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百貨店のインバウンド・免税売上高|免税の推移と客単価の低下【2026年版】

百貨店の免税(インバウンド)売上高は、日本百貨店協会の集計で2024年に過去最高の6,487億円に達した後、2025年は5,667億円(前年比-12.7%)へ反落しました。一方で免税で買い物をした購買客数は621.4万人と過去最高を更新しており、1人あたりの購買単価が下がっています。免税売上高の推移、購買客数と客単価の変化、百貨店全体への影響まで順に整理します。

免税売上高(2025年)
5,667億円
前年比-12.7%。2024年のピーク6,487億円から反落
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」(免税売上高)
免税売上の前年比(2025年)
-12.7%
2024年は前年比+85.9%で過去最高。2025年は高額品の反動等で減少
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」
免税購買客数(2025年)
621.4万人
前年比+2.9%で過去最高を更新。客数は増加
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」(購買客数)
免税売上のピーク(2024年)
6,487億円
前年比+85.9%。円安と訪日客の回復で過去最高を記録
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」(免税売上高)

百貨店の免税(インバウンド)売上高の推移(2020-2025年、億円)

日本百貨店協会。コロナ禍の459億円(2021年)から2024年の6,487億円まで急拡大後、2025年は5,667億円へ反落
読み解き

免税売上高は、訪日客が消えた2020年に686億円(前年比-80.2%)、2021年に459億円まで落ち込みました。その後は2022年の水際対策の緩和、円安、訪日客の回復を背景に急拡大し、2022年に1,142億円、2023年に3,484億円、2024年には過去最高の6,487億円(前年比+85.9%)へ伸びました。

2025年は5,667億円(前年比-12.7%)へ反落しています。高額品をまとめ買いする消費が一服したことなどが背景です。免税売上高は短期間で大きく変動するため、百貨店全体の売上を左右する不安定な要素となっています。

このグラフに関連するトピック

免税売上高と購買客数・客単価の変化(2024年から2025年)

日本百貨店協会。免税売上高は減少した一方で購買客数は過去最高を更新し、1人あたりの購買単価が低下した(客単価は売上÷客数の算出値)
読み解き

2024年から2025年にかけて、免税売上高は6,487億円から5,667億円へ減少した一方、購買客数は603.7万人から621.4万人へと増えました。この結果、1人あたりの購買単価は約10.7万円から約9.1万円へと、約15.1%下がっています。

客数が増えて単価が下がったのは、訪日客の消費の質が変わったためです。コロナ禍前後には高額なブランド品や化粧品をまとめ買いする「爆買い」が売上を押し上げていましたが、近年はより幅広い国からの訪日客が増え、買い物の中身も中価格帯の商品や体験・食へと広がっています。中国からの客の動向も売上を左右する要因です。

主要論点

免税売上が減ったのに、購買客数が過去最高なのはなぜか?

百貨店の免税売上高は、2024年に過去最高の6,487億円に達した後、2025年は5,667億円(前年比-12.7%)へ反落しました。ところが、免税で買い物をした購買客数は621.4万人と過去最高を更新しています。売上が減って客数が増えたのは、1人あたりの購買単価が下がったためです。

客単価は2024年の約10.7万円から2025年は約9.1万円へと低下しました。背景には、訪日客の消費の質の変化があります。コロナ禍前後には、高額なブランド品や化粧品をまとめ買いする「爆買い」が売上を押し上げていました。これに対して近年は、より幅広い国からの訪日客が増え、買い物の中身も中価格帯の商品や、体験・食などへ広がっています。

つまり、来店する人は増えているものの、1人が使う金額は以前より小さくなっています。百貨店各社にとっては、客数の増加を客単価の回復につなげられるかが課題となっています。

免税売上は、コロナ後にどう急拡大したのか?

免税売上高は、訪日客が消えた2020年に686億円(前年比-80.2%)、2021年に459億円まで落ち込みました。そこからの回復は急激でした。

2022年は水際対策の緩和を受けて1,142億円(前年比+148.5%)へ回復し、訪日客の本格的な再開とともに2023年は3,484億円(同+204.8%)、2024年は過去最高の6,487億円(同+85.9%)へと拡大しました。円安によって訪日客にとって日本での買い物が割安になったことも、高額品の購入を後押ししました。

わずか3年で免税売上高が10倍以上に膨らんだ一方、2025年には反落しており、免税売上は短期間で大きく動く不安定な要素であることが分かります。為替や各国の景気、訪日客の構成の変化によって、今後も振れ幅の大きい推移が続くとみられます。

免税は百貨店全体にどれだけの影響を与えているのか?

2025年の免税売上高5,667億円は、全国百貨店売上高(5.68兆円)の約10%にあたります。割合としては1割程度ですが、免税売上は化粧品・宝飾・時計などの高額品や、都市部の旗艦店に集中しているため、百貨店の収益に与える影響は売上構成比以上に大きいのが実情です。

そのことは、2025年に全国百貨店売上高が5年ぶりに減少した主因が、この免税の反落だったことにも表れています。免税が好調だった2023〜2024年に百貨店全体の売上を押し上げ、その反落が2025年の全体の減少につながりました。

各社はインバウンドの取り込みを成長の柱に位置づけており、都心の旗艦店の改装や免税カウンターの拡充、多言語対応などに投資しています。一方で、インバウンドへの依存は売上の変動を大きくするため、国内の富裕層需要とのバランスが各社の課題となっています。

中期見通し

近未来1-2年

免税売上高は、為替や訪日客数、各国の景気に左右されながら推移する見通しです。訪日客数の増加は続くとみられる一方、1人あたりの購買単価が下がっているため、売上が客数ほど伸びない状況が当面続く可能性があります。各社は客数の増加を単価の回復につなげるため、高付加価値品の品ぞろえや体験型の販売を強化します。

中期3-5年

中期では、訪日客の構成が多様化し、中国一辺倒から東南アジアや欧米へと広がる流れが続く見通しです。客単価は爆買い期の水準には戻りにくく、幅広い客層に対応した品ぞろえやサービスが重要になります。都心の旗艦店を中心に、インバウンド対応への投資が続きます。

長期

長期では、インバウンドは百貨店の成長を支える柱であり続ける一方、為替や国際情勢で大きく振れる不安定さも残ります。各社は国内の富裕層需要とインバウンドの両輪で売上の安定を図る方向にあります。免税売上は百貨店全体の売上を読むうえで欠かせない指標であり続けます。

よくある質問

百貨店のインバウンド(免税)売上はどのくらいですか?
日本百貨店協会によると、免税(インバウンド)売上高は2024年に過去最高の6,487億円に達した後、2025年は5,667億円(前年比-12.7%)へ反落しました。免税売上高は全国百貨店売上高(5.68兆円)の約10%にあたります。
免税売上が減ったのに、購買客数が過去最高なのはなぜですか?
1人あたりの購買単価が下がったためです。免税購買客数は2025年に621.4万人(前年比+2.9%)と過去最高を更新しましたが、客単価は2024年の約10.7万円から2025年は約9.1万円へ低下しました。高額品の「爆買い」が一服し、より幅広い国の客による中価格帯・体験型の消費へ変化しています。
百貨店の免税売上はコロナ後にどう推移しましたか?
訪日客が消えた2020年に686億円、2021年に459億円まで落ち込んだ後、水際対策の緩和と円安、訪日客の回復で急拡大し、2022年1,142億円・2023年3,484億円・2024年6,487億円(過去最高)と伸びました。2025年は5,667億円へ反落しています。
百貨店の免税で何が買われていますか?
化粧品、宝飾品・時計、ブランドのバッグや衣料品などの高額品が中心です。これらは都市部の旗艦店に集中しています。近年は中価格帯の商品や体験・食への広がりもみられ、訪日客の消費の幅が広がっています。免税売上は高額品や都市店に集中しているため、百貨店の収益への影響は売上構成比以上に大きいのが特徴です。
インバウンドは百貨店全体の売上にどう影響しますか?
免税売上高は全国百貨店売上高の約10%ですが、高額品や都市の旗艦店に集中しているため影響は大きく、2025年に全国売上高が5年ぶりに減少した主因も免税の反落でした。免税は短期間で大きく変動するため、百貨店各社にとって売上の振れ幅を左右する要素となっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」(免税売上高・購買客数)
  2. 2.
    日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(全国総額)
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