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外食産業の市場規模|市場の推移とコロナ後の回復【2026年版】

日本の外食産業の市場規模は、狭義の外食産業計で2023年に24兆1,512億円(前年比+20.2%)となり、新型コロナ前の2019年(26兆2,687億円)の約91.9%の水準まで回復しました。内訳は飲食店や宿泊施設・集団給食などの給食主体部門が84.0%、喫茶店・居酒屋・料亭バーなどの料飲主体部門が16.0%です。回復は値上げによる客単価の上昇が主因で、客数の戻りは業態によって差があります。市場規模の推移・業態別の内訳・回復の中身・狭義と広義の違いまで順に整理します。

外食産業の市場規模(2023年)
24.2兆円
狭義の外食産業計、241,512億円、前年比+20.2%
出典: 食の安全・安心財団「外食産業市場規模推計」令和4・5年版
前年比(2023年)
+20.2%
2022年から2023年の外食産業計の伸び
出典: 食の安全・安心財団「外食産業市場規模推計」令和4・5年版
コロナ前ピーク(2019年)
26.3兆円
262,687億円、2023年は約91.9%の水準まで回復
出典: 食の安全・安心財団「外食産業市場規模推移」(1975-2023)
部門別構成(2023年)
84.0 / 16.0%
給食主体部門84.0% / 料飲主体部門16.0%
出典: 食の安全・安心財団「外食産業市場規模推計」令和4・5年版

外食産業の市場規模の推移(2010-2023年、億円)

給食主体部門と料飲主体部門の積み上げ。2019年の26兆2,687億円をピークに2020年18兆2,122億円まで落ち込み、2023年24兆1,512億円まで回復
単位: 億円
給食主体部門料飲主体部門
075,000150,000225,000300,000234,88710228,28211232,21712240,09913246,14814254,07815254,55316256,80417257,34218262,68719182,12220170,28421200,97022241,51223
出典: 食の安全・安心財団「外食産業市場規模推移」(1975-2023、令和4・5年版と同一系列)
年度20102011201220132014201520162017201820192020202120222023
給食主体部門億円187,555181,261185,698191,154195,493202,598204,320206,907207,899212,538155,455149,239171,410202,793
料飲主体部門億円47,33247,02146,51948,94550,65551,48050,23349,89749,44350,14926,66721,04529,56038,719
合計(億円234,887228,282232,217240,099246,148254,078254,553256,804257,342262,687182,122170,284200,970241,512
前年比-2.8%+1.7%+3.4%+2.5%+3.2%+0.2%+0.9%+0.2%+2.1%-30.7%-6.5%+18.0%+20.2%
読み解き

外食産業計は2019年の26兆2,687億円をピークに、新型コロナで2020年に18兆2,122億円まで落ち込み、2023年に24兆1,512億円(コロナ前の約91.9%の水準)まで回復しました。2010年代は20兆円台半ばで横ばいに近い推移でしたが、コロナ禍で約3割落ち込み、そこから戻してきた経緯がわかります。積み上げの内訳は給食主体部門と料飲主体部門で、合計が外食産業計にあたります。

落ち込みと回復の幅は部門で差があります。喫茶店・居酒屋・料亭バーなどの料飲主体部門は、外出自粛や時短営業の影響を強く受けて2020-2021年に大きく縮小し、その後の戻りも遅れました。市場全体の回復は、飲食店や宿泊施設を含む給食主体部門が牽引しています。

このグラフに関連するトピック

外食産業の業態別内訳(2023年、億円)

外食産業計を構成する7区分。給食主体部門(飲食店・宿泊施設・集団給食・機内食)と料飲主体部門(喫茶・居酒屋・料亭バー)
項目市場規模(億円)構成比前年比シェア
飲食店141,31358.5%+18.6%
宿泊施設27,93711.6%+30.9%
集団給食31,74113.1%+6.2%
国内線機内食等1,8020.7%+73.3%
喫茶店11,8924.9%+19.9%
居酒屋・ビヤホール等9,1523.8%+37.9%
料亭・バー等17,6757.3%+35.9%
外食産業計241,512100.0%
読み解き

外食産業計24兆1,512億円のうち、最も大きいのは飲食店で14兆1,313億円(構成比58.5%)を占めます。食堂・レストランやそば・うどん店、すし店などを含む飲食店が市場の中心です。次いで集団給食(3兆1,741億円)、宿泊施設(2兆7,937億円)が続きます。

料飲主体部門では、料亭・バー等が1兆7,675億円、喫茶店が1兆1,892億円、居酒屋・ビヤホール等が0兆9,152億円です。回転寿司やファミリーレストラン、ファストフードといった業態は、この内訳では主に飲食店に含まれます。業態ごとのチェーンの競争は、主要チェーンの業績比較で整理します。

業態別の売上・客単価・客数 前年比(2025年、%)

会員社全店ベース(前年=100)。売上の伸びに対して客数の伸びが小さく、客単価(値上げ)が回復を支える構図
全体
売上
107.3
客単価
104.3
客数
102.9
ファストフード
売上
107.5
客単価
104.4
客数
103.0
ファミリーレストラン
売上
107.2
客単価
103.9
客数
103.1
うちファミレス中華
売上
110.2
客単価
105.7
客数
104.3
パブ・居酒屋
売上
104.0
客単価
102.6
客数
101.3
ディナーレストラン
売上
106.6
客単価
100.6
客数
106.0
喫茶
売上
109.8
客単価
108.6
客数
101.1
うち持ち帰り米飯・回転寿司
売上
102.9
客単価
107.2
客数
96.0
読み解き

2025年は会員社全店の売上が前年比107.3%と全業態で前年を上回りましたが、その中身は客単価104.3%(値上げ)が主因で、客数は102.9%と伸びが小さいのが特徴です。原材料高や人件費上昇を受けた価格改定が客単価を押し上げ、売上を支えています。

業態別では、ファミリーレストラン中華(売上110.2%)や喫茶(同109.8%)が高い伸びを示しました。一方、持ち帰り米飯・回転寿司は売上が102.9%にとどまり、客数は96.0%と前年を下回りました。コロナ後の回復が早かった業態では客数が頭打ちになりつつあり、値上げで売上を伸ばせるかが業態ごとの分かれ目になっています。

主要論点

外食市場はコロナ前を超えたのか?

外食産業計は2023年に24兆1,512億円まで回復しましたが、コロナ前ピークの2019年(26兆2,687億円)に対しては約91.9%の水準で、金額のうえではまだ超えていません。2020年に18兆2,122億円まで落ち込んだ底からは大きく戻したものの、ピーク超えには至っていない局面です。

回復の「質」も論点です。会員社全店データ(2025年)では売上が前年比107.3%なのに対し、客単価は104.3%客数は102.9%でした。売上の伸びの多くは値上げ(客単価の上昇)によるもので、実際の来店客数の戻りは小さいことがわかります。

つまり、名目の金額はコロナ前に近づいているものの、その中身は値上げに支えられており、客数ベースの実需は業態によって戻りきっていません。物価上昇の局面で、客単価をどこまで上げられるか、値上げによる客離れをどう抑えるかが、各業態に共通する課題です。

どの業態が伸びていて、どこが伸び悩んでいるのか?

2025年の会員社全店データでは全業態が前年の売上を上回りましたが、伸びの大きさには差があります。ファミリーレストラン中華(110.2%)や喫茶(109.8%)、ファストフード和風(109.8%)が高い伸びを示しました。

一方で、客数を見ると業態差がより鮮明です。持ち帰り米飯・回転寿司は客数が96.0%、ファミリーレストラン焼き肉は98.2%と前年を下回りました。これらはコロナ後の回復が早かった業態で、客数が頭打ちに転じつつあります。

業態別の市場規模では、飲食店が外食産業計の58.5%を占める中心的なカテゴリです。回転寿司・ファミリーレストラン・ファストフードといった業態のチェーン競争は、主要チェーンの業績比較のページで詳しく扱います。

「24兆円」と「32兆円」、どちらが外食市場の規模なのか?

外食産業の市場規模として広く使われる数字には、狭義の24兆1,512億円(2023年)と、広義の約32兆円の2つがあり、対象範囲が異なります。狭義の外食産業計は、飲食店・宿泊施設・集団給食などの給食主体部門と、喫茶・居酒屋・料亭バーなどの料飲主体部門を合わせた範囲です。

広義は、これに持ち帰り・配達の料理品小売業(中食)を加えたもので、約32兆円規模になります。店内で調理・提供する外食と、持ち帰って家庭などで食べる中食は需要の性質が異なるため、本ページでは狭義の外食を中心に扱い、中食は別カテゴリとして区別します。

市場規模を引用するときは、狭義(外食)か広義(外食+中食)かを必ず確認する必要があります。「外食市場30兆円」といった表現は広義を指していることが多く、狭義の外食産業計(24兆1,512億円)とは範囲が違う点に注意が必要です。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は 値上げによる客単価上昇が売上を支える構図が続く とみられます。会員社全店の売上は2024年108.4%・2025年107.3%と前年を上回って推移しており、回復基調は続いています。一方で、原材料高や人件費上昇が続くなか、値上げに対する客数の反応(客離れ)が業態ごとの収益を左右します。

中期3-5年

中期では、金額ベースでコロナ前ピーク(26兆2,687億円)を超えられるかが焦点です。客単価上昇による名目の拡大は続く見通しですが、人口減少を背景に客数の大幅な増加は見込みにくく、業態間の格差が広がる可能性があります。インバウンドの飲食需要や、省人化による収益改善が、市場規模の押し上げ要因となります。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内の外食需要の基調を決めます。値上げによる単価上昇には限界があり、省人化や業態転換、海外展開などで成長を確保する動きが続く見通しです。市場規模の数字を読む際は、狭義(外食)と広義(外食+中食)の区別、および金額推計の公表ラグを踏まえることが前提となります。

よくある質問

外食産業の市場規模はどのくらいですか?
狭義の外食産業計で、2023年に24兆1,512億円(前年比+20.2%)です(食の安全・安心財団「外食産業市場規模推計」)。新型コロナ前の2019年(26兆2,687億円)の約91.9%の水準まで回復しました。持ち帰り・配達の中食を加えた広義では約32兆円規模になります。
データは2023年ですが、もっと新しい数字はありますか?
金額の市場規模(外食産業計)は調査機関が隔年で公表しており、最新の確定値は2023年です。2024年・2025年の金額はまだ公表されていませんが、会員社全店の市場動向調査では売上が2024年に前年比108.4%、2025年に107.3%と、いずれも前年を上回って推移しており、回復基調が続いています。
「狭義の外食」と「広義の外食」(約32兆円)は何が違いますか?
狭義の外食産業計は、飲食店・宿泊施設・集団給食などの給食主体部門と、喫茶・居酒屋・料亭バーなどの料飲主体部門を合わせた範囲で、2023年に24兆1,512億円です。広義は、これに持ち帰り・配達の料理品小売業(中食)を加えたもので、約32兆円規模になります。本ページは狭義の外食を中心に扱っています。
どの業態が伸びていますか?
2025年の会員社全店データでは、売上の前年比はファミリーレストラン中華(110.2%)、喫茶(109.8%)、ファストフード和風(109.8%)などが高い伸びでした。一方、持ち帰り米飯・回転寿司は客数が96.0%と前年を下回りました。全体では売上が107.3%、客単価が104.3%で、値上げによる客単価上昇が回復の主因です。
市場規模の出典は何ですか?
金額の市場規模は食の安全・安心財団「外食産業市場規模推計」(令和4・5年版)および同「外食産業市場規模推移」(1975-2023年)、業態別の前年比は日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」(会員社全店、年間結果)が出典です。両者は集計範囲が異なるため、本ページでは別の系列として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    食の安全・安心財団「外食産業市場規模推計」令和4・5年版
  2. 2.
    食の安全・安心財団「外食産業市場規模推移」(1975-2023年)
  3. 3.
    日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」年間結果
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