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EC市場規模|BtoC-ECの推移と物販EC化率【2026年版】

日本の消費者向けEC(BtoC-EC)市場は、経済産業省の調査で2024年に26兆1,225億円(前年比+5.1%)に達しました。内訳は「モノ」を買う物販系が15兆2,194億円で最大、旅行や予約などのサービス系が8兆2,256億円、電子書籍や配信などのデジタル系が2兆6,776億円です。物販分野のEC化率(商取引全体に占めるネット経由の割合)は2021年の8.78%から2024年に9.78%へ緩やかに上昇しています。3分野別の市場規模の推移、物販EC化率の動き、3分野の構成まで順に整理します。

BtoC-EC市場規模(2024年)
26.12兆円
経済産業省 電子商取引市場調査、26兆1,225億円、前年比+5.1%
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
物販系(2024年)
15.22兆円
15兆2,194億円、3分野で最大
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
物販EC化率(2024年)
9.78%
商取引全体に占めるネット経由の割合、2021年の8.78%から上昇
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
サービス系(2024年)
8.23兆円
8兆2,256億円、旅行・予約等の回復で前年比+9.43%
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)

BtoC-EC市場規模の推移(3分野内訳、2021-2024年、兆円)

経済産業省 電子商取引市場調査(令和6年度=2024年)。物販系・サービス系・デジタル系の積み上げ、合計が各年の総額
読み解き

BtoC-EC市場は2021年の約20.7兆円から2024年に26.12兆円へ、3年間で着実に拡大しました。最も大きい物販系は13.29兆円から15.22兆円へ安定して伸び、市場全体を底支えしています。サービス系は旅行・飲食予約・チケットなどコロナ禍で落ち込んだ分野の回復を受けて拡大し、2024年は前年比+9.43%と3分野で最も高い伸びとなりました。デジタル系は巣ごもり需要の反動を経てほぼ横ばいで推移しています。

このグラフに関連するトピック

物販分野のEC化率の推移(2021-2024年、%)

経済産業省 電子商取引市場調査(令和6年度=2024年)。物販のBtoC-EC市場規模が商取引総額に占める割合(BtoBのEC化率43.1%とは対象とする取引が異なる別指標)
読み解き

物販分野のEC化率は2021年の8.78%から2024年に9.78%へ、毎年0.2〜0.4ポイントずつ緩やかに上昇しています。これは物販のBtoC-EC市場規模を、店舗を含む商取引の総額で割った割合で、買い物全体のなかでネット経由がまだ1割に届いていないことを示します。なお、この物販EC化率は企業間取引のEC化率(2024年43.1%)とは対象とする取引が異なる別の指標で、直接は比較できません。

BtoC-EC 3分野別の市場規模(2021-2024年、億円)

物販系・サービス系・デジタル系の市場規模の実額。各分野は独立して推計されるため、合算は別途公表の総額(2024年26兆1,225億円)と最大1億円程度の差がある
読み解き

3分野の市場規模を実額でみると、物販系は2021年の132,865億円から2024年に152,194億円へ拡大しました。サービス系は同期間に46,424億円から82,256億円へと、回復を背景に最も大きく伸びています。デジタル系は27,661億円から26,776億円とほぼ横ばいです。各分野はそれぞれ独立に推計されるため、3つを足した額は別に公表される総額と1億円程度ずれることがあります。

主要論点

物販EC化率の伸びしろはどこにあるのか?

物販分野のEC化率は2024年に9.78%で、店舗を含む商取引全体のなかでEC経由はまだ1割に届いていません。この全体平均の裏側には、商品カテゴリごとの大きな差があります。

すでにオンライン購入が定着したカテゴリがある一方、食品(EC化率4.52%)のように規模は大きくても浸透が遅れたカテゴリも残ります。生鮮品の鮮度管理や冷蔵配送のコストが普及の壁となってきましたが、ネットスーパーや定期宅配の広がりが少しずつその壁を下げています。こうした低浸透カテゴリの開拓余地が、市場全体の成長を左右します。

EC化率が高いカテゴリでの伸びが鈍化するなかで、食品や日用品など生活に密着した低浸透カテゴリをどう取り込むかが今後の主戦場となります。

3分野で伸び方がなぜ違うのか?

BtoC-ECの3分野は、コロナ禍とその後で異なる動きをしてきました。物販系は巣ごもり需要で大きく伸びた後も安定した成長を続け、2024年も前年比+3.7%と着実に拡大しています。

対照的に、サービス系は旅行・飲食予約・チケットなど外出に関わる分野が2020〜2021年に大きく落ち込み、その後の回復で2024年は前年比+9.43%と3分野で最も高い伸びとなりました。デジタル系は電子書籍や動画配信などが巣ごもり需要で急拡大した反動で、近年はほぼ横ばいです。

3分野の伸びの差は、生活様式の変化がECのどの領域に影響したかを映しています。サービス系の回復が一巡した後は、物販系の安定成長と低浸透カテゴリの開拓が市場拡大の中心になると考えられます。

越境ECは国内事業者にどんな機会をもたらすのか?

EC市場は国内にとどまらず、国境を越える越境ECも広がっています。海外の消費者が日本のサイトから商品を買う動きは、国内事業者にとって新たな販売機会となります。

経済産業省の調査では、米国の消費者が日本の事業者から購入した額は1兆5,978億円、中国の消費者が日本の事業者から購入した額は2兆6,372億円にのぼります。買い手として最も大きいのは中国の消費者で、その越境BtoC-EC市場は5兆7,769億円(うち日本の事業者からの購入が2兆6,372億円)です。日本の商品は品質への信頼から海外でも需要があり、為替や物流の条件次第で輸出に近い販売チャネルとなります。

国内市場が成熟に向かうなかで、こうした海外需要の取り込みは成長の選択肢の一つです。決済・配送・言語対応などの環境整備が、越境ECを伸ばせるかの鍵となります。

中期見通し

近未来1-2年

物販EC化率は毎年0.2〜0.4ポイントの緩やかな上昇が続く見通しです。サービス系は回復が一巡し伸びが落ち着く一方、物販系の安定成長が市場全体を支える構図が続くとみられます。

中期3-5年

中期では、食品や日用品など浸透の遅れた低浸透カテゴリをどこまで取り込めるかが市場拡大の焦点となります。ネットスーパーや定期宅配の広がり、決済や配送の利便性向上が、EC化率の上昇ペースを左右する見通しです。

長期

長期では、人口減少のなかで国内需要の基調が決まります。配送網の確保が市場拡大の制約となりやすく、物流の効率化や越境ECによる海外需要の取り込みが成長を支える見通しです。

よくある質問

日本のEC市場規模はどのくらいですか?
経済産業省の調査によると、消費者向けのBtoC-EC市場は2024年に26兆1,225億円(前年比+5.1%)です。内訳は物販系15兆2,194億円、サービス系8兆2,256億円、デジタル系2兆6,776億円の3分野です。これとは別に企業間のBtoB-EC市場が514兆4,069億円あります。
EC化率とは何ですか? 日本のEC化率は?
EC化率とは、商取引の総額のうちインターネット経由(EC)が占める割合です。日本の物販分野のEC化率は2024年に9.78%で、2021年の8.78%から緩やかに上昇しています。店舗を含む買い物全体のなかでEC経由はまだ1割未満です。
物販系・サービス系・デジタル系の違いは何ですか?
物販系は衣類・食品・家電などモノをネットで買う分野で、EC化率を測れるのはこの分野です。サービス系は旅行・飲食予約・チケット・金融などサービスをネットで予約・購入する分野、デジタル系は電子書籍・音楽や動画の配信・オンラインゲームなどデジタルコンテンツを買う分野です。
EC市場は今後も伸びますか?
BtoC-EC市場は緩やかな拡大が続く見通しです。物販EC化率はまだ1割未満で上昇の余地があり、特に食品など浸透の遅れたカテゴリの取り込みが成長の鍵となります。一方で配送網の確保が拡大ペースの制約となる可能性があります。
BtoC-ECとBtoB-EC・CtoC-ECの規模の違いは?
2024年の市場規模は、消費者向けのBtoC-ECが26兆1,225億円、企業間のBtoB-ECが514兆4,069億円、個人間のCtoC-ECが2兆5,269億円です。BtoB-ECはBtoC-ECの約20倍と桁が違い、CtoC-ECはBtoC-ECの内数ではなく独立して推計される別の市場です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書(令和6年度=2024年)
  2. 2.
    経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書(令和4年度=2022年)
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