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ホームセンター主要企業の比較|売上高と利益でみる各社の競争【2026年版】

日本のホームセンター業界は、非上場のカインズが売上首位とされ、DCM(営業収益5,423億円)、コーナン商事(5,198億円)、コメリ(3,854億円)、アークランズ(連結3,411億円)が3,800〜5,400億円の規模で続きます。連結営業収益では全国持株会社のDCMが最大ですが、ホームセンター事業の売上では非上場のカインズが業界首位とされ、見る指標によって首位が変わります。2026年の決算では原価高や物流コストの上昇でDCM・コーナン商事が営業減益となる一方、農業・園芸に強いコメリは増益を確保し、収益力も分かれました。各社の業績・地域地盤・収益力の違いを、集計の基準の違いに注意しながら順に整理します。

主要企業の連結業績と各社のポジション

基準A=連結営業収益・営業利益・自己資本比率(2026年2月期/3月期 通期実績、会社予想ではなく実績行)。集計の基準は社により異なる: アークランズは外食を含む連結、ナフコは単体、ジョイフル本田は2026年6月期が変則決算のため第3四半期累計、カインズは非上場で非開示

連結営業収益ではDCMが5,423億円で最大、コーナン商事5,198億円が続きます。ただしカインズはホームセンター事業の売上で業界首位とされており、非上場で連結営業収益を開示していないためこの表では「非開示」としています(ホームセンター事業の売上での比較は次の表で整理します)。営業利益はコメリが231億円で、規模が上のDCM(310億円)・コーナン商事(224億円)に対し収益性で健闘しています。

カインズ — ホームセンター事業で売上首位(非上場)

カインズはベイシアグループ(34社・グループ売上1兆円超)の中核企業で、ホームセンター事業の売上で業界首位とされます。非上場のため正式な売上は開示されていませんが、媒体の業界推計では約4,854億円規模です。プライベートブランドの開発力と、ワークショップなどを備えた体験型の大型店に強みを持ちます。

2022年には東急ハンズを完全子会社化し、都市部の専門店事業にも展開を広げました。非上場であることを生かし、株式市場の短期評価にとらわれずにプライベートブランドや店舗体験への長期投資を進められる点が特徴です。連結営業収益では持株会社のDCMが上回りますが、ホームセンター事業の店頭売上ではカインズが最大とされ、見る指標によって業界の序列が変わります。

DCMホールディングス — 連結営業収益が最大の全国持株会社

DCMホールディングスは、ホーマック・カーマ・ダイキ・サンワ・ケーヨーデイツーなど複数のブランドを全国に展開する持株会社です。2026年2月期の連結営業収益は5,423億円(前年比▲0.4%)と業界で最大規模ですが、防災・防犯用品などの需要の反動で減収となり、営業利益も310億円(▲6.7%)と減益でした。期末の店舗数は918店で、全国を広くカバーする店舗網の広さが特徴です。

ブランドを束ねるスケールメリットを生かし、プライベートブランド「DCMブランド」の開発や物流の効率化を進めています。2022年にはケーヨーを完全子会社化し、関東での店舗網を強化しました。複数ブランドの統合による調達・物流の効率化と、プライベートブランドによる利益率の確保が、成熟市場での収益力強化の軸となっています。

コーナン商事 — 関西地盤・プロ向け業態を強化

コーナン商事は関西を地盤に全国へ展開するチェーンで、2026年2月期の連結営業収益は5,198億円(前年比+3.7%)と増収でした。一方、原価高と物流コストの上昇で営業利益は224億円(▲10.4%)と減益となっています。期末の店舗数は669店です。

特徴は、職人・工務店向けの専門業態「コーナンPRO」を展開し、事業者向け(プロ)需要の取り込みを進めている点です。近年はホームセンターみつわの買収やEC専業会社の連結化など、規模と販路の拡大にも動いています。増収を続けながらも、原価高のなかでいかに利益率を確保するかが課題となっています。

コメリ — 新潟地盤・農業と小型店で増益

コメリは新潟を地盤とし、農業資材・園芸・金物に強いチェーンです。2026年3月期の連結営業収益は3,854億円(前年比+1.6%)、営業利益は231億円(+2.9%)と、上位各社が減益となるなかで増益を確保しました。自己資本比率は65.2%と高く、財務体質も健全です。

小型店「コメリ ハード&グリーン」を中心に、大型店「コメリパワー」などを組み合わせて地方を高密度にカバーする店舗網が強みです。店舗の規模が他社と異なるため店舗数の単純な比較はできませんが、人口密度の低い地域でも採算が合う小型店モデルを確立しています。農業・プロ・防災といった景気に左右されにくい需要を取り込んだことが、増益の背景となっています。

アークランズ — 新潟発、外食も併営しジョイフル本田と統合へ

アークランズは、ホームセンタームサシ・スーパービバホームを運営する新潟発のチェーンで、外食事業(かつや・からやま)も手がけています。2026年2月期の連結売上は3,411億円(前年比+8.0%)ですが、これには外食608億円が含まれます。ホームセンター事業に絞ったセグメント売上は2,624億円(+6.6%)で、スーパービバホームの建材を通じた工事・プロ需要に強みを持ちます。

2026年4月、関東を地盤とするジョイフル本田との経営統合で基本合意しました。共同で持株会社を設立して両社がその傘下に入る形で、両社は2027年2月25日に上場を廃止し、持株会社が2027年3月1日に上場する予定です。新潟・関東それぞれの地盤と、ホームセンター・外食・専門店の事業を持ち寄ることで、オーバーストアのなかで規模と専門性を高める狙いがあります。

ナフコ — 九州地盤、家具を併営する単体経営

ナフコは九州を地盤に西日本で展開するチェーンで、2026年3月期の営業収益は1,753億円(単体、前年比▲3.6%)でした。減収ながら営業利益は16億円と前年から増益を確保し、自己資本比率は70.8%と高い水準を保っています。店舗数は34府県にわたる359店です。

ホームセンターに加えて、家具・ホームファッションの専門業態「TWO-ONE STYLE」を併営しているのが特徴です。日用品・園芸といったホームセンターの定番商品に、家具・インテリアを組み合わせた品ぞろえで、西日本の生活圏に密着した店舗運営を続けています。

ジョイフル本田 — 関東の大型店、アークランズと統合へ

ジョイフル本田は関東を地盤に大型店を展開するチェーンで、DIY・建材・園芸に強みを持ちます。2026年6月期は決算期の変更にともなう変則決算で、第3四半期累計の売上は959億円、通期の会社予想は1,310億円です。自己資本比率は75.5%と業界でも高い水準にあります。

1店舗の売場面積が非常に大きい大型店を主体とするため、店舗の規模が他社と桁違いで、店舗数だけでの比較はできません。アークランズと2027年に経営統合する予定で、関東の大型店という強みを、新潟発のアークランズの店舗網や外食・専門店事業と組み合わせることになります。プロ・園芸・DIYの専門性を軸に、統合後のグループでどう役割を担うかが注目されます。

ホームセンター事業の売上でみる比較(基準が異なる)

基準B=ホームセンター事業に絞った売上。連結営業収益(基準A)とは集計の範囲が異なる。確実な開示・推計があるのはカインズとアークランズで、他社はホームセンター事業の売上を分離して開示していない
読み解き

ホームセンター事業の売上に絞ると、業界紙などの推計でカインズが約4,854億円で首位とされます。アークランズは連結売上3,411億円のうち外食を除いたホームセンター事業が2,624億円です。

DCM・コーナン商事・コメリ・ナフコは、ホームセンターをほぼ専業とするため連結営業収益(5,423億円・5,198億円・3,854億円・1,753億円)がおおむねホームセンター事業に相当します。ただし、これらの営業収益にはテナント賃料やサービス収入なども含まれ、各社はホームセンター事業の売上を分けて開示していないため、カインズと同じ基準で並べた正確な順位づけはできません。連結営業収益(基準A)とホームセンター事業の売上(基準B)は集計の範囲が違うため、引用の際はどちらの数字かを確認することが大切です。

主要論点

連結営業収益が最大のDCMでなく、なぜカインズが業界1位とされるのか?

連結営業収益では全国持株会社のDCM(5,423億円)が最大ですが、ホームセンター事業の売上では非上場のカインズ(媒体推計で約4,854億円)が業界首位とされます。この違いは、比較する売上の中身が異なることから生まれます。

DCMの連結営業収益には、店舗で扱う商品の売上に加えて、テナント賃料やサービス収入なども含まれます。一方、カインズが業界紙の小売ランキングなどで首位とされるのは、ホームセンターの店頭での商品売上を基準にした場合です。カインズはベイシアグループの中核として大型店を全国に展開し、プライベートブランドと体験型店舗で店頭の売上を伸ばしてきました。

ただし、DCMのホームセンター事業に絞った売上は開示されていないため、「カインズがDCMのホームセンター事業を上回る」と断定することはできません。重要なのは、連結営業収益とホームセンター事業の売上では集計の範囲が異なり、どちらの基準で見るかによって業界の序列が変わるという点です。

なぜ上位各社の利益が分かれたのか?

2026年の決算では、上位各社の収益力がはっきりと分かれました。新潟を地盤とするコメリは営業収益3,854億円(前年比+1.6%)・営業利益231億円(+2.9%)と増益で、自己資本比率も65.2%と高い水準を保っています。農業・園芸・金物に強く、景気に左右されにくいプロや防災の需要を取り込んだことが寄与しました。

一方、全国に複数ブランドを持つDCMは営業利益が310億円(▲6.7%)と減益、関西地盤のコーナン商事も営業利益が224億円(▲10.4%)と減益となりました。コロナ下で伸びた防災・防犯用品などの需要の反動や、物価上昇による消費の手控え、物流コストの増加が利益を圧迫したためです。

同じ市場環境でも、地域への密着度や農業・プロといった専門領域の強さ、コスト構造の違いが、増益と減益を分ける結果となりました。規模の大きさが必ずしも収益力に直結しない点が、成熟したホームセンター市場の特徴を表しています。

アークランズとジョイフル本田の統合は、上位の序列をどう変えるのか?

2026年4月、新潟発のアークランズと関東のジョイフル本田が経営統合で基本合意しました。共同で持株会社を設立し、両社は2027年2月25日に上場を廃止、持株会社が2027年3月1日に上場する予定です。

アークランズのホームセンター事業(セグメント売上2,624億円)とジョイフル本田(通期予想1,310億円)が一つのグループとなることで、ホームセンター事業の規模では上位グループの一角を占めることになります。新潟と関東という補完的な地盤に加え、アークランズの外食事業、両社のDIY・建材・園芸の専門性を持ち寄る形です。

ホームセンター業界では、DCMが2022年にケーヨーを、カインズが2022年に東急ハンズを完全子会社化するなど、再編が続いてきました。オーバーストアのなかで規模を確保し専門性を補完する動きであり、今回の統合は上位グループの顔ぶれと競争環境を変える可能性があります。

中期見通し

近未来1-2年

原価高と物流コストの上昇が続くなかで、各社は価格改定とコスト管理で利益の確保を図ります。プロ向け業態(コーナンPRO)、農業・園芸(コメリ)、建材(アークランズのスーパービバホーム)など、各社が強みとする専門領域での差別化が、収益力の差につながる見通しです。

中期3-5年

中期では、アークランズとジョイフル本田の統合が完了し、上位グループの序列が動く可能性があります。オーバーストアと人口減少のなかで、不採算店の見直しやさらなる再編、プライベートブランドの強化による利益率の改善が各社共通の課題となります。

長期

長期では、地域に密着した店舗網と専門領域の強みをどう維持・発展させるかが競争力を左右します。プロ需要・農業・DIYといった景気に左右されにくい領域の深掘りと、ネット通販との使い分けが、成熟市場での各社の位置づけを決める見通しです。

よくある質問

ホームセンターの売上ランキングで1位はどこですか?
ホームセンター事業の売上では、ベイシアグループのカインズ(媒体推計で約4,854億円)が業界首位とされます。一方、連結営業収益では全国持株会社のDCMが5,423億円で最大です。これにコーナン商事(5,198億円)、コメリ(3,854億円)、アークランズ(連結3,411億円、うちホームセンター事業2,624億円)が続きます。見る指標によって首位が変わる点に注意が必要です。
カインズが非上場なのに業界1位とされるのはなぜですか?
カインズはベイシアグループの中核企業で、ホームセンターの店頭での商品売上を基準にすると業界首位とされるためです。非上場のため正式な売上は開示されていませんが、業界紙の推計では約4,854億円規模です。プライベートブランドと体験型の大型店に強みを持ち、2022年には東急ハンズを完全子会社化しています。
DCM・コーナン商事・コメリの業績はどう違いますか?
2026年の決算では、DCMは連結営業収益5,423億円・営業利益310億円(前年比▲6.7%)と減益、コーナン商事は営業収益5,198億円(+3.7%)ながら営業利益224億円(▲10.4%)と減益でした。一方、コメリは営業収益3,854億円・営業利益231億円(+2.9%)と増益を確保しています。原価高のなかで、農業・プロ需要に強いコメリが収益力で健闘しました。
ホームセンター各社の店舗数はどのくらいですか?
店舗数は、DCMが918店(2026年2月期末)、コーナン商事が669店、ナフコが359店です。コメリは小型店「ハード&グリーン」を中心に多数の店舗を展開し、ジョイフル本田は大型店を主体とするなど、各社で1店舗の規模が大きく異なります。このため店舗数の単純な比較はできず、売場面積や立地特性とあわせて見る必要があります。
アークランズとジョイフル本田はいつ経営統合しますか?
アークランズとジョイフル本田は2026年4月に経営統合で基本合意し、2027年3月1日に共同持株会社が上場する予定です(両社は2027年2月25日に上場廃止の予定)。新潟発のアークランズと関東のジョイフル本田が、それぞれの地盤とホームセンター・外食・専門店の事業を持ち寄る形です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社2026年2月期/3月期 決算短信(DCM・コーナン商事・コメリ・アークランズ・ナフコ・ジョイフル本田)
  2. 2.
    ベイシアグループ/カインズ 会社情報・業界推計
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