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外食 主要チェーンの業績比較|上場大手を業態別に整理【2026年版】

外食業界の主要な上場チェーンを、業態別に連結業績で比較します。最大手のゼンショーホールディングスは連結売上が1兆1,367億円で、すかいらーくHD・FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー)・日本マクドナルドHDが続きます。数値は全社連結ベースで、外食以外の事業を含む会社もあるため、ゼンショーの小売事業のように事業範囲の違いに注意が必要です。売上規模・収益性(ROE)・業態別のプレイヤーの違いを整理します。

主要上場チェーンの業績と業態別プレイヤー

上場主要14社の連結通期業績(FY2025、全社連結ベース)と、業態別の主要プレイヤー

数値は各社の有価証券報告書(連結通期、FY2025)に基づきます。連結売上・営業利益・純利益は億円単位、ROEと自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務の安定性が高い)は各社の公表値です。最大手ゼンショーHDの連結売上1兆1,367億円は2位のすかいらーくHDの約2.5倍にあたり、規模で突出しています。同じ売上規模でも、ROEや自己資本比率には各社の収益構造や財務方針の違いが表れます。

ゼンショーHD
総合・複数業態
連結売上
11,367
営業利益
751
純利益
393
ROE
17.3
自己資本比率
29.5
すかいらーくHD
ファミリーレストラン
連結売上
4,578
営業利益
300
純利益
167
ROE
9.3
自己資本比率
36.2
連結売上
4,296
営業利益
361
純利益
229
ROE
26.9
自己資本比率
24.0
日本マクドナルドHD
ハンバーガー
連結売上
4,166
営業利益
533
純利益
339
ROE
12.7
自己資本比率
77.0
コロワイド
総合・複数業態
連結売上
2,692
営業利益
77
純利益
12
ROE
2.0
自己資本比率
24.8
連結売上
2,682
営業利益
87
純利益
19
ROE
2.2
自己資本比率
27.0
サイゼリヤ
ファミリーレストラン
連結売上
2,567
営業利益
155
純利益
112
ROE
9.8
自己資本比率
65.0
くら寿司
回転寿司
連結売上
2,451
営業利益
55
純利益
36
ROE
6.1
自己資本比率
40.0
連結売上
2,050
営業利益
73
純利益
38
ROE
6.1
自己資本比率
53.9
連結売上
1,564
営業利益
85
純利益
56
ROE
14.7
自己資本比率
29.3
連結売上
1,542
営業利益
44
純利益
22
ROE
4.9
自己資本比率
43.8
連結売上
1,239
営業利益
92
純利益
62
ROE
17.7
自己資本比率
54.3
連結売上
1,110
営業利益
109
純利益
81
ROE
11.3
自己資本比率
76.8
ワタミ
居酒屋
連結売上
887
営業利益
46
純利益
35
ROE
14.5
自己資本比率
37.5

総合・複数業態 — ゼンショー・コロワイド・クリエイト

複数の業態を1社で束ねるホールディングスが、外食で最大級の規模を形成しています。ゼンショーHDは牛丼のすき家を中核に、回転寿司のはま寿司、ファミリーレストランのココス、和食のなか卯、2023年に買収したロッテリアなど多数のブランドを傘下に置き、連結売上は1兆1,367億円と業界で突出しています。グループには食材の調達・加工を担う小売(グローサリー)事業も含み、原材料を自前で押さえる垂直統合と、北米・アジアでの海外出店を成長軸としています。

コロワイドは、自力出店よりもM&Aで業態を取り込むことで多角化してきた企業です。牛角・しゃぶしゃぶ温野菜などを運営するレインズインターナショナルを完全子会社とし、加えてアトム(ステーキ宮など)とカッパ・クリエイト(かっぱ寿司)を、上場を維持したまま連結子会社として傘下に置く親子上場の構造をとります。連結売上は2,692億円ですが、当期のROEは2.0%と低く、買収に伴うのれんや資本負担もうかがえます。

クリエイト・レストランツHDは、商業施設やフードコート向けに業態を細かく使い分ける運営が特徴で、海鮮居酒屋の磯丸水産を運営するSFPホールディングスを連結子会社(こちらも親子上場)に持ちます。連結売上1,564億円、ROE14.7%です。これら総合HDに共通するのは、単一ブランドの好不調に業績を左右されにくいよう、複数業態・複数ブランドでリスクを分散する戦略です。

ファミリーレストラン — すかいらーく・サイゼリヤ

すかいらーくHDはガスト・バーミヤン・ジョナサン・夢庵・しゃぶ葉など多様なブランドを束ねるファミリーレストラン最大手で、連結売上4,578億円、営業利益300億円です。和洋中から焼肉・しゃぶしゃぶまで価格帯と業態を幅広くそろえ、複数ブランドで客層を取りこぼさない構えをとります。配膳ロボットの大規模導入やデリバリーなど、省人化とチャネル拡大を業界で先行して進めています。

サイゼリヤはイタリアンの低価格業態を直営中心で全国展開し、連結売上2,567億円。自己資本比率は65.0%と財務の安定性が高く、メニューを絞り込んだ高効率なオペレーションと、中国を中心としたアジア展開が成長の柱です。両社とも、値上げと省人化のバランスで収益性を確保しようとしています。

回転寿司 — FOOD & LIFE COMPANIES・くら寿司

FOOD & LIFE COMPANIESスシローを中核とする回転寿司最大手で、連結売上4,296億円、ROEは26.9%と上場大手の中で最も高い水準です。国内のスシローに加え、台湾・香港・中国・韓国などアジアを中心とした海外展開を成長の柱とし、海外店舗の比重が高いことが特徴です。

くら寿司は連結売上2,451億円で、注文から受け渡しまでの無人化や、米国・台湾への海外出店に積極的です。回転寿司はタッチパネル注文や自動化設備への投資が早くから進んだ業態で、人手不足への対応で先行しています。このほか、コロワイドの連結子会社であるカッパ・クリエイト(かっぱ寿司)も上場しており、回転寿司は上場大手数社が競う集中度の高い業態です。

ハンバーガー・牛丼 — マクドナルド・吉野家・松屋

日本マクドナルドHDはハンバーガー最大手で、連結売上4,166億円、営業利益は533億円と上場大手の中で最大です。直営とフランチャイズを組み合わせたフランチャイズ中心の運営により、自社で抱える店舗投資・人件費を抑えつつ加盟店からのロイヤルティで安定した収益を得る構造で、自己資本比率77.0%と財務も安定しています。

牛丼では吉野家HD(吉野家・はなまるうどん、連結2,050億円)と松屋フーズHD(牛めし・とんかつ松のや、連結1,542億円)が主要プレイヤーで、すき家を擁するゼンショーHDと合わせて牛丼は大手数社の競争が中心です。低価格帯ゆえに価格転嫁の余地が限られ、券売機やモバイルオーダーによる省人化に加え、サイドメニューや定食での客単価向上で人件費上昇に対応しています。

麺・中華 — トリドール・王将

トリドールHD丸亀製麺を中核に、アジア・北米・欧州へ海外店舗網を積極的に拡大しています。連結売上は2,682億円ですが、当期のROEは2.2%にとどまり、海外出店や海外レストラン事業のM&A(英国の外食企業など)の先行投資が一時的に収益を押し下げる局面にあります。店内製麺による商品力を強みに、海外を中長期の成長軸と位置づけています。

王将フードサービス(餃子の王将)は連結売上1,110億円、ROE11.3%・自己資本比率76.8%と、直営中心で安定した収益性と堅固な財務を両立しています。店舗での調理を残した商品力と、地域に根ざした出店が特徴です。このほか首都圏で日高屋(熱烈中華食堂)を展開するハイデイ日高も上場し、中華・麺は低価格の日常使いを軸に競い合っています。

居酒屋・焼肉 — ワタミ・物語コーポレーション

居酒屋業態はコロナ禍で大きな打撃を受けた後、業態転換や多角化が進んでいます。ワタミは居酒屋(ミライザカ・三代目鳥メロ)に加え、宅食(ワタミの宅食)や農業などを組み合わせた複合事業で収益基盤を分散させており、連結売上887億円、ROE14.5%です。コロナ下では既存の居酒屋店舗を「焼肉の和民」へ業態転換する取り組みも進めました。

焼肉の物語コーポレーション焼肉きんぐを中核に、丸源ラーメン・お好み焼本舗・ゆず庵など多ブランドを展開し、連結売上1,239億円、ROE17.7%と高い収益性を確保しています。郊外ロードサイドでの食べ放題業態を強みとし、焼肉は無煙ロースターやタッチパネルで回転率を高めやすく、コロナ後の回復が比較的早い業態です。

主要論点

なぜゼンショーHDが突出して大きいのか?

ゼンショーHDの連結売上1兆1,367億円は、2位のすかいらーくHD(4,578億円)の約2.5倍にあたり、外食では突出した規模です。背景には、すき家・はま寿司・ココス・ロッテリアなど多くの業態を1社で抱える多業態経営があります。

さらに、M&Aによる規模拡大と海外展開を積極的に進めてきたこと、連結に小売(グローサリー)事業を含むことも規模を押し上げています。単一業態の専業チェーンとは事業の幅が異なるため、規模の比較では事業範囲の違いを踏まえる必要があります。

つまり、ゼンショーの突出した規模は「多業態×M&A×海外×小売を含む全社連結」の合算によるものです。外食単体での比較では、業態ごとの最大手(ファミレスのすかいらーく、回転寿司のスシロー、ハンバーガーのマクドナルド)と並べて見ると実態を捉えやすくなります。

売上規模と収益性(ROE)は一致するのか?

売上規模と収益性は必ずしも一致しません。ROEで見ると、回転寿司のFOOD & LIFE COMPANIESが26.9%、焼肉の物語コーポレーションが17.7%、ゼンショーHDが17.3%と高い一方、コロワイドは2.0%、トリドールHDは2.2%と当期は低水準でした。

収益性の違いには、業態の利益構造や出店・M&Aの局面が影響します。たとえば日本マクドナルドHDはフランチャイズ中心の運営で営業利益533億円・自己資本比率77.0%と高い収益性と財務安定性を両立しています。トリドールのように海外出店を急拡大する局面では、先行投資が一時的に収益性を押し下げることもあります。

規模のランキングと収益性のランキングは別物であり、売上の大きさだけでなくROEや自己資本比率を併せて見ることで、各社の稼ぐ力と財務の安定性を立体的に把握できます。

「連結売上」をどう読めばよいか?

各社の数値は全社連結ベースで、外食以外の事業を含む会社があります。代表例がゼンショーHDで、連結には小売(グローサリー)事業などが含まれます。そのため、連結売上をそのまま「外食の売上」と読むと、事業範囲の広い企業を実際の外食規模より大きく捉えてしまう可能性があります。

専業に近いチェーン(サイゼリヤなど単一業態が中心)と、多業態・多事業のホールディングス(ゼンショー・コロワイド)では事業の幅が異なります。規模を比べる際は、この事業範囲の差を踏まえる必要があります。

また、外食産業計24兆円規模といった市場全体の統計と、各社の連結売上は集計の基準が異なります。両者は単純な足し合わせや市場シェアの算出には向かず、それぞれ別の指標として読むのが適切です。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、原材料高・人件費上昇に対する価格転嫁の巧拙が各社の収益性を左右する局面が続きます。値上げによる客単価上昇で売上を伸ばせるか、客離れを抑えられるかが、業態・企業ごとの業績差となって表れます。フランチャイズ比率の高い企業は相対的に収益性を保ちやすい構図です。

中期3-5年

中期では、海外展開とM&Aによる規模拡大が大手の成長軸となります。ゼンショーやトリドール(丸亀製麺)のように海外店舗網を広げる動き、コロワイドのようにM&Aで業態を取り込む動きが続く見通しです。国内市場が成熟するなかで、出店余地の大きい海外と、既存ブランドの収益性改善のバランスが問われます。

長期

長期では、人口減少を背景に国内の出店余地が限られるなか、省人化(配膳ロボット等)による収益性改善と、海外・新業態への展開が成長の鍵となります。規模の拡大だけでなく、ROEや自己資本比率に表れる稼ぐ力・財務の健全性を高められる企業が、中長期で優位に立つと考えられます。

よくある質問

売上が最も大きい外食チェーンはどこですか?
連結売上で最大手はゼンショーホールディングスで、FY2025の連結売上は約1兆1,367億円です。すき家・はま寿司・ココスなど多くの業態を抱えています。続いて、すかいらーくHD(約4,578億円)、FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー、約4,296億円)、日本マクドナルドHD(約4,166億円)が上位に並びます(各社 有価証券報告書)。
主要チェーンはそれぞれどの業態ですか?
総合・複数業態がゼンショーHD・コロワイド・クリエイト・レストランツHD、ファミリーレストランがすかいらーくHD・サイゼリヤ、回転寿司がFOOD & LIFE COMPANIES(スシロー)・くら寿司、ハンバーガーが日本マクドナルドHD、牛丼が吉野家HD・松屋フーズHD、麺がトリドールHD(丸亀製麺)、中華が王将フードサービス、焼肉が物語コーポレーション、居酒屋がワタミなどです。
ROE(自己資本利益率)が高いのはどのチェーンですか?
FY2025の公表ROEでは、FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー)が26.9%で最も高く、物語コーポレーション(17.7%)、ゼンショーHD(17.3%)が続きます。一方でコロワイド(2.0%)やトリドールHD(2.2%)は当期は低水準でした。売上規模と収益性は必ずしも一致しません。
「連結売上」と「外食セグメント」の売上は違うのですか?
はい、異なります。各社の数値は全社連結ベースで、外食以外の事業を含む会社があります。たとえばゼンショーHDの連結には小売(グローサリー)事業などが含まれます。事業範囲の広いホールディングスと、サイゼリヤのような専業に近いチェーンを比べる際は、この事業範囲の差に注意が必要です。
各社の業績データの出典は何ですか?
各社の有価証券報告書(連結通期、FY2025)に基づく値です。連結売上・営業利益・純利益は億円単位で、ROEと自己資本比率は各社の公表値を用いています。いずれも全社連結ベースの数字です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 有価証券報告書(外食上場各社、連結通期FY2025)
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