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固定通信の市場規模|固定ブロードバンドの契約数と純増の鈍化【2026年版】

固定ブロードバンドは2025年9月末で5,352万契約規模の成熟市場で、光ファイバを使うFTTHが4,135万契約と中核を占めます。新規契約から解約を引いた純増は鈍化しており、2025年度上期のFTTH純増は26.8万契約にとどまりました。種類別ではFTTHが大半を占め、CATVインターネットとDSLが縮小する一方、固定回線を無線で代替するワイヤレス固定ブロードバンドが増えています。

固定ブロードバンド(2025年9月末)
5,352万件
MM総研の市場調査。総務省の四半期データでは約5,221万件で、集計基準が異なる
出典: MM総研 固定ブロードバンド市場調査
FTTH契約数(2025年9月末)
4,135万件
光ファイバを使う固定ブロードバンドの中核
出典: 総務省 電気通信サービス四半期データ
FTTH純増(2025年度上期)
26.8万件
前年度同期から28.9%減り、純増は鈍化
出典: MM総研 固定ブロードバンド市場調査
ワイヤレス固定BB(2025年9月末)
483万件
固定回線を無線で代替する種類、契約数は増加傾向
出典: 総務省 電気通信サービス四半期データ

FTTH契約数の推移(2022-2025年、各3月末、万件)

光ファイバを使う固定ブロードバンドの契約数、2025年3月末で4,135万件
単位: 万件
01,2502,5003,7505,0004,054224,094234,113244,13525
出典: 総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ(FTTH、各3月末)
年度2022202320242025
FTTH契約数万件4,0544,0944,1134,135
前年比+1.0%+0.5%+0.5%
読み解き

FTTHの契約数は、2022年3月末の4,054万件から2025年3月末の4,135万件へと、3年間でほぼ横ばいの緩やかな増加にとどまっています。固定ブロードバンドの中核を担う一方、市場の成熟で純増は鈍化しており、前年比の伸びは表のとおり1%前後で推移しています。

FTTHはCATVやDSLからの置き換えがほぼ一巡し、新規に契約する世帯が限られてきました。事業者の競争軸は、契約数の獲得から、より高速な10ギガサービスや高単価のプランへと移りつつあります。高速化の動きは関連ページで扱います。

このグラフに関連するトピック

固定ブロードバンドの種類別内訳(2025年9月末、万件)

光ファイバ・CATV・DSL・無線の4種類で構成、FTTHが中核
項目契約数(万件)構成比シェア
FTTH(光ファイバ)4,13579.2%
CATVインターネット59911.5%
DSL60.1%
ワイヤレス固定ブロードバンド4839.2%
合計5,223100.0%
読み解き

固定ブロードバンドは、回線の種類で4つに分かれます。FTTH(光ファイバ)が4,135万件で全体の約79.2%を占める中核で、次いでCATVインターネットが599万件です。DSLはメタル回線を使う旧来の方式で、6万件まで縮小しました。固定回線を無線で代替するワイヤレス固定ブロードバンドは483万件で、増加傾向にあります。

なお、各種類は独立して四捨五入しているため、内訳の合計(約5,223万件)は総務省が公表する固定ブロードバンド全体(約5,221万件)とわずかにずれます。民間調査(MM総研)の5,352万件は集計基準が異なるため、ここでは合算していません。

主要論点

固定ブロードバンドの純増はなぜ鈍化しているのか?

固定ブロードバンドの純増は鈍化が続いています。2025年度上期のFTTH純増は26.8万件で、前年度同期から28.9%減りました。MM総研は2025年度通期の年間純増を53.1万件(前年度比22.8%減)と予測しており、市場全体の年平均成長率も1.4%にとどまる見通しです。

背景には、固定ブロードバンドの世帯への普及が進み、新規に契約する余地が限られてきたことがあります。CATVやDSLからFTTHへの置き換えもほぼ一巡し、純粋に契約数を増やす段階から、既存の利用者をどう維持し単価を上げるかへと局面が移っています。

このため事業者の競争軸は、契約数の獲得から、10ギガなどの高速サービスや、移動通信とのセット販売による囲い込みへと変わりつつあります。成熟した市場のなかで、解約を抑えながら高付加価値のサービスへ移ってもらうことが各社の課題です。

FTTHが中核となる一方でCATV・DSLはどうなるのか?

固定ブロードバンドはFTTHが中核で、2025年9月末に4,135万件と全体の約79.2%を占めます。一方、ほかの方式は縮小傾向にあります。同軸ケーブルを使うCATVインターネットは599万件で、FTTHへの置き換えを背景に緩やかに減っています。

メタル回線を使うDSLの縮小はさらに鮮明です。2022年3月末には69万件ありましたが、2025年9月末には6万件まで減り、NTT西日本は2026年01月末でADSLの提供を終了する予定です。DSLは固定ブロードバンドの初期を支えた方式ですが、光回線への移行が進み役割を終えつつあります。

CATV事業者の多くは、自らもFTTHや光回線サービスへ移行しており、回線の種類としてのCATV・DSLの比重は今後も下がる見通しです。固定ブロードバンドは、光回線を中心とした構成へと収れんしつつあります。

無線を使う固定ブロードバンドは固定回線を代替するのか?

固定回線を無線で代替するワイヤレス固定ブロードバンドが伸びています。2025年9月末で483万件まで増え、MM総研は2025年3月末から2028年3月末までの3年間の年平均成長率を7.7%と、固定ブロードバンド全体の1.4%を大きく上回ると見込んでいます。

これは、ドコモのhome 5GやソフトバンクのおうちのでんわのようなFWA(固定無線アクセス)と呼ばれるサービスで、自宅にルーターを置くだけで使え、光回線の工事が不要な点が特徴です。単身世帯や、開通までの工事を避けたい利用者を中心に広がっています。

もっとも、契約数ではFTTHが圧倒的に多く、無線が光回線を全面的に置き換える状況ではありません。通信容量や安定性では有線の光回線が優位で、無線は工事不要という手軽さを生かした補完的な選択肢として、すみ分けながら広がっていくとみられます。

中期見通し

近未来1-2年

固定ブロードバンドの純増の鈍化が続くとみられます。新規契約の余地が限られるなか、各社は10ギガなどの高速サービスや、移動通信とのセット販売による囲い込みで、解約を抑えながら単価を上げる方向に動きます。DSLは2026年01月末のADSL終了で、ほぼ役割を終えます。

中期3-5年

FTTHへの置き換えがほぼ完了し、契約総数は横ばいから微増で推移する見通しです。競争の中心は、10ギガの普及率や、固定と移動をまとめた料金プラン、ワイヤレス固定ブロードバンドとのすみ分けへと移ります。光回線を中心とした構成への収れんが進みます。

長期

人口・世帯数の減少を背景に、固定ブロードバンドの契約総数は頭打ちに向かう可能性があります。固定電話網のIP化と合わせて、各社が光回線をどう維持・更新していくか、また移動通信との一体的なサービス設計をどう進めるかが、長期の論点になります。

よくある質問

日本の固定ブロードバンドの契約数はどのくらいですか?
2025年9月末で、民間調査(MM総研)では5,352万件、政府の四半期データ(総務省)では約5,221万件です。集計の基準が異なるため数値にやや差があります。いずれもFTTH(光ファイバ)が中核で、政府データではFTTHが4,135万件を占めます。
FTTH(光回線)はどれくらいの割合を占めますか?
2025年9月末の総務省データで、FTTHは4,135万件と、固定ブロードバンドの種類別内訳の約79.2%を占めます。次いでCATVインターネットが599万件、ワイヤレス固定ブロードバンドが483万件、DSLが6万件です。
固定ブロードバンドの純増はなぜ鈍化しているのですか?
世帯への普及が進んで新規契約の余地が限られ、CATVやDSLからFTTHへの置き換えもほぼ一巡したためです。2025年度上期のFTTH純増は26.8万件で前年度同期から28.9%減り、固定ブロードバンド全体の年平均成長率も1.4%にとどまる見通しです。
ADSL(DSL)はいつ終わりますか?
DSLはメタル回線を使う方式で、2025年9月末には6万件まで縮小しています。NTT西日本は2026年01月末でADSLサービスの提供を終了する予定です。固定ブロードバンドは光回線(FTTH)や無線を使うサービスへの移行が進んでいます。
固定ブロードバンドの市場規模データの出典は何ですか?
契約数の種類別内訳と推移は、総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」が出典です。固定ブロードバンド全体やFTTHの契約数、純増、年平均成長率の予測は、MM総研の固定ブロードバンド市場調査が出典で、集計基準の違いから総務省データとは数値がやや異なります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」(令和7年度第2四半期)
  2. 2.
    MM総研「固定ブロードバンド市場、緩やかな成長続く」
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