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固定回線の高速化|10ギガFTTHの拡大とアクセス回線の世代交代【2026年版】

固定ブロードバンドのアクセス回線は、世代交代が進んでいます。メタル回線を使うDSL(ADSL)が退役する一方、光回線(FTTH)は10ギガへと高速化し、2025年3月末に111.7万契約となりました。さらに、固定回線を無線で代替するワイヤレス固定ブロードバンド(FWA)が新しい手段として加わっています。固定回線がどの方式で高速化し、世代交代しているのかを整理します。

10ギガFTTH(2025年3月末)
111.7万契約
初めて100万契約を超え、FTTH全体の2.7%
出典: MM総研10G FTTH調査
10ギガFTTH(2028年3月末予測)
400万契約
FTTH全体の約1割まで拡大する見通し(400万契約超の下限予測)
出典: MM総研10G FTTH調査
ワイヤレス固定BB(2025年9月末)
483万契約
固定回線を無線で代替するFWA、増加傾向
出典: 総務省 電気通信サービス四半期データ
DSL(2025年9月末)
6万契約
メタル回線、2026年1月末にADSL提供終了
出典: 総務省 電気通信サービス四半期データ

10ギガFTTH契約数(2025年3月末実績・2028年3月末予測、万契約)

初めて100万契約を超えた10ギガが、今後3年で約3.6倍へ拡大する見通し
単位: 万契約
01002003004001122540028
出典: MM総研「FTTH市場では10G利用者が100万件を突破」(2025年3月末実績・2028年3月末予測)
年度20252028
10ギガFTTH契約数万契約111.70400
読み解き

光回線の高速化を象徴するのが、10ギガのFTTHです。2025年3月末に111.7万契約となり、初めて100万契約を超えました。FTTH全体に占める割合はまだ2.7%ですが、MM総研は2028年3月末に400万契約超(FTTH全体の約1割)へ拡大すると予測しており、今後3年で約3.6倍の伸びにあたります。

10ギガの拡大を支えるのは、フレッツ光クロスやNURO光10Gなどの提供拡大です。固定ブロードバンドの契約総数が伸び悩むなか、事業者は契約数の獲得から、より高速で高単価のサービスへと競争の軸を移しています。10ギガは、その差別化の中心に位置づけられています。

ワイヤレス固定ブロードバンド契約数の推移(2023-2025年、各3月末、万契約)

固定回線を無線で代替するFWA、2025年3月末で474万契約
単位: 万契約
0125250375500433234522447425
出典: 総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ(ワイヤレス固定ブロードバンド、各3月末)
年度202320242025
ワイヤレス固定BB契約数万契約433452474
前年比+4.4%+4.9%
読み解き

ワイヤレス固定ブロードバンド(FWA)は、固定回線を無線で代替する新しいアクセス手段です。2023年3月末の433万契約から増加を続け、2025年3月末に474万契約、直近の2025年9月末には483万契約まで増えました。3年間の年平均成長率は7.7%と、固定ブロードバンド全体を大きく上回ります。

これは、ドコモのhome 5GやソフトバンクのおうちのでんわのようなFWAと呼ばれるサービスで、自宅にルーターを置くだけで使え、光回線の工事が不要な点が特徴です。光回線の工事を避けたい利用者や、単身世帯を中心に広がっています。固定回線のアクセス手段が、有線の光回線に加えて無線へと多様化しています。

主要論点

光回線の高速化(10ギガ)はなぜ進むのか?

固定ブロードバンドの契約総数は伸び悩んでおり、事業者の競争軸は契約数の獲得から、より高速で高単価のサービスへと移っています。その中心が10ギガのFTTHです。2025年3月末に111.7万契約となり初めて100万契約を超え、2028年3月末には400万契約超へ拡大する見通しで、今後3年で約3.6倍の伸びにあたります。

背景には、動画配信やオンラインゲーム、テレワークなどで、家庭でも大容量・高速の通信を使う場面が増えたことがあります。フレッツ光クロスやNURO光10Gなどの提供が広がり、より高速なサービスを求める利用者の受け皿になっています。

もっとも、10ギガはFTTH全体ではまだ2.7%にとどまり、一般的な1ギガのサービスが主流です。事業者にとって10ギガは、成熟した市場で単価を上げ、解約を抑えるための差別化の手段という位置づけが強く、当面は高速サービスの普及をどう進めるかが課題となります。

ワイヤレス固定ブロードバンド(FWA)は固定回線をどう変えるのか?

固定回線を無線で代替するワイヤレス固定ブロードバンド(FWA)が伸びています。2025年9月末で483万契約まで増え、3年間の年平均成長率は7.7%と固定ブロードバンド全体を上回ります。ドコモのhome 5Gやソフトバンクのおうちのでんわなどが代表例です。

FWAの特徴は、自宅にルーターを置くだけで使え、光回線の工事が不要な点です。開通までの工事を避けたい利用者や、単身世帯、引っ越しが多い利用者を中心に広がっています。携帯電話の通信網を使うため、携帯大手が自社の契約者に提案しやすいのも普及の要因です。

ただし、契約数では光回線(FTTH)が4,000万契約を超えて圧倒的に多く、FWAが固定回線を全面的に置き換える状況ではありません。通信容量や安定性では有線の光回線が優位で、FWAは工事不要という手軽さを生かした補完的なアクセス手段として、光回線とすみ分けながら広がっていくとみられます。

メタル回線(DSL・ADSL)の退役はどこへ向かうのか?

固定ブロードバンドの初期を支えたメタル回線のDSL(ADSL)は、退役の局面にあります。2022年3月末には69万契約ありましたが、2025年9月末には6万契約まで縮小し、NTT西日本は2026年1月末でADSLの提供を終了する予定です。

DSLは、電話用のメタル回線(銅線)を使ってインターネットを提供する方式で、光回線が普及する前の主力でした。しかし、速度で大きく上回る光回線への移行が進み、役割を終えつつあります。メタル回線は、固定電話でも光回線を使うIP電話への移行が進んでおり、固定通信全体でメタルから光・無線への転換が進んでいます。

アクセス回線の世代交代という観点では、メタル回線(DSL)が退役し、光回線(FTTH)が10ギガへ高速化し、無線(FWA)という新しい手段が加わる、という三つの動きが同時に進んでいます。固定回線をどの方式で届けるかが、大きく変わる局面にあります。

中期見通し

近未来1-2年

10ギガの普及拡大とADSLの終了が進みます。事業者は高速・高単価のサービスで差別化を図り、フレッツ光クロスやNURO光10Gなどの提供が広がります。メタル回線のDSLは2026年1月末のADSL終了でほぼ役割を終え、無線を使うFWAも増加を続けます。

中期3-5年

10ギガFTTHは2028年3月末に400万契約超(FTTH全体の約1割)へ拡大する見通しで、高速サービスへの移行が進みます。固定回線のアクセス手段は、光回線(FTTH)を中心に、無線(FWA)が補完する構成へと収れんし、メタル回線はほぼ姿を消します。

長期

固定回線のアクセスは、光回線と無線の組み合わせが基本となる見通しです。光回線のさらなる高速化と、5G/6Gを使った無線アクセスの進化により、利用者は用途に応じて方式を選ぶようになります。固定と移動の境界が薄れるなかで、どの方式で高速の通信を届けるかが長期の論点です。

よくある質問

10ギガのFTTHはどこまで普及していますか?
2025年3月末で111.7万契約となり、初めて100万契約を超えました。FTTH全体に占める割合は2.7%で、2028年3月末には400万契約超(FTTH全体の約1割)へ拡大する見通しです。フレッツ光クロスやNURO光10Gなどの提供が広がっています。
ワイヤレス固定ブロードバンド(FWA)とは何ですか?
固定回線を無線で代替するサービスで、ドコモのhome 5Gやソフトバンクのおうちのでんわなどが代表例です。自宅にルーターを置くだけで使え、光回線の工事が不要な点が特徴です。2025年9月末で483万契約まで増え、3年間の年平均成長率は7.7%と固定ブロードバンド全体を上回ります。
ADSL(DSL)はいつ終わりますか?
メタル回線を使うDSLは、2025年9月末で6万契約まで縮小しています。NTT西日本は2026年1月末でADSLサービスの提供を終了する予定です。固定ブロードバンドは光回線(FTTH)や無線を使うサービスへの移行が進み、メタル回線のDSLは役割を終えつつあります。
10ギガにすると何が変わりますか?
通信速度が一般的な1ギガのサービスより大きく速くなります。動画配信やオンラインゲーム、テレワークなどで大容量・高速の通信を使う場面に向いています。ただしFTTH全体ではまだ2.7%にとどまり、現状は1ギガのサービスが主流で、10ギガは高速サービスを求める利用者向けの差別化という位置づけです。
FWA(無線)は光回線の代わりになりますか?
工事不要という手軽さから単身世帯などで広がっていますが、契約数では光回線(FTTH)が圧倒的に多く、全面的な置き換えには至っていません。通信容量や安定性では有線の光回線が優位で、FWAは補完的なアクセス手段として、光回線とすみ分けながら広がっていくとみられます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    MM総研「FTTH市場では10G利用者が100万件を突破」
  2. 2.
    総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」(令和7年度第2四半期)
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