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TOPIC DETAIL · SUBLEASING

賃貸住宅のサブリースと管理受託|仕組みとサブリース新法【2026年版】

賃貸住宅の管理は、オーナーから業務を委託される「受託管理」と、事業者が物件を一括で借り上げる「サブリース」に大きく分かれます。オーナーの自主管理は減り、管理を業者に委託する割合は2023年度に71.2%まで高まりました。サブリースは安定収入の一方でトラブルも生み、2020年にサブリース新法が整備されました。受託管理とサブリースの仕組みと、その構造を整理します。

受託管理とサブリースは何が違うのか

オーナーと事業者のどちらが空室リスクを負うかが分かれ目
受託管理 — オーナーが所有し、業務を委託する

受託管理は、オーナーが賃貸住宅を所有したまま、入居者の募集・家賃回収・クレーム対応・建物の維持管理などの業務を管理会社に委託する形です。管理会社は委託料 (管理手数料) を受け取り、業務を代行します。空室や家賃下落のリスクはオーナーが負い、家賃収入もオーナーのものです。実態調査では、受託管理のみを行う事業者が53.3%で最も多く、賃貸管理の主流です。

サブリース — 事業者が一括で借り上げる

サブリース (一括借り上げ) は、事業者がオーナーから物件を一括で借り上げ、入居者には事業者が転貸する形です。オーナーには空室の有無にかかわらず一定の賃料が支払われるため、オーナーは空室リスクを事業者に移せます。事業者は、実際の家賃と借り上げ賃料の差で収益を得ます。安定収入と管理の手間の軽減がオーナーの利点ですが、借り上げ賃料は数年ごとに見直され、引き下げられることもあります。

管理委託の進展 — 自主管理から業者委託へ

オーナーの管理の担い方は、自主管理から業者委託へと移ってきました。自ら管理するオーナーは1992年度の75.0%から2023年度に28.8%へ減り、管理を業者に委託する割合は25%から71.2%へ高まりました。賃貸経営の高度化や、オーナーの高齢化・相続による兼業化が背景です。受託管理とサブリースのいずれも、この業者委託の流れのなかで広がってきました。

管理事業者の受託形態 (国交省 実態調査 令和6年度)

受託管理のみ実施
事業者の割合
53.3%
受託管理とサブリースの両方を実施
事業者の割合
約20%
サブリースのみ実施
事業者の割合
0.8%
読み解き

国土交通省の実態調査 (令和6年度) によると、賃貸住宅管理業者の受託形態は、受託管理のみが53.3%で主流、受託管理とサブリースの両方を行う事業者が約20%、サブリースのみが0.8%です。受託管理を軸としつつ、サブリースを組み合わせる事業者が一定数あります。

なお、この割合は受託管理・サブリースを行う事業者の構成を示すもので、自主管理やその他・無回答を含むため合計は100%になりません。サブリースのみを専業とする事業者は少なく、受託管理を基盤にサブリースを併用するのが実態です。

サブリース問題と、レオパレス21の事例

トラブルが新法を生み、代表的事業者は再建途上にある
サブリース問題 — 借り上げ賃料の見直しトラブル

サブリースは、過去に借り上げ賃料の引き下げをめぐるトラブルが社会問題となりました。「家賃保証」をうたって賃貸住宅の建築・購入を勧誘し、後に借り上げ賃料を引き下げてオーナーの収支が悪化する事例が相次ぎました。情報の非対称 (事業者がリスクを十分に説明しない) が問題の核心で、これを受けて2020年にサブリース新法が整備され、勧誘や契約時の説明が規制されました (制度の中身は管理業法のページで詳述します)。

レオパレス21 — サブリース主軸の再建途上

レオパレス21は、単身者向けアパートのサブリースを主軸とする代表的な事業者です。管理戸数は約54万戸、入居率は期末で87.57%です。施工不備問題からの再建途上にあり、契約構成を法人利用中心 (64.6%、約30.9万戸) へ移すことで、安定した需要を取り込んでいます。外国籍の入居者も増え、利用戸数全体の11.4%を占めるまでになっています。サブリース事業者は、空室リスクを引き受ける分、入居率の維持と借り上げ賃料の設定が経営を左右します。

新法後のサブリース — トラブルは減少傾向

2020年のサブリース新法の施行後、トラブルは減少傾向にあります。実態調査では、サブリースを手がける事業者で「家主とのトラブルは特にない」と答えた割合が約54%に達し、法施行後の影響として「特に影響はなかった」が42%、「家主とのトラブルの減少」が約14%でした。規制が一定のトラブル防止につながった一方、契約事務の負担増を指摘する声もあります。サブリースが持続可能かは、事業者の収益性とオーナーへの説明の透明性にかかっています。

主要論点

オーナーにとって受託管理とサブリースのどちらが有利か?

オーナーにとって、受託管理とサブリースはリスクとリターンのトレードオフの関係にあります。受託管理は、空室や家賃下落のリスクをオーナーが負う代わりに、満室時の家賃収入を全額得られます。管理会社に払うのは管理手数料 (家賃の数%程度) のみです。

サブリースは、空室リスクを事業者に移せる代わりに、借り上げ賃料が実際の家賃より低く設定され、満室時のリターンは受託管理より小さくなります。また、借り上げ賃料は数年ごとに見直され、引き下げられることもあります。安定を優先するか、リターンを優先するかが選択の分かれ目です。

判断には、物件の立地や空室リスクが影響します。空室が出にくい都市部の好立地物件は、受託管理で満室時のリターンを取るほうが有利になりやすく、空室リスクの高い物件はサブリースで安定を確保する選択もあります。サブリースを選ぶ場合は、借り上げ賃料の見直し条件を契約時に確認することが重要です。

サブリースは持続可能なビジネスモデルか?

サブリースは、事業者が空室リスクを引き受けるモデルのため、入居率の維持が経営の生命線です。借り上げた物件が埋まらなければ、事業者は逆ざや (オーナーへの支払いが家賃収入を上回る状態) を抱えます。レオパレス21が法人利用を64.6%まで高めているのは、個人より安定した法人需要で入居率を確保する狙いです。

持続可能性の課題は、借り上げ賃料の設定とオーナーへの説明です。当初の借り上げ賃料を高く設定して勧誘し、後に引き下げると、オーナーの収支が悪化しトラブルになります。2020年のサブリース新法は、こうした勧誘・契約時の説明を規制し、トラブルの抑制を図りました。

人口減少で空室リスクが高まるなかで、サブリースの収益性は立地や物件の質に左右されます。空室が埋まりやすい都市部の物件では成立しやすく、地方や築古物件では事業者のリスクが大きくなります。事業者の選別と、オーナーへの透明な説明が、モデルの持続性を左右します。

なぜオーナーの管理委託が進んだのか?

管理を業者に委託するオーナーの割合は、1992年度の25%から2023年度に71.2%へと高まりました。背景には複数の要因があります。第1に、賃貸経営の高度化です。入居者の募集はインターネットが中心となり、契約や更新、原状回復、クレーム対応などの業務が専門化したため、オーナーが自ら行うのが難しくなりました。

第2に、オーナーの高齢化と相続です。賃貸住宅のオーナーが高齢化し、相続で物件を引き継いだ世代が賃貸経営に不慣れな場合、管理を専門の業者に任せる選択が増えました。第3に、建築会社系列が建築から管理までを一括で請け負うモデルを広げたことも、委託の進展を後押ししました。

この流れのなかで、受託管理とサブリースのいずれも市場を広げてきました。今後も、賃貸経営の専門化とオーナーの世代交代が続くため、管理委託の比率は高い水準で推移する見通しです。

よくある質問

サブリースと管理委託 (受託管理) の違いは何ですか?
受託管理は、オーナーが物件を所有したまま、家賃回収や入居者対応などの業務を管理会社に委託する形で、空室の損失はオーナーが負います。サブリースは、事業者が物件を一括で借り上げ、空室の有無にかかわらず一定の賃料をオーナーに支払う形で、空室リスクを事業者が引き受けます。実態調査では受託管理のみが53.3%で主流です。
サブリースの「家賃保証」は安心ですか?
サブリースは空室の有無にかかわらず賃料が支払われる利点がありますが、借り上げ賃料は数年ごとに見直され、引き下げられることもあります。過去には引き下げをめぐるトラブルが社会問題となり、2020年のサブリース新法で勧誘・契約時の説明が規制されました。契約時に借り上げ賃料の見直し条件を確認することが重要です。
オーナーの管理委託はどれくらい進んでいますか?
国土交通省の調査によると、管理を業者に委託するオーナーの割合は1992年度の25%から2023年度に71.2%へ高まりました。自ら管理するオーナーは28.8%まで減っています。賃貸経営の専門化やオーナーの高齢化・相続が背景です。
サブリースを専業にする事業者は多いですか?
多くありません。実態調査 (令和6年度) では、サブリースのみを行う事業者は0.8%にとどまり、受託管理のみが53.3%、受託管理とサブリースの両方が約20%です。受託管理を基盤に、サブリースを併用するのが実態です。レオパレス21のようにサブリースを主軸とする事業者は限られます。
サブリース新法とは何ですか?
サブリース新法は、2020年に成立した賃貸住宅管理業法の一部で、サブリース事業者の勧誘や契約締結時の説明を規制するものです。誇大広告の禁止や、リスクを含む重要事項の説明義務などが定められています。制度の詳細は賃貸住宅管理業法のページで扱います。施行後、家主とのトラブルは減少傾向にあります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 賃貸住宅管理業に関する実態調査 令和6年度
  2. 2.
    レオパレス21統合報告書2025
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