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焼肉の市場規模|支出の推移と店舗構造【2026年版】

焼肉店の市場規模は、調査によって捉え方が異なります。経済センサスでは焼肉店の売上は8,642億円(2016年)で、これは焼肉店の事業所の売上にあたります。より新しい市場規模は富士経済・矢野経済の業態別推計があり、焼肉店の定義の取り方で約8,000億〜1兆2,000億円と幅があります。需要側では、家計の焼肉(外食)支出が新型コロナ前を上回り、2024年に過去最高となりました。市場規模の推計・需要の回復・店舗の構造を順に整理します。

焼肉店の売上(2016年)
8,642億円
経済センサスによる焼肉店の事業所の売上。2016年時点の値で、現在の市場規模ではない
出典: 総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」(2016年、焼肉店)
焼肉店の事業所数(2016年)
15,023事業所
うち個人経営が8,141、法人経営が6,882
出典: 総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」(2016年、焼肉店)
家計の焼肉(外食)支出(2024年)
8,496
1世帯当たり年間支出(二人以上の世帯)。需要側の代理指標で過去最高、市場総額ではない
出典: 総務省「家計調査」(二人以上の世帯、品目分類)
焼肉チェーンの店舗数(2024年)
2,865
主要な焼肉チェーンの合計(チェーンのみ)。2024年7月時点、前年同月比で微減
出典: 日本ソフト販売「焼肉チェーン店舗数ランキング」(2024年版)

焼肉(外食)の1世帯当たり年間支出の推移(2015-2024年、円)

1世帯当たりの焼肉(外食)支出。需要側の代理指標であり、焼肉店の市場総額ではない。2019年の7,004円をコロナ前の水準として、2020-2021年に落ち込んだ後、2024年は8,496円と過去最高
読み解き

焼肉(外食)の1世帯当たり年間支出は、新型コロナ前の2019年に7,004円でしたが、外出自粛の影響で2020年に5,812円、2021年に5,735円(2019年比で約18.1%減)まで落ち込みました。その後は急速に戻し、2023年に2019年の水準を上回り、2024年は8,496円と系列で過去最高になりました。2019年と比べて約21%高い水準です。

焼肉は、換気や無煙ロースター、個室といった特性から、外食のなかでも新型コロナの影響を相対的に受けにくく、その後の回復も力強いものでした。なお、この数字は1世帯当たりの支出で、焼肉店全体の市場規模(総額)とは異なる需要側の指標です。また、家計調査で焼肉(外食)が独立した品目になったのは2015年からで、グラフはその起点からの推移です。

このグラフに関連するトピック

焼肉の市場規模の主な推計(円)

調査によって対象範囲が異なるため、絶対額は出所を分けて見る必要がある。経済センサスは焼肉店の事業所の売上、民間調査は焼肉業態の市場推計
読み解き

焼肉の市場規模としてよく使われる数字には、経済センサスの焼肉店の売上8,642億円(2016年)と、富士経済・矢野経済などの民間調査による約8,000億〜1兆2,000億円(近年)があります。前者は焼肉店という事業所の売上を集計したもので、個人経営の店も含みます。後者は焼肉業態の市場を推計したもので、調査によって「焼肉店」の定義(専門店のみか、食べ放題やホルモンを含むか)が異なるため、金額に幅があります。

経済センサスの8,642億円は2016年時点の値で、焼肉店の事業所の規模感を示す構造的な指標として読むのが適切です。現在の市場規模を捉えるには、民間調査の推計(定義による幅を含む)を参照する必要があります。単一の確定値で「焼肉市場は何億円」と言い切れない点が、この業態の特徴です。

主要論点

焼肉の市場規模はいくらなのか?

焼肉の市場規模は、単一の確定値で言い切るのが難しい指標です。経済センサスでは焼肉店の売上は8,642億円(2016年)ですが、これは焼肉店の事業所の売上で、2016年時点の値です。一方、富士経済・矢野経済などの民間調査による市場推計は約8,000億〜1兆2,000億円(近年)と幅があります。

幅が生じる理由は、「焼肉店」の定義が調査によって異なるためです。焼肉専門店だけを数えるのか、食べ放題のファミリーレストランや大衆ホルモン店を含むのか、ホルモン焼きや韓国料理店をどう扱うのかで、対象範囲が変わります。

そのため、市場規模を引用するときは、出所と対象範囲、調査年を確認することが欠かせません。本ページでは、経済センサスを焼肉店の事業所の規模感を示す構造的な指標、民間調査を現在の市場規模の目安として、それぞれ区別して扱っています。

コロナからどこまで回復したのか?

需要側の回復は力強いものでした。家計の焼肉(外食)支出は、新型コロナ前の2019年の7,004円から2021年に5,735円まで落ち込みましたが、2023年に2019年を上回り、2024年は8,496円と過去最高になりました。

焼肉が他の外食より回復が早かった背景には、換気・無煙ロースター・個室といった特性があります。新型コロナで感染対策が重視されるなか、焼肉店はもともと煙を排出する設備を備え、席の間隔も取りやすい業態でした。居酒屋から「焼肉の和民」へ業態を転換する動きもみられました。

ただし、需要の回復と各社の収益は別の話です。輸入牛肉や人件費の上昇というコストの問題があり、焼肉店の倒産は過去最多に達しています。需要が戻っても、コストを吸収できるかどうかで明暗が分かれています。

市場総額・家計支出・店舗数で、見え方はどう違うのか?

焼肉市場を測る指標には、それぞれ異なる側面があります。市場規模(総額)は焼肉店全体の売上を示しますが、定義により幅があり、確定値は得にくい指標です。家計の焼肉(外食)支出は1世帯当たりの需要を示し、回復の勢いを捉えやすい一方、世帯数や外食頻度の影響を受け、市場総額そのものではありません。

チェーンの店舗数(2024年に2,865店)は、チェーン化された焼肉店の広がりを示しますが、焼肉店の多くを占める個人経営の店は含みません。

これらは互いに補い合う指標です。市場全体の規模は民間推計で、需要の勢いは家計支出で、チェーンの動向は店舗数で、というように使い分けると、焼肉という業態の姿を立体的に捉えられます。個人経営とチェーンの構造は、業界構造のページで詳しく扱います。

中期見通し

近未来1-2年

需要側では、家計の焼肉(外食)支出が2024年に過去最高となり、回復基調が続いています。一方で、輸入牛肉の高止まりと人件費・光熱費の上昇というコスト圧力は続く見通しで、需要の戻りと収益の確保が必ずしも一致しないのが当面の構図です。規模と低価格の食べ放題で伸びるチェーンと、コスト高を吸収しきれない零細店との二極化が続くとみられます。

中期3-5年

中期では、一人焼肉や食べ放題による日常食化が、焼肉の需要の裾野をさらに広げるかが焦点です。市場規模の捉え方も論点で、家計調査の品目別データや民間調査の更新を通じて、焼肉店の市場像がより明確になっていく可能性があります。インバウンドの和牛・焼肉人気も、都市部や観光地の需要を押し上げる要因です。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内の外食需要の基調を決めます。焼肉店の事業所数は個人経営が過半を占める構造ですが、コスト構造の変化に対応できる事業者へ需要が集約されていく可能性があります。市場規模の数字を読む際は、出所(経済センサスか民間推計か)と対象範囲、調査年の違いを踏まえることが前提となります。

よくある質問

焼肉の市場規模はどのくらいですか?
経済センサスでは焼肉店の売上は8,642億円(2016年)ですが、これは焼肉店の事業所の売上で、2016年時点の値です。より新しい市場規模は、富士経済・矢野経済などの民間調査による推計があり、焼肉店の定義の取り方によって約8,000億〜1兆2,000億円と幅があります。集計の対象が異なるため、絶対額は出所を分けて見る必要があります。
家計の焼肉(外食)支出のデータは、なぜ2015年からなのですか?
家計調査で「焼肉(外食)」が独立した品目として集計されるようになったのが2015年(平成27年の品目改定)からだからです。それ以前は「他の主食的外食」などに含まれており、焼肉だけを取り出した支出は遡れません。そのため、本ページのグラフは2015年を起点としています。2015年から2024年の期間で、新型コロナ前後の落ち込みと回復は十分に捉えられます。
家計の支出と市場規模は何が違うのですか?
家計の焼肉(外食)支出は、1世帯当たりが1年間に焼肉の外食に使った金額で、需要側の代理指標です。世帯数や外食の頻度を反映しますが、外国人観光客の消費や法人需要は含まず、焼肉店全体の売上(市場総額)そのものではありません。市場総額は経済センサスの焼肉店の売上や、民間調査の市場推計で捉えます。需要の勢いは家計支出、市場の規模は市場推計、というように使い分けるのが適切です。
富士経済と矢野経済で数字が違うのはなぜですか?
民間の市場調査では、「焼肉店」や「焼肉業態」をどう定義するかが調査によって異なるためです。焼肉専門店だけを対象とするか、食べ放題のファミリーレストランや大衆ホルモン店を含むか、韓国料理店をどう扱うかで、市場の対象範囲と金額が変わります。そのため、民間調査による焼肉市場の推計は約8,000億〜1兆2,000億円と幅があります。引用するときは、どの定義・対象範囲かを確認する必要があります。
市場規模の出典は何ですか?
焼肉店の事業所の売上は総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」(2016年、焼肉店)、家計の焼肉(外食)支出は総務省「家計調査」(二人以上の世帯、品目分類)、焼肉業態の市場推計は富士経済・矢野経済の外食産業に関する調査、焼肉チェーンの店舗数は日本ソフト販売の集計が出典です。それぞれ集計範囲が異なるため、本ページでは別の指標として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」(2016年、焼肉店)
  2. 2.
    総務省「家計調査」二人以上の世帯 品目分類(焼肉(外食)、2015-2024年)
  3. 3.
    富士経済・矢野経済 外食産業に関する調査(近年)
  4. 4.
    日本ソフト販売「焼肉チェーン店舗数ランキング」(2024年版)
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