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新築マンション価格高騰と中古マンションへの需要シフト|取引量指数の推移【2025年版】

新築分譲マンションの全国平均価格は2025年に6,556万円(前年比+7.8%)に達し、9年連続で上昇しています(不動産経済研究所)。不動産価格指数(区分所有マンション)は2025-12時点で225.1(2010年=100)と、2010年の2倍超に達しています。 新築価格の高騰は、一次取得層を中心に「新築では手が届かない」という状況を生み、中古マンション市場への関心が高まっています。国土交通省の中古住宅取引量指数(区分所有、季節調整済み)は、2025年年平均で132.7(2010年=100)と、2010年比で約33ポイント上昇しています。新築価格が上がるなか、中古マンションの取引量は着実に増えています。 本ページでは、新築と中古の需要の構図を、価格動向と取引量の観点から整理します。

新築分譲マンション平均価格
6,556万
2025年・全国。前年比+7.8%
出典: 不動産経済研究所 新築分譲マンション市場動向(全国)
新築価格指数(区分所有)
225.1(2010年=100)
2025-12時点、季節調整済み。2010年比で2倍超
出典: 国土交通省 不動産価格指数(区分所有マンション)
中古マンション取引量指数
132.7(2010年=100)
2025年年平均・全国。新築高騰を背景に取引量が拡大
出典: 国土交通省 中古住宅取引量指数(区分所有・季節調整済み)
新築平均価格の連続上昇
9
2017年から2025年まで9年連続で上昇
出典: 不動産経済研究所 新築分譲マンション市場動向

中古マンション取引量指数の推移(2010年=100、年平均)

国土交通省 中古住宅取引量指数(区分所有マンション、全国・季節調整済み)。2010年年平均を100として指数化。取引件数の水準変化を示す(価格でない)
単位: 指数
037.5751131501001090.791.510096.8101151041081091151082011311512012913325
出典: 国土交通省 中古住宅取引量指数(2010年=100・季節調整済み・年平均)
年度2010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
指数10090.7091.50100.4096.80101.20104.30107.80109.20114.50108.20113114.50120.20128.70132.70
前年比
読み解き

中古マンションの取引量指数は、基準年の2010年(=100)から2025年年平均の132.7まで着実に上昇しています。2020年はコロナ禍の影響で一時的に低下しましたが、その後は回復し、上昇基調が続いています。

この取引量の伸びは、件数の水準を示す指数です(価格でなく件数ベース)。新築分譲マンションの平均価格が2010年以降一貫して上昇し、2025-12時点の価格指数が225.1(2010年比2倍超)に達するなか、価格が相対的に手の届きやすい中古マンションへの関心が高まっていることを反映しています。

このグラフに関連するトピック

新築価格高騰と中古需要拡大のメカニズム

新築マンション価格の上昇には複数の要因が重なっています。建築資材費や人件費の高騰で建設コストが増加したこと、都心で供給可能な用地が限られていること、1室あたりの面積を抑えながら設備グレードを上げた高単価商品への移行などが重なり、価格は下がりにくい構造になっています。東京23区では2025年の平均価格が1億3,613万円に達しており、一次取得の実需層には手が届きにくい水準です。

新築価格が上がるほど、相対的に価格が抑えられた中古マンションへの需要が生まれます。新築との価格差が広がるほど「中古でよいのではないか」という選択が増え、取引量の増加につながります。特に、築10年前後で設備状態がよく、立地の良い物件は、新築に近い品質を新築より低い価格で取得できる選択肢として評価されています。耐震性の観点では、1981年6月以降の新耐震基準適合物件を選ぶことで一定の基準を満たせるため、中古を検討しやすくなっています。

主要論点

なぜ新築マンション価格はこれだけ上がったのか?

新築分譲マンションの全国平均価格は2025年に6,556万円に達し、9年連続で上昇しています。価格上昇の主な要因は3つあります。

まず、建設コストの上昇です。鉄筋・コンクリートなどの建築資材費と人件費が高止まりしており、建設コストの増加が販売価格に転嫁されています。次に、都心立地の希少性です。交通利便性の高い都心部での供給可能な用地が限られており、好立地の物件は需要が集中します。

3つ目が商品構成の変化です。販売戸数が減少するなかで、デベロッパーは採算確保のために1室あたりの価格を上げる商品へとシフトしています。3LDKで4,000-5,000万円台の一般実需向け物件よりも、コンパクトな間取りでも設備グレードを高めた高単価物件や、タワーマンションのプレミアム住戸が増えました。こうした構造変化が、全国平均価格を押し上げています。

中古マンションはどこまで新築の代替になるか?

中古マンションの取引量指数は2025年で132.7(2010年=100)と増加傾向が続いており、新築の価格高騰が中古への関心を高めていることは明らかです。しかし、中古が新築を完全に代替できるかには、いくつかの留保があります。

耐震性の面では、1981年6月施行の新耐震基準に対応しているかどうかが選定の基準となります。1981年6月以前の物件(旧耐震基準)は、現行基準を満たさないものが含まれます。設備の面では、給排水管の状態や断熱性が新築より劣る場合があり、購入後のリフォームコストを見込む必要があります。

一方で、築10〜20年の物件は設備状態が良好なものも多く、新築より低い価格で利便性の高い立地を確保できる場合があります。管理の状況(修繕積立金の蓄積、管理組合の活動状況など)を確認したうえで購入することで、新築に近い住環境を実現する選択肢として評価されています。

新築と中古の需要構図は今後どうなるか?

新築価格の高止まりと中古取引量の増加は、しばらく続く見通しです。建設コストの高騰が続くなかで新築価格が下がる要因は乏しく、中古市場への需要が下支えされる構図が継続するとみられます。

中古市場の広がりには、制度面の整備も後押しします。住宅ローン減税の対象に新耐震基準適合の中古物件が含まれており(条件あり)、インスペクション(建物状況調査)の普及で状態確認がしやすくなっています。リノベーションを前提にした中古購入も増え、「中古を取得してリフォームする」という選択肢の認知度が上がっています。

長期的には、マンションストックの老朽化(ストック全体のうち築40年超が増加)が、中古市場の質の差を広げる要因となります。耐震性・設備状態が良好な物件と、老朽化が進む物件の価格差が広がる「二極化」が、中古市場の中でも進む可能性があります。

中期見通し

近未来1-2年

新築マンション価格の高止まりが続くなか、中古マンション市場への需要シフトは続く見通しです。インスペクションの普及やリノベーション受容の高まりで、「中古選択」の裾野が広がっています。金利環境(変動金利の水準)が購入余力に影響するため、金利動向が新築・中古いずれの需要にも影響します。

中期3-5年

中期では、新築価格の高止まりが続く場合は中古市場の取引量がさらに増える一方、価格差が縮小すれば新築回帰の動きも出うる。都心部では新築・中古ともに高価格化が進む一方、郊外・地方では新築と中古の価格差が小さく、中古への代替が限定的な市場もあります。

長期

長期では、築40年超ストックの急増(2044年推計482.9万戸)が中古市場の構造を変えます。良質な中古(築10〜20年、新耐震基準適合)と老朽化物件の間で価格格差が広がり、「どの中古を選ぶか」が新築か中古かの二択に加えて重要な判断軸となります。マンション管理・修繕状況の情報開示が進むほど、選択肢の透明性が高まります。

よくある質問

新築マンションの価格はなぜ上がり続けているのですか?
建築資材費や人件費の高騰で建設コストが上昇したこと、都心の供給可能な用地が限られていること、高単価商品・タワーマンションへの商品シフトが重なっています。2025年の全国平均は6,556万円(前年比+7.8%)で、9年連続の上昇です。
中古マンションの取引量はどのくらい増えていますか?
国土交通省の中古住宅取引量指数(区分所有・全国・季節調整済み)は、2025年の年平均で132.7(2010年=100)です。基準年の2010年から約33ポイント上昇しており、新築価格の上昇を背景に取引量が伸びています。この指数は件数の水準を示すもので、価格ではありません。
中古マンションと新築マンションの価格差はどのくらいですか?
新築の全国平均は6,556万円(2025年)です。中古の成約価格は地域・築年数・広さによって大きく異なり、不動産流通機構(レインズ)の成約レポートで地域別の成約事例を確認できます。
中古マンションを選ぶ際に確認すべきことは何ですか?
主な確認点は、①耐震基準(1981年6月以降の新耐震基準適合か)、②設備の状態(給排水管・断熱など)、③管理状況(修繕積立金の蓄積、管理組合の運営)、④インスペクション(建物状況調査)の実施有無です。特に築40年超の物件では、旧耐震基準のリスクと大規模修繕の状況に注意が必要です。
このデータの出典は何ですか?
取引量指数は国土交通省「中古住宅取引量指数」(区分所有マンション・全国・季節調整済み・年平均)を使用しています。新築価格は不動産経済研究所「新築分譲マンション市場動向(全国)」、価格指数(225.1)は国土交通省「不動産価格指数(区分所有マンション)」(2025-12・季節調整済み)が出典です。

参考資料 / 一次ソース

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