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ホームセンター業界の再編|アークランズとジョイフル本田の経営統合【2026年版】

市場が成熟しオーバーストアが進むホームセンター業界では、規模の確保と専門性の補完を狙う再編が続いています。最大の動きが、新潟発のアークランズと関東のジョイフル本田の経営統合で、2026年4月に基本合意し、2027年に共同持株会社を設立する予定です。これに先立ち、DCMは2022年にケーヨーを、カインズは2022年に東急ハンズを完全子会社化しています。今回の統合は、これまでの1社による子会社化と異なり、上位企業同士が対等に近い形で一つのグループになろうとする点が特徴で、上位の勢力図を変える可能性があります。なぜ再編が進むのか、アークランズとジョイフル本田の統合(予定)の中身、業界全体の再編の流れを整理します。

なぜホームセンター業界で再編が進むのか

オーバーストアと市場の成熟

第1の背景は、市場の成熟とオーバーストアです。ホームセンターの市場規模は約3.4兆円で頭打ちとなる一方、店舗数は5,000店を超え、出店の余地が乏しくなっています。新規出店による量的な成長が難しくなったため、規模を高めるには既存のチェーン同士が統合・買収で一緒になる道が現実的な選択肢となります。

規模の経済(調達・物流・プライベートブランド)

第2の背景は、規模の経済です。チェーンが一緒になれば、商品の調達量が増えて仕入れの交渉力が高まり、物流網の共同利用で効率を上げられます。プライベートブランドの開発も、規模が大きいほど採算が取りやすくなります。原価高で利益率の確保が難しいなかで、規模によるコスト競争力が再編の動機となっています。

専門性・地盤の補完

第3の背景は、専門性と地盤の補完です。各社は地域の地盤(全国・関西・新潟・九州・関東)や、DIY・建材・園芸・プロ向けといった得意領域を持っています。統合や買収によってこれらを持ち寄れば、互いの弱い地域や品ぞろえを補い合えます。アークランズとジョイフル本田の統合(予定)も、新潟と関東という補完的な地盤を持ち寄る狙いがあります。

アークランズとジョイフル本田の経営統合(予定)

統合のスキーム — 共同株式移転による持株会社(予定)

アークランズとジョイフル本田は、2026年4月14日に経営統合で基本合意しました。両社は共同株式移転の方法で共同持株会社を設立し、その完全子会社となる予定です。株式の割当ては、アークランズの株式1株に対して持株会社の株式1株、ジョイフル本田の株式1株に対して持株会社の株式1.15株(移転比率1:1.15)とされています。

スケジュールは、両社が2027年2月25日に上場を廃止する予定で、共同持株会社が2027年3月1日に設立され、東京証券取引所にテクニカル上場する予定です。いずれも現時点での予定であり、手続きの進行によっては変更の可能性があります。なお現在は、両社ともそれぞれ上場を続けており、統合は合意から手続きを進めている段階です。

「専門店集合型ホームセンター構想」

新会社が掲げるのが「専門店集合型ホームセンター構想」です。これは、DIY・建材・園芸・プロ向けなど、それぞれ専門性の高い業態や店舗を一つのグループに集め、幅広い専門領域をカバーしようとする考え方です。両社は今後、この構想に賛同する各社との連携も広げていくとしています。単なる規模の拡大ではなく、専門性を束ねることを統合の軸に据えている点が特徴です。

統合の狙い — 地盤と事業の補完

統合の狙いは、補完的な地盤と事業を持ち寄ることにあります。アークランズは新潟発で、ホームセンタームサシ・スーパービバホームに加えて外食事業も手がけ、ジョイフル本田は関東で大型店を展開しています。新潟・関東という地盤の重なりが小さく、ホームセンター・外食・専門店という事業の組み合わせも補い合う関係にあります。

両社のホームセンター事業を合わせると、業界の上位グループの一角を占める規模になります。オーバーストアのなかで規模と専門性の両方を確保する動きとして、業界の競争環境に影響を与える可能性があります。

主なホームセンターの再編・M&A

オーバーストアと成熟を背景に続く主な統合・子会社化。アークランズとジョイフル本田の経営統合は予定(2027年)
読み解き

ホームセンター業界の再編は、規模の確保と専門性の補完を軸に進んできました。DCMは2022年にケーヨーを完全子会社化して関東の店舗網を、カインズは同年に東急ハンズを完全子会社化して都市部・専門店事業を強化しました。コーナン商事もホームセンターみつわを子会社化しています。

そして最大の動きが、アークランズとジョイフル本田の経営統合(2027年予定)です。これまでの個別の買収に対し、上位企業同士が対等に近い形で一つのグループになる点で、業界の勢力図に影響を与える可能性のある統合として注目されます。

主要論点

なぜ今、ホームセンター業界で再編が進むのか?

ホームセンターの市場規模は約3.4兆円で頭打ちとなり、店舗数は5,000店を超えてオーバーストアの状態にあります。新規出店による量的な拡大が難しくなったことが、再編が進む最大の理由です。規模を高めるには、既存のチェーン同士が統合・買収で一緒になる道が現実的になります。

加えて、原価高による利益率の低下が各社に効率化を迫っています。チェーンが一緒になれば、調達量の拡大による仕入れ交渉力、物流の共同利用、プライベートブランドの開発など、規模によるコスト競争力を高められます。人口減少や、ドラッグストア・ネット通販・100円ショップなど異業種との競合も、各社が単独での生き残りより統合を選ぶ背景にあります。

こうした構造的な要因から、ホームセンター業界では今後も規模と専門性の確保を狙った再編が続くとみられます。出店による成長が一巡したいま、再編は各社の重要な選択肢となっています。

アークランズとジョイフル本田の統合(予定)は業界に何をもたらすのか?

2026年4月に基本合意したアークランズとジョイフル本田の経営統合は、2027年に共同持株会社を設立する予定です。これまでのホームセンター業界の再編は、DCMによるケーヨー、カインズによる東急ハンズのように、1社が他社を子会社化する形が中心でした。今回は上位企業同士が対等に近い形で一つのグループになる点が異なります。

両社のホームセンター事業を合わせると、業界の上位グループの一角を占める規模になります。新潟発のアークランズ(ムサシ・スーパービバホーム・外食)と、関東の大型店を持つジョイフル本田が、補完的な地盤と事業を持ち寄ります。新会社が掲げる「専門店集合型ホームセンター構想」は、規模だけでなく専門性を束ねることを軸にしています。

ただし、統合は現時点では予定の段階で、両社ともそれぞれ上場を続けています。手続きの進行や統合後の事業の融合がどう進むかは、今後の動き次第です。上位グループの顔ぶれと競争環境を変える可能性のある統合として、業界の関心を集めています。

再編は今後どこまで進むのか?

市場の成熟とオーバーストアが続く限り、ホームセンター業界の再編は今後も進むとみられます。アークランズとジョイフル本田の統合(予定)が掲げる「専門店集合型ホームセンター構想」では、構想に賛同する各社との連携を広げるとしており、統合後にさらに参加企業が増える可能性もあります。

非上場で売上首位とされるカインズ(ベイシアグループ)や、全国に店舗網を持つDCM、関西地盤のコーナン商事、新潟地盤のコメリなど、上位各社がそれぞれ規模と専門性をどう確保するかが焦点です。単独での効率化を進める企業もあれば、統合・連携を選ぶ企業もあり、戦略は分かれます。

人口減少と異業種競合という構造的な逆風のなかで、規模・専門性・地盤の三つをどう組み合わせるかが、再編の方向を決めます。プロ需要やプライベートブランドといった付加価値の領域とあわせて、各社の再編戦略が業界の勢力図を形づくっていきます。

中期見通し

近未来1-2年

アークランズとジョイフル本田の経営統合の手続きが進む見通しです。最終契約や株主総会を経て、2027年2月25日の上場廃止・3月1日の共同持株会社設立(いずれも予定)に向けた準備が進みます。他社も、プライベートブランドや物流の効率化、プロ需要の強化など、単独での競争力向上を図ります。

中期3-5年

中期では、アークランズとジョイフル本田の統合後の事業融合の進み具合と、「専門店集合型ホームセンター構想」に賛同する企業が広がるかが焦点となります。上位グループの再編が進めば、調達・物流・プライベートブランドでの規模競争が一段と強まる可能性があります。

長期

長期では、人口減少とオーバーストアが続くなかで、規模・専門性・地盤を確保できる企業に集約が進む可能性があります。一方で、地域に密着した中堅チェーンが独自路線で生き残る余地もあり、再編と棲み分けが並行して進む見通しです。

よくある質問

ホームセンター業界で再編が進むのはなぜですか?
市場規模が約3.4兆円で頭打ちとなり、店舗数が5,000店を超えてオーバーストアの状態にあるためです。新規出店による拡大が難しくなり、規模を高めるには統合・買収が現実的な選択肢となります。原価高による効率化の必要や、異業種との競合も再編の背景です。
アークランズとジョイフル本田はいつ経営統合しますか?
両社は2026年4月14日に経営統合で基本合意し、2027年に共同持株会社を設立する予定です。共同株式移転の方法で持株会社を設立し、両社は2027年2月25日に上場を廃止、共同持株会社が2027年3月1日に設立・東京証券取引所にテクニカル上場する予定です。いずれも現時点での予定で、手続きの進行により変更の可能性があります。
「専門店集合型ホームセンター構想」とは何ですか?
アークランズとジョイフル本田の経営統合(予定)で新会社が掲げるビジョンです。DIY・建材・園芸・プロ向けなど専門性の高い業態や店舗を一つのグループに集め、幅広い専門領域をカバーしようとする考え方で、構想に賛同する各社との連携も広げるとしています。
DCMやカインズはどのような再編をしましたか?
DCMは2022年にケーヨーを完全子会社化し、関東の店舗網(ケーヨーデイツー)を強化しました。カインズは2022年に東急ハンズを完全子会社化し、都市部・専門店事業へ展開を広げています。コーナン商事もホームセンターみつわを子会社化しました。1社が他社を子会社化する形が中心でした。
統合でホームセンター業界の勢力図はどう変わりますか?
アークランズとジョイフル本田のホームセンター事業を合わせると、上位グループの一角を占める規模になる見通しです。これまでの子会社化と異なり、上位企業同士が対等に近い形で一つのグループになる点が特徴です。ただし統合は予定の段階で、勢力図への影響は手続きの進行と統合後の事業融合次第です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    アークランズ/ジョイフル本田「経営統合に関する基本合意」補足資料(2026年4月14日)
  2. 2.
    各社IR(DCM・カインズ・コーナン商事)
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