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固定通信の主要事業者|各社の固定事業と位置づけの比較【2026年版】

固定通信には、回線設備を持つNTT東西・KDDI・ソニー、光コラボで小売を担うドコモ・ソフトバンク・楽天、法人向けのIIJ、CATVのJCOMなど、多様な事業者が関わっています。主要な事業者が固定通信でどんな立ち位置にあるかを、社別に整理します。

主要事業者の固定通信での立ち位置

各社の固定通信の主力サービスと、固定ブロードバンドでの位置づけ

主要事業者の固定通信での立ち位置は、回線の作り方で分かれます。NTT東西は光回線を卸す中心で、その回線を借りるドコモ・ソフトバンク・楽天が光コラボで小売を担います。KDDI(auひかり)とソニー(NURO光)は自前で光回線を敷き、JCOMはCATV、IIJは法人向けを主力とします。各社の固定事業を順に見ていきます。

固定通信の主力サービス
光ファイバ卸(フレッツ光)とドコモ光
固定ブロードバンドでの位置づけ
FTTHの卸シェア57.8%(NTT東西)、ISP首位16.7%(ドコモ)
固定通信の主力サービス
auひかり、CATVのJCOM
固定ブロードバンドでの位置づけ
自前で光回線を敷く自設FTTH、CATV最大手のJCOMを連結子会社化
固定通信の主力サービス
ソフトバンク光(光コラボ)
固定ブロードバンドでの位置づけ
ISPシェア15.9%(2位)
固定通信の主力サービス
楽天ひかり(光コラボ)
固定ブロードバンドでの位置づけ
楽天モバイル傘下で提供、個別の契約数は非開示
固定通信の主力サービス
NURO光
固定ブロードバンドでの位置づけ
自前で光回線を敷く自設FTTH、FTTHシェア4.0%
固定通信の主力サービス
法人向けネットワーク
固定ブロードバンドでの位置づけ
法人向けインターネット接続が504.7万契約、企業向けが中心
JCOM
固定通信の主力サービス
CATV(ケーブルテレビ)
固定ブロードバンドでの位置づけ
CATV最大手、サービス加入562万世帯(KDDIと住友商事の合弁)

NTT(東西・ドコモ)— 回線卸と小売首位の両面

NTTグループは、固定通信で二つの役割を持ちます。一つは、NTT東日本・西日本による光ファイバ卸で、FTTHの卸シェアは57.8%に達し、回線設備の中心です。もう一つは、NTTドコモによる小売で、ドコモ光(光コラボ)のISPシェアは16.7%と首位です。設備と小売の両面で存在感を持つのが特徴です。

全社の規模は大きく、NTT(持株)の連結売上は約13.7兆円です。ただし、その大半は携帯電話のドコモやデータ通信などで、固定通信は一部です。法人向けのNTTコミュニケーションズもグループの一員で、固定通信をめぐっては卸料金やNTT法の在り方が政策上の論点になっています。

KDDI — 自設FTTHとJCOMの連結

KDDIは、固定通信で自前の回線を持つ事業者です。auひかりとして独自の光回線(自設FTTH)を展開するほか、CATV最大手のJCOMを連結子会社としています。NTT東西の卸回線に頼らず、自前の設備で差別化できるのが強みです。

全社の連結売上は約5.9兆円で、こちらも携帯電話のauが中心ですが、固定通信ではauひかりとJCOMを通じて、回線設備を持つ立場にあります。携帯電話とのセット販売で、固定と移動をまとめて提供しているのも特徴です。

ソフトバンク・楽天 — 光コラボで小売を担う

ソフトバンクは、ソフトバンク光(光コラボ)を主力に、固定ブロードバンドのISPシェアは15.9%で2位です。NTT東西の回線を借りて自社ブランドで提供し、携帯電話とのセット販売で利用者を囲い込んでいます。全社連結売上は約3.5兆円で、携帯電話などが主力です。

楽天グループは、楽天ひかり(光コラボ)を楽天モバイル傘下で提供しています。固定回線の個別の契約数は非開示で、業界全体の調査では推計に依拠します。全社では携帯電話の楽天モバイルやインターネットサービスが中心で、固定通信は携帯とのセットを補う位置づけです。

ソニー(NURO光)・IIJ・JCOM — 自設・法人・CATV

ソニーネットワークコミュニケーションズは、NURO光として自前の光回線を提供し、FTTHシェアは4.0%です。独自の技術で高速をうたい、自設FTTHの一角を占めます。ソニーグループの連結子会社ですが、グループ全体ではゲームや映画などが主力で、通信は一部です。

IIJは、法人向けのインターネットとネットワークを主力とする独立系です。法人向けインターネット接続の契約数は約504.7万で、連結売上は約3,168億円と、ここまでの大手より小規模ですが、企業ネットワークに特化しています。JCOMは、CATV回線でインターネット・放送を提供する最大手で、サービス加入は562万世帯、KDDIと住友商事の合弁です。固定通信は、これらの専業・特化型の事業者も含めて成り立っています。

主要論点

各社の固定通信での立ち位置はどう違うのか?

主要事業者は、固定通信での立ち位置が大きく異なります。NTT東日本・西日本は、光ファイバ卸として回線設備の中心を担い、FTTHの卸シェアは57.8%です。同じNTTグループのドコモは、ドコモ光(光コラボ)でISPシェア首位の16.7%を占め、設備と小売の両面で存在感を持ちます。

KDDIとソニーは、NTT東西の回線を借りずに自前で光回線を敷く自設FTTHの事業者です。KDDIはauひかりとJCOM(CATV)、ソニーはNURO光(FTTHシェア4.0%)で、卸料金に縛られない差別化を狙います。一方、ソフトバンクと楽天は、NTT東西の回線を借りる光コラボで小売を担い、携帯電話とのセット販売を武器にしています。

このように、回線を卸す側・借りる側、自前で敷く側、CATV、法人向けというように、各社の立ち位置は領域ごとに分かれています。固定通信は、一社がすべてを担うのではなく、役割を分け合う形で成り立っています。

自前で回線を敷く自設FTTHと、光コラボのどちらが有利なのか?

固定通信の回線には、NTT東西の回線を借りる光コラボと、自前で敷く自設FTTHの二つの作り方があり、それぞれに利点があります。

光コラボ(ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなど)は、自分で回線を敷かずにNTT東西の回線を借りられるため、設備投資の負担が小さく、全国に素早く展開できます。携帯電話とのセット販売とも組み合わせやすく、ISPシェアではドコモ16.7%、ソフトバンク15.9%と上位を占めます。一方で、回線そのものはNTT東西のもので、卸料金が収益や価格を左右します。

自設FTTH(auひかり・NURO光など)は、自前の回線のため卸料金に縛られず、速度やサービスを独自に設計できます。ただし、回線の敷設と維持に大きな投資が必要で、提供できる地域も自前の網の範囲に限られます。どちらが有利かは一概には言えず、規模と展開の速さを取る光コラボ、差別化と自立性を取る自設FTTH、という戦略の違いとして現れています。

固定通信は各社の経営でどんな役割を担っているのか?

主要事業者の多くは、全社では携帯電話などが主力で、固定通信はその一部です。NTTやKDDI、ソフトバンクの全社連結売上は数兆円規模ですが、その大半は移動通信やデータ通信で、固定通信だけを取り出すと比重は小さくなります。

それでも、固定通信は各社の経営で重要な役割を担っています。一つは、携帯電話とのセット販売です。固定と移動をまとめて契約してもらうことで、利用者の囲い込みと解約の抑制につながります。ドコモ光やソフトバンク光が光コラボで広がったのは、この相乗効果が大きな理由です。

もう一つは、法人やデータ通信の基盤としての役割です。KDDIのJCOMやIIJの法人ネットワークのように、固定回線は企業や家庭のデータ通信を支える土台です。固定通信は、単体の収益というより、移動通信と組み合わせた総合的なサービスや、社会のデータ通信を支えるインフラとして、各社の経営に位置づけられています。

中期見通し

近未来1-2年

固定と移動をまとめたセット販売による競争が続きます。ドコモ・ソフトバンク・楽天は光コラボで、KDDIはauひかりとJCOMで、それぞれ携帯電話とのセットで利用者を囲い込みます。NTT東西の卸料金の動向が、光コラボ各社の競争に影響します。

中期3-5年

回線設備は光回線を中心に収れんし、各社は高速・高単価のサービスや法人需要で差別化を図ります。自設FTTHのKDDI・ソニーは独自の速度を、光コラボ各社はセット割引を、IIJやNTTコミュニケーションズは法人ネットワークを軸にした競争へと向かいます。

長期

固定通信の総需要が頭打ちに向かうなか、各社は固定単体ではなく、移動通信やクラウド、法人サービスと一体でどう価値を出すかが問われます。回線設備の維持・更新の負担をどう分担するかも、長期の論点として残ります。

よくある質問

固定通信の主要な事業者はどこですか?
回線設備では光ファイバ卸のNTT東日本・西日本、auひかりのKDDI、NURO光のソニーネットワークコミュニケーションズなどがあります。小売では光コラボのNTTドコモ・ソフトバンク・楽天、法人向けではIIJやNTTコミュニケーションズ、CATVではJCOMが活動しています。
各社の固定通信の業績を比べられますか?
固定通信だけの利益を横並びで比べるのは難しいのが実情です。NTTの地域通信、KDDIのパーソナル、ソフトバンクのコンシューマというように、各社の事業セグメントの区分が異なり、固定通信が単独で開示されないためです。本ページでは、固定通信での立ち位置を、シェアやサービスの特徴で整理しています。全社連結売上は規模の目安として示していますが、その大半は携帯電話など固定通信以外です。
auひかりとNURO光、ドコモ光は何が違いますか?
auひかり(KDDI)とNURO光(ソニー)は、NTT東西の回線を使わず自前で敷いた自設FTTHで、卸料金に縛られず速度やサービスを独自に設計できます。一方、ドコモ光(NTTドコモ)は、NTT東西の回線を借りて提供する光コラボです。回線を自前で持つか借りるかが、大きな違いです。
固定通信のシェアが高いのはどこですか?
回線設備では、NTT東日本・西日本の光ファイバ卸がFTTHの57.8%を占めます。小売(ISP)では、ドコモ光のNTTドコモが16.7%で首位、ソフトバンクが15.9%で続きます。自設FTTHではソニーのNURO光が4.0%、CATVではJCOMが加入562万世帯で最大手です。
法人向けの固定通信が強いのはどこですか?
法人向けを主力とするIIJは、法人向けインターネット接続が約504.7万契約と、企業ネットワークに特化しています。このほか、NTT持株の連結子会社であるNTTコミュニケーションズや、KDDIの法人部門、アルテリアネットワークスなどが、IP-VPNや専用線などの法人向け固定通信を提供しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    MM総研「固定ブロードバンド市場、緩やかな成長続く」
  2. 2.
    各社 連結財務(EDINET由来、FY2025)
  3. 3.
    JCOM会社データ / IIJ FY2026決算データブック
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