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百貨店の地区別売上|都市集中と地方店の閉店【2026年版】

百貨店の売上は都市部に集中しています。2025年は東京(構成比29.6%)と大阪(17.7%)を含む主要10都市で全国の78.1%を占め、地方(10都市以外)は21.9%にとどまります。地方では人口の減少や専門店・ショッピングセンター・ECとの競合で集客が難しくなり、百貨店の閉店が相次いでいます。地区別の売上構成、都市ごとの違い、地方店の閉店と跡地の活用まで整理します。

東京の構成比(2025年)
29.6%
全国売上高の約3割を占める最大の市場(16,806億円)
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(地区別)
大阪の構成比(2025年)
17.7%
東京に次ぐ規模(10,032億円)。東京とあわせて全国の約半分
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(地区別)
主要10都市の構成比(2025年)
78.1%
東京・大阪など主要10都市に売上が集中
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(地区別)
地方の前年比(2025年)
-2.3%
10都市以外(地方)は既存店ベースで減少が続く
出典: 日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(地区別)

主要都市別の百貨店売上高(2025年、億円)

日本百貨店協会。主要10都市の売上高(降順)。東京が16,806億円で突出し、大阪が続く。都市ごとの前年比(既存店ベース)の違いは下の解説で整理(10都市以外=地方は集計の粒度が異なるため別表で示す)
読み解き

2025年の主要都市別では、東京が16,806億円(全国の29.6%)で突出し、大阪(10,032億円、17.7%)が続きます。この2都市だけで全国の約半分を占め、主要10都市では全国の78.1%に達します。百貨店の売上が、富裕層やインバウンドの集まる大都市に集中していることが分かります。

前年比(既存店ベース)は都市ごとに分かれました。名古屋(+2.1%)や神戸(+1.8%)、札幌(+0.9%)が伸びた一方、東京(-2.9%)や福岡(-5.0%)、広島(-4.6%)は減少しています。東京は免税(インバウンド)の比率が高く、その反落の影響を受けやすいなど、都市ごとにインバウンド依存度や競合環境が異なります。

このグラフに関連するトピック

都市部と地方の売上構成(2025年)

日本百貨店協会。主要10都市(都市部)と10都市以外(地方)の全国に占める構成比と前年比(既存店ベース)。都市部に集中し、地方は減少が続く
読み解き

百貨店の売上は、主要10都市(都市部)が全国の78.1%を占め、10都市以外(地方)は21.9%にとどまります。前年比でも、都市部が-1.3%であるのに対し、地方は-2.3%と減少幅が大きく、都市部への集中と地方の縮小が同時に進んでいます。

地方の百貨店は、人口の減少や、専門店・郊外のショッピングセンター・ECとの競合で集客が難しくなっています。地域の中核となってきた百貨店の閉店も相次いでおり、買い物の場が失われることへの懸念も指摘されています。

主要論点

百貨店の売上は、なぜ都市部に集中するのか?

2025年の百貨店の売上は、東京(29.6%)と大阪(17.7%)だけで全国の約半分、主要10都市で78.1%を占めています。都市部に集中するのは、百貨店の主な収益源である富裕層・インバウンド・高額品の需要が、大都市の都心に集まるためです。

都心の旗艦店は、交通の利便性やブランドの集積、外商を通じた富裕層との関係を武器に集客しています。化粧品・宝飾などの高額品やインバウンドの需要も、東京・大阪などの大都市に集中します。これに対して地方は、人口の減少や、専門店・郊外のショッピングセンター・ECとの競合で、百貨店が選ばれにくくなっています。

結果として、限られた都心の旗艦店が売上の多くを生み、地方店との差が広がる構図となっています。各社は採算の取れる都心店に経営資源を集中させる方向にあります。

なぜ地方の百貨店は閉店が続くのか?

地方(10都市以外)の百貨店の売上は、2025年に前年比-2.3%と縮小が続いています。地方店の閉店が相次ぐのは、集客と採算の確保が難しくなっているためです。

背景には、人口の減少と高齢化があります。加えて、衣料品や雑貨では専門店や郊外のショッピングセンター、ECとの競合が厳しく、百貨店ならではの優位性が薄れています。地方では富裕層やインバウンドの需要も都市部ほど見込めず、高額品で売上を支えることも難しくなっています。

地域の中核となってきた百貨店の閉店は、その街の集客や買い物の場に影響します。閉店後に新たな商業施設や代替手段が乏しい地域では、買い物の不便が生じることもあり、地方百貨店の撤退は地域経済の課題としても受け止められています。

閉店した百貨店の店舗は、どう活用されるのか?

採算の取れない店舗を整理する一方で、百貨店各社は閉店した店舗の跡地や建物を不動産として活用する動きを進めています。立地の良い都心の物件は、百貨店にとって重要な資産だからです。

代表的なのが、売場を専門店に貸して賃料を得る定期賃貸借(テナント化)や、建物の建て替え・再開発です。百貨店の一部の階を専門店やオフィス、ホテルなどに転換したり、複合ビルとして再開発したりすることで、百貨店事業以外の収益を確保します。都心の旗艦店でも、売場の一部をテナント化する動きがみられます。

こうした不動産活用は、店舗網の再編と一体で進んでいます。各社は、採算の取りにくい地方店を整理し、都心の旗艦店と外商に経営資源を集中させながら、保有する不動産を収益源として活かす方向にあります。

中期見通し

近未来1-2年

都心の旗艦店への集中と、地方・不採算店の整理が続く見通しです。都市部では高額品・インバウンド・外商を軸に集客を競い、地方では閉店や不動産活用への転換が進みます。都市ごとのインバウンド依存度の違いから、売上の伸び縮みの差も続くとみられます。

中期3-5年

中期では、店舗網の再編と不動産活用が一段と進む見通しです。閉店した店舗の跡地は、テナント化や再開発、複合施設への転換が広がります。各社は採算の取れる都心店に集中し、地方は中核都市の店舗を残しつつ整理を進める流れが続きます。

長期

長期では、人口減少と地域経済の動向が地方店の存続を左右します。百貨店は都心の旗艦店と外商、不動産活用を軸とする構造へと再編が進む見通しです。地方の買い物の場をどう維持するかは、地域社会の課題として残ります。

よくある質問

百貨店の売上はどの地域に集中していますか?
2025年は、東京(構成比29.6%)と大阪(17.7%)の2都市で全国の約半分、主要10都市で全国の78.1%を占めます。地方(10都市以外)は21.9%にとどまり、都市部への集中が進んでいます。
なぜ地方の百貨店は閉店が続くのですか?
地方(10都市以外)の百貨店の売上は2025年に前年比-2.3%と縮小が続いています。人口の減少や、専門店・郊外のショッピングセンター・ECとの競合で集客が難しくなり、採算の確保が困難になっているためです。地域の中核店の閉店も相次いでいます。
都市によって百貨店の売上に差はありますか?
あります。2025年の前年比(既存店ベース)は、名古屋(+2.1%)や神戸(+1.8%)が伸びた一方、東京(-2.9%)や福岡(-5.0%)は減少しました。東京は免税(インバウンド)の比率が高く、その反落の影響を受けやすいなど、都市ごとにインバウンド依存度や競合環境が異なります。
閉店した百貨店の跡地はどうなりますか?
閉店した店舗の跡地や建物は、定期賃貸借(テナント化)や建て替え・再開発による不動産活用が進んでいます。一部の階を専門店やオフィス、ホテルに転換したり、複合ビルとして再開発したりして、百貨店事業以外の収益を確保します。立地の良い都心の物件は重要な資産として活かされます。
東京の百貨店の売上はなぜ減ったのですか?
東京は2025年に前年比-2.9%(既存店ベース)と減少しました。東京の百貨店は免税(インバウンド)売上の比率が高く、2025年の免税の反落の影響を受けやすかったことが主な要因です。構成比では依然として東京が29.6%と最大の市場です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本百貨店協会「全国百貨店売上高」(地区別)
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