なぜ耐震改修は進みにくいのか?
耐震改修の必要性は広く認識されているものの、実施率は持ち家で1.9%にとどまり、進みにくさが課題です。背景にはいくつかの要因があります。
第1に、工事費の負担です。壁の補強や基礎の補強といった耐震改修は、まとまった費用がかかります。地方公共団体の補助やリフォーム促進税制の控除がありますが、それでも自己負担は残ります。第2に、必要性が認識されにくいことです。耐震性は外から見えにくく、地震が起きるまで改修の動機が生まれにくい面があります。第3に、高経年住宅での合意形成や所有の問題です。高齢の所有者や、相続をめぐる事情で、改修の判断が難しい住宅もあります。
国は、耐震性が不十分な住宅ストックの比率を令和5年の10%から「おおむね解消」へ減らす目標を掲げ、補助や普及啓発で耐震化を進めています。地震への備えとして、現在の耐震基準を満たさない住宅の耐震化をどう進めるかが、引き続きの課題となっています。