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百貨店の商品別構成|衣料品の縮小と高額品シフト【2026年版】

百貨店の売上は商品群ごとに構成されており、2025年は衣料品(15,058億円、構成比26.5%)が最大の品目です。次いで食料品(14,574億円、いわゆるデパ地下)、化粧品や美術・宝飾を含む雑貨(12,551億円)が続きます。長く主力だった衣料品が縮小する一方、化粧品(+1.3%)や美術・宝飾(+3.1%)などの高額品が伸び、百貨店の主役が移り変わっています。商品群別の構成、雑貨と食料品の内訳、高額品シフトの背景まで順に整理します。

衣料品(2025年)
15,058億円
構成比26.5%で最大の品目。前年比-2.2%と長期的に縮小
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(商品別)
食料品(2025年)
14,574億円
構成比25.7%。いわゆるデパ地下、前年比-0.4%
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(商品別)
化粧品(2025年)
5,085億円
雑貨の内訳。前年比+1.3%、デパコスが牽引
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(商品別)
美術・宝飾・貴金属(2025年)
5,901億円
雑貨の内訳。前年比+3.1%で主要品目のなかで最も高い伸び
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(商品別)

商品群別の売上高(2025年、億円)

日本百貨店協会。最大の衣料品から、食料品、化粧品・宝飾を含む雑貨、身のまわり品まで。化粧品・美術宝飾は雑貨の内訳のため雑貨に含めて表示(重複計上を避ける)
読み解き

2025年の商品群別では、衣料品(15,058億円、構成比26.5%)が最大で、食料品(14,574億円、25.7%)、雑貨(12,551億円、22.1%)が続きます。雑貨には化粧品と美術・宝飾・貴金属が含まれるため、重複計上を避けてここでは雑貨にまとめて表示しています。

このほか身のまわり品(9,375億円)、家具・家電などの家庭用品(1,872億円)、食堂喫茶やサービスが続きます。上位の主要な商品群で全国売上高の約97%を占め、残りはその他の商品です。雑貨と食料品の内訳は次の表で詳しく見ていきます。

このグラフに関連するトピック

雑貨の内訳(2025年、億円)

日本百貨店協会。雑貨は化粧品・美術宝飾などの高額品を含む商品群で、化粧品(デパコス)と美術・宝飾・貴金属が伸びている。構成比は雑貨に占める割合、前年比は既存店ベース
読み解き

雑貨12,551億円の内訳で最も大きいのは、美術・宝飾・貴金属の5,901億円(雑貨の47%、前年比+3.1%)です。宝飾品・時計などの高額品で、国内の富裕層需要やインバウンドに支えられて主要品目のなかで最も高い伸びを示しています。

次いで化粧品の5,085億円(雑貨の40.5%、前年比+1.3%)です。百貨店の化粧品売り場は「デパコス」と呼ばれるプレステージブランドの主要な販路で、訪日客にも人気があります。化粧品と美術・宝飾の2つで雑貨の大部分を占め、これらの高額品の伸びが衣料品の縮小を補う構図となっています。

食料品(デパ地下)の内訳(2025年、億円)

日本百貨店協会。食料品はデパ地下と呼ばれる売り場で、菓子・惣菜・生鮮食品などで構成される。構成比は食料品に占める割合、前年比は既存店ベース。各区分の四捨五入により、内訳の合計(14,573億円)は食料品の総額14,574億円をわずかに下回り、構成比の合計も100%とわずかにずれます
読み解き

デパ地下と呼ばれる食料品14,574億円の内訳で最も大きいのは、菓子の4,782億円(食料品の32.8%、前年比+1.7%)です。和洋菓子の専門店やブランドが集まる売り場で、手みやげや自家需要の集客の柱となっています。

次いで惣菜(3,375億円)、生鮮食品(2,296億円)が続きます。食料品は単価こそ高くないものの来店のきっかけとなりやすく、百貨店にとって集客の入り口として重要な役割を担っています。多くの百貨店が地下や低層階に食料品売り場を構え、来店客を上層階の買い物につなげる狙いがあります。

主要論点

百貨店の主役は、なぜ衣料品から高額品へ移ったのか?

かつて百貨店の代名詞だった衣料品は、2025年も売上高15,058億円で最大の品目ですが、構成比は26.5%まで下がり、前年比-2.2%と長期的な縮小が続いています。背景には、ユニクロなどの専門店やショッピングセンター、ECとの競合で、百貨店ならではの優位性が薄れたことがあります。

これに対して、化粧品(前年比+1.3%)や美術・宝飾・貴金属(+3.1%)などの高額品は伸びています。これらは雑貨に含まれ、国内の富裕層需要やインバウンドに支えられています。専門店やECでは代替しにくい、対面接客や品ぞろえ、ブランドとの関係が百貨店の強みとして残っている領域です。

衣料品中心の品ぞろえから、富裕層やインバウンド向けの高額品とデパ地下の食料品へと、百貨店の商品構成は移り変わっています。各社は採算の取りにくい衣料品の売り場を見直し、化粧品・宝飾や食料品に売り場を振り向ける動きを進めています。

化粧品や宝飾品は、なぜ百貨店で強いのか?

2025年に主要品目のなかで最も高い伸びを示したのは、美術・宝飾・貴金属(前年比+3.1%)と化粧品(+1.3%)でした。いずれも雑貨に含まれる高額品で、百貨店の収益を支える主役になりつつあります。

化粧品は「デパコス」と呼ばれるプレステージブランドの主要な販路で、対面でのカウンセリングやテスターを通じた接客が強みです。訪日客にも人気が高く、インバウンドの主要な購買品目でもあります。宝飾品・時計などの高額品も、信頼性や品ぞろえ、外商(得意客への訪問や優待による個別販売)を通じた富裕層との関係を武器に、専門店やECに対して優位を保っています。

これらの高額品は単価が高く、利益率も比較的高いため、百貨店の収益への貢献は売上構成比以上に大きいとみられます。各社が富裕層やインバウンドの取り込みを強化しているのは、この高額品の伸びを取り込む狙いがあります。

デパ地下の食料品は、百貨店にとってどんな役割か?

デパ地下と呼ばれる食料品は、2025年に14,574億円(構成比25.7%)と、衣料品に次ぐ規模の商品群です。内訳は菓子(4,782億円)が最も大きく、惣菜(3,375億円)、生鮮食品(2,296億円)が続きます。

食料品は宝飾品などに比べて単価は高くありませんが、日常的に来店するきっかけをつくる集客の入り口として重要です。多くの百貨店が地下や低層階に食料品売り場を構えているのは、食料品目当ての来店客を上層階の買い物につなげる狙いがあるためです。和洋菓子の名店や有名ブランドの惣菜など、ここでしか買えない品ぞろえが百貨店の食料品売り場の強みとなっています。

衣料品が縮小するなかで、高額品とデパ地下の食料品は、それぞれ収益の柱と集客の柱として、百貨店の商品構成のなかで役割を強めています。

中期見通し

近未来1-2年

商品構成では、化粧品・宝飾などの高額品の比率が高まる流れが続く見通しです。衣料品は専門店やECとの競合で縮小が続き、各社は売り場の見直しを進めます。化粧品・宝飾と食料品に売り場を振り向け、富裕層やインバウンドの需要を取り込む動きが中心になります。

中期3-5年

中期では、高額品とデパ地下の食料品を軸とした商品構成への転換が進む見通しです。衣料品の縮小を高額品でどこまで補えるか、専門店・ECとの差別化をどう図るかが課題となります。富裕層向けの外商や、体験・サービスを取り込んだ売り場づくりが重要になります。

長期

長期では、人口減少と消費の二極化のなかで、富裕層向けの高額品と、来店のきっかけとなる食料品・サービスに軸足を移す流れが続くとみられます。衣料品中心だった百貨店の商品構成は、高額品とデパ地下を柱とする形へと長期的に変化していく見通しです。

よくある質問

百貨店で売上が一番大きい商品は何ですか?
2025年に最も大きい商品群は衣料品で、売上高15,058億円(構成比26.5%)です。ただし前年比-2.2%と長期的に縮小しています。次いで食料品(14,574億円、デパ地下)、化粧品や宝飾を含む雑貨(12,551億円)が続きます。
百貨店ではどんな商品が伸びていますか?
化粧品(前年比+1.3%)や美術・宝飾・貴金属(+3.1%)などの高額品が伸びています。いずれも雑貨に含まれ、国内の富裕層需要やインバウンドに支えられています。一方で、長く主力だった衣料品(-2.2%)や身のまわり品(-7.5%)は縮小しています。
百貨店の化粧品(デパコス)はどのくらいの規模ですか?
2025年の化粧品の売上高は5,085億円で、前年比+1.3%と伸びています。商品分類では雑貨に含まれます。百貨店の化粧品売り場は「デパコス」と呼ばれるプレステージブランドの主要な販路で、対面接客や品ぞろえが強みです。訪日客にも人気が高く、インバウンドの主要な購買品目でもあります。
デパ地下(食料品)の売上はどのくらいですか?
2025年の食料品の売上高は14,574億円(構成比25.7%)で、衣料品に次ぐ規模です。内訳は菓子(4,782億円)が最も大きく、惣菜(3,375億円)、生鮮食品(2,296億円)が続きます。デパ地下は来店のきっかけとなる集客の入り口として重要な役割を担っています。
なぜ百貨店の衣料品は縮小しているのですか?
衣料品は2025年も売上高15,058億円で最大の品目ですが、前年比-2.2%と長期的に縮小しています。ユニクロなどの専門店やショッピングセンター、ECとの競合で百貨店ならではの優位性が薄れたことが背景です。各社は採算の取りにくい衣料品の売り場を見直し、化粧品・宝飾や食料品に売り場を振り向けています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(商品別)
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