最終更新
TOPIC DETAIL · NTT WHOLESALE

光コラボとNTT東西の光卸|光回線が借りられる仕組み【2026年版】

光コラボレーション(光コラボ)は、NTT東日本・西日本が敷いた光回線を、他の事業者が借りて自社ブランドで提供する仕組みです。2015年に始まり、ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなどが生まれました。NTT東西の光回線を借りるコラボ光は2025年9月末で1,771万契約に達し、FTTH全体の42.9%を占めます。光回線がどう卸され、なぜこれほど広がったのか、その仕組みと論点を整理します。

光コラボレーションとはどういう仕組みか

NTT東西が光回線を卸す

光コラボの起点は、NTT東日本・西日本による光回線の卸売です。NTT東西は、全国に敷いた光ファイバ網(フレッツ光)を自社で利用者に提供するだけでなく、他の事業者にも貸し出しています。事業者は、自分で光回線を敷かなくても、NTT東西から回線を借りてサービスを始められます。光回線の敷設には大きな投資が必要なため、この卸売の仕組みが、多くの事業者の参入を可能にしました。

借りた事業者が自社ブランドで売る

NTT東西から光回線を借りた事業者は、それを自社のブランドで利用者に提供します。これがドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなどの「コラボ光」です。利用者から見ると、契約相手はドコモやソフトバンクですが、回線そのものはNTT東西のものです。料金プランやサポート、携帯電話とのセット割引などは各事業者が独自に設計するため、同じ光回線でも提供主体によってサービスが異なります。

フレッツ光・光コラボ・自設の違い

光回線の提供形態は、大きく3つに分かれます。NTT東西が自社ブランドで直接提供するフレッツ光、NTT東西の回線を借りて他の事業者が提供する光コラボ、そしてNTT東西の回線を使わず自前で敷く自設FTTH(auひかり・NURO光など)です。フレッツ光と光コラボは、いずれもNTT東西の同じ光回線を使う点が共通します。次の表で、それぞれの違いを整理します。

光回線の主な提供形態

NTT東西の回線を使うフレッツ光・光コラボと、自前回線の自設FTTH
フレッツ光(NTT直販)
仕組み
NTT東日本・西日本が自社の光回線を、自らのブランドで利用者に直接提供する
主な提供主体・例
NTT東日本・西日本
光コラボ(コラボ光)
仕組み
NTT東西の光回線を借り、他の事業者が自社ブランドで提供する(光コラボレーション制度)
主な提供主体・例
ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかり・ビッグローブ光など
自設FTTH
仕組み
NTT東西の回線を使わず、自前で敷いた光回線で提供する
主な提供主体・例
auひかり(KDDI)・NURO光(ソニー)・アルテリアなど
読み解き

フレッツ光と光コラボは、どちらもNTT東西の同じ光回線を使います。違いは、NTT東西が自社ブランドで売るか(フレッツ光)、他の事業者が借りて自社ブランドで売るか(光コラボ)です。これに対し、auひかりやNURO光などの自設FTTHは、NTT東西の回線を使わず自前で敷いた光回線を使うため、卸料金に縛られず速度やサービスを独自に設計できます。光コラボの広がりにより、NTTの光回線の多くが他の事業者のブランドで提供される構図が定着しました。

なぜ光コラボはこれほど広がったのか

携帯電話とのセット販売

光コラボが急速に広がった最大の理由は、携帯電話とのセット販売です。ドコモ光やソフトバンク光は、同じグループの携帯電話と一緒に契約すると割引が受けられる仕組みを用意し、利用者を囲い込みました。携帯電話の契約者基盤を持つ事業者が光回線にも進出することで、光コラボは一気に普及しました。固定ブロードバンド全体のISP別シェアは、NTTドコモが16.7%、ソフトバンクが15.9%と、携帯大手が上位を占めています。

提供主体の多様化

光コラボにより、利用者が選べる提供主体が大きく増えました。NTT東西の回線という同じ土台のうえで、各事業者が料金・サポート・付帯サービスを競う形になり、楽天ひかりやビッグローブ光など多くのブランドが参入しています。利用者にとっては、同じ光回線でも契約相手によってサービスや割引が変わるため、選択肢が広がりました。

NTTの光回線の多くがコラボ経由に

この結果、NTTの光回線の多くが光コラボ経由で提供されるようになりました。コラボ光は2025年9月末で1,771万契約に達し、NTTの光回線に占める割合は74.1%にのぼります。NTT東西は回線を卸す立場として全体を支えつつ、利用者との接点は光コラボの各事業者が担うという役割分担が定着しました。

卸の構造をめぐる論点

NTT東西への設備集中

光コラボは小売の選択肢を広げましたが、その土台となる回線設備はNTT東西に集中しています。FTTHの卸シェアはNTT東西で57.8%(2,390万契約)に達し、コラボ光を含めると多くの利用者がNTTの光回線を使っています。小売では複数の事業者が競っていても、回線の多くを1社グループが握る構造です。

卸料金とNTT法

このため、NTT東西が設定する卸料金の水準が論点になります。卸料金は光コラボ事業者にとって仕入れ値にあたり、小売価格や競争に直接影響します。卸料金が下がれば小売の競争が活発になり、上がれば各社の収益が圧迫されます。NTT東西の卸が公正に行われているかは、総務省が継続的に注視するテーマです。

あわせて、NTT法の在り方も議論されています。NTTグループの事業範囲や規律をどう定めるかは、回線を持つ事業者と借りる事業者の関係に関わります。光コラボ制度が定着した今、設備の集中をどう扱うかが、固定通信の競争環境を左右する課題として残っています。

主要論点

光コラボはNTT東西の卸の構造をどう変えたのか?

光コラボレーション制度は、2015年にNTT東西の光回線を他の事業者が借りられるようにした仕組みです。これにより、自前で回線を敷かない事業者でも、NTT東西から回線を借りて自社ブランドで光回線サービスを提供できるようになりました。ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなどが、その代表例です。

結果として、NTTの光回線の多くが光コラボ経由で提供されるようになりました。コラボ光は2025年9月末で1,771万契約で、FTTH全体の42.9%、NTTの光回線の74.1%を占めます。NTT東西は回線を卸す立場として全体を支え、利用者との接点は光コラボの各事業者が担うという役割分担が定着しました。

設備はNTT東西が持ち、小売では複数の事業者が競うという形は、利用者の選択肢を広げました。一方で、回線設備そのものはNTT東西に集中しており、卸料金の水準やNTT法の在り方が引き続き論点となっています。

なぜ携帯大手が光コラボで上位を占めるのか?

固定ブロードバンド全体のISP別シェアでは、NTTドコモが16.7%、ソフトバンクが15.9%と、携帯電話の大手が上位を占めています。最大の理由は、携帯電話とのセット販売です。同じグループの携帯電話と光回線を一緒に契約すると割引が受けられる仕組みを用意し、携帯の契約者基盤をそのまま光回線にも広げました。

携帯大手は、すでに多くの利用者との接点を持っています。その利用者に光回線をセットで提案できるため、光回線だけを提供する事業者よりも有利に契約を取れます。固定と移動をまとめて提供することで、利用者の囲い込みと解約の抑制を同時に狙えるのも強みです。

このため、光コラボの競争は、回線の品質だけでなく、携帯電話とのセット割引やポイント還元といった総合的なサービス設計で決まる面が強くなっています。固定通信単体ではなく、移動通信と組み合わせた競争が、光コラボの実態です。

NTT東西への回線集中は今後どう扱われるのか?

光コラボ制度は小売の選択肢を広げましたが、その土台となる回線設備はNTT東西に集中しています。FTTHの卸シェアはNTT東西で57.8%に達し、コラボ光を含めると多くの利用者がNTTの光回線を使っています。小売の競争が活発でも、回線の多くを1社グループが握る構造は変わっていません。

このため、NTT東西が設定する卸料金の水準が、競争を左右する論点になります。卸料金は光コラボ事業者の仕入れ値にあたり、小売価格に直接響くため、総務省はその公正さを継続的に注視しています。あわせて、NTTグループの事業範囲や規律を定めるNTT法の在り方も議論の対象です。

自前で光回線を敷く自設FTTH(auひかり・NURO光など)は、卸料金に縛られない選択肢として併存していますが、規模ではNTTの光回線が中心です。設備の集中をどう扱い、公正な競争をどう確保するかが、固定通信の競争環境をめぐる長期的な課題として残っています。

よくある質問

光コラボ(光コラボレーション)とは何ですか?
光コラボレーションは、NTT東日本・西日本が敷いた光回線を、他の事業者が借りて自社ブランドで提供する仕組みです。2015年に始まり、ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなどが生まれました。利用者から見た契約相手は各事業者ですが、回線そのものはNTT東西のものです。
フレッツ光と光コラボは何が違いますか?
どちらもNTT東日本・西日本の同じ光回線を使います。違いは、NTT東西が自社ブランドで直接提供するのがフレッツ光、NTT東西の回線を借りて他の事業者が自社ブランドで提供するのが光コラボ(コラボ光)です。ドコモ光やソフトバンク光は、いずれも光コラボにあたります。
コラボ光はどのくらい普及していますか?
NTT東西の光回線を借りるコラボ光は、2025年9月末で1,771万契約です。FTTH全体に占める割合は42.9%、NTTの光回線に占める割合は74.1%で、NTTの光回線の多くが光コラボ経由で提供されています。
なぜドコモやソフトバンクが光コラボで上位なのですか?
携帯電話とのセット販売が大きな理由です。同じグループの携帯電話と光回線を一緒に契約すると割引が受けられる仕組みで、携帯の契約者基盤をそのまま光回線にも広げました。固定ブロードバンド全体のISP別シェアではNTTドコモが16.7%、ソフトバンクが15.9%と、携帯大手が上位を占めています。
NTT東西の光卸が政策の論点になるのはなぜですか?
FTTHの卸シェアはNTT東西で57.8%に達し、回線設備がNTT東西に集中しているためです。NTT東西が設定する卸料金は光コラボ事業者の仕入れ値にあたり、小売価格や競争に直接影響します。卸が公正かどうか、またNTTグループの規律を定めるNTT法の在り方が、競争環境に関わる政策テーマとして議論されています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    MM総研「固定ブロードバンド市場、緩やかな成長続く」
  2. 2.
    総務省「NTT東日本・西日本における光回線の卸売サービスの提供」
📄 資料DL💬 無料相談