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外食のインバウンド需要|訪日客の飲食費と外食市場への波及【2026年版】

訪日外国人の消費は外食産業の需要を押し上げる要因のひとつです。観光庁の調査では、2025年の訪日外国人旅行消費額は94,549億円(前年比+16.4%、過去最高)で、このうち飲食費が20,688億円を占めます。飲食費が訪日消費に占める位置づけ、国籍による飲食費の違い、外食店舗にとっての意味を順に整理します。

訪日外国人数(2025年)
4,114万人
一般客・確報、前年比+15.5%(過去最高)。クルーズ客を除く消費動向調査ベース
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年確報
訪日消費総額(2025年)
94,549億円
9兆4,549億円、前年比+16.4%(過去最高)
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年確報
うち飲食費(2025年)
20,688億円
2兆688億円、訪日消費の21.9%(第3位の費目)
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年確報
飲食費の構成比
21.9%
宿泊費・買物代に次ぐ第3位
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年確報

費目別 訪日消費の構成(2025年・億円)

飲食費は20,688億円(21.9%)で、宿泊費・買物代に次ぐ第3位
単位: 億円6 カテゴリ・合計 94,550
010,00020,00030,00040,00034,578宿泊費25,541買物代20,688飲食費9,449交通費4,236娯楽等サービス費58その他
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年確報
カテゴリ宿泊費買物代飲食費交通費娯楽等サービス費その他
億円34,57825,54120,6889,4494,23658
シェア36.6%27.0%21.9%10.0%4.5%0.1%
読み解き

2025年の訪日外国人旅行消費額94,549億円を費目別にみると、宿泊費が最も大きく、次いで買物代、飲食費の順です。飲食費は20,688億円で全体の21.9%を占め、3番目に大きい費目です。訪日客が支払う食事代が、外食産業にとってまとまった需要になっていることを示します。

この構成は単年(2025年確報)のもので、宿泊・飲食・買物が訪日消費の中心です。飲食費は宿泊・買物に次ぐ規模で、外食店にとって訪日需要は無視できない大きさですが、消費の主役は宿泊と買物である点も同時に押さえておく必要があります。

なお、グラフの費目別合計(94,550億円)は各費目を億円単位に丸めて積み上げた値で、旅行消費額の総額(94,549億円)とは丸めの関係で1億円の差があります。

このグラフに関連するトピック

国籍・地域別 訪日消費 上位5(2025年)

総消費額・構成比と、そのうちの飲食費。飲食費の比重は国籍によって異なる
中国
総消費額(億円)
20,058
構成比(%)
21.2
うち飲食費(億円)
4,145
台湾
総消費額(億円)
12,033
構成比(%)
12.7
うち飲食費(億円)
2,614
米国
総消費額(億円)
11,186
構成比(%)
11.8
うち飲食費(億円)
韓国
総消費額(億円)
9,906
構成比(%)
10.5
うち飲食費(億円)
2,701
香港
総消費額(億円)
5,614
構成比(%)
5.9
うち飲食費(億円)
1,350
読み解き

訪日消費は中国・台湾・米国・韓国・香港の上位5か国・地域で全体の約6割を占めます。総消費額では中国が最も大きく、台湾・米国・韓国・香港が続きます。

うち飲食費をみると、中国・韓国・台湾などで金額が大きく、国籍によって飲食費の比重が異なることが分かります。米国は本表では飲食費の内訳が確報の該当区分から取得できず「—」としていますが、総消費額では第3位です。どの客層が多い立地かによって、外食店舗が受ける訪日需要の中身は変わります。

主要論点

訪日客の飲食費は外食にとってどのくらいの規模か?

訪日客の飲食費は2025年に20,688億円(2兆688億円)で、訪日消費全体の21.9%を占めます。宿泊費・買物代に次ぐ第3位の費目で、外食産業にとってまとまった追加需要です。

ただし、外食産業全体の市場規模(狭義の外食産業計で年間20兆円台)と比べると、訪日客の飲食費はその一部です。しかも、この需要は外食全体を一律に底上げするわけではありません。恩恵は店舗の立地や客層によって偏り、観光地・繁華街・空港周辺など訪日客が多く訪れる店舗では飲食費の押し上げ効果が大きい一方、訪日客が少ない地域の店舗では恩恵は限られます。外食市場全体を動かす主役はあくまで国内の需要であり、訪日需要はその上に乗る上積みとして捉えるのが実態に近いといえます。

なぜ国籍によって飲食費の比重が違うのか?

国籍・地域によって、旅行の目的や滞在日数、食習慣が異なるため、飲食費の比重も変わります。上位5か国・地域でみても、総消費に占める飲食費の大きさには差があります。

買物を主目的とする客層では買物代の比率が高くなり、食を旅行の楽しみとする客層では飲食費が膨らみます。どの国・地域からの訪日客が多いかは、店舗の立地(空港周辺・繁華街・観光地など)によっても変わります。このため、訪日需要の取り込み方は、店舗ごとに狙う客層に合わせて考える必要があります。

外食店舗は訪日需要にどう対応しているのか?

消費総額の伸びが主に客数の増加によること(2025年の1人当たり支出は約22.9万円で前年比+0.9%とほぼ横ばい)から、店舗側は来店客数の増加に対応する整備を進めています

具体的には、多言語のメニューや券売機、キャッシュレス・QRコード決済への対応、ピーク時間帯の混雑対応などです。訪日客が多い立地では、宗教や食習慣に配慮したメニュー(ハラル対応・ベジタリアン対応など)を用意する動きもあります。

一方で、訪日需要は為替や国際情勢、感染症などの外部要因に左右されやすく、振れ幅が大きいのが特徴です。訪日需要への対応は、あくまで国内需要を土台にしたうえでの上積みとして位置づけるのが現実的です。

中期見通し

近未来1-2年

訪日外国人数・消費額がともに過去最高を更新するなか、当面は訪日需要が外食の追加需要として続くとみられます。ただし、1人当たり支出はほぼ横ばいで、総額の伸びは客数次第です。為替や国際情勢の変化が客数に影響すれば、訪日需要は短期間で振れる可能性があります。

中期3-5年

中期では、訪日客の受け入れ体制(多言語・キャッシュレス・混雑対応)を整えた店舗ほど、訪日需要を取り込みやすくなると考えられます。観光地・都市部と地方の間で、訪日需要の恩恵に差が出る可能性があります。国籍構成の変化によって、飲食費の比重も変わり得ます。

長期

長期では、訪日需要は外食の需要を底上げする要因として定着する一方、外部要因による変動の大きさは残ります。国内人口の減少が続くなかで、訪日需要をどこまで安定的に取り込めるかが、観光地型・都市型の店舗の収益を左右します。ただし外食市場全体の土台は国内需要であり、訪日需要はその上積みとして見るのが妥当です。

よくある質問

訪日外国人の飲食費はどのくらいですか?
観光庁の調査では、2025年の訪日外国人の飲食費は20,688億円(2兆688億円)で、訪日消費全体の21.9%を占めます。宿泊費・買物代に次ぐ第3位の費目です。
訪日消費全体はいくらですか?
2025年の訪日外国人旅行消費額は94,549億円(9兆4,549億円)で、前年比+16.4%と過去最高でした。訪日外国人数(一般客)も約4,114万人で過去最高です。
訪日消費は外食市場全体のどのくらいを占めますか?
訪日客の飲食費(2025年で約2兆円)は、外食産業全体の市場規模(狭義の外食産業計で年間20兆円台)の一部です。外食を底上げする要因のひとつですが、市場全体の主役は国内需要です。観光地や都市部の店舗ほど訪日需要の存在感が大きくなります。
どの国・地域からの訪日客が多いですか?
2025年の訪日消費額では、中国・台湾・米国・韓国・香港の上位5か国・地域で全体の約6割を占めます。飲食費の比重は国籍によって異なり、中国・韓国・台湾などで金額が大きくなっています。
ここでの訪日外国人数はJNTOの数字と同じですか?
本ページの訪日外国人数は、観光庁「インバウンド消費動向調査」の一般客(クルーズ上陸客を除く)ベースで、日本政府観光局(JNTO)が公表する訪日外客数とは集計基準が異なります。消費額と対応させるため、同じ調査の数字を用いています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年 確報(2026/3/31公表)
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