1.89億人、平均観覧料金は1,454円です。
コロナ禍からどれくらい回復しましたか?
映画興行収入は2020年のコロナ禍で1,433億円まで半減しましたが、2025年には2,744億円まで回復し、コロナ前ピークの2019年2,611億円を上回りました。底からは約1.9倍の回復です。ただし入場人員は2025年で1.89億人と、2019年の約1.95億人をまだ下回っています。
なぜ2025年に過去最高水準まで回復したのですか?
回復の中心は邦画、特にアニメ映画です。2025年の邦画興行収入は約2,076億円で全体の75.6%を占め、『鬼滅の刃』無限城編などの大型のアニメ映画が興行収入の上位を占めました。加えて平均観覧料金が2019年の1,340円から2025年の1,454円へ上昇したことも、金額面での回復を支えています。
世界の映画市場規模はどれくらいですか?
経済産業省の資料が引用するPwCの推計では、世界の映画市場は2028年に約484億ドルへ拡大する見通しです。コロナ禍で底を打った2020年の約117億ドルから約4.1倍にあたります。この数値は興行収入に映画館広告を加えた合計で、日本の映連の興行統計とは対象範囲と通貨が異なります。
映画の興行収入データの出典は何ですか?
日本の映画興行収入・入場人員・平均観覧料金は、日本映画製作者連盟 (映連) の興行統計が出典で、1955年から2025年までの長期データが公表されています。世界の映画市場規模は、経済産業省の資料が引用するPwCのグローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2024-2028が出典です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本映画製作者連盟 (映連) 興行統計
  2. 2.
    経済産業省 業界の現状【映画・映像】
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