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ドラッグストアの市場規模|業態全体の推移と4区分の内訳【2026年版】

日本のドラッグストアの市場規模は、業界団体の推計で2024年度に10兆307億円(前年比+9.0%)に達し、初めて10兆円を超えました。売上は調剤・ヘルスケア、ビューティ、ホーム、フーズの4区分で構成されます。一方、事業所ごとに集計する国の統計では2025年度に約9兆5,000億円です。市場規模の数字が複数あるのは集計の方法が違うためで、本ページでは推移・4区分の内訳・集計範囲による違い・調剤関連の数字の区別まで順に整理します。

業態全体の市場規模(2024年度)
10.0兆円
100,307億円、前年比+9.0%
出典: 日本チェーンドラッグストア協会 第25回(2024年度)実態調査
調剤・ヘルスケア(2024年度)
3.3兆円
33,318億円、4区分で最大、構成比33.2%
出典: 日本チェーンドラッグストア協会 第25回(2024年度)実態調査
事業所ベース販売額(2025年度)
9.5兆円
95,294億円、業態全体推計とは集計範囲が異なる
出典: 経済産業省 商業動態統計調査(ドラッグストア)
店舗数(2024年度)
23,723
調査対象380社
出典: 日本チェーンドラッグストア協会 第25回(2024年度)実態調査

業態全体売上と4区分の構成(2020・2024年度、億円)

業界団体が推計した業態全体の売上を4区分で積み上げ。2020年度の8兆363億円から2024年度の10兆307億円へ拡大し、10兆円を超えた。4年間隔のため前年比は示さない
単位: 億円
調剤・ヘルスケアビューティケアホームケアフーズ・その他
037,50075,000112,500150,00080,36320100,30724
出典: 日本チェーンドラッグストア協会 第25回(2024年度)・第21回(2020年度)実態調査
年度20202024
調剤・ヘルスケア億円25,33833,318
ビューティケア億円15,60318,272
ホームケア億円17,45420,388
フーズ・その他億円21,96828,329
合計(億円80,363100,307
読み解き

市場規模としてまず押さえたいのは、業界団体が推計した業態全体の売上です。業態全体は2020年度の8兆363億円から2024年度の10兆307億円へ拡大し、10兆円を超えました。積み上げの内訳は4区分で、2024年度は調剤・ヘルスケアが3兆3,318億円(構成比33.2%)と最も大きく、フーズ・その他2兆8,329億円(28.2%)、ホームケア2兆388億円(20.3%)、ビューティケア1兆8,272億円(18.2%)が続きます。

直近2024年度の前年比でみると、食品を含むフーズ・その他が+13.2%、ビューティケアが+11.7%と高く、ホームケアは+2.1%と小幅でした。調剤併設(店舗に調剤室を設けて医師の処方薬を扱うこと)による処方薬の取り込みと、食品の品ぞろえ拡大が、業態全体の成長を支えています。

(参考)ドラッグストア販売額の推移(事業所ベース、2014-2025年度、億円)

事業所ごとに集計する国の統計(商業動態統計)でみた年次推移。2025年度は9兆5,294億円。業態全体の推計(業界団体)とは集計範囲が異なる参考系列
単位: 億円
025,00050,00075,000100,00049,4231454,7761557,72961,50364,66770,09672,3422073,92278,20685,20490,40795,29425
出典: 経済産業省 商業動態統計調査(ドラッグストア商品別販売額、事業所ベース)
年度201420152016201720182019202020212022202320242025
ドラッグストア販売額億円49,42354,77657,72961,50364,66770,09672,34273,92278,20685,20490,40795,294
前年比+10.8%+5.4%+6.5%+5.1%+8.4%+3.2%+2.2%+5.8%+8.9%+6.1%+5.4%
読み解き

参考として、事業所ごとに集計する国の統計(商業動態統計)でも年次の推移をみておきます。事業所ベースの販売額は2014年度の約4.9兆円から2025年度の9兆5,294億円まで、ほぼ一貫して拡大してきました。新型コロナ下でも食品や衛生用品の需要に支えられ、減少した年はありません。連続した年のデータなので、前年比も正しく読めます。

この系列は、調査で把握できた事業所を集計したもので、業界団体が会員以外の店舗も含めて推計した業態全体の数値(2024年度約10兆円)とは集計範囲が異なります。同じ「ドラッグストアの市場規模」でも、どの統計かによって水準が変わる点に注意が必要です。

統計・指標による市場規模の見え方の違い(集計範囲)

同じ「ドラッグストアの市場規模」でも、統計や指標によって対象範囲が異なる。連結せず別々の数字として読む
業態全体の推計(業界団体)
最新の値
10兆307億円(2024年度)
対象とする範囲
会員・非会員を含む業態全体を推計したもの
ドラッグストア販売額(事業所ベース)
最新の値
約9兆5,000億円(2025年度)
対象とする範囲
国の統計で調査対象として把握した事業所を集計したもの
ドラッグストアの調剤売上
最新の値
1兆5,205億円(2024年度)
対象とする範囲
ドラッグストアチェーンが調剤併設店で扱う処方薬の売上
調剤・ヘルスケア区分
最新の値
3兆3,318億円(2024年度)
対象とする範囲
4区分の1つ。調剤に加えて健康関連商品を含む
全国の保険調剤の医療費
最新の値
8兆4,008億円(令和6年度)
対象とする範囲
全国の保険調剤(薬局全体)にかかる費用。保険点数をもとにした金額
読み解き

市場規模を引用するときは、どの統計・指標かを確認する必要があります。業界団体が推計した業態全体は10兆307億円、国の事業所ベースの統計は約9兆5,000億円で、把握する範囲が異なります。

「調剤」に関わる数字はとくに区別が必要です。ドラッグストアの調剤売上(1兆5,205億円)は調剤・ヘルスケア区分(3兆3,318億円)の一部で、いずれも全国の保険調剤の医療費(8兆4,008億円)とは集計の対象が異なります。全国の医療費はすべての薬局を対象とし、保険点数をもとにした費用であるためです。これらは別々の数字であり、足し合わせたり比率で結んだりはしません。

主要論点

ドラッグストアの市場規模はなぜ統計で見え方が違うのか?

ドラッグストアの市場規模としてよく使われる数字には、業界団体が推計した業態全体の10兆307億円(2024年度)と、国の統計による事業所ベースの約9兆5,000億円(2025年度)があります。同じ業態でも、把握する範囲が異なるため水準が変わります。

業界団体の推計は、会員企業の実績をもとに、会員以外の店舗も含めた業態全体を推計します。一方、国の商業動態統計は、調査の対象として把握できた事業所の売上を集計したものです。前者は業態の全体像を、後者は調査でとらえた範囲を表しており、目的が違います。

どちらが正しいということではなく、出典によって対象範囲が違う点を踏まえて読むことが大切です。業態全体の規模感を語るときは業界団体の推計、月ごとの動きや国の統計との比較では事業所ベースの統計、と使い分けるのが実務的です。

調剤の「1.5兆円」「3.3兆円」「8.4兆円」は何が違うのか?

ドラッグストアの調剤に関わる数字には、集計の対象が異なる3つがあります。ドラッグストアの調剤売上が1兆5,205億円(2024年度)、これを含む調剤・ヘルスケア区分が3兆3,318億円(同)、そして全国の保険調剤の医療費が8兆4,008億円(令和6年度)です。

ドラッグストアの調剤売上は、チェーンの調剤併設店が扱う処方薬の売上です。調剤・ヘルスケア区分は、これに健康関連商品などを加えた4区分の1つです。全国の保険調剤の医療費は、ドラッグストアに限らずすべての薬局を対象とし、保険点数をもとにした費用です。

つまり、ドラッグストアの調剤は全国の保険調剤の一部を担っていますが、3つは集計の対象が異なる別々の数字です。「全国の調剤医療費のうちドラッグストアが何割」といった単純な割り算は、対象範囲が違うため成り立ちません。

10兆円を超えた市場の成長は続くのか?

業態全体の売上は2020年度の8兆363億円から2024年度に10兆307億円へ拡大し、10兆円を超えました。成長を支えてきたのは、食品を含むフーズ・その他(2024年度 前年比+13.2%)と、調剤を含む調剤・ヘルスケアの伸びです。

中期的にも、高齢化による医薬品・健康関連の需要、医薬分業(医師の処方箋を院外の薬局で調剤する仕組み)の進展による調剤の取り込み、物価高のもとでの食品・日用品のまとめ買い需要が、成長を下支えすると見込まれます。都市部では訪日客向けの免税売上も収益に寄与しています。

一方で、人口減少を背景に来店客数の大幅な増加は見込みにくく、上位チェーンへの集中も進んでいます。今後は、調剤併設やフーズ強化といった業態の特色で、各チェーンがどこまで成長を確保できるかが論点となります。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、食品と調剤の取り込みによる拡大が続くとみられます。高齢化による医薬・健康需要と、物価高のもとでの生活防衛による食品・日用品の需要が、業態全体の売上を支えます。都市部では訪日客向けの免税売上も寄与します。

中期3-5年

中期では、調剤併設による医薬分業の取り込みと、フーズ強化による来店頻度の向上が成長の軸となります。人口減少で客数の大幅な増加は見込みにくいため、業態型(調剤併設・フード・ディスカウント)ごとの差別化と、上位チェーンへの集中が市場の構図を左右します。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内の需要の基調を決めます。市場規模の数字を読む際は、業態全体の推計と事業所ベースの統計の集計範囲の違い、および調剤に関わる数字の区別を踏まえることが前提となります。

よくある質問

ドラッグストアの市場規模はどのくらいですか?
業界団体(日本チェーンドラッグストア協会)の推計では、業態全体の売上は2024年度に10兆307億円(前年比+9.0%)で、初めて10兆円を超えました。一方、国の商業動態統計による事業所ベースの販売額は2025年度に約9兆5,000億円で、対象とする範囲の違いにより数字に差があります。
データは2024年度ですが、もっと新しい数字はありますか?
業界団体の実態調査は年度ごとに公表され、業態全体の最新の確定値は2024年度です。2025年度の実態調査はまだ公表されていません。月ごと・年度ごとの動きは、国の商業動態統計(事業所ベース)で確認でき、こちらは2025年度の販売額が約9兆5,000億円と拡大が続いています。
ドラッグストアの売上はどのような構成ですか?
2024年度の業態全体の売上は4区分で構成され、調剤・ヘルスケアが3兆3,318億円(構成比33.2%)、フーズ・その他が2兆8,329億円(28.2%)、ホームケアが2兆388億円(20.3%)、ビューティケアが1兆8,272億円(18.2%)です。フーズ・その他が最も高い伸びを示しています。
ドラッグストアの調剤の「1.5兆円」と「3.3兆円」「8.4兆円」は何が違いますか?
ドラッグストアの調剤売上が1兆5,205億円、これを含む調剤・ヘルスケア区分が3兆3,318億円、全国の保険調剤の医療費が8兆4,008億円(令和6年度)です。それぞれ集計の対象が異なり、ドラッグストアの調剤は全国の保険調剤の一部を担っています。3つは別々の数字で、単純に割り算で結ぶことはできません。
市場規模の出典は何ですか?
業態全体の市場規模と4区分は日本チェーンドラッグストア協会の実態調査、事業所ベースの販売額は経済産業省の商業動態統計、全国の保険調剤の医療費は厚生労働省の調剤医療費の動向が出典です。これらは集計範囲が異なるため、本ページでは別々の系列として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本チェーンドラッグストア協会 第25回(2024年度)日本のドラッグストア実態調査
  2. 2.
    日本チェーンドラッグストア協会 協会報No.212(2020年度の第21回実態調査)
  3. 3.
    経済産業省 商業動態統計調査(ドラッグストア商品別販売額)
  4. 4.
    厚生労働省「調剤医療費(電算処理分)の動向」令和6年度版
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