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光ファイバー・ケーブルの動向|データセンター需要と国内メーカー【2026年版】

光ファイバー・ケーブルは、通信網のデータを光で運ぶ基幹の部材で、国内では住友電工・フジクラ・古河電工が世界でも有数のメーカーです。生成AIを背景としたデータセンター需要が追い風となり、各社の情報通信・光関連の事業が急速に伸びています。フジクラの情報通信はFY2022の2,913億円からFY2025に6,530億円へ、住友電工の情報通信はFY2026に5,000億円へ拡大する見通しです。海外のCorning・Prysmianなどとの増産競争も続いています。

フジクラ 情報通信(FY2025)
6,530億円
DC・AI向け接続製品で急増、3社で最大の情報通信売上
出典: フジクラFY2026/3 DATAFILE
住友電工 情報通信(FY2025実績)
3,266億円
FY2026は5,000億円へ拡大する見通し
出典: 住友電気工業Fact Book
古河電工 光ソリューション
1,969億円
FY2025実績。FY2028目標3,000億円、北米DC向け光部品
出典: 古河電気工業 経営方針説明会
住友電工 情報通信(見通し)
5,000億円
FY2026見通し、データセンター向け光ファイバー需要を見込む
出典: 住友電気工業 中期経営計画2028

住友電工 情報通信セグメント売上の推移(FY2019-FY2026年、億円)

FY2026は会社見通し。データセンター需要でFY2025から急増し、FY2026は5,000億円の見通し
単位: 億円
01,2502,5003,7505,0002,174192,246202,392212,503222,061232,233243,266255,00026
出典: 住友電気工業Fact Book / 中期経営計画2028
年度20192020202120222023202420252026
情報通信セグメント売上億円2,1742,2462,3922,5032,0612,2333,2665,000
前年比+3.3%+6.5%+4.6%-17.7%+8.3%+46.3%+53.1%
読み解き

住友電工の情報通信セグメントは、光ファイバー・光ケーブルや光部品、アクセス系製品などで構成されます。FY2019の2,174億円から、コロナ禍のFY2023に2,061億円へ一度落ち込んだ後、データセンター向けの需要を背景にFY2025に3,266億円へ急増しました。

会社はFY2026にこのセグメントが5,000億円へ拡大する見通しを示しています。生成AIのデータセンター投資が世界で加速するなか、サーバー間やデータセンター間を結ぶ光ファイバー・光接続製品の需要を取り込む計画です。FY2026の数字は会社の見通しで、実績ではありません。

フジクラ 情報通信セグメント売上の推移(FY2022-FY2025年、億円)

フジクラは2022年度にセグメント体系を変更。新体系の4年で2倍超に伸びた
単位: 億円
02,0004,0006,0008,0002,913222,972234,513246,53025
出典: フジクラFY2026/3 DATAFILE(2022年度以降の新セグメント体系)
年度2022202320242025
情報通信セグメント売上億円2,9132,9724,5136,530
前年比+2.0%+51.9%+44.7%
読み解き

フジクラの情報通信セグメントは、データセンター・AI向けの光接続製品や光ファイバーが牽引し、FY2022の2,913億円からFY2025に6,530億円へと、4年で約124%伸びました。特にFY2024からFY2025にかけての伸びが大きく、生成AIのデータセンター投資の加速を映しています。3社の中では最も大きい情報通信売上です。

なお、フジクラは2022年度にセグメント体系を変更しており、それ以前の旧区分(Telecommunication Systems)とは集計の範囲が異なります。このため、本グラフは新体系のFY2022以降に限り、旧区分とつなげた長期の比較はしていません。

このグラフに関連するトピック

光ファイバー国内3社の情報通信・光セグメント

各社のセグメント区分は異なり、直近売上と中期の目標を併置(単純な合算はできない)
住友電工(情報通信)
直近のセグメント売上
3,266億円(FY2025実績)
中期の目標・見通し
5,000億円(FY2026見通し)
データセンター需要での位置づけ
光ファイバー世界大手、DC向けでFY2026に5,000億円見通し
フジクラ(情報通信)
直近のセグメント売上
6,530億円(FY2025)
中期の目標・見通し
中期目標は非開示
データセンター需要での位置づけ
DC・AI向け接続製品で急増、3社で最大の情報通信売上
古河電工(光ソリューション)
直近のセグメント売上
1,969億円(FY2025)
中期の目標・見通し
3,000億円(FY2028目標)
データセンター需要での位置づけ
北米DC向け光部品、営業利益率の改善を計画
読み解き

光ファイバー国内3社は、いずれもデータセンター需要を成長領域に位置づけています。フジクラの情報通信が6,530億円(FY2025)と3社で最も大きく、住友電工の情報通信は3,266億円(FY2025実績)からFY2026に5,000億円への拡大を見込みます。古河電工の光ソリューションは1,969億円(FY2025)で、FY2028に3,000億円、営業利益率を5.5%から12.3%へ高める計画です。

ただし、これらのセグメントは光ファイバー単独の数字ではありません。住友電工の情報通信は光ファイバー・光ケーブルに加えて光部品やアクセス系製品を、古河電工の光ソリューションは光部品も含むなど、各社のセグメントの区分(住友電工の情報通信、フジクラの情報通信、古河電工の光ソリューション)は対象範囲が異なります。このため、3社の数字を単純に足し合わせて光ファイバーの市場規模とすることはできません。

業界の3大論点

データセンター需要で、国内メーカーはどこまで事業を伸ばせるか?

生成AIの普及を背景に、データセンターの建設が世界で加速し、サーバー間やデータセンター間を結ぶ光ファイバー・光接続製品の需要が急速に拡大しています。国内3社はいずれもこの需要を成長領域に位置づけ、フジクラの情報通信はFY2022の2,913億円からFY2025に6,530億円へ、住友電工はFY2026に5,000億円への拡大を見込んでいます。

光ファイバーは製造に技術の蓄積が必要で、国内メーカーは長年の品質と量産の実績を強みとしています。一方で、世界市場ではCorningやPrysmianなどの海外大手も同じ需要を取り込もうとしており、増産投資の競争が続いています。需要の波に対して増産のタイミングを誤らない設備投資の判断が、収益を左右します。

中期的には、データセンター向けの特殊な光ファイバーや、伝送容量を高める製品で付加価値を確保できるかが鍵です。需要の急増が続くのか、どこかで一巡するのかを見極めながら、増産投資を進める判断が問われます。

3社の強みと戦略はどう違うか?

光ファイバー国内3社は、いずれもデータセンター需要を追い風としていますが、事業の構成や戦略には違いがあります。フジクラは情報通信がFY2025に6,530億円と3社で最も大きく、データセンター・AI向けの光接続製品で急増しています。住友電工は光ファイバー世界大手として、情報通信をFY2026に5,000億円へ拡大する見通しです。

古河電工は光ソリューションをFY2025の1,969億円からFY2028に3,000億円へ伸ばし、営業利益率を5.5%から12.3%へ高める計画で、北米のデータセンター向け光部品を成長の軸としています。各社とも、光ファイバー単体だけでなく、データセンターの中で使われる光部品や接続製品へ事業を広げています。

どの製品領域で付加価値を確保するか、増産投資をどのタイミングで進めるかが、3社の収益性の違いにつながっていきます。

光ファイバーの需要急増は構造的か、一巡するのか?

データセンター向けの光ファイバー需要の急増は、生成AIの普及という構造的な変化に支えられています。AIの学習や推論には大量の計算資源が必要で、データセンターの建設とその内部・相互を結ぶ光接続の需要は、当面拡大が続くと各社は見ています。

一方で、半導体や通信設備の需要がそうであったように、急増した需要はどこかで一巡し、調整局面を迎える可能性もあります。各社が増産投資を進める中で、需要のピークを見誤ると、設備の稼働率が下がり収益を圧迫するリスクがあります。過去にも光ファイバーは需要の波を経験してきました。

中期的には、データセンター需要の持続性を見極めながら、増産のペースを調整する経営判断が問われます。需要が構造的に拡大し続けるのか、それともAI投資の一巡とともに落ち着くのかは、各社の設備投資と収益を左右する最大の論点です。

中期見通し

近未来1-2年

データセンター向けの光ファイバー・光接続製品の需要が、各社の情報通信・光関連の売上を押し上げる局面が続きます。住友電工はFY2026に情報通信を5,000億円へ、フジクラもデータセンター向けの伸びを見込んでおり、増産投資が進みます。

中期3-5年

データセンター向けの特殊な光ファイバーや、伝送容量を高める製品での付加価値の確保が、収益性を左右します。古河電工は光ソリューションをFY2028に3,000億円へ伸ばす計画です。海外のCorning・Prysmianとの増産競争のなかで、各社が投資のタイミングをどう判断するかが問われます。

長期5-10年

生成AIのデータセンター投資が一巡するのか、構造的に拡大が続くのかが、長期の需要を決めます。需要の波に対して増産投資のペースを誤らない経営判断と、光ファイバー単体にとどまらない光部品・接続製品への事業の広がりが、国内メーカーの競争力を支える要素になります。

よくある質問

光ファイバーは誰が作っているのですか?
国内では住友電工・フジクラ・古河電工が光ファイバー・光ケーブルを手がけ、世界でも有数のメーカーです。世界市場ではCorning(米)やPrysmian(伊)などの海外大手も主要なメーカーとなっています。いずれもデータセンター向けの需要拡大を成長領域に位置づけています。
なぜ光ファイバーの需要が伸びているのですか?
生成AIを背景としたデータセンターの建設が世界で加速し、サーバー間やデータセンター間を結ぶ光ファイバー・光接続製品の需要が急速に拡大しているためです。フジクラの情報通信はFY2022の2,913億円からFY2025に6,530億円へ伸び、住友電工もFY2026に5,000億円への拡大を見込んでいます。
住友電工・フジクラ・古河電工で売上はどう違いますか?
各社のセグメント区分は異なるため単純な比較はできませんが、直近の情報通信・光関連セグメントは、フジクラがFY2025に6,530億円と3社で最も大きく、住友電工がFY2025に3,266億円(FY2026見通し5,000億円)、古河電工の光ソリューションがFY2025に1,969億円です。いずれもデータセンター向けを成長の軸としています。
フジクラの売上が急に伸びているのはなぜですか?
データセンター・AI向けの光接続製品や光ファイバーの需要を取り込んでいるためです。情報通信セグメントはFY2022の2,913億円からFY2025に6,530億円へ、4年で約124%伸びました。なお、フジクラは2022年度にセグメント体系を変更しているため、それ以前の数字とは集計の範囲が異なります。
光ファイバーの需要拡大はいつまで続きますか?
データセンター向けの需要は、生成AIの普及という構造的な変化に支えられており、各社は当面の拡大を見込んでいます。一方で、過去にも光ファイバーは需要の波を経験しており、AI投資が一巡すれば調整局面を迎える可能性もあります。各社は需要の持続性を見極めながら、増産投資のペースを調整する判断が求められています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    住友電気工業 (5802) Fact Book / 中期経営計画2028
  2. 2.
    フジクラ (5803)FY2026/3 DATAFILE
  3. 3.
    古河電気工業 (5801) 経営方針説明会
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