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STAT DETAIL · BTOB-EC

BtoB-ECの市場規模|企業間取引の規模とEC化率【2026年版】

企業間の電子商取引(BtoB-EC)の市場規模は、2024年に514兆4,069億円(前年比+10.6%)に達しました。消費者向け(BtoC-EC 26.1兆円)の約20倍にあたる規模で、EC化率も43.1%と消費者向けより電子化が進んでいます。業種別では卸売が128兆8,684億円と最大で、食料品製造はEC化率81.3%と業種で最も高くなっています。市場規模・業種別の内訳・電子受発注(EDI)の広がりまで順に整理します。

BtoB-EC市場規模(2024年)
514.4兆円
514兆4,069億円、前年比+10.6%、消費者向けの約20倍
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
BtoB EC化率(2024年)
43.1%
「その他」除く、前年から+3.1ポイント。物販BtoC(9.78%)とは母数が異なる別指標
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
最大業種:卸売(2024年)
128.9兆円
128兆8,684億円、EC化率40.3%
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
EC化率最高:食料品製造(2024年)
81.3%
市場規模41兆5,859億円、業種で最も電子化が進む
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)

業種別BtoB-EC市場規模(2024年、兆円)

経済産業省 電子商取引市場調査(令和6年度=2024年)。主要5業種を市場規模の大きい順に表示(全業種の合計=514兆4,069億円)
読み解き

BtoB-EC市場の業種別では、卸売が128兆8,684億円と突出して大きく、商社や卸売業者が多数の取引先と継続的に受発注を行う構造を反映しています。製造業では食料品(41兆5,859億円)、鉄・非鉄金属(33兆5,717億円)、産業関連機器・精密機器(23兆8,228億円)、情報通信(22兆8,688億円)が続きます。いずれも企業どうしの継続的な取引が大きな金額を生む業種です。

このグラフに関連するトピック

業種別BtoB-EC化率(2024年、%)

経済産業省 電子商取引市場調査(令和6年度=2024年)。各業種の商取引に占めるネット経由の割合(市場規模の大きい順に表示)
読み解き

EC化率は業種で差があります。食料品製造が81.3%と最も高く、鉄・非鉄金属(50.6%)、産業関連機器・精密機器(47.8%)も高水準です。これらは規格化された製品を決まった取引先と継続的にやり取りするため、電子データ交換(EDI)が普及しやすい業種です。一方、情報通信は24.2%とやや低く、業種によって電子化の進み方が異なります。いずれも消費者向けの物販EC化率(9.78%)を大きく上回り、企業間取引の電子化の先行を示しています。

主要業種別のBtoB-EC市場規模とEC化率(2024年)

経済産業省 電子商取引市場調査。主要5業種の市場規模・EC化率(公表値、市場規模の大きい順)。全業種の合計は514兆4,069億円
読み解き

業種別にみると、市場規模では卸売(128兆8,684億円)が最大で、EC化率では食料品製造(81.3%)が最も高くなっています。卸売はEC化率40.3%ながら規模が大きいため、市場全体への寄与が最も大きい業種です。製造業は規格品の継続取引でEC化率が高く、企業間の電子受発注が定着しています。

主要論点

なぜBtoB-ECは消費者向けより桁違いに大きいのか?

企業間のBtoB-EC市場(514兆4,069億円)は、消費者向けのBtoC-EC(26兆1,225億円)の約20倍の規模です。EC化率も43.1%と、消費者向けの物販EC化率(9.78%)を大きく上回ります。この差は、企業間取引の性質から生まれます。

第1に、取引の金額と頻度です。企業は部品・資材・商品を継続的に大量に仕入れるため、1件あたりの金額も取引の総額も大きくなります。第2に、継続的な取引関係です。企業は決まった取引先と繰り返し取引するため、受発注を自動化・電子化する仕組み(EDI=電子データ交換)が早くから導入されてきました。第3に、規格化です。部品や資材は型番や規格が決まっており、実物を見なくても発注できるため、ネット経由の取引と相性が良いのです。

このため、消費者の目に触れにくいものの、金額でみればBtoB-ECがEC全体の大部分を占めています。なお、この43.1%というEC化率は消費者向けの物販EC化率とは対象とする取引が異なり、直接の比較はできません。

業種によってEC化率が異なるのはなぜか?

BtoB-ECのEC化率は業種で差があります。食料品製造が81.3%、鉄・非鉄金属が50.6%と高い一方、情報通信は24.2%とやや低くなっています。この違いは、取引の標準化の進み方によります。

EC化率が高い業種は、規格化された製品を、決まった取引先と継続的にやり取りする特徴があります。食料品や金属、機器は型番・規格が決まっており、発注のたびに条件を交渉する必要が少ないため、受発注のデータ連携(EDI)を標準化しやすいのです。とくに大手の卸売やスーパーマーケットを中心に、流通業界共通のデータ交換の仕組み(流通BMSなど)の導入が進んできました。

一方、案件ごとに仕様や価格が変わる業種では、定型的な電子受発注に乗せにくく、EC化率が相対的に低くなります。業種ごとの取引慣行が、電子化の進み方を左右しています。

電子化の進展はBtoB-ECをどう変えるのか?

BtoB-EC市場は前年比+10.6%と拡大を続け、EC化率も前年から+3.1ポイント上昇しています。背景には、企業間取引の電子化を後押しする制度・技術の動きがあります。

第1に、インボイス制度(2023年開始)への対応です。適格請求書の発行・保存を電子的に行う必要から、請求・支払を電子化する企業が増えました。第2に、電子データ交換(EDI)の標準化で、流通業界では共通規格の導入が進み、異なる企業間でもデータをやり取りしやすくなっています。第3に、間接資材(工場やオフィスで使う消耗品・備品)のBtoB通販(MonotaRO等)のように、ネット経由の調達を専門に手がける事業者の成長です。

これらの動きが、これまで電子化が遅れていた中小企業や取引にも広がれば、BtoB-EC市場とEC化率はさらに上昇する見通しです。企業間取引の電子化は、業務の効率化と人手不足への対応の両面で進んでいます。

中期見通し

近未来1-2年

インボイス制度への対応を契機に、請求・支払の電子化が中小企業にも広がる見通しです。BtoB-EC市場とEC化率は緩やかな上昇を続けるとみられます。

中期3-5年

中期では、電子データ交換(EDI)の標準化と、間接資材のBtoB通販の拡大が、電子化の遅れていた業種・取引を取り込みます。人手不足を背景にした受発注業務の自動化が、電子化をさらに後押しします。

長期

長期では、企業間取引のデータ連携が進み、調達・在庫・物流を横断した効率化が広がる見通しです。生成AIを使った見積・発注の支援も、BtoB-ECの形を変える可能性があります。

よくある質問

BtoB-ECの市場規模はどのくらいですか?
企業間の電子商取引(BtoB-EC)の市場規模は、2024年に514兆4,069億円(前年比+10.6%)です。消費者向けのBtoC-EC(26兆1,225億円)の約20倍にあたり、金額でみればEC全体の大部分を占めます。
BtoB-ECのEC化率はなぜ高いのですか?
BtoB-ECのEC化率は2024年に43.1%(「その他」業種を除く)で、消費者向けの物販EC化率(9.78%)を大きく上回ります。企業は決まった取引先と規格品を継続的に受発注するため、電子データ交換(EDI)が早くから普及してきたためです。母数が異なるため物販EC化率とは直接比較できません。
BtoB-ECで市場規模が大きい業種はどこですか?
業種別では卸売が128兆8,684億円(2024年)で最大です。次いで製造業の食料品(41兆5,859億円)、鉄・非鉄金属(33兆5,717億円)、産業関連機器・精密機器(23兆8,228億円)、情報通信(22兆8,688億円)が続きます。
EDI(電子データ交換)とは何ですか?
企業間で受発注や請求などの取引データを、決まった形式でコンピュータ間で直接やり取りする仕組みです。紙やメールを介さずデータを連携できるため、継続的に取引する企業間で受発注を効率化できます。流通業界では共通規格(流通BMS等)の標準化が進み、BtoB-ECの普及を支えています。
BtoB-ECとBtoC-ECは何が違うのですか?
BtoB-ECは企業どうしの取引(2024年514兆4,069億円)、BtoC-ECは企業が消費者に販売する取引(同26兆1,225億円)です。BtoBは部品・資材の継続的・大量の受発注が多く、規模もEC化率も大きくなります。両者は取引の主体も母数も異なる別の市場です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書(令和6年度=2024年)
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