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ドラッグストアの政策・規制とインバウンド|登録販売者制度とOTC区分【2026年版】

ドラッグストアの医薬品販売は、薬機法(医薬品医療機器等法)にもとづく制度に支えられています。市販の医薬品は、リスクに応じて要指導医薬品と一般用医薬品(第1類・第2類・第3類)に区分され、販売できる専門家が決まっています。薬剤師に加えて、第2類・第3類を扱える登録販売者の制度が、ドラッグストアの店舗展開を支えてきました。2026年5月には、要指導医薬品のオンライン販売を認める制度改正も施行されています。本ページでは、医薬品の区分と販売の仕組み・登録販売者制度・2026年の改正・免税などの政策要因を整理します。

一般用医薬品の区分と、販売できる人

リスクに応じた4つの区分

市販の医薬品(店頭で買える「OTC医薬品」とも呼ばれます)は、健康へのリスクの高さに応じて区分されています。医療用から市販に移行して間もない要指導医薬品、リスクが特に高い第1類医薬品、まれに健康被害が生じうる第2類医薬品、それ以外の第3類医薬品の4つです。リスクが高い区分ほど、販売できる専門家や情報提供のルールが厳しく定められています。

薬剤師と登録販売者の役割分担

販売できる専門家は区分によって異なります。要指導医薬品と第1類医薬品は薬剤師が販売し、情報提供が義務づけられています。第2類・第3類医薬品は、薬剤師に加えて登録販売者も販売できます。第2類は情報提供が努力義務、第3類は法律上の情報提供義務がありません。区分ごとの担い手と情報提供のルールは、下の表のとおりです。

一般用医薬品の区分・販売できる専門家・情報提供

リスクの高い区分(上)ほど、販売できる専門家と情報提供のルールが厳しい(薬機法にもとづく)
要指導医薬品
販売できる専門家
薬剤師
購入時の情報提供
対面での情報提供が義務
第1類医薬品
販売できる専門家
薬剤師
購入時の情報提供
情報提供が義務
第2類医薬品
販売できる専門家
薬剤師又は登録販売者
購入時の情報提供
情報提供は努力義務
第3類医薬品
販売できる専門家
薬剤師又は登録販売者
購入時の情報提供
法律上の情報提供義務なし
読み解き

区分の考え方はシンプルです。リスクの高い医薬品ほど、薬剤師による販売と情報提供が求められ、リスクの低い医薬品は登録販売者でも扱えるようになっています。ドラッグストアの店頭で扱う医薬品の多くは第2類・第3類で、登録販売者がいれば販売できるため、薬剤師の配置が難しい店舗でも幅広い品ぞろえが可能になります。なお、要指導医薬品は2026年5月の改正まで店頭での対面販売に限られていました。

登録販売者制度が店舗展開を支えてきた

2009年に導入された資格

登録販売者は、2009年の改正薬事法(現在の薬機法)で導入された、医薬品を販売できる資格です。薬剤師でなくても、試験に合格して登録すれば、第2類・第3類の一般用医薬品を販売できます。薬剤師に比べて確保しやすいため、医薬品販売の担い手を広げる役割を果たしました。

全国出店を可能にした制度

登録販売者の制度は、ドラッグストアの全国的な出店を後押ししました。薬剤師の確保が難しい地方や郊外でも、登録販売者を配置すれば一般用医薬品を扱えるため、店舗網を広げやすくなったのです。市販薬の販売を強みとするドラッグストアにとって、登録販売者は店舗運営の前提となる人材です。

調剤には薬剤師が必要

一方で、処方薬を扱う調剤には薬剤師が必要です。調剤併設店を増やすには薬剤師の採用・配置が前提となるため、登録販売者で広げられる一般用医薬品の販売と、薬剤師を要する調剤とで、必要な人材が異なります。調剤併設の詳細は調剤併設・医薬分業のページで扱います。

2026年の制度改正で何が変わるのか

要指導医薬品のオンライン販売が可能に

2026年5月1日に施行された制度改正により、これまで店頭での対面販売に限られていた要指導医薬品が、オンラインでも販売できるようになりました。薬剤師がオンラインでの服薬指導により必要な情報提供を行うことが前提で、対面での確認が適切な品目はこれまでどおり対面販売が求められます。市販薬の購入手段の幅が広がる改正です。

濫用のおそれのある医薬品への対応

あわせて、濫用のおそれのある医薬品(指定濫用防止医薬品)について、薬剤師や登録販売者が「ゲートキーパー」(適正な使用を見守る役割)として、購入者への声掛けや情報提供を積極的に行うことが求められるようになりました。市販薬の適正な使用を確保するための見直しです。

区分の見直しも議論されている

このほか、一般用医薬品の区分そのものを見直し、第2類と第3類を集約する案も検討されています。ただし、これは検討会で議論されている段階で、確定した制度ではありません。医薬品販売の制度は、安全性の確保と利便性の向上の両面から、継続的に見直されています。

医薬分業・免税などの政策要因

医薬分業が調剤の取り込みを後押し

処方薬を医療機関の外の薬局で受け取る医薬分業の進展は、調剤併設のドラッグストアにとって追い風です。処方箋を受け取る薬局の役割が大きくなるなかで、ドラッグストアが処方薬の受け取り先として広がっています。詳細は調剤併設・医薬分業のページで扱います。

免税制度が都市部の収益に寄与

訪日客向けの免税(消費税の免税)制度は、都市部や観光地のドラッグストアの収益に寄与しています。医薬品や化粧品は訪日客に人気の高い商品で、免税対応の店舗ではインバウンド需要が売上を押し上げます。免税の手続きや対象は制度改正の対象にもなっており、政策の動向が都市部店舗の収益に影響します。

規制が業態のあり方を方向づける

このように、医薬品の区分と販売ルール、登録販売者制度、医薬分業、免税といった政策・規制が、ドラッグストアの店舗運営・出店・収益のあり方を方向づけています。安全性の確保と利便性の向上のバランスをどう取るかが、制度見直しの基調であり、各チェーンの対応を左右します。

主要論点

登録販売者制度はドラッグストアにとってなぜ重要なのか?

登録販売者は、薬剤師でなくても第2類・第3類の一般用医薬品を販売できる資格で、ドラッグストアの全国的な店舗展開を支えてきました。2009年の制度導入により、薬剤師の確保が難しい地方や郊外でも、登録販売者を配置すれば医薬品を扱えるようになりました。

ドラッグストアの店頭で扱う医薬品の多くは第2類・第3類です。登録販売者がいれば、薬剤師を常駐させなくても幅広い市販薬を販売できるため、店舗運営のコストを抑えつつ出店を広げられます。市販薬の販売を強みとするドラッグストアにとって、登録販売者は店舗の前提となる人材です。

一方で、処方薬を扱う調剤には薬剤師が必要です。調剤併設を進めるには薬剤師の採用・配置が前提となるため、一般用医薬品の販売(登録販売者)と調剤(薬剤師)とで、必要な人材と店舗のつくり方が異なります。

2026年の制度改正はドラッグストアにどう影響するのか?

2026年5月の制度改正で、要指導医薬品のオンライン販売が可能になりました。薬剤師のオンライン服薬指導を前提に、これまで対面のみだった要指導医薬品の販売の幅が広がります。市販薬の購入手段が増えることで、店頭とオンラインを組み合わせた販売の競争が進む可能性があります。

同時に、濫用のおそれのある医薬品について、薬剤師や登録販売者がゲートキーパーとして購入者への声掛けや情報提供を行うことが求められます。利便性を高める一方で、適正な使用を確保する見直しが並行しています。

ドラッグストアにとっては、オンライン販売の機会が広がる一方、適正使用への対応や専門家の体制づくりが求められます。制度改正は、利便性と安全性の両面で、各チェーンの販売体制に影響します。

政策・規制はドラッグストアの競争にどう関わるのか?

医薬品の区分と販売ルール、登録販売者制度、医薬分業、免税といった政策・規制は、ドラッグストアの店舗運営・出店・収益のあり方を直接左右します。これらは、各チェーンが自由に決められるものではなく、制度の枠組みのなかで対応する必要があります。

たとえば、登録販売者制度は出店のしやすさを、医薬分業は調剤の取り込みを、免税は都市部の収益を左右します。制度が変われば、各チェーンの戦略の前提も変わります。2026年の改正のように、オンライン販売の解禁は新たな競争領域を生みます。

したがって、政策・規制の動向を読み、店舗体制や人材、販売チャネルを適応させる力が、ドラッグストアの競争力の一部となります。規制は制約であると同時に、対応の巧拙が差別化につながる要素でもあります。

よくある質問

一般用医薬品の第1類・第2類・第3類は何が違うのですか?
健康へのリスクの高さによる区分です。第1類はリスクが特に高く薬剤師が販売し情報提供が義務、第2類はまれに健康被害が生じうるもので薬剤師または登録販売者が販売し情報提供は努力義務、第3類はそれ以外で登録販売者も販売でき法律上の情報提供義務はありません。これらとは別に、市販化して間もない要指導医薬品があり、薬剤師が販売します。
登録販売者とは何ですか?
登録販売者は、2009年の改正薬事法で導入された、医薬品を販売できる資格です。薬剤師でなくても、試験に合格して登録すれば、第2類・第3類の一般用医薬品を販売できます。薬剤師に比べて確保しやすいため、ドラッグストアの全国的な店舗展開を支えてきました。ただし、処方薬を扱う調剤には薬剤師が必要です。
2026年に医薬品の販売制度はどう変わりましたか?
2026年5月1日に施行された改正で、これまで店頭での対面販売に限られていた要指導医薬品が、薬剤師のオンライン服薬指導を前提にオンラインでも販売できるようになりました。あわせて、濫用のおそれのある医薬品について、薬剤師や登録販売者がゲートキーパーとして購入者への声掛けや情報提供を行うことが求められます。
ドラッグストアの市販薬はネットで買えますか?
要指導医薬品を除く一般用医薬品(第1類・第2類・第3類)は、ルールにもとづきインターネットでも販売されています。要指導医薬品は長く店頭での対面販売に限られていましたが、2026年5月の制度改正で、薬剤師のオンライン服薬指導を前提にオンライン販売が可能になりました。
免税はドラッグストアの売上にどう影響しますか?
訪日客向けの免税(消費税の免税)制度は、都市部や観光地のドラッグストアの収益に寄与しています。医薬品や化粧品は訪日客に人気の高い商品で、免税対応の店舗ではインバウンド需要が売上を押し上げます。免税の手続きや対象は制度改正の対象にもなっており、政策の動向が都市部店舗の収益に影響します。

参考資料 / 一次ソース

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