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賃貸住宅の賃貸仲介と店舗網|主要事業者と集客の仕組み【2026年版】

賃貸仲介は、入居者の部屋探しを仲立ちし、仲介手数料を得るフィービジネスです。スターツコーポレーション (ピタットハウス)、ハウスコム、APAMAN (アパマンショップ) などが、店舗網と賃貸ポータルを通じて入居者を集めています。主要な仲介事業者の事業モデルと規模、店舗網の特徴を整理します。

主要な賃貸仲介事業者

事業モデルと規模 (対象範囲が異なるため数値は単純比較できない)

賃貸仲介の主要事業者は、事業モデルと規模で特徴が分かれます。★ 表の売上は対象とする範囲が異なります。スターツコーポレーションの89億円は10事業のうちの賃貸仲介事業セグメントの売上、ハウスコムの140億円は賃貸仲介専業の会社全体の営業収益、APAMANの459億円はフランチャイズ網を含む会社全体の売上高です。スコープが違うため、数値を並べて単純に比較することはできません。

店舗網では、ピタットハウスが直営とネットワーク店、アパマンショップがフランチャイズ加盟店という形で全国に展開しています (店舗数は各社の開示による)。仲介事業者は、店舗網の規模と、賃貸ポータルを通じたデジタル集客の両輪で入居者を集めています。

スターツコーポレーション
売上規模
89億円
対象範囲
賃貸仲介事業セグメント
事業形態
ピタットハウス (直営+ネットワーク店)
ハウスコム
売上規模
140億円
対象範囲
会社全体 (賃貸仲介専業)
事業形態
専業、大東建託との株式交換で上場廃止予定
APAMAN
売上規模
459億円
対象範囲
会社全体 (FCネットワーク)
事業形態
アパマンショップのフランチャイズ網

スターツコーポレーション (ピタットハウス) — 仲介・管理の複合

スターツコーポレーションは、ピタットハウスのブランドで賃貸仲介を展開する事業者です。直営店とネットワーク店 (フランチャイズに近い加盟店) の二層で全国に店舗網を持ち、賃貸仲介事業の売上は約89億円です。会社全体では、賃貸仲介に加えて不動産管理 (約1,026億円)・売買仲介・建設など10の事業を抱えるフィービジネス型のグループで、連結売上は2,329億円規模です。

仲介を入り口に、管理や売買へと取引を広げる複合モデルが特徴です。部屋探しで接点を持った顧客や、賃貸経営のオーナーに対し、管理受託や売買仲介などのサービスを横断的に提供することで、フィー収入の機会を広げています。

ハウスコム — 賃貸仲介専業 (上場廃止予定)

ハウスコムは、賃貸仲介を主軸とする専業の事業者で、営業収益は約140億円 (FY2025/3) です。賃貸仲介に特化し、店舗網とデジタル集客で入居者の部屋探しを仲立ちしています。

大東建託との株式交換により、子会社となる予定で、上場廃止が見込まれています。仲介専業の事業者が、管理戸数を持つ建築会社系列のグループに加わる動きは、人口減少で部屋探しの総数が頭打ちとなるなかでの仲介再編の象徴的な事例です。グループ化により、大東建託の管理物件とハウスコムの仲介網の連携が進むとみられます。

APAMAN (アパマンショップ) — フランチャイズ網

APAMANは、アパマンショップのブランドでフランチャイズ網を運営する事業者です。会社全体の売上高は約459億円 (2024年9月期) で、加盟店ネットワークとプラットフォーム事業を展開しています。フランチャイズは、加盟店が出店資本を負担し、本部がブランドとシステムを提供する形で、本部の資本負担を抑えながら店舗網を広げられるのが特徴です。

アパマンショップの加盟店網は全国に広がり、賃貸ポータルやアプリを通じた集客の仕組みを加盟店に提供しています。直営中心のモデルと比べ、地域の事業者が加盟する形で店舗網を構築する点が、フランチャイズ型の強みです。

建築会社系列の仲介 — 管理と一体の入居者募集

専業の仲介事業者のほかに、建築会社系列の管理会社も仲介を兼ねています。東建コーポレーションのホームメイトや、大東建託グループの仲介網などは、自社が建築・管理する賃貸住宅の入居者募集を、グループ内の仲介機能で担っています。

建築会社系列は、建築・管理・仲介を一体で手がけることで、自社管理物件の空室を自社の仲介網で埋める垂直統合の強みを持ちます。専業の仲介事業者が幅広い物件を扱うのに対し、系列の仲介は自社・グループ物件を中心に扱う傾向があり、両者は集客の対象とする物件で性格が異なります。

主要論点

賃貸仲介の事業者はどう収益を上げているのか?

賃貸仲介は、物件を保有せずに、貸主と借主の間に立って部屋探しを仲立ちし、契約成立時に仲介手数料を得るフィービジネスです。手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められており、賃貸では原則として家賃の1か月分以内 (借主・貸主の合計) が目安です。物件を持たないため、店舗の運営費や人件費を上回る手数料収入を、いかに多くの成約で積み上げるかが収益の鍵です。

手数料に加えて、貸主から支払われる広告料 (AD) も仲介事業者の収入源です。空室を早く埋めたい物件では、貸主が仲介事業者に広告料を払うことで、優先的に紹介してもらう慣行があります。手数料と広告料の組み合わせが、1件あたりの収益を左右します。

スターツのように仲介を入り口に管理や売買へ広げる複合モデルや、ハウスコムのような専業、APAMANのようなフランチャイズ網など、各社は店舗網と集客の仕組みを工夫して成約数を確保しています。

店舗網とデジタル集客はどう関係しているのか?

賃貸仲介の集客は、店舗での対面から、賃貸ポータルを通じたデジタル集客へと比重が移っています。SUUMOやLIFULL HOME'Sなどのポータルに物件を掲載し、オンラインで問い合わせを受けてから来店・内見につなげる流れが一般化しました。物件情報の多さや写真の充実が、ポータルでの集客力を左右します。

一方で、店舗網にも役割があります。地域の物件情報や、対面での相談、契約手続きなど、店舗が担う部分は残っています。デジタルで問い合わせを集め、店舗で成約につなげるオンラインとオフラインの組み合わせが、仲介事業者の競争軸です。

人口減少で部屋探しの総数が頭打ちとなるなか、店舗の効率化 (不採算店の見直し) とデジタル集客の強化を、各社がどう両立させるかが課題です。フランチャイズ網は加盟店に集客の仕組みを提供し、直営網は自社で集客とオペレーションを磨くなど、モデルによって対応が分かれます。

賃貸仲介の業界再編はなぜ起きているのか?

賃貸仲介では、専業の事業者が管理戸数を持つグループに加わる再編が進んでいます。代表例が、大東建託による賃貸仲介専業のハウスコムの子会社化 (株式交換、上場廃止予定) です。背景には、人口減少で部屋探しの総数が頭打ちとなり、仲介手数料だけでの成長が難しくなっていることがあります。

管理戸数を持つ建築会社系列にとっては、仲介網を取り込むことで、自社の管理物件の空室を自社グループの仲介で埋める垂直統合を強められます。仲介専業にとっては、グループの管理物件という安定した取扱物件を得られる利点があります。

今後も、店舗網の効率化やデジタル集客への投資負担を背景に、仲介事業者の集約や、管理・仲介の機能統合が進む可能性があります。部屋探しの需要が縮小するなかで、規模と効率を確保するための再編が、仲介業界の構造を変えていく見通しです。

中期見通し

近未来1-2年

デジタル集客への投資と店舗網の効率化が進みます。賃貸ポータルでの集客力を高めつつ、不採算店舗の見直しが続きます。大東建託によるハウスコムの子会社化のように、管理と仲介の機能統合の動きも見られます。

中期3-5年

部屋探しの総数が頭打ちとなるなか、仲介事業者の集約が進む見通しです。管理戸数を持つグループへの加入や、複合モデルへの転換で、手数料だけに依存しない収益構造を各社が模索します。

長期5-10年

人口減少で賃貸需要が縮小すると、仲介の総取扱件数も減少します。デジタル化で内見や契約の効率が高まる一方、店舗網の縮小と、特定地域・物件への特化が進む可能性があります。集客力と効率を持つ事業者への集約が長期の方向です。

よくある質問

賃貸仲介の主要な会社はどこですか?
スターツコーポレーション (ピタットハウス、賃貸仲介事業の売上約89億円)、ハウスコム (賃貸仲介専業、営業収益約140億円)、APAMAN (アパマンショップのフランチャイズ網、売上高約459億円) などが主要な事業者です。これらに加え、建築会社系列の管理会社も仲介を兼ねています。なお各社は対象とする範囲が異なり、数値の単純比較はできません。
賃貸の仲介手数料はどれくらいですか?
賃貸の仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められており、原則として家賃の1か月分以内 (借主・貸主の合計) が目安です。これに加えて、空室を早く埋めたい貸主が仲介事業者に広告料 (AD) を支払う慣行もあり、手数料と広告料が仲介事業者の収入源です。
ハウスコムはなぜ上場廃止になるのですか?
ハウスコムは、大東建託との株式交換により子会社となる予定で、上場廃止が見込まれています。賃貸仲介専業の事業者が、管理戸数を持つ建築会社系列のグループに加わる動きで、人口減少下の仲介再編の象徴的な事例です。グループ化により、大東建託の管理物件とハウスコムの仲介網の連携が進むとみられます。
賃貸の集客はどう変わっていますか?
店舗での対面から、SUUMOやLIFULL HOME'Sなどの賃貸ポータルを通じたデジタル集客へと比重が移っています。オンラインで問い合わせを集めてから来店・内見につなげる流れが一般化し、物件情報の多さや写真の充実が集客力を左右します。店舗網とデジタル集客の組み合わせが競争軸です。
フランチャイズと直営の仲介はどう違いますか?
直営は本部が店舗を直接運営する形で、集客とオペレーションを自社で磨けます。フランチャイズ (アパマンショップなど) は、加盟店が出店資本を負担し本部がブランド・システムを提供する形で、本部の資本負担を抑えて店舗網を広げられます。ピタットハウスは直営とネットワーク店を併用しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社IR (スターツコーポレーション・ハウスコム・APAMAN)
  2. 2.
    各社 店舗網の開示 (ピタットハウス・アパマンショップ)
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