修繕積立金の不足はなぜ広がっているのか?
修繕積立金不足が約3割のマンションで発生している背景には、新築時の価格設定の構造的な問題があります。新築分譲マンションでは、月々の支払い負担を抑えてみせるため、当初の修繕積立金が低く設定されるケースがあります。本来、長期修繕計画に基づいて必要額を積み立てるべきですが、将来の値上げを前提とした「段階増額方式」の設定が多く、その後の値上げ合意が取れないまま積立不足が積み重なるパターンが見られます。
管理組合の運営力も大きな要素です。積立金の改定には総会での合意形成が必要ですが、区分所有者の無関心や値上げへの抵抗感から、必要な改定が先送りされる事例があります。令和5年改正の管理適正化法では、管理計画認定制度が設けられ、適切な修繕積立金の確保が認定要件の一つとなっています。