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ドラッグストア主要チェーンの業績比較|上場9社の売上・利益率【2026年版】

日本のドラッグストア業界には、上場する主要チェーンが9社あります。売上高ではマツキヨココカラ&カンパニー(3088)が1.06兆円で首位、コスモス薬品(3349)が1.01兆円で続き、1兆円を超えるのはこの2社です。以下、スギ・ツルハ・サンドラッグが8千億円台に並びます。各社は決算期も事業の特色も異なるため、本ページでは売上規模・収益性(営業利益率)・効率(ROE)の3つの軸で、決算期の違いに留意しながら整理します。なお、業界最大手だったウエルシアは上場廃止によりイオン傘下で統合が進んでおり、本ページの上場9社には含みません。

首位の売上高
1.06兆円
マツキヨココカラ&カンパニー(3088)、FY2025/3。上場9社で首位
出典: EDINET有価証券報告書 (連結、FY2025)
1兆円超のチェーン
2
マツキヨ1.06兆・コスモス1.01兆。ツルハは変則決算で年換算約1兆
出典: EDINET有価証券報告書 (連結、FY2025)
営業利益率トップ
7.7%
マツキヨココカラ、9社で最高。売上規模と収益性を両立 (営業利益÷売上高)
出典: EDINET有価証券報告書より算出 (連結、FY2025)
ROEトップ
14.2%
ゲンキー(9267)、フード特化の高効率。クスリのアオキ13.9%が続く
出典: EDINET有価証券報告書 (連結、FY2025)

上場主要9社の地盤と特色

売上規模だけでなく、地盤・主力カテゴリ・決算期が各社で異なる

ドラッグストアの主要チェーンは、都市型でビューティや調剤に強い会社、郊外でフードとディスカウントを主軸に伸びてきた会社など、出自と地盤によって事業の重心が分かれています。同じ「ドラッグストア」でも、売上の作り方と収益構造はチェーンごとに異なります。

マツキヨココカラ (3088)
代表ticker
3088 (東証)
主な地盤
首都圏・関西
直近売上高
10,616億円
決算期
3月期
コスモス薬品 (3349)
代表ticker
3349 (東証)
主な地盤
九州・全国
直近売上高
10,114億円
決算期
5月期
スギHD (7649)
代表ticker
7649 (東証)
主な地盤
中部・首都圏
直近売上高
8,780億円
決算期
2月期
ツルハHD (3391)
代表ticker
3391 (東証)
主な地盤
北海道・全国 (イオン系)
直近売上高
8,456億円 ※
決算期
2月期
サンドラッグ (9989)
代表ticker
9989 (東証)
主な地盤
首都圏・全国
直近売上高
8,018億円
決算期
3月期
クスリのアオキ (3549)
代表ticker
3549 (東証)
主な地盤
北陸・全国
直近売上高
5,015億円
決算期
5月期
クリエイトSD (3148)
代表ticker
3148 (東証)
主な地盤
南関東
直近売上高
4,571億円
決算期
5月期
カワチ薬品 (2664)
代表ticker
2664 (東証)
主な地盤
北関東
直近売上高
2,878億円
決算期
3月期
ゲンキー (9267)
代表ticker
9267 (東証)
主な地盤
北陸・中京
直近売上高
2,008億円
決算期
6月期

都市型・全国総合 — マツキヨココカラ / サンドラッグ

マツキヨココカラ&カンパニー(3088)は、マツモトキヨシとココカラファインの経営統合(2021年)で生まれた都市型の最大手で、首都圏・関西を地盤に化粧品(ビューティ)に強みを持ちます。FY2025/3の売上高は1.06兆円、営業利益率は7.7%と、規模と収益性の両面で先頭を走ります。

サンドラッグ(9989)は首都圏を地盤に全国へ広がるディスカウント型で、FY2025/3の売上高は8,018億円、営業利益率は5.5%です。低価格を訴求しつつ調剤併設も進め、効率の高い店舗運営で安定した利益率を確保しています。

調剤併設に強み — スギHD / クリエイトSD / ツルハHD

スギHD(7649)は中部・首都圏を地盤に、早くから調剤併設を進めてきたチェーンで、FY2025/2の売上高は8,780億円です。クリエイトSD(3148)は南関東を地盤に調剤併設型を展開し、売上高は4,571億円です。いずれも処方薬と健康関連の取り込みを成長の柱としています。

ツルハHD(3391)は北海道発で全国網を持ち、現在はイオン傘下にあります。FY2025/2の売上高は8,456億円ですが、これは決算期変更にともなう9.5ヶ月の変則決算の数値で、年換算ではおおむね1兆円規模です。前年(12ヶ月)の10,275億円とは期間が異なる点に留意が必要です。

フード強化・ディスカウント — コスモス薬品 / クスリのアオキ / ゲンキー / カワチ薬品

コスモス薬品(3349)は九州発で、食品の品ぞろえを厚くしたディスカウント型を全国へ広げ、FY2025/5の売上高は1.01兆円と上場9社で2番目の規模です。食品比率の高さで来店頻度を上げ、薄い利幅(営業利益率4.0%)を大きな売上で補う構造です。

クスリのアオキ(3549、北陸発)とゲンキー(9267、北陸・中京)も食品強化型で、ROEはそれぞれ13.9%・14.2%と9社の中でも高く、資本効率の高さが目立ちます。カワチ薬品(2664)は北関東を地盤とする広域・郊外型で、売上高は2,878億円、営業利益率は2.6%と、価格競争のなかで利益率の確保が課題となっています。

上場主要9社の業績指標の比較 (FY2025、連結)

売上高・営業利益率・ROE・決算期。決算期が各社で異なり、ツルハは変則決算 (※) のため単純比較不可
マツキヨココカラ (3088)
売上高 (億円)
10,616
営業利益率
7.7%
ROE
10.6%
決算期
3月期
コスモス薬品 (3349)
売上高 (億円)
10,114
営業利益率
4.0%
ROE
12.7%
決算期
5月期
スギHD (7649)
売上高 (億円)
8,780
営業利益率
4.8%
ROE
10.6%
決算期
2月期
ツルハHD (3391)
※ 9.5ヶ月の変則決算 (前年12ヶ月は10,275億円)。年換算で約1兆円規模、ROEも期間影響で低め
売上高 (億円)
8,456 ※
営業利益率
4.5%
ROE
6.1% ※
決算期
2月期
サンドラッグ (9989)
売上高 (億円)
8,018
営業利益率
5.5%
ROE
11.8%
決算期
3月期
クスリのアオキ (3549)
売上高 (億円)
5,015
営業利益率
5.3%
ROE
13.9%
決算期
5月期
クリエイトSD (3148)
売上高 (億円)
4,571
営業利益率
4.9%
ROE
11.5%
決算期
5月期
カワチ薬品 (2664)
売上高 (億円)
2,878
営業利益率
2.6%
ROE
4.3%
決算期
3月期
ゲンキー (9267)
売上高 (億円)
2,008
営業利益率
4.8%
ROE
14.2%
決算期
6月期
読み解き

この表は、売上規模・収益性(営業利益率)・効率(ROE)を一度に見比べるためのものです。ただし、(1)決算期が3月・5月・2月・6月とばらつく、(2)ツルハHDは9.5ヶ月の変則決算、(3)各社で会計の前提が異なる、の3点から、数値をそのまま横並びにはできません。

読み取れる傾向は明確です。規模の首位はマツキヨココカラ(1.06兆円)で、営業利益率7.7%も最も高く、規模と収益性を両立しています。一方、コスモス薬品・ゲンキー・クスリのアオキといったフード強化型は、営業利益率は4〜5%台と薄めですが、ROEは高く資本効率に優れます。ツルハHDの売上高(※)とROE(※)は変則決算の期間影響を含むため、前年の12ヶ月実績や年換算でとらえる必要があります。

上場主要9社の売上規模ランキング (FY2025、億円)

各社の直近通期売上高を比較。ツルハHD(※)は9.5ヶ月の変則決算で、年換算では約1兆円規模。各社の合算は市場規模ではない (集計の対象が異なる)
単位: 億円上位 9
03,7507,50011,25015,00010,616マツキヨココカラ10,114コスモス薬品8,780スギHD8,456ツルハHD※8,018サンドラッグ5,015クスリのアオキ4,571クリエイトSD2,878カワチ薬品2,008ゲンキー
出典: EDINET有価証券報告書 (上場9社、連結通期、FY2025)
カテゴリマツキヨココカラコスモス薬品スギHDツルハHD※サンドラッグクスリのアオキクリエイトSDカワチ薬品ゲンキー
売上高億円10,61610,1148,7808,4568,0185,0154,5712,8782,008
読み解き

売上規模で見ると、マツキヨココカラ(10,616億円)とコスモス薬品(10,114億円)が1兆円を超えて先行し、スギHD・ツルハHD・サンドラッグが8千億円前後で続きます。以下、クスリのアオキとクリエイトSDが4〜5千億円規模、カワチ薬品とゲンキーが2〜3千億円規模です。

ツルハHDのバー(※)は9.5ヶ月の変則決算の数値である点に注意してください。前年(12ヶ月)の売上高は10,275億円で、年換算ではおおむね1兆円規模となり、実質的にはマツキヨ・コスモスに迫る上位グループに位置します。なお、ここに並ぶ各社の売上高を足し合わせても業態全体の市場規模にはなりません。各社の集計には重複や海外売上などが含まれ、業界団体や国の統計とは集計の対象が異なるためです。

このグラフに関連するトピック

主要論点

なぜマツキヨココカラが売上と利益率の両面で首位なのか?

マツキヨココカラ&カンパニー(3088)は、FY2025/3に売上高1.06兆円・営業利益率7.7%と、規模と収益性の両面で上場9社の先頭に立っています。背景には、マツモトキヨシとココカラファインの経営統合(2021年)による都市型最大手化と、化粧品(ビューティ)に強い商品構成があります。

化粧品は食品や日用品に比べて利幅が大きく、都市部の店舗では訪日客の需要も収益に寄与します。フードやディスカウントを主軸とするチェーンの営業利益率が4〜5%台にとどまるのに対し、マツキヨが7.7%を確保できるのは、この商品構成と立地の違いが大きいと考えられます。

ただし、統合による規模拡大の効果が一巡したあと、都市型モデルが食品強化型の高成長チェーンに対して規模面でどこまで先行を保てるかは、今後の論点です。

ツルハHDの2025年の数値はなぜ単純比較できないのか?

ツルハHD(3391)のFY2025の売上高8,456億円は、決算期変更(5月15日から2月末へ)にともなう9.5ヶ月の変則決算の数値です(決算期を親会社イオングループに合わせるための変更です)。前年(12ヶ月)の10,275億円とは対象期間が異なるため、前年比や他社との単純な売上比較はできません。年換算ではおおむね1兆円規模で、実質的にはマツキヨ・コスモスに迫る上位グループに位置します。

さらに重要なのは、ツルハHDがイオン傘下にあり、上場廃止となったウエルシア(旧3141)との統合が進んでいる点です。統合後はマツキヨ・コスモスを上回る業態最大規模の連合となる見込みで、ドラッグストアの売上ランキングの構図は今後大きく変わります。

このため、ツルハHD単体の数値を読むときは、(1)変則決算の期間差、(2)イオン連合としての将来像、の両方を踏まえる必要があります。再編の詳細は業界再編・統合のページで扱います。

西日本・北陸発のフード強化チェーンはなぜ高ROEなのか?

コスモス薬品(3349、九州発)・クスリのアオキ(3549、北陸発)・ゲンキー(9267、北陸/中京)は、食品の品ぞろえを厚くしたチェーンで、ROE(自己資本利益率)が高いのが特徴です。ゲンキーのROEは14.2%、クスリのアオキは13.9%、コスモス薬品は12.7%と、いずれも9社の中で上位にあります。

食品は利幅が薄い一方で、毎日の買い物として来店頻度を高め、ついで買いを促します。これにより、低い営業利益率(コスモス薬品で4.0%)でも、効率の高い出店と在庫回転で資本効率(ROE)を確保する構造になっています。郊外の低コスト出店を続けやすいことも、高い成長と資本効率を支えています。

論点は、食品強化型の高成長がどこまで続くかです。人口減少で出店余地が狭まるなか、価格競争が激しくなれば薄い利幅がさらに圧迫される可能性もあり、規模拡大の速度と収益性のバランスが問われます。

主要チェーンの中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、イオン傘下のツルハHDとウエルシアの統合が進み、業態最大規模の連合が形づくられる局面です。マツキヨココカラは都市型・ビューティ強の収益性を生かして首位グループを維持し、コスモス薬品など食品強化型は出店を続けて規模を伸ばす見通しです。上位チェーンへの集中が一段と進みます。

中期3-5年

中期では、1兆円級チェーンへの集約と、業態の特色(調剤併設・フード強化・ディスカウント)ごとの差別化が競争の軸となります。地域を地盤とする中堅チェーンは、規模で劣る分、再編(M&A)の対象となる可能性があります。営業利益率(収益性)とROE(効率)の2つの軸で、どのモデルが優位かが分かれていきます。

長期

長期では、人口減少で出店余地が狭まり、各チェーンはPB(自主企画商品)・調剤・デジタルを使った差別化と、既存店の生産性向上に重心を移します。売上規模だけでなく、収益性と資本効率をどう両立するかが、チェーンの優劣を決める前提となります。

よくある質問

ドラッグストアの売上首位はどこですか?
上場チェーンのなかでは、マツキヨココカラ&カンパニー(3088)がFY2025/3の売上高1.06兆円で首位です。コスモス薬品(3349)が1.01兆円で続き、1兆円を超えるのはこの2社です。ツルハHD(3391)は変則決算のため数値が小さく見えますが、年換算ではおおむね1兆円規模で、上位グループに位置します。
ツルハHDの2025年の売上が前年より減ったのはなぜですか?
決算期の変更(5月15日から2月末へ)にともなう9.5ヶ月の変則決算のためです。前年は12ヶ月、FY2025は約9.5ヶ月と対象期間が異なるため、売上高8,456億円と前年の10,275億円を単純に比較することはできません。年換算ではおおむね1兆円規模です。
なぜウエルシアが比較に入っていないのですか?
ウエルシアは2025年11月に上場廃止となり、ツルハHDとの株式交換でイオン傘下の統合が進んでいるためです。本ページは上場している主要9社の連結業績を比較する構成のため、非上場化したウエルシアは含めていません。ツルハHDとウエルシアの統合後は、売上合算で業態最大規模の連合となる見込みです。
営業利益率が高いのはどのチェーンですか?
FY2025ではマツキヨココカラが7.7%で最も高く、サンドラッグが5.5%で続きます。フードやディスカウントを主軸とするチェーンは4〜5%台が中心で、利幅は薄めです。化粧品(ビューティ)や調剤など利幅の大きいカテゴリの比率が、営業利益率の差につながっています。
各社の売上を合算すれば業界の市場規模になりますか?
なりません。各社の連結売上は個別企業の数値で、海外売上を含む場合や集計の重複があり、業界団体の推計や国の統計(業態全体の市場規模)とは集計の対象が異なります。市場規模は別途、業態全体の推計や事業所ベースの統計で確認する必要があり、各社売上の単純な足し合わせとは一致しません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
  2. 2.
    ツルハHD (3391) 2025年2月期 決算短信 (変則決算)
  3. 3.
    日本チェーンドラッグストア協会 実態調査 (業態全体の市場規模)
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