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分譲マンションのストックと築40年問題|老朽化の現状と2044年への推計

分譲マンションのストックは2024年末時点で全国713.1万戸に達し、約1,600万人(国民の約1割)が居住しています(国土交通省推計)。新築の供給は6万戸台の低水準が続く一方、過去に建てられたストックは毎年積み上がり続けており、既存のマンションをいかに維持・更新するかが住宅政策の中心課題になっています。 築年数では、1985年以前に建てられた築40年超のストックが148万戸(2024年末)あります。2014年末の48.5万戸から10年間で約3倍に急増しており、1980年代の大量供給時代に建てられた物件が一斉に高経年化するためです。国土交通省の推計では、2034年末には293.2万戸、2044年末には482.9万戸に達する見通しです。 さらに、1981年6月施行の新耐震基準以前に建てられた旧耐震基準のストックが103万戸あります。大規模地震への備えとして耐震改修や建替えが求められますが、多数の区分所有者の合意形成が難しく、更新が進みにくい状況が続いています。本ページでは、ストックの規模、築40年超の推移と推計、旧耐震基準ストックの現状と建替えの構図を整理します。

分譲マンション総ストック
713.1万
2024年末、国民の約1割・約1,600万人が居住
出典: 国土交通省 分譲マンションストック数の推移
築40年超ストック(2024年末)
148万
10年前(2014年末)の約3倍、今後さらに急増
出典: 国土交通省 築40年以上のマンションストック数の推移
築40年超ストック(2044年推計)
482.9万
2024年比で3.3倍超に達する見込み
出典: 国土交通省 推計値
旧耐震基準ストック
103万
1981年6月1日施行の新耐震基準以前に建てられたもの
出典: 国土交通省 分譲マンションストック数の推移

築40年以上の分譲マンションストック戸数の推移と推計(万戸)

2014年末・2024年末は実績値。2034年・2044年は国土交通省の推計値。各時点で築40年超のストック累計を示す
単位: 万戸上位 4
01252503755004832044年(推計)2932034年(推計)1482024年末48.52014年末
出典: 国土交通省 築40年以上のマンションストック数の推移(分譲マンションストック数の推移より)
カテゴリ2014年末2024年末2034年(推計)2044年(推計)
万戸48.50148293.20482.90
読み解き

築40年を超える分譲マンションは、2014年末の48.5万戸から2024年末には148万戸へと約3倍に増えました。この急増は、1980年代に供給量が多かったマンションが一斉に築40年を超えるためで、今後もこの傾向が続きます。

国土交通省の推計では、2034年末には293.2万戸、2044年末には482.9万戸に達します。2024年から2034年の10年間でおよそ2倍、2024年から2044年の20年間でおよそ3.3倍の規模となる見通しです。マンションの老朽化対策は、今後の住宅政策における中心的な課題となっています。

旧耐震基準ストックと建替えの構図

1981年6月に建築基準法が改正され、新たな耐震基準(新耐震基準)が施行されました。これ以前に建てられた分譲マンションは旧耐震基準のストックと呼ばれ、全国で103万戸あります(国土交通省推計)。総ストック713.1万戸のおよそ14%にあたります。旧耐震基準のストックは、現行の耐震基準を満たさないものが含まれており、大規模地震への対応として耐震改修や建替えが求められています。

建替えを進めるうえでの最大の課題が、区分所有者全員での合意形成です。マンションは多数の区分所有者が個別に部屋を所有しており、建替えには原則として区分所有者の5分の4以上の同意が必要です。居住者の高齢化が進むなかで、転居コストや費用負担の問題から同意を得ることが難しい物件も多く、建替えの実績は全国でも限られた数にとどまっています。2024年から2025年にかけての区分所有法の改正により、決議要件の緩和や手続きの整備が進められましたが、建替えの本格的な加速には時間がかかる見通しです。

主要論点

なぜ築40年超のマンションは急増するのか?

築40年超のマンションが急増する主な理由は、1980年代の供給ピークにあります。日本では高度成長期から1980年代にかけて、都市部を中心に大量のマンションが建設されました。この時期に建てられた物件が順次、築40年を超えることで、老朽ストックが一気に積み上がります。

2024年末時点の148万戸は、1985年以前に建てられたストックに相当します。2034年の推計値293.2万戸は1995年以前、2044年の推計値482.9万戸は2005年以前の物件が含まれるイメージです。バブル期を含む1980〜2000年代の大量供給が、今後の老朽化の速さを決めています。

老朽化が進んでも、新しい建物に建て替えるのが難しい事情がある(後述)ため、ストックとして蓄積し続けます。結果として、修繕・維持管理のニーズが増大する一方、建替えは思うように進まないという構造が固定化しています。

旧耐震基準マンションはどんなリスクがあるのか?

旧耐震基準のマンションは、1981年6月施行の新耐震基準を満たしていないものが含まれます。新耐震基準は、大地震に対して「倒壊・崩壊しない」ことを求める水準で、1978年の宮城県沖地震の被害を踏まえて強化されたものです。旧耐震基準のマンションは、新基準と比べると大規模地震への耐性が低い可能性があります。

耐震性の問題に加え、築年数が上がるほど外壁・配管・設備の老朽化が進みます。修繕積立金の不足や管理状態の悪化が重なると、建物の維持が困難になるケースも出てきます。耐震改修を行えば新耐震基準と同等の性能を確保できますが、費用と工事期間の確保、区分所有者の合意形成が必要です。

マンションの建替えはなぜ難しいのか?

マンションの建替えが難しい最大の理由は、多数の区分所有者の合意形成にあります。マンション建替え円滑化法のもと、建替えには原則として区分所有者の5分の4以上の同意が必要です。一棟に数十〜数百世帯が居住する場合、全員の合意を得ることは容易ではありません。

加えて、建替え費用の負担も大きな壁になります。建替えにあたっては、旧建物の解体費と新建物の建設費を区分所有者が拠出するか、容積率に余裕がある場合は戸数を増やして費用を補う「等価交換方式」が使われます。容積率の余裕がない物件では、区分所有者の費用負担が重くなります。

2024年から2025年にかけての区分所有法改正では、決議要件の緩和や手続きの整備が盛り込まれましたが、実際の建替えが大幅に増えるには、制度の浸透と個別物件の事情への対応に時間を要します。

中期見通し

近未来1-2年

築40年超のストックは2024年末の148万戸から引き続き増加します。区分所有法改正(2024〜2025年)の施行を受け、建替えや耐震改修の相談件数は増える見通しですが、実際の建替え完成件数が大きく増えるまでには時間がかかります。修繕積立金の額の改定(国交省ガイドライン改定)も議論が続いています。

中期3-5年

中期では、旧耐震基準ストック103万戸のうち耐震性の低い物件で、耐震改修か建替えかの判断が迫られる物件が増えます。行政による耐震改修促進計画や補助制度の活用が鍵となります。容積率に余裕がある都心部では等価交換方式の建替えが選択肢となりますが、郊外の物件では合意形成と費用負担の課題が残ります。

長期

2044年には築40年超のストックが482.9万戸に達する推計で、その管理・更新が住宅政策の中心課題となります。建替えが進まない場合、管理不全マンションや廃墟化するリスクが広がります。政府は「2つの老い(住民の高齢化とマンション自体の老朽化)」への対応を住生活基本計画に明記しており、長期的な制度整備が続く見通しです。

よくある質問

分譲マンションのストックはどれくらいありますか?
国土交通省の推計では、2024年末時点で全国に713.1万戸の分譲マンションストックがあります。約1,600万人、国民の約1割が居住しており、分譲マンションは日本の住宅の主要な形態のひとつとなっています。
築40年を超えるマンションはどれくらいありますか?
2024年末時点で築40年超のマンションストックは148万戸あります。2014年末の48.5万戸から約3倍に増えており、2034年末には293.2万戸、2044年末には482.9万戸に達すると国土交通省は推計しています。
旧耐震基準のマンションはどれくらいありますか?
1981年6月施行の新耐震基準以前に建てられた旧耐震基準の分譲マンションは、全国で103万戸あります(国土交通省推計)。現行の耐震基準を満たしていないものが含まれており、耐震改修や建替えが必要とされています。
マンションを建て替えるにはどうすればいいですか?
マンション建替え円滑化法のもと、建替えには原則として区分所有者の5分の4以上の同意が必要です。費用は区分所有者が負担するか、容積率に余裕がある場合は戸数を増やして補う方法がとられます。2024年から2025年にかけての区分所有法改正で手続きが整備されましたが、合意形成と費用負担が引き続き課題です。
マンションの老朽化問題に関するデータの出典は?
本ページの数値は、国土交通省「分譲マンションストック数の推移」および「築40年以上のマンションストック数の推移」(国交省公表資料)に基づいています。総ストック713.1万戸と旧耐震103万戸は実績値、2034年・2044年の築40年超推計は国土交通省の推計値です。

参考資料 / 一次ソース

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