DRUGSTORE小売・EC

ドラッグストア業界の市場規模・主要企業・動向

日本のドラッグストア市場は2024年度に10兆307億円へ拡大し、調剤併設とフーズ強化を軸に成長が続く小売業態です

ドラッグストア業界とは、一般用医薬品や調剤、化粧品、健康関連商品、日用品、食品を一つの店舗で扱う小売業態を指します。2024年度の業態全体の売上は10兆307億円 (前年比+9.0%) で、初めて10兆円を超えました。売上は調剤・ヘルスケア、ビューティ、ホーム、フーズの4区分で構成され、フーズと調剤の伸びが成長をけん引しています。上位チェーンが売上1兆円規模に達する一方、ウエルシアとツルハの統合でイオン陣営が最大規模となり、上位への集中が進んでいます。本ページでは、ドラッグストア業界を、市場規模、主要チェーンと再編、調剤併設、商品戦略、政策・規制の5軸で整理します。

最終更新

業界サマリ

業界概要

ドラッグストア業界とは、一般用医薬品・調剤・化粧品・健康関連商品・日用品・食品を一つの店舗で扱う小売業態です。2024年度に業態全体の売上が10兆円を突破し、調剤併設とフーズ強化を軸に成長が続いています。

  • 業態全体の売上は10兆円を突破しています。2024年度の売上は10兆307億円(前年比+9.0%)で、調剤・ヘルスケアとフーズ・その他が伸びをけん引しています。
  • 業態型ごとに多様なチェーンが競争しています。調剤併設を強みとするチェーン、食品やディスカウントを軸とするチェーンなどが、それぞれの地盤と品ぞろえで差別化を進めています。
  • 調剤併設で医薬分業を取り込んでいます。店内に処方薬の調剤カウンターを設ける調剤併設店が広がり、ドラッグストアの調剤売上は1兆5,205億円に達しています。
基礎データ: 日本チェーンドラッグストア協会 実態調査 / 経産省 商業動態統計 / 厚労省 調剤医療費の動向 / 各社IR + EDINET

市場動向

ドラッグストアの業態全体の売上は2024年度に10兆307億円(前年比+9.0%)へ拡大し、初めて10兆円を超えました。調剤・ヘルスケア、ビューティ、ホーム、フーズの4区分のうち、フーズと調剤が成長を支えています。

  • 業態全体の売上は2024年度に10兆307億円(前年比+9.0%)に達しました。2020年度の8兆363億円から4年で約2兆円拡大しています。
  • 4区分のうちフーズ・その他が最も高い伸びを示しています。フーズ・その他が2兆8,329億円(前年比+13.2%)、調剤・ヘルスケアが3兆3,318億円(同+8.7%)です。
  • 用いる統計により市場規模の見え方が異なります。業態全体を推計した数値は約10兆円、事業所ごとに集計する国の統計は2025年度に約9兆5,000億円で、対象とする範囲が異なります。
基礎データ: 日本チェーンドラッグストア協会 第25回・第21回 実態調査 / 経産省 商業動態統計 (ドラッグストア区分)

競争環境

ドラッグストア業界では、調剤併設を強みとするチェーン、ディスカウントを軸とするチェーン、食品を強化するチェーン、化粧品に強い都市型チェーンなど、多様なプレイヤーが活動しています。ウエルシアとツルハの統合によりイオン陣営が最大規模となり、上位チェーンへの集中が進む一方、各地域を地盤とするチェーンも存在感を保っています。主要チェーンの業績比較、業界再編、調剤併設の取り込みが共通の論点となっています。

  • 業態型ごとに多様なチェーンが活動しています。調剤併設を強みとするスギやウエルシア、食品に強いコスモス薬品やクスリのアオキ、ディスカウント型のサンドラッグなどが、それぞれの地盤で展開しています。
  • ウエルシアとツルハの統合でイオン陣営が最大規模となります。2社の売上を合わせると2兆円を超え、上位チェーンへの集中が進む一方、各地域を地盤とするチェーンも存在感を保っています。
  • 独立した調剤薬局とは扱う領域が異なります。日本調剤やアインホールディングスなどの調剤専業は処方薬の調剤を中心とし、ドラッグストアは物販と調剤を組み合わせている点で違いがあります。
基礎データ: 各社IR + Press / EDINET連結財務 (FY2019-FY2025)

市場規模推移

2020-2024 · 業態全体売上 / ドラッグストア販売額

ドラッグストア業態全体売上の推移 (2020・2024年度、兆円)

単位: 兆円
0.003.757.5011.315.08.042010.024
出典: 日本チェーンドラッグストア協会 第25回 (2024年度) 日本のドラッグストア実態調査 / 第21回 (2020年度) 実態調査
年度20202024
業態全体売上兆円8.0410.03

【参考】商業動態統計でみる年次推移 (事業所ベース、兆円)

単位: 兆円
0.002.505.007.5010.06.47187.01197.23207.39217.82228.52239.04249.5325
出典: 経済産業省 商業動態統計調査 (ドラッグストア商品別販売額、事業所ベース)
年度20182019202020212022202320242025
ドラッグストア販売額兆円6.477.017.237.397.828.529.049.53
前年比+8.4%+3.2%+2.2%+5.8%+8.9%+6.1%+5.4%
市場規模の読み解き
市場規模と成長

ドラッグストアの業態全体の売上は2024年度に10兆307億円(前年比+9.0%)に達し、初めて10兆円を超えました。内訳は調剤・ヘルスケアが3兆3,318億円、ビューティケアが1兆8,272億円、ホームケアが2兆388億円、フーズ・その他が2兆8,329億円です。

2020年度の8兆363億円から4年で約2兆円拡大しており、なかでもフーズ・その他が前年比+13.2%、調剤・ヘルスケアが+8.7%と高い伸びを示しています。食品の品ぞろえ拡大と、調剤併設による医薬分業の取り込みが成長を支えています。

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集計範囲による見え方

市場規模は、用いる統計によって見え方が変わります。業界団体が業態全体を推計した数値では2024年度に約10兆円となる一方、事業所ごとの売上を集計する国の統計では2025年度に約9兆5,000億円で、対象とする範囲が異なります。

これは、業態全体の推計が会員以外の店舗も含めて広く捉えるのに対し、国の統計は調査対象として把握できた事業所を集計するためです。いずれの統計も拡大基調を示しており、ドラッグストアが小売のなかで存在感を高めていることを表しています。

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需要構造と政策の動向

ドラッグストアの需要は、高齢化による医薬品・健康関連の需要と、物価高のもとでの生活防衛による食品・日用品の需要に支えられています。医療機関が処方箋を出し薬局が調剤する医薬分業が進み、処方薬を扱う調剤併設店が広がっています。全国の保険調剤にかかる医療費は令和6年度に8兆4,008億円規模ですが、これは保険点数をもとにした費用で、ドラッグストアの調剤売上(1兆5,205億円)とは集計の対象が異なります。

販売面では薬剤師や登録販売者が一般用医薬品を扱い、都市部の店舗では訪日客向けの免税売上も収益に寄与しています。高齢化とセルフメディケーションの広がりが、中長期の需要を下支えすると見込まれます。

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⇒政策・規制を詳しく見る

主要トピック

業界構造

主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要
ドラッグストア業界の構造
主要プレイヤー (2026年6月時点)
01
商品供給 (メーカー・卸・PB)
商品供給
一般用医薬品・ヘルスケアメーカー
大正製薬
大衆薬最大手、リポビタン・パブロン等
第一三共ヘルスケア
ロキソニンS・ガスター10等の大衆薬
佐藤製薬
ユンケル・ストナ等
ロート製薬 (4527)
目薬・スキンケア、メンソレータム
小林製薬 (4967)
アンメルツ・熱さまシート等のニッチ大衆薬
医薬品卸・PB
メディパルHD (7459)
医薬品卸最大手グループ
アルフレッサHD (2784)
医薬品卸大手
プライベートブランド (PB)
各チェーンが価格競争力と利益率の両立を狙い拡大
03
政策・規制と隣接業態
政策・規制
政策当局・業界団体
厚生労働省
薬機法・医薬品の区分制度・登録販売者制度・調剤報酬を所管
日本チェーンドラッグストア協会 (JACDS)
業界団体、業態全体の実態調査を実施
日本OTC医薬品協会
一般用医薬品 (OTC) の業界団体
経済産業省
商業動態統計で業態別の販売額を集計
隣接業態 (境界)
調剤専業の薬局
日本調剤 (6049)・アインHD (9627)・クオールHD (3034) 等、処方薬の調剤を中心に展開
食品スーパー
フーズでドラッグストアと競合、生鮮食品の取り扱いで違い
コンビニエンスストア
日用品・食品の小商圏小売で一部競合
04
需要側 (生活者・高齢者・訪日客)
需要側
主な顧客
一般生活者
日用品・食品・化粧品のまとめ買い、生活防衛でドラッグストアの低価格を活用
高齢者・療養者
医薬品・健康関連の需要、調剤併設店での処方薬の受け取り
セルフメディケーション層
一般用医薬品で軽い不調に対処、健康食品・サプリの利用
訪日客 (インバウンド)
都市部の店舗で医薬品・化粧品を免税で購入、都市店の収益に寄与
業界構造の読み解き
業界の構造

ドラッグストアは、一般用医薬品・調剤・化粧品・健康関連商品・日用品・食品を一つの店舗で扱う複合的な小売業態です。売上は調剤・ヘルスケア、ビューティ、ホーム、フーズの4つの区分で構成され、2024年度に業態全体で10兆円を超えました。

商品はメーカーと卸から仕入れ、自社のプライベートブランドも扱います。店舗では薬剤師や登録販売者が医薬品の販売を担い、調剤併設店では処方薬の調剤も行います。物販と調剤を組み合わせている点が、ドラッグストアの構造的な特徴です。

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主要プレイヤーと競争環境

ドラッグストア業界では、調剤併設を強みとするチェーン、食品やディスカウントを軸とするチェーン、化粧品に強い都市型チェーンなど、多様なプレイヤーが業態型ごとに競争しています。スギやウエルシアは調剤併設、コスモス薬品やクスリのアオキは食品、サンドラッグはディスカウントに強みを持ちます。

ウエルシアとツルハの統合により、イオン陣営が売上2兆円規模・約5,500店で最大規模となります。上位チェーンが売上1兆円規模で規模を競う一方、各地域を地盤とするチェーンも存在感を保っています。

⇒主要チェーン比較を詳しく見る

⇒業界再編・統合を詳しく見る

販売制度と隣接業態

ドラッグストアの販売は、登録販売者制度と医薬品の区分制度のもとで行われます。一般用医薬品は要指導医薬品と第1類から第3類までに区分され、区分に応じた販売体制が求められます。調剤併設店では薬剤師が処方薬を扱い、医薬分業の進展がドラッグストアの調剤の取り込みを後押ししています。

隣接する業態との境界もあります。日本調剤などの調剤専業の薬局は処方薬の調剤を中心とし、食品スーパーはフーズで競合します。ドラッグストアはこれらの中間で、物販と調剤を組み合わせた独自の位置を占めています。

⇒調剤併設・医薬分業を詳しく見る

⇒政策・規制を詳しく見る

業界の3大論点

01
業界再編のなかで各チェーンはどう生き残るのか?

ドラッグストア業界では上位チェーンへの集中が進んでいます。ウエルシアとツルハの経営統合により、2社の売上を合わせると2兆円を超え、店舗数も約5,500店に達するイオン陣営が最大規模となります。マツキヨココカラやコスモス薬品も売上1兆円規模に達し、上位の事業者が規模を競う構図が強まっています。

このなかで各チェーンは異なる方向で生き残りを図っています。第1は規模の拡大で、調達や物流の効率を高めて価格競争力を確保する動きです。第2は業態型の差別化で、調剤併設を強みとするチェーン、食品を強化するチェーン、ディスカウントを軸とするチェーンが、それぞれの地盤と品ぞろえで顧客を取り込んでいます。第3は地域での密度で、特定の地域に集中して出店し、生活圏に密着する戦略です。

上位への集中が進む一方で、地域を地盤とするチェーンも存在感を保っており、規模だけでなく地域への適合や業態の特色が競争を左右する状況が続くと見られます。調達力や出店余地をめぐって、再編の動きは今後も続く可能性があります。

02
調剤併設は成長の柱となりうるのか?

医薬分業の進展で、処方薬を扱う調剤併設店が広がっています。ドラッグストアの調剤売上は1兆5,205億円(前年比+8.4%)に達し、4区分のなかでも調剤・ヘルスケアが3兆3,318億円と大きな比重を占めています。物販で来店した顧客が処方薬も受け取れる利便性が、調剤併設の強みとなっています。

一方で、調剤併設には課題もあります。薬剤師の確保が出店の制約となりやすく、調剤報酬の改定が収益に影響します。日本調剤やアインホールディングスなどの調剤専業チェーンが処方薬の調剤を中心に展開しており、医療機関の近くでは専業との競合も生じます。全国の保険調剤の医療費は令和6年度に8兆4,008億円規模で、ドラッグストアが担うのはこのうちの一部です。

高齢化で医薬品や健康関連の需要が増えるなか、調剤併設は来店頻度を高め物販と相乗効果を生む余地があります。薬剤師の確保と調剤報酬の動向を見極めながら、調剤を成長の柱に育てられるかが各チェーンの論点となっています。

03
フーズの強化は食品スーパーとの競争にどう向き合うのか?

ドラッグストアはフーズ(食品)の品ぞろえを広げてきました。フーズ・その他は2兆8,329億円(前年比+13.2%)と4区分で最も高い伸びを示し、来店頻度を高める集客装置となっています。コスモス薬品やクスリのアオキのように、食品を前面に出して小商圏で展開するチェーンも増えています。

フーズの強化は、食品スーパーやコンビニエンスストアとの競争を意味します。ドラッグストアは医薬品や化粧品の利益で食品を低価格に抑えやすく、価格面で食品スーパーに対抗できます。一方で、生鮮食品の取り扱いや鮮度管理では食品スーパーに分があり、品ぞろえの幅では違いが残ります。プライベートブランドの拡大は、価格競争力と利益率の両立を図る手段となっています。

物価高で生活防衛の意識が高まるなか、日用品とまとめ買いできるドラッグストアの利便性は強みとなります。フーズの強化を続けるか、医薬・化粧品の専門性に軸足を置くかは、各チェーンの立地と顧客層によって選択が分かれると見られます。

よくある質問 (FAQ)

ドラッグストアの市場規模はどれくらいですか?
日本チェーンドラッグストア協会の実態調査によると、業態全体の売上は2024年度に10兆307億円(前年比+9.0%)に達し、初めて10兆円を超えました。なお、事業所ごとに集計する国の商業動態統計では2025年度に約9兆5,000億円となり、対象とする範囲の違いで数値に差があります。
ドラッグストアの売上はどのような構成ですか?
売上は4つの区分で構成されています。2024年度は調剤・ヘルスケアが3兆3,318億円、ビューティケアが1兆8,272億円、ホームケアが2兆388億円、フーズ・その他が2兆8,329億円です。フーズ・その他が前年比+13.2%と最も高い伸びを示し、食品の品ぞろえ拡大が成長を支えています。
ドラッグストアの主要企業はどこですか?
上場する主要チェーンには、ツルハホールディングス、マツキヨココカラ&カンパニー、コスモス薬品、スギホールディングス、サンドラッグ、クスリのアオキホールディングスなどがあります。調剤併設を強みとするチェーン、食品やディスカウントを軸とするチェーンなど、業態型ごとに差別化を進めています。
ウエルシアとツルハの統合で何が変わりますか?
ウエルシアホールディングスとツルハホールディングスは経営統合を進め、2社の売上を合わせると2兆円を超え、店舗数も約5,500店に達するイオン陣営が最大規模となります。株式交換により、ツルハホールディングスが上場を継続する存続会社となり、ウエルシアホールディングスは2025年11月に上場廃止となりました。
ドラッグストアの調剤併設は調剤薬局と何が違いますか?
ドラッグストアの調剤併設店は、医薬品や化粧品、日用品、食品の物販に処方薬の調剤を組み合わせています。ドラッグストアの調剤売上は1兆5,205億円(2024年度)です。一方、日本調剤やアインホールディングスなどの調剤専業の薬局は処方薬の調剤を中心に展開しており、物販を併営する点がドラッグストアとの違いです。
ドラッグストアで医薬品を販売するには資格が必要ですか?
一般用医薬品の販売には、薬剤師または登録販売者の資格が必要です。一般用医薬品は要指導医薬品と第1類から第3類までに区分され、区分に応じて販売できる担当者や情報提供のルールが定められています。処方薬を扱う調剤併設店では、薬剤師が調剤を担当します。
ドラッグストアの今後の成長性は?
高齢化による医薬品・健康関連の需要、医薬分業の進展による調剤の取り込み、フーズ強化による来店頻度の向上が、中長期の成長を支えると見込まれます。都市部では訪日客向けの免税売上も収益に寄与しています。一方で、上位チェーンへの集中や薬剤師の確保が、各チェーンの課題となっています。
調剤薬局業界準備中
別industry。日本調剤・アインホールディングス等の調剤専業。ドラッグストアの調剤併設と扱う領域が隣接
食品スーパー業界準備中
別industry。フーズ強化でドラッグストアと競合、生鮮食品の取り扱いで違い
コンビニエンスストア業界準備中
別industry。日用品・食品の小商圏小売でドラッグストアと一部競合
化粧品業界準備中
別industry。資生堂・コーセー等のメーカーがドラッグストアの主要な商品供給元
医薬品業界準備中
別industry。大衆薬メーカーと医薬品卸がドラッグストアの商品供給を担う

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参考資料 / 一次ソース

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