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マンション業界の市場規模・主要企業・動向

日本の分譲マンション市場は、新規供給が低水準にとどまる一方で価格が史上最高値を更新し続け、量と価格が逆方向に動く局面にあります。

分譲マンション市場とは、不動産会社(マンションデベロッパー)が住戸ごとに販売する集合住宅を供給し、購入者が区分所有する市場です。2025年の新築発売戸数は全国59,940戸と2年連続で6万戸を下回る低水準で推移し、分譲マンションの着工も89,888戸と3年連続で減少しました。その一方で戸当り平均価格は6,556万円と9年連続で上昇し、新規供給が伸び悩むなかで価格だけが史上最高値を更新する状況が続いています。建築費や地価の上昇、首都圏と地方の二極化、超高層マンションの集中、ストックの老朽化が業界共通の論点です。本ページでは、日本の分譲マンション市場を、供給と価格、地域別市場、マンションデベロッパー、超高層マンション、ストックと中古の5つの観点で整理します。

最終更新

業界サマリ

業界概要

分譲マンション市場とは、不動産会社(マンションデベロッパー)が住戸ごとに販売し、購入者が区分所有する市場です。新規供給が低水準にとどまる一方で価格が史上最高値を更新し、量と価格が逆方向に動く局面にあります。建築費・地価の上昇、地域の二極化、超高層マンションの集中、ストックの老朽化が共通の論点です。

  • 発売は全国59,940戸で2年連続6万戸割れ、分譲マンションの着工も3年連続で減少しています。建築費や地価の上昇が新規供給を抑える要因となっています。
  • 戸当り平均は6,556万円で9年連続、1平方メートル当たり単価は13年連続で上昇しています。供給が伸びないなかで価格だけが最高値を更新しています。
  • オープンハウスグループ・野村不動産・住友不動産・三井不動産・三菱地所が主要な売主です。超高層マンション107,408戸の計画とストック713万戸の老朽化が並行して進んでいます。
基礎データ: 不動産経済研究所 新築分譲マンション市場動向 / 国土交通省 建築着工統計・不動産価格指数・マンション統計 / EDINET上場各社連結財務

市場動向

分譲マンション市場では、量(発売・着工)が低水準・減少で推移する一方、価格(平均価格・取引指数)は上昇が続いています。コロナ前から続く価格の上昇が、供給の伸び悩みと並行して進んでいます。

  • 発売は全国59,940戸で2年連続6万戸割れ、分譲マンションの着工は89,888戸で3年連続減です。首都圏は21,962戸で1973年以降の最少を更新しました。
  • 全国平均は6,556万円で9年連続、1平方メートル当たり単価は104.5万円で13年連続の上昇です。不動産価格指数(区分所有)は2010年を100として2倍を超える水準です。
  • 価格水準は地域で大きく異なります。首都圏9,182万円・近畿圏5,328万円・東京23区1億3,613万円と差が広がり、近畿圏の初月契約率は73.5%で4年連続の70%超です。
基礎データ: 不動産経済研究所 新築分譲マンション市場動向 / 国土交通省 不動産価格指数

競争環境

分譲マンション市場では、三井不動産・三菱地所・住友不動産・野村不動産・東急不動産などの総合不動産会社、オープンハウスやタカラレーベン(MIRARTH)などマンション分譲を主力とする会社、マンション建築を担う長谷工コーポレーションなど、多様なプレイヤーが供給を担っています。売主グループ別の供給戸数ではオープンハウスグループが5年連続で首位に立ち、大手各社が地域ごとに供給を競っています。新規供給が低水準にとどまるなかでの価格戦略、超高層マンションの開発、ストックの老朽化への対応が主要な論点です。

  • オープンハウスグループが6,597戸で5年連続の首位です。野村不動産(3,190戸)、住友不動産(2,414戸)、三井不動産(2,350戸)が続き、東急不動産・タカラレーベン(MIRARTH)・三菱地所などもブランドを持つ大手として供給しています。
  • 総合不動産会社・マンション分譲専業・施工の長谷工など多様なプレイヤーが供給を担っています。長谷工コーポレーションはマンション建築を多く手がけ、上場各社のほか大京・森トラストなど非上場の有力企業もあります。
  • 超高層マンションは首都圏に68.6%が集中しています。都心や湾岸の大規模再開発が大手デベロッパーの供給を牽引しています。
基礎データ: 不動産経済研究所 売主グループ別供給戸数ランキング / EDINET上場各社連結財務

市場規模推移

2016-2025 · 新築分譲マンション発売戸数
単位:
首都圏近畿圏その他
025,00050,00075,000100,00076,9931677,3631780,2561870,6601959,9072077,5522172,9672265,0622359,4672459,94025
出典: 不動産経済研究所 新築分譲マンション市場動向(全国発売戸数2016-2025)
年度2016201720182019202020212022202320242025
首都圏35,77235,89837,13231,23827,22833,63629,56926,87323,00321,962
近畿圏18,67619,56020,95818,04215,19518,95117,85815,38515,13716,922
その他22,54521,90522,16621,38017,48424,96525,54022,80421,32721,056
合計(76,99377,36380,25670,66059,90777,55272,96765,06259,46759,940
前年比+0.5%+3.7%-12.0%-15.2%+29.5%-5.9%-10.8%-8.6%+0.8%
市場規模の読み解き
供給の伸び悩みと価格の上昇

日本の分譲マンション市場では、新規供給が低水準にとどまる一方で価格の上昇が続いています。2025年の発売戸数は全国59,940戸で、2年連続で6万戸を下回る低水準となりました。建築確認後の着工でみると分譲マンションは89,888戸で、前年比12.2%減と3年連続の減少です。発売は販売を開始した戸数、着工は工事を始めた戸数で、対象や集計の取り方が異なります。

供給が伸びない一方で、価格は最高値の更新が続いています。戸当り平均価格は6,556万円で9年連続、1平方メートル当たり単価は104.5万円で13年連続の上昇です。実際の取引価格をもとにした国交省の不動産価格指数(区分所有)も、2010年を100として2倍を超える水準にあります。建築費・地価・人件費の上昇が新規供給を抑えつつ価格を押し上げる構図が続いています。

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⇒価格動向を詳しく見る

地域と価格帯の二極化

地域によって市場の動きは大きく分かれています。2025年の発売は首都圏が21,962戸で1973年以降で最も少なく、近畿圏は16,922戸で前年比11.8%増となりました。価格の水準も地域差が広がり、首都圏の平均は9,182万円で初めて9,000万円台に乗せ、近畿圏は5,328万円です。東京23区は1億3,613万円と突出しています。

首都圏の価格上昇は、実需で取得する世帯と、富裕層や投資層との間の二極化を映しています。新築価格の高騰により取得が難しくなる層が広がる一方で、都心や湾岸の高価格帯への需要は底堅く推移しています。価格が上がっても契約は一定程度続いており、発売した月のうちに契約が決まった割合を示す初月契約率は、好調の目安とされる70%を近畿圏では4年連続で上回り、2025年は73.5%でした。

⇒地域別市場を詳しく見る

⇒契約率と在庫を詳しく見る

デベロッパー・超高層・ストックの構造変化

供給の担い手では、売主グループ別でオープンハウスグループが6,597戸と5年連続の首位に立ち、野村不動産・住友不動産・三井不動産・三菱地所などの大手が続いています。マンション建築では長谷工コーポレーションが多くの物件を手がけています。

商品の面では超高層マンションへの集中が進み、20階建て以上は2026年3月末時点で319棟・107,408戸が完成予定で、その68.6%が首都圏に集まっています。一方で既存ストックは2024年末に713.1万戸となり、築40年以上が約148万戸あります。新築価格の高騰を背景に、中古マンションへ需要が向かう動きも続いており、老朽化したストックの修繕や建替えが中長期の課題となっています。

⇒マンションデベロッパーを詳しく見る

⇒超高層マンションを詳しく見る

⇒ストックと築40年問題を詳しく見る

主要トピック

市場データ

業界構造

主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要
分譲マンション業界の構造
主要プレイヤー (2026年6月時点)
02
マンション分譲を主力とする専業・準大手
マンション分譲を中心に供給を伸ばす上場各社、コンパクト・地方中核都市など独自の強み
04
非上場の有力企業
上場していないがマンション供給で存在感のある企業
非上場
大京
「ライオンズマンション」、2019年にオリックス(8591)の完全子会社化で上場廃止、管理は大京アステージが担当
森トラスト
都心の再開発・タワーマンション、売主グループ別供給8位(2025年1,646戸)、非上場
業界構造の読み解き
供給を担うプレイヤー

分譲マンションの供給は、総合不動産会社マンション分譲を主力とする会社が中心を担っています。三井不動産・三菱地所・住友不動産・野村不動産・東急不動産・東京建物といった総合不動産会社は、オフィスや商業施設とあわせてマンション分譲を主要な事業の1つとしています。これに対し、オープンハウスやタカラレーベン(MIRARTH)、穴吹興産などは、マンション分譲を主力に供給を伸ばしています。

供給戸数では、売主グループ別でオープンハウスグループが6,597戸と5年連続の首位です。野村不動産・住友不動産・三井不動産・三菱地所などの大手が続いており、上場各社のほかに大京や森トラストといった非上場の有力企業もあります。マンション建築では、長谷工コーポレーションが多くの物件の施工を手がけ、デベロッパーの供給を支えています。

⇒マンションデベロッパーを詳しく見る

超高層マンションと都心再開発

近年の供給では、超高層マンションへの集中が進んでいます。20階建て以上の超高層マンションは2026年3月末時点で319棟・107,408戸が完成を予定し、その68.6%が首都圏に集まっています。都心や湾岸エリアの大規模な再開発が、大手デベロッパーの供給を牽引しています。

大規模な再開発は、用地の取得から完成まで長い期間と多くの資金を必要とするため、資金力のある大手が中心となります。新規供給が低水準にとどまるなかで、こうした大型物件が供給の一定割合を占める構造が続いています。

⇒超高層マンションを詳しく見る

ストックの老朽化と制度

分譲マンションのストックは2024年末に713.1万戸となり、築40年以上が約148万戸あります。築40年以上のストックは20年後に482.9万戸へ増える見込みで、老朽化したマンションの修繕や建替えが課題となっています。修繕には計画的な積立てが必要で、修繕積立金や管理費の上昇が購入後の負担として注目されています。

建替えには区分所有者の合意形成が欠かせません。制度の面では、2024年から2025年にかけて区分所有法の改正に向けた議論が進み、建替えや管理の円滑化が論点となっています。新築・中古・建替えをどう組み合わせて住宅を確保するかが、業界の中長期のテーマです。

⇒ストックと築40年問題を詳しく見る

業界の3大論点

01
なぜ新規供給が伸びないのにマンション価格は上がり続けるのか?

分譲マンション市場では、新規供給が低水準で推移する一方、価格の上昇が続いています。2025年の発売は全国59,940戸で2年連続の6万戸割れ、分譲マンションの着工も89,888戸で3年連続の減少です。それでも戸当り平均は6,556万円で9年連続、1平方メートル当たり単価は13年連続の上昇となりました。

背景には、供給側の費用の上昇があります。建築費は資材費と人件費の上昇で高止まりし、用地となる都市部の地価も上昇しています。デベロッパーは採算の取れる価格でしか供給できないため、価格が上がる一方で、無理に戸数を増やしにくい状況が続いています。供給が絞られることが、かえって価格を下支えする面もあります。

価格の上昇は、取得する世帯の負担を重くしています。世帯年収に対する価格の倍率が上がり、一次取得層には手の届きにくい水準になりつつあります。一方で都心の高価格帯には富裕層や投資層の需要が底堅く、価格が上がっても契約が一定程度続いています。今後も、建築費や金利、需要層の広がり次第で、量と価格のどちらに調整圧力がかかるかが論点となります。

02
首都圏と地方で市場はどこまで二極化しているのか?

価格と供給の両面で、地域による差が広がっています。2025年の発売は首都圏が21,962戸で1973年以降の最少となった一方、近畿圏は16,922戸で前年比11.8%増でした。価格では、首都圏の平均が9,182万円で初めて9,000万円台に乗せ、近畿圏は5,328万円と差が開いています。

首都圏のなかでも二極化が進んでいます。東京23区の平均は1億3,613万円と突出し、都心の高価格帯と郊外との差が大きくなっています。都心の物件は富裕層や投資層に支えられて契約が続く一方、郊外や地方では、価格の上昇が取得をためらわせる場面も見られます。

この二極化は、契約率にも表れています。近畿圏の初月契約率は73.5%で4年連続の70%超と堅調です。エリアによって需要の強さが異なるため、デベロッパーは都心の高価格帯と、取得しやすい価格帯のどちらに供給の重心を置くかという判断を迫られています。地域ごとの所得や人口の動向が、今後の市場の方向を左右する見通しです。

03
ストックの老朽化と新築価格の高騰は市場をどう変えるのか?

新築の供給が低水準で価格が高止まりするなかで、既存ストックの存在感が高まっています。分譲マンションのストックは2024年末に713.1万戸となり、国民の約1割が居住しています。このうち築40年以上が約148万戸あり、築40年以上のストックは20年後に482.9万戸へ増える見込みです。

新築価格の高騰は、中古マンションへの需要を後押ししています。新築に手が届きにくい層が、価格の比較的低い中古マンションに向かう動きが続いており、中古の成約は底堅く推移しています。中古マンションの流通や仲介の実務は不動産仲介の領域ですが、新築価格の上昇が需要の向かう先を変えている点は、分譲マンション市場にとっても重要な変化です。

一方で、老朽化したストックには修繕と建替えの課題があります。修繕積立金や管理費の上昇は、購入後のランニングコストとして商品選択に影響します。建替えには区分所有者の合意形成が必要で、制度面では区分所有法の改正や建替えの円滑化に向けた議論が進んでいます。新築・中古・建替えをどう組み合わせて住宅を確保するかが、中長期の論点となります。

よくある質問 (FAQ)

分譲マンションの新築供給はどれくらいの規模ですか?
2025年の新築分譲マンションの発売戸数は、全国で59,940戸でした。年間の発売が6万戸を下回るのは2年連続で、低い水準で推移しています。建築確認後の着工でみると、分譲マンションは89,888戸で前年比12.2%減と3年連続の減少です。発売は販売を開始した戸数、着工は工事を始めた戸数で、対象や集計の取り方が異なるため、数字の水準も異なります。
マンション価格はどれくらい上がっていますか?
2025年の全国の戸当り平均価格は6,556万円で、9年連続の上昇です。1平方メートル当たり単価も104.5万円で13年連続の上昇となりました。実際の取引価格をもとにした国土交通省の不動産価格指数(区分所有)も、2010年を100として2倍を超える水準にあります。建築費や地価、人件費の上昇が価格を押し上げる要因となっています。
首都圏と地方で価格はどれくらい違いますか?
2025年の戸当り平均価格は、首都圏が9,182万円で初めて9,000万円台に乗せた一方、近畿圏は5,328万円と差が開いています。首都圏のなかでも東京23区は1億3,613万円と突出しており、都心の高価格帯と郊外・地方との差が大きくなっています。価格の地域差は、需要層の所得や人口の動向を反映して広がっています。
マンションを供給している主な会社はどこですか?
売主グループ別の供給戸数では、オープンハウスグループが2025年に6,597戸で5年連続の首位です。続いて野村不動産グループ(3,190戸)、住友不動産グループ(2,414戸)、三井不動産グループ(2,350戸)、三菱地所グループ(1,549戸)などの大手が並んでいます。マンション建築では長谷工コーポレーションが多くの物件を手がけており、上場各社のほか大京・森トラストなどの非上場の有力企業もあります。
タワーマンションはどれくらい建つ予定ですか?
20階建て以上の超高層マンションは、2026年3月末時点で319棟・107,408戸が完成を予定しています。このうち首都圏が68.6%を占めており、都心や湾岸エリアの大規模な再開発が供給を牽引しています。前回の調査と比べて棟数・戸数ともに増えており、超高層マンションへの集中が続いています。
既存のマンションはどれくらいあり、老朽化はどの程度ですか?
分譲マンションのストックは、2024年末時点で713.1万戸に達し、国民の約1割が居住していると推計されています。このうち築40年以上は約148万戸あり、10年後には約2.0倍、20年後には482.9万戸へ増える見込みです。老朽化したマンションの修繕や建替え、管理組合の合意形成が、中長期の課題となっています。
新築が高くて買えない場合、中古マンションに需要は向かっていますか?
新築マンションの価格が高止まりするなかで、価格が比較的低い中古マンションへ需要が向かう動きが続いています。中古マンションの成約は底堅く推移しており、新築に手が届きにくい層の受け皿となっています。中古マンションの流通や仲介の実務は不動産仲介の領域ですが、新築価格の上昇が需要の向かう先を変えている点は、分譲マンション市場の重要な変化です。

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参考資料 / 一次ソース

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