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空き家と中古流通|空き家900万戸・空き家率13.8%と相続・制度【2026年版】

日本の空き家は、2023年に900万2千戸、空き家率13.8%といずれも過去最高となりました。1993年からの30年間で空き家数はおよそ2倍に増えています。なかでも、賃貸用や売却用、別荘などを除く「その他の空き家」(相続などで使われずに放置されがちな空き家)は385万6千戸にのぼり、中古流通や空き家対策の主な対象になっています。本ページでは、空き家の現状と、相続・制度が中古住宅の流通にどう関わるかを整理します。

空き家総数(2023年)
900万2千戸
過去最多。2018年から51万3千戸増
出典: 総務省 令和5年 住宅・土地統計調査
空き家率(2023年)
13.8%
過去最高。2018年は13.6%
出典: 総務省 令和5年 住宅・土地統計調査
その他の空き家(放置等、2023年)
385万6千戸
総住宅数の5.9%。中古流通・相続空き家対策の主な対象
出典: 総務省 令和5年 住宅・土地統計調査
30年間の空き家数の増加
約2倍
1993年から2023年までの30年間でおよそ2倍に
出典: 総務省 住宅・土地統計調査

空き家数の推移(1978-2023年、万戸)

5年ごとの調査。2023年は900万2千戸、空き家率13.8%でいずれも過去最高
単位: 万戸
02505007501,00026878330833948844893576986590375708820138491890023
出典: 総務省統計局「住宅・土地統計調査」(5年ごと、空き家数)
年度1978198319881993199820032008201320182023
空き家数万戸267.90330.20394447.60576.40659.30756.80819.60848.90900.20
前年比
読み解き

空き家の数は、1978年の約268万戸から増加を続け、2023年には900万2千戸と過去最多になりました。空き家率も1978年の7.6%から13.8%へ上昇し、こちらも過去最高です。とくに1993年からの30年間で、空き家数はおよそ2倍に増えています。

増加の背景には、人口減少と世帯数の頭打ちがあります。新築住宅の供給が続く一方で、世帯数が伸び悩み、既存の住宅が使われずに余る構造です。空き家は住宅の在庫(ストック)を示す指標で、中古住宅の取引の量(フロー)とは別の指標です。空き家がそのまま中古市場に出てくるわけではなく、流通させるには相続や制度の後押しが関わります。

このグラフに関連するトピック

空き家の種類別の内訳(2023年、万戸)

賃貸用・その他(放置等)・二次的住宅(別荘等)・売却用の内訳。中古売買の流通や相続空き家対策の主な対象は売却用とその他
項目空き家数(万戸)構成比シェア
賃貸用の空き家443.649.3%
その他の空き家(放置等)385.642.8%
二次的住宅(別荘等)38.44.3%
売却用の空き家32.63.6%
空き家 合計900.2100.0%
読み解き

2023年の空き家を種類別にみると、最も多いのは賃貸用の空き家で、次いで賃貸にも売却にも出されていないその他の空き家(放置等)が385万6千戸です。別荘などの二次的住宅と、売却用の空き家がこれに続きます。

中古住宅の売買の流通や、相続空き家の対策で主に問題になるのは、売却用の空き家とその他の空き家です。とくにその他の空き家は、相続を機に生じて使われないまま放置されることが多く、管理不全や防災上の課題につながります。賃貸用の空き家は賃貸市場の空室の問題で、売買の中古流通とは性格が異なります。

主要論点

なぜ空き家は増え続けているのか?

空き家は、2023年に900万2千戸・空き家率13.8%と過去最高になり、1993年からの30年間でおよそ2倍に増えました。最大の背景は、人口減少と世帯数の頭打ちです。新築住宅の供給が続く一方で、住宅を必要とする世帯の数が伸び悩み、既存の住宅が使われずに余っていきます。

もう一つの要因が、相続です。親世代が住んでいた住宅を子世代が相続しても、すでに自分の住まいを持っていたり、遠方に住んでいたりして、住まず・売らずに放置される例が多くみられます。賃貸にも売却にも出されない「その他の空き家」が385万6千戸にのぼるのは、こうした相続空き家が積み上がっているためです。

加えて、古い住宅は耐震性や設備の面で売りにくく、解体には費用がかかるうえ、更地にすると土地の固定資産税が上がる場合もあるため、放置されやすい事情もあります。人口減少が続くなかで、空き家の増加は当面続く見通しです。

空き家は中古住宅の流通とどう関わるのか?

空き家は住宅の在庫(ストック)を示す指標で、中古住宅の取引の量(フロー)とは別の指標です。空き家が900万2千戸あるからといって、それがそのまま中古市場で売買されるわけではありません。空き家のうち、相続などで生じた「その他の空き家」や売却用の空き家を、いかに中古市場での売買につなげるかが課題です。

放置された空き家を流通させるには、いくつものハードルがあります。相続人が複数いて売却の合意が取りにくいこと、古い建物の状態が分かりにくく買い手が付きにくいこと、価格が低く仲介の手数料も小さいため仲介会社が扱いにくいことなどです。

中古流通の拡大が続くなかで、空き家という眠った在庫を市場に引き出すことは、住宅政策と中古市場の双方にとって重要です。建物の状態を調べるインスペクションや、価格を見えやすくするAI査定など、中古流通のデジタル化も、空き家を含む中古住宅の取引を後押しする手段になります。

制度は空き家の流通をどう促そうとしているのか?

国は、空き家を市場で流通させ、または適切に管理させるための制度を整えてきました。税制では、相続した空き家を売却する際の譲渡所得の特別控除(いわゆる3,000万円控除)があり、被相続人が住んでいた住宅を相続人が一定の要件で売却した場合に、譲渡所得(売却で得た利益)から3,000万円を控除できます。利益が3,000万円までであれば税金がかからない計算になり、相続した空き家の売却を後押しします。この特例は適用期間が2027年末まで延長され、買い手が解体や耐震改修を行う場合も対象に加えられました。

仲介の現場に関わる制度としては、低廉な空き家等の媒介報酬の特例があります。これは売主が仲介会社に支払う媒介報酬(仲介手数料)の上限に関するもので、価格800万円以下の宅地建物について、対象を従来の400万円以下から広げたうえで上限を引き上げ(上限33万円)、価格の低い空き家を仲介会社が扱いやすくしています。手数料制度の詳細は、仲介手数料のページで扱います。

管理の面では、空家等対策の特別措置法が、放置されて危険な「特定空家」や、管理が行き届かない「管理不全空家」への市町村の指導・勧告などを定めています。流通の促進と適切な管理の両面から、空き家対策が進められています。

中期見通し

近未来1-2年

人口減少を背景に、空き家は当面増加が続く見通しです。相続空き家の3,000万円控除や低廉な空き家の媒介報酬の特例の活用が、価格の低い空き家の売買を後押しします。空家等対策の特別措置法に基づく管理不全空家への対応も、各市町村で進みます。

中期3-5年

相続を機に生じる空き家が引き続き積み上がるなか、放置された空き家を中古市場や活用につなげられるかが焦点です。インスペクションやAI査定など中古流通のデジタル化、自治体の空き家バンクや活用促進の取り組みが、空き家の流通を支える手段になります。

長期

人口減少と世帯数の縮小が続くと、空き家率はさらに高まる可能性があります。既存ストックの活用が住宅政策の中心となるなかで、空き家を解体・活用・流通のいずれにつなげるかの選別が進みます。空き家(在庫)と中古流通(フロー)を分けて捉えながら、眠った住宅をどう生かすかが長期の課題です。

よくある質問

日本の空き家は何戸ありますか?
総務省の令和5年(2023年)住宅・土地統計調査によると、空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高です。2018年(空き家率13.6%)から51万3千戸増え、1993年からの30年間でおよそ2倍になっています。
「その他の空き家」とは何ですか?
賃貸用・売却用・別荘などの二次的住宅のいずれにも当てはまらない空き家で、使われずに放置されがちな空き家を指します。2023年は385万6千戸(総住宅数の5.9%)にのぼります。相続を機に生じることが多く、中古流通の促進や空き家対策の主な対象になっています。
相続した空き家を売ると税金の優遇はありますか?
相続した空き家を売却する際の譲渡所得の特別控除(いわゆる3,000万円控除)があります。被相続人が住んでいた住宅を相続人が一定の要件で売却した場合に、譲渡所得(売却で得た利益)から3,000万円を控除できる制度です。適用期間は2027年末まで延長され、買い手が解体や耐震改修を行う場合も対象に加えられました。要件の詳細は国税庁や自治体の案内で確認が必要です。
価格の低い空き家でも仲介してもらえますか?
2024年7月の媒介報酬の告示改正で、価格800万円以下の宅地建物について、仲介会社が受け取れる媒介報酬の上限が引き上げられました(上限33万円)。価格が低く手数料が小さいために扱いにくかった空き家を、仲介会社が扱いやすくする狙いです。手数料の制度の詳細は、仲介手数料のページで扱います。
空き家の数と中古住宅の取引量は同じですか?
いいえ。空き家は住宅の在庫(ストック)を示す指標で、中古住宅の取引の量(フロー)とは別の指標です。空き家が900万2千戸あっても、それがそのまま中古市場で売買されるわけではありません。相続などで生じた空き家を、いかに中古市場での売買につなげるかが課題になっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    総務省統計局「令和5年 住宅・土地統計調査」(住宅及び世帯に関する基本集計)
  2. 2.
    国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置(3,000万円特別控除)・空家等対策特別措置法
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