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物販ECのカテゴリ別市場規模とEC化率【2026年版】

物販系のBtoC-EC(2024年15兆2,194億円)は、商品カテゴリによって市場規模もEC化率も大きく異なります。市場規模が最大なのは食品・飲料・酒類(31,163億円)ですが、そのEC化率は4.52%と低い水準にとどまります。一方でEC化率が最も高いのは書籍・映像・音楽ソフトの56.45%、次いで生活家電・AV機器・PCの43.03%です。8カテゴリの市場規模とEC化率、規模と浸透度のギャップ、書籍のデジタルシフトまで順に整理します。

物販系BtoC-EC(2024年)
15.22兆円
15兆2,194億円、8カテゴリの合計
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
物販EC化率(2024年)
9.78%
物販系全体、商取引に占めるネット経由の割合
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
最大カテゴリ:食品・飲料・酒類
31,163億円
市場規模1位だがEC化率は4.52%と低い
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)
EC化率最高:書籍・映像・音楽
56.45%
8カテゴリで最も高い浸透度、生活家電43.03%が続く
出典: 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度)

物販ECのカテゴリ別市場規模(2024年、億円)

経済産業省 電子商取引市場調査(令和6年度=2024年)。8カテゴリを市場規模の大きい順に表示
読み解き

物販ECの市場規模は、食品・飲料・酒類(31,163億円)が最大で、衣類・服装雑貨、生活家電・AV機器・PC、生活雑貨・家具・インテリアが続きます。この上位4カテゴリはいずれも2.5兆円を超え、物販系全体の約74%を占めます。生活に身近で購入頻度の高い商品群が、物販ECの規模を支えています。一方、自動車・二輪車・パーツ等は3,336億円と規模が小さく、高額で実物確認が重視される商品はECの規模が伸びにくい傾向があります。

このグラフに関連するトピック

物販ECのカテゴリ別EC化率(2024年、%)

経済産業省 電子商取引市場調査(令和6年度=2024年)。各カテゴリの商取引に占めるネット経由の割合(市場規模の大きい順に表示)
読み解き

EC化率はカテゴリで大きく異なります。書籍・映像・音楽ソフトが56.45%で最も高く、生活家電・AV機器・PCが43.03%、生活雑貨・家具・インテリアが32.58%と続きます。規格が決まり実物を確認しなくても買いやすい商品ほど浸透が進んでいます。対照的に、規模が最大の食品・飲料・酒類は4.52%、化粧品・医薬品は8.82%と低く、鮮度管理や実物確認の必要性が普及の壁となっています。市場規模の順位とEC化率の順位がほぼ逆になっている点が、物販ECの大きな特徴です。

このグラフに関連するトピック

物販EC 8カテゴリの市場規模・EC化率・前年比(2024年)

経済産業省 電子商取引市場調査。市場規模・EC化率・前年比はすべて公表値(市場規模の大きい順)
読み解き

表は8カテゴリの市場規模・EC化率・前年比です。市場規模では食品・飲料・酒類(31,163億円)が最大、EC化率では書籍・映像・音楽ソフト(56.45%)が最高と、順位が大きく異なります。前年比をみると、規模の小さいカテゴリも含めて多くが増加するなか、書籍・映像・音楽ソフトは-0.84%と唯一の前年割れです。これは物理メディアの販売が、デジタル系(電子書籍・動画配信など、本ページの物販とは別分野)へ置き換わっているためと考えられます。

主要論点

なぜカテゴリでEC化率がこれほど違うのか?

物販ECのEC化率は、書籍・映像・音楽ソフトの56.45%から食品・飲料・酒類の4.52%まで、カテゴリで10倍以上の開きがあります。この差は、商品の性質とネット購入のしやすさの違いから生まれます。

EC化率が高い書籍・生活家電・生活雑貨は、規格が決まっていて、実物を手に取らなくても品質や仕様が分かる商品群です。型番で同じものが届くため、価格や在庫を比べやすいネットと相性が良く、早くからオンライン購入が定着しました。一方、食品や化粧品・医薬品は鮮度や使用感、肌との相性など実物で確かめたい要素が多く、生鮮品では冷蔵配送のコストもかかります。

この違いは固定的なものではなく、ネットスーパーや定期宅配、メーカーによる直接販売の広がりで、低浸透カテゴリの壁も徐々に下がっています。商品特性に合わせた売り方の工夫が、各カテゴリのEC化率を左右します。

規模と浸透度のギャップはどこに成長余地を生むか?

物販ECでは、市場規模の順位とEC化率の順位がほぼ逆になっています。最大の食品・飲料・酒類(31,163億円)はEC化率4.52%、化粧品・医薬品(10,150億円)は8.82%と、規模が大きいのに浸透が遅れています。

このギャップこそが今後の成長余地です。EC化率が高い書籍や家電はすでに半分前後がオンラインに移っており、これ以上の伸びしろは限られます。対して食品や日用品は、店舗での購入が大半を占めるため、EC化率が数ポイント上がるだけでも金額の押し上げ効果が大きくなります。

ネットスーパーの拡大、定期宅配(サブスクリプション)、即時配送の整備が、この大きな低浸透市場をどこまで取り込めるかが、物販EC全体の成長を左右します。生鮮・冷蔵の物流をどう効率化するかが鍵となります。

書籍の前年割れは何を意味するのか?

物販ECの8カテゴリのうち、2024年に前年を下回ったのは書籍・映像・音楽ソフト(-0.84%)だけです。EC化率は56.45%と最も高い一方で、市場規模そのものが縮小に転じています。

これは、紙の書籍やCD・DVDといった物理メディアの販売が、電子書籍や音楽・動画の配信サービスへと置き換わっているためです。配信サービスは経済産業省の区分では物販系ではなくデジタル系に分類されるため、物販ECのこのカテゴリからは抜け落ちていきます。EC化率が高いことと市場が伸びることは、必ずしも一致しません。

物理メディアからデジタルへの移行は、書籍・映像・音楽に限らず、ソフトウェアやゲームでも進んできました。物販ECのカテゴリ構成を読む際は、こうしたデジタルシフトの影響を踏まえる必要があります。

中期見通し

近未来1-2年

EC化率が高い書籍・家電・生活雑貨は伸びが鈍化する一方、規模の大きい食品や日用品でネットスーパー・定期宅配の利用が広がり、低浸透カテゴリのEC化率が緩やかに上昇する見通しです。

中期3-5年

中期では、生鮮食品の冷蔵配送や即時配送の整備が、食品ECの浸透度を左右します。化粧品・医薬品もメーカーの直接販売やオンライン服薬指導の広がりで、浸透の余地が開きつつあります。

長期

長期では、物理メディアのデジタルシフトが書籍・映像・音楽の物販を縮小させる一方、生活必需品の低浸透カテゴリがEC化の主戦場となる見通しです。カテゴリ構成は商品特性と物流の進化に沿って変化し続けます。

よくある質問

ECで一番売れている商品カテゴリは何ですか?
物販ECの市場規模では、食品・飲料・酒類が31,163億円(2024年)で最大です。次いで衣類・服装雑貨(27,980億円)、生活家電・AV機器・PC(27,443億円)、生活雑貨・家具・インテリア(25,616億円)が続き、この上位4カテゴリで物販系の約74%を占めます。
EC化率が最も高い商品カテゴリはどれですか?
2024年のEC化率は、書籍・映像・音楽ソフトが56.45%で最も高く、生活家電・AV機器・PCが43.03%、生活雑貨・家具・インテリアが32.58%と続きます。規格が決まり実物を確認しなくても買いやすい商品ほど、ネット購入が定着しています。
食品のEC化率が低いのはなぜですか?
食品・飲料・酒類は市場規模が最大ですが、EC化率は4.52%(2024年)と低水準です。生鮮品の鮮度管理や冷蔵配送のコスト、実物を見て選びたいという消費者の意識が普及の壁となってきました。ネットスーパーや定期宅配の広がりが、この壁を徐々に下げています。
書籍のEC市場が前年割れしたのはなぜですか?
書籍・映像・音楽ソフトはEC化率が56.45%と最も高い一方、2024年の市場規模は前年比-0.84%と8カテゴリで唯一の前年割れでした。紙の書籍やCD・DVDの販売が、電子書籍や配信サービス(デジタル系に分類)へ置き換わっているためです。
カテゴリ別のEC化率は今後どうなりますか?
EC化率が高い書籍・家電は伸びしろが限られる一方、規模が大きく浸透の遅れた食品や日用品が今後の成長の中心になる見通しです。これらのカテゴリはEC化率が数ポイント上がるだけでも金額への影響が大きく、物流の効率化が鍵となります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書(令和6年度=2024年)
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