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ECのビジネスモデル|モール・自社EC・フリマ・EC支援の稼ぎ方【2026年版】

ECで商品を売る方法には、楽天市場やAmazonのモール(マーケットプレイス)に出店する形、自社サイトで直接売る形(自社EC・D2C)、個人どうしが売買するフリマ(CtoC)、出店を支えるEC支援サービス(SaaS)があります。モデルによって収益の源泉が異なり、モールやフリマでは取引総額(流通総額・GMV)が運営会社の売上を大きく上回ります。個人間取引(CtoC)市場は2024年に2兆5,269億円に達します。4つのモデルの仕組み・収益構造・プラットフォーム規制まで順に整理します。

ECのビジネスモデル4類型と収益構造

各モデルの収益の源泉と、流通総額(GMV、サイト上で取引された総額)と運営会社の売上の関係。モール・フリマは手数料が売上の中心のため流通総額が売上を大きく上回り、自社ECは販売額がそのまま売上になる

4つのモデルは、誰が誰に売るか(事業者から消費者か、個人間か)と、運営会社が「場所を貸す」か「自ら売る・支える」かで分かれます。マーケットプレイスとフリマは場所を貸して手数料を得るため、流通総額が売上を大きく上回ります。自社ECは販売額がそのまま売上になり、EC支援(SaaS)は多数のショップを束ねて月額料金や決済手数料を得ます。多くの事業者はこれらを組み合わせ、モールで認知を取りつつ自社ECで利益率を確保する、といった使い分けをしています。

マーケットプレイス(モール)— 場所を貸して手数料を得る

マーケットプレイス(モール)は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングに代表されるモデルです。運営会社は多数の出店者に販売の場を提供し、販売額に応じた手数料や広告・決済の手数料を収益とします。出店すればすぐに多くの利用者に届く集客力が最大の強みです。

このモデルでは、サイト上で取引された総額(流通総額・GMV)が運営会社の売上を大きく上回ります。たとえば楽天市場の国内EC流通総額は6兆円規模ですが、これは出店者の取引を含む金額で、運営会社の売上は手数料が中心です。運営会社はポイント・物流・決済の基盤で利用者と出店者を囲い込み、流通総額を広告やリテールメディア(店舗・サイトを使った広告)など新たな収益にもつなげています。

自社EC(直販・D2C)— ブランドが消費者に直接売る

自社ECは、メーカーや小売事業者が自前のサイトで消費者に直接商品を売るモデルです。メーカーが中間業者を介さず消費者に直接販売する形はD2C(Direct to Consumer)と呼ばれます。販売額がそのまま売上になるため、流通総額と売上がほぼ一致します。

モールへの出店手数料がかからず、ブランドの世界観を自由に作れること、顧客データを自社で持てることが利点です。一方で、モールのような集客力はないため、広告やSNSで自力で集客する必要があります。食品宅配のOisixのように特定分野で自社ECを軸にする事業者や、モールと自社ECを併用してブランド体験と利益率を両立する事業者が増えています。

フリマ(CtoC)— 個人間取引と二次流通

フリマ(CtoC)は、個人どうしが中古品などを売買するモデルで、メルカリが最大手です。運営会社は出品者・購入者から取引手数料(メルカリでは販売額の1割程度)を得ます。個人間取引(CtoC)市場は2024年に2兆5,269億円(前年比+1.82%)に達し、フリマアプリがその拡大を牽引しています。

事業者が新品を売るBtoCのECとは異なり、フリマは使わなくなった品を個人が売る二次流通(リユース)が中心です。中古品の市場を掘り起こし、ものを捨てずに循環させる役割を担っています。フリマで得た売上を次の買い物に充てる動きも広がり、新品のECと中古のフリマが相互に影響し合う関係になっています。CtoC市場は事業者向けECの内数ではなく、独立して推計される別の市場です。

EC支援(SaaS・カート)— 中小事業者の自社ECを支える

EC支援(SaaS)は、中小事業者がネットショップを手軽に開設・運営できるサービスを提供するモデルです。BASE・Shopify・カラーミーショップなどが代表で、運営会社は月額の利用料やショップの決済手数料を収益とします。専門知識がなくても自社ECを始められるようにする「裏方」の役割です。

このモデルでは、支援する多数のショップの流通総額の合計に対し、運営会社自身の売上は手数料にとどまります。BASEの流通総額(BASE事業ベース)は1,500億円規模で、これは多数の小規模ショップの取引の合計です。D2Cの広がりとともに、こうしたEC支援サービスが中小事業者の自社EC参入を後押ししています。

プラットフォーム規制 — デジタルプラットフォーム取引透明化法

大規模なモールの影響力が増すなかで、出店者との取引の公正さを確保する規制が整備されました。デジタルプラットフォーム取引透明化法(2021年施行)に基づき、物販の総合オンラインモールではAmazonジャパン・楽天市場・Yahoo!ショッピングが「特定デジタルプラットフォーム」に指定されています。

指定された事業者には、出店者に対する取引条件の開示や、規約変更時の事前通知、運営状況の国への報告などが義務づけられています。モールが多数の出店者にとって不可欠な販売チャネルとなるなかで、手数料やルールの一方的な変更から出店者を守り、取引の透明性を高めることが狙いです。プラットフォームの影響力と公正な取引の両立が、今後の論点となっています。

主要論点

なぜモールは流通総額が売上を大きく上回るのか?

楽天市場やAmazonのようなモール(マーケットプレイス)では、サイト上で取引された総額(流通総額・GMV)が、運営会社の売上を大きく上回ります。これはモールが「場所を貸す」ビジネスだからです。

モールの運営会社は、自ら商品を仕入れて売るのではなく、多数の出店者に販売の場を提供し、その販売額に応じた手数料(数%から十数%程度)や広告・決済の手数料を収益とします。だから出店者の取引を含む流通総額は大きくても、運営会社の売上はその一部の手数料にとどまります。一方、自社ECやメーカー直販は販売額がそのまま売上になるため、流通総額と売上がほぼ一致します。

この構造の違いから、EC事業者の規模を比べるときは売上ではなく流通総額を見るのが一般的です。モールは流通総額を増やすほど手数料収入が増え、さらに広告(リテールメディア)や物流・決済のサービスで流通総額を収益に変える動きを強めています。

自社EC(D2C)はモールとどう使い分けられるのか?

ECで売る事業者は、モールに出店するか、自社サイトで直接売る(自社EC・D2C)かを選びます。多くの事業者は両方を併用し、それぞれの利点を組み合わせています。

モールは大きな集客力を持ち、出店すればすぐに多くの利用者に届きます。その代わりに販売額に応じた手数料がかかり、顧客データはモール側に蓄積されがちです。自社EC・D2Cは、手数料負担が小さく、ブランドの世界観を自由に作れ、顧客データを自社で持てるのが利点です。一方で集客は自力で行う必要があります。BASEやShopifyなどのEC支援サービスは、こうした自社ECの開設を技術面で支えています。

典型的には、モールで新規顧客の認知を獲得し、自社ECでリピーターとの関係を深めて利益率を確保する、という使い分けが進んでいます。どのモデルにどの商品を載せるかが、EC事業の収益を左右します。

フリマ(CtoC)の拡大はEC全体に何をもたらすのか?

個人どうしが売買するフリマ(CtoC)市場は、2024年に2兆5,269億円に達しました。メルカリを中心に、使わなくなった品を個人が売る二次流通(リユース)の市場が大きく育っています。

フリマの拡大は、新品を売る事業者向けのEC(BtoC)にも影響します。消費者が「あとでフリマで売れる」ことを前提に新品を買う動きが広がり、購入の判断やブランドの価値の捉え方が変わってきました。フリマで得た売上を次の買い物に充てる循環も生まれ、新品のECと中古のフリマが相互に影響し合っています。

ものを捨てずに循環させるリユースは、環境への配慮の面でも注目されています。CtoC市場は事業者向けECの内数ではなく独立した市場ですが、消費者の購買行動を通じてEC全体と密接につながっており、今後も存在感を増す見通しです。

中期見通し

近未来1-2年

モールが流通総額を広告(リテールメディア)や物流・決済の収益に変える動きが進む見通しです。D2Cの広がりでEC支援サービスの利用も増え、モールと自社ECの併用が一段と一般的になります。

中期3-5年

中期では、フリマ(CtoC)と新品EC(BtoC)の境界がさらに曖昧になり、再販価値を前提とした購買が広がる見通しです。プラットフォーム規制のもとで、モールと出店者の関係の見直しも続きます。

長期

長期では、生成AIを使った購買支援や、決済・物流を含めたプラットフォーム間の競争が、各モデルの優劣を左右します。総合モール・専門特化・個人間取引・支援サービスが、それぞれの強みを軸に併存し続ける見通しです。

よくある質問

ECのビジネスモデルにはどんな種類がありますか?
大きく4つです。出店者に販売の場を提供するマーケットプレイス(モール、楽天市場・Amazon等)、自社サイトで直接売る自社EC(D2C)、個人どうしが売買するフリマ(CtoC、メルカリ等)、中小事業者の出店を支えるEC支援(SaaS、BASE・Shopify等)です。多くの事業者はこれらを組み合わせています。
マーケットプレイス(モール)と自社ECの違いは何ですか?
モールは運営会社が出店者に販売の場を提供し、手数料を収益とするモデルで、集客力が強い一方で手数料がかかります。自社ECはメーカーや小売が自前のサイトで直接売るモデルで、手数料負担が小さくブランドを自由に作れますが、集客は自力で行う必要があります。多くの事業者は両方を併用します。
なぜモールは流通総額(GMV)が売上より大きいのですか?
モールの運営会社は、自ら商品を売るのではなく出店者に場所を貸し、販売額に応じた手数料を収益とするためです。出店者の取引を含む流通総額は大きくても、運営会社の売上はその一部の手数料にとどまります。このためEC事業の規模は売上ではなく流通総額で測るのが一般的です。
フリマ(CtoC)市場の規模はどのくらいですか?
個人間取引(CtoC)のフリマアプリとネットオークションを合わせた市場は、2024年に2兆5,269億円(前年比+1.82%)です。メルカリを中心としたフリマアプリが拡大を牽引しています。事業者向けEC(BtoC)の内数ではなく、独立して推計される別の市場で、中古品のリユース市場とも重なります。
デジタルプラットフォーム取引透明化法とは何ですか?
大規模なオンラインモール等の運営会社に、出店者への取引条件の開示や規約変更の事前通知、運営状況の国への報告を義務づける法律です。物販の総合オンラインモールではAmazonジャパン・楽天市場・Yahoo!ショッピングが「特定デジタルプラットフォーム」に指定されています。出店者を一方的なルール変更から守り、取引の透明性を高めることが狙いです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書(令和6年度=2024年)
  2. 2.
    各社IR(楽天・メルカリ・BASE等)
  3. 3.
    経済産業省 デジタルプラットフォーム取引透明化法
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