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賃貸住宅の空室率・賃料|入居率・滞納・収益性の現状【2026年版】

賃貸住宅の運営指標は高い水準にあります。日管協の調査 (2023年度) によると、入居率は委託管理物件で94.2%、サブリース物件で97%、月末時点の滞納率は1.2%です。IREMの調査 (2024年) では、収益性を示すNOI率に物件タイプと地域で差があり、空室率は関東の単身向けで2%を下回ります。賃貸住宅の入居率・滞納・収益性の現状を整理します。

入居率(委託管理、2023年度)
94.2%
日管協 全国、サブリースは97.0%
出典: 日管協短観 第28回
入居率(サブリース、2023年度)
97%
事業者が空室リスクを負うため高め
出典: 日管協短観 第28回
滞納率1ヶ月(2023年度)
1.2%
2ヶ月以上は0.5%、家賃回収は安定
出典: 日管協短観 第28回
空室率(関東 区分単身、2024年)
2%未満
都市部の単身向けは低水準
出典: IREM全国賃貸住宅実態調査2025

入居率・滞納率の水準 (日管協 全国、2023年度)

入居率(委託管理物件)
水準
94.2%
入居率(サブリース物件)
水準
97%
滞納率(1ヶ月)
水準
1.2%
滞納率(2ヶ月以上)
水準
0.5%
読み解き

日本賃貸住宅管理協会の調査 (2023年度) によると、賃貸住宅の入居率は高い水準にあります。委託管理物件で94.2%、サブリース物件で97%で、サブリースのほうが高く出ています。これは、サブリースでは事業者がオーナーから物件を一括で借り上げ、空室の有無にかかわらず賃料を支払う仕組みのため、事業者側の指標として入居率が高く表れるためです。

家賃の滞納も限定的です。月末時点で1ヶ月の滞納がある割合は1.2%、2ヶ月以上の滞納は0.5%にとどまります。投資家やオーナーの視点では、入居率の高さと滞納の少なさは、賃貸住宅の収益が比較的安定していることを示します。ただし、これは全国の平均で、立地や築年数によって空室や滞納のリスクは大きく異なります。

物件タイプ・地域別のNOI率 (IREM、2024年調査、約値)

区分・単身向け
北海道・東北
約71%
関東
約73%
中部・近畿
約84%
中国・四国・九州
約62%
区分・ファミリー向け
北海道・東北
約66%
関東
約77%
中部・近畿
約73%
中国・四国・九州
約71%
一棟・木造
北海道・東北
約76%
関東
約83%
中部・近畿
約72%
中国・四国・九州
約75%
読み解き

IREMの全国賃貸住宅実態調査 (2024年調査) によると、賃貸物件の収益性を示すNOI率 (年間の賃料収入から運営経費を引いた純収益の割合) には、物件タイプと地域で差があります。一棟・木造の物件は関東で約83%と高く、区分・単身向けは中部・近畿で約84%が目立ちます。

地域別にみると、関東は区分・単身向けで空室率が2%を下回るなど、都市部で空室が少なく収益性も比較的安定しています。一方、人口減少の影響を受ける地方では、空室率や収益性に幅が出やすくなります。投資家にとっては、物件タイプと立地の組み合わせが収益を左右する要素です。なお、これらは「約」表記の調査値で、個別物件の収益は築年数や管理状態で大きく変わります。

主要論点

なぜ賃貸住宅の入居率は高い水準なのか?

賃貸住宅の入居率は、委託管理物件で94.2%、サブリース物件で97%と高い水準です (日管協、2023年度)。背景には、賃貸住宅が生活に不可欠な住まいであり、景気変動の影響を受けにくい安定した需要があることがあります。単身世帯の増加や都市部への人口集中も、賃貸需要を下支えしています。

サブリースの入居率が高く出るのは、事業者が空室リスクを引き受ける仕組みのためです。事業者はオーナーから物件を一括で借り上げ、自ら入居者を募集して稼働を高めるため、事業者側の指標としての入居率は高く表れます。

ただし、入居率は全国平均で、実際には立地や築年数で大きく異なります。都市部の築浅物件は高い入居率を保ちやすい一方、人口減少地域や築古物件では空室が増えやすくなります。高い平均入居率の裏で、物件ごとの二極化が進んでいる点に注意が必要です。

空室率や収益性に地域差があるのはなぜか?

IREMの調査 (2024年) では、空室率は関東の区分・単身向けで2%を下回るなど、都市部で低くなっています。NOI率 (純収益の割合) も、一棟・木造の関東で約83%と高い水準です。地域差の背景には、人口と世帯の集中があります。

人口が集中する都市部では、賃貸需要が厚く空室が出にくいため、収益性も安定します。一方、人口減少が進む地方では、賃貸需要の縮小で空室率が上がりやすく、収益性に幅が出ます。同じ物件タイプでも、立地によって収益の安定度が変わります。

投資家やオーナーにとっては、この地域差が物件選びの重要な判断材料です。空室リスクの低い都市部は価格も高く利回りが低めになる一方、地方は利回りが高く見えても空室リスクが大きい、というトレードオフがあります。物件タイプと立地の組み合わせをどう選ぶかが、収益を左右します。

賃料は今後も上がるのか?

各調査は、賃料が都市部を中心に上昇の動きを示していると報告しています。建築費や金利の上昇が新築の賃料に反映されるほか、都市部での賃貸需要の厚さが、募集賃料を押し上げる要因です。ただし、本ページのデータは単年の調査結果であり、賃料の長期的な推移は時系列のデータで別途確認する必要があります。

賃料の上昇には、入居者の負担という上限があります。家賃が世帯の収入に対して高くなりすぎると、より安い物件への住み替えや、住む地域の変更が起きやすくなります。賃料を上げられるかどうかは、立地や物件の質によって分かれます。

中期的には、人口減少と世帯数の頭打ちが、賃料の上昇を抑える方向に働きます。都市部の好立地物件は賃料を保ちやすい一方、郊外や地方の物件は空室を埋めるために賃料を下げる圧力を受けやすく、賃料の動きも二極化していく見通しです。

中期見通し

近未来1-2年

入居率は高い水準が続く見通しです。建築費・金利の上昇で新築供給が絞られるなか、既存物件の稼働は底堅く推移します。賃料は都市部を中心に緩やかな上昇が続く一方、地方では空室を埋めるための調整圧力が残ります。

中期3-5年

空室率と収益性の地域差・物件差が拡大する見通しです。都市部の好立地・築浅物件は高い入居率と収益性を保つ一方、人口減少地域や築古物件では空室が増えやすくなります。物件の質と立地による二極化が進みます。

長期5-10年

人口・世帯数の減少が進むと、全体の空室率が上昇する可能性があります。立地の劣る物件や築古物件の空き家化が課題となり、リフォームや用途転換、除却による供給の調整が、空室率と収益性を左右する長期の論点となります。

よくある質問

賃貸住宅の入居率はどれくらいですか?
日本賃貸住宅管理協会の調査 (2023年度) によると、全国の入居率は委託管理物件で94.2%、サブリース物件で97%です。サブリースは事業者が空室リスクを引き受けるため高く出る傾向があります。ただし全国平均で、立地や築年数によって実際の入居率は大きく異なります。
家賃の滞納はどれくらいありますか?
日管協の調査 (2023年度) では、月末時点で1ヶ月の滞納がある割合は1.2%、2ヶ月以上の滞納は0.5%にとどまります。家賃保証会社の利用が広がったこともあり、家賃回収は概ね安定しています。
賃貸物件のNOI率とは何ですか?
NOI率は、年間の賃料収入から運営経費 (管理費・修繕費・税金など) を引いた純収益が、収入に対してどれくらいの割合かを示す指標です。IREMの調査 (2024年) では、一棟・木造の関東で約83%、区分・単身向けの中部・近畿で約84%など、物件タイプと地域で差があります。物件の収益性を見る目安です。
空室率に地域差はありますか?
あります。IREMの調査 (2024年) では、空室率は関東の区分・単身向け物件で2%を下回るなど、都市部で低い水準です。人口が集中する都市部は賃貸需要が厚く空室が出にくい一方、人口減少が進む地方では空室率が上がりやすくなります。立地が空室リスクを大きく左右します。
賃料は上がっていますか?
各調査は、賃料が都市部を中心に上昇の動きを示していると報告しています。建築費・金利の上昇や都市部の需要の厚さが背景です。ただし、賃料を上げられるかは立地や物件の質によって分かれ、郊外や地方では空室を埋めるための調整圧力もあります。長期的な賃料の推移は時系列データで別途確認が必要です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本賃貸住宅管理協会 日管協短観 第28回 (2023年度)
  2. 2.
    IREM JAPAN全国賃貸住宅実態調査2025 (2024年9-12月調査)
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