ホームセンター業界の市場規模・主要企業・動向
日本のホームセンター業界は市場規模約3.4兆円・店舗数5,000店超で成熟し、カインズ・DCM・コーナンなど上位各社が地域の地盤で競う、DIY・園芸・プロ需要が支える小売市場です
ホームセンター業界とは、DIY用品・建材・園芸用品・農業資材・家庭日用品・ペット用品などを、郊外型の大型店で幅広く扱う小売業態を指します。市場規模は2025年に約3兆3,917億円 (経済産業省の商業動態統計、前年比▲0.2%) で、コロナ下の2020年に3兆4,964億円まで伸びた後は頭打ちとなっています。店舗数は5,000店を超え (日本DIY・ホームセンター協会、2024年度末で5,020店)、出店の余地が乏しいオーバーストアの段階にあります。カインズ (非上場・売上首位)、DCM、コーナン商事、コメリ、アークランズなどが売上3,800〜5,400億円の規模で競い、地域の地盤で棲み分けています。アークランズとジョイフル本田は2027年の経営統合で合意しました。本ページでは、市場規模、主要企業、商品構成、プロ需要、業界再編の5つの軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
ホームセンター業界とは、DIY用品・建材・園芸・家庭日用品・ペット用品などを郊外型の大型店で幅広く扱う小売業態です。市場規模は約3.4兆円で成熟し、店舗数が5,000店を超えるオーバーストアのもとで、上位各社が地域の地盤やプロ需要、商品開発で競う段階に入っています。
- 市場が成熟するなかで店舗数が増えるオーバーストア市場です。商品販売額は約3兆3,917億円 (2025年) でコロナ後は頭打ちとなる一方、店舗数は5,000店を超えています。
- カインズ・DCM・コーナン商事・コメリ・アークランズが上位で拮抗しています。各社は全国・関西・新潟・九州・関東と地域に地盤を持ち、売上3,800〜5,400億円の規模で競っています。
- プロ需要と商品開発が差別化の軸です。職人・農家・工務店向けの事業者需要や、プライベートブランド・園芸・農業資材の強化で、各社が他業態との違いを打ち出しています。
市場動向
商品販売額は2014年の約3兆3,452億円から、コロナ下の2020年に3兆4,964億円 (年度ベースでは2020年度3兆5,211億円) まで伸びた後、2025年に3兆3,917億円 (前年比▲0.2%) と頭打ちになっています。店舗数は増え続け、日本DIY・ホームセンター協会の推計で2024年度末に5,020店となりました。
- 商品販売額は2025年に約3兆3,917億円 (前年比▲0.2%) です。コロナ下の巣ごもり需要でDIY・園芸が伸びた反動で、近年はほぼ横ばいとなっています。
- 店舗数は2024年度末に5,020店と5,000店を超えました (協会の推計)。市場が伸び悩むなかで店舗数が増えるオーバーストアの状態にあります。
- 商品はDIY用品 (22.6%)・家庭用品 (21.8%)・園芸 (15.5%) が柱で、この3区分で約6割を占めます。ペット用品・カー用品・インテリアまで幅広く扱います (2025年)。
競争環境
日本のホームセンター業界では、非上場のカインズが売上首位で、DCM・コーナン商事・コメリ・アークランズが3,800〜5,400億円の帯で続きます。各社は全国・関西・新潟・九州・関東と地域に地盤を持ち、原価高のなかでプロ需要・プライベートブランド・専門特化や経営統合によって競争力を高めています。
- カインズが売上首位、DCM・コーナン商事が続きます。カインズは非上場で、ホームセンター事業の売上で業界首位とされます。DCMは全国に複数のブランドを持つ持株会社で営業収益は最大規模、コーナン商事は関西を地盤としています。
- 地域に地盤を持つチェーンが棲み分けています。コメリは新潟を地盤に農業・園芸・金物で、ナフコは九州で、ジョイフル本田は関東の大型店で展開しています。
- 原価高で利益は分かれました。DCM・コーナン商事が営業減益となる一方、コメリは増益を確保しています。プロ需要や専門特化が業績の差につながっています。
市場規模推移
2014-2025 · ホームセンター商品販売額 / 店舗数ホームセンター商品販売額の推移 (2014-2025年、兆円)
ホームセンター店舗数の推移 (2014-2025年、店)
経済産業省の商業動態統計によると、ホームセンターの商品販売額は2014年の約3兆3,452億円から2020年に3兆4,964億円まで伸びました。コロナ下で巣ごもり需要がDIYや園芸を押し上げたためで、年度ベースでは2020年度の3兆5,211億円が直近のピークです。その後は反動で2025年に3兆3,917億円 (前年比▲0.2%) と、ほぼ横ばいで頭打ちとなっています。
店舗数は増え続けており、日本DIY・ホームセンター協会の推計では2024年度末に5,020店と5,000店を超えました。一方、商業動態統計が調査する事業所ベースの店舗数は4,563店で、対象とする店舗の範囲が異なるため水準に差があります。市場規模が伸び悩むなかで店舗数が増えるオーバーストアの状態となり、出店から既存店の収益力強化へと軸足が移っています。
売上の首位は非上場のカインズ (約4,800億円規模) で、DCM (営業収益5,423億円)、コーナン商事 (5,198億円)、コメリ (3,854億円)、アークランズ (連結3,411億円) が続きます。各社は全国・関西・新潟・九州・関東と地域に地盤を持ち、原価高のなかで利益は分かれています。DCM・コーナン商事が営業減益となる一方、コメリは農業・園芸や金物に強く増益を確保しました。
商品構成では、経済産業省の商品別の販売額でDIY用品・素材が2025年に7,679億円 (構成比22.6%) と最大で、家庭用品・日用品7,396億円 (21.8%)、園芸・エクステリア5,245億円 (15.5%) が続きます。この上位3区分で約6割を占め、ペット用品・カー用品・インテリアまで幅広く扱うのがホームセンターの特徴です。
ホームセンターは一般の消費者だけでなく、職人・工務店・農家などの事業者向け (プロ) 需要を取り込んでいます。コーナン商事はプロ向けの専門業態「コーナンPRO」を展開し、コメリは農業資材や金物で農家の需要を、アークランズはスーパービバホームの建材で工事需要を取り込んでいます。プロ需要は来店頻度と購入単価が高く、各社の成長の柱となっています。
業界再編も進んでいます。アークランズとジョイフル本田は2026年4月に経営統合で基本合意し、2027年3月に共同持株会社を設立する予定です (両社は2027年2月25日に上場廃止の予定)。DCMは2022年にケーヨーを、カインズは2022年に東急ハンズを完全子会社化しており、オーバーストアのなかで規模の確保と専門性の強化が再編の背景となっています。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要ホームセンター業界は、DIY用品・建材・園芸・農業資材・家庭日用品・ペット用品などを郊外型の大型店で幅広く扱う小売業態です。非上場のカインズが売上で首位とされ、全国に複数のブランドを持つDCM、関西を地盤とするコーナン商事、新潟を地盤とするコメリが上位で拮抗しています。
市場規模は約3.4兆円で成熟し、店舗数は5,000店を超えています。出店の余地が乏しいオーバーストアのもとで、各社は新規出店よりも、プロ需要 (事業者向け) の取り込みや、プライベートブランド・園芸・農業資材といった専門領域の強化に軸足を移しています。
売上首位のカインズはベイシアグループの中核で、プライベートブランドと体験型の大型店に強みを持ちます。DCMはホーマック・カーマ・ダイキなどを全国に展開し、コーナン商事は関西を地盤にプロ向けの「コーナンPRO」を、コメリは新潟を地盤に農業・園芸・金物を強みとしています。
これに、新潟発で外食も手がけるアークランズ (ムサシ・スーパービバホーム)、関東の大型店を持つジョイフル本田、九州を地盤に家具も扱うナフコが続きます。各社は地域の地盤で棲み分けながら、原価高のなかで利益面では差がつきました。
ホームセンター業界では再編が進んでいます。アークランズとジョイフル本田は2026年4月に経営統合で基本合意し、2027年3月に共同持株会社を設立する予定です (両社は2027年2月25日に上場廃止の予定)。DCMは2022年にケーヨーを、カインズは2022年に東急ハンズを完全子会社化しています。
背景には、市場が成熟しオーバーストアが進むなかで、規模を確保し、品ぞろえ・物流・専門性を補完する狙いがあります。人口減少や、ドラッグストア・EC・100円ショップなど異業種との競合も、各社が再編や専門特化を進める要因となっています。
業界の3大論点
成熟・オーバーストアの市場で、ホームセンターはどこに成長を求めているのか?
ホームセンターの商品販売額は2025年に約3兆3,917億円で、コロナ下の2020年度の3兆5,211億円をピークに頭打ちとなっています。それでも店舗数は2024年度末に5,020店と5,000店を超え、オーバーストアの状態にあります。市場が伸び悩むなかで、各社は出店による量的な成長から、付加価値の高い領域への深掘りへと軸足を移しています。
第1の柱はプロ需要 (事業者向け) です。職人・工務店・農家などの事業者は来店頻度と購入単価が高く、コーナン商事の「コーナンPRO」やアークランズのスーパービバホーム、コメリの農業資材などが取り込みを進めています。第2の柱はプライベートブランドと商品開発で、原価高のなかで利益率を支える役割を担っています。第3の柱は園芸・農業・ペットなどの専門領域で、DIY用品・家庭用品とあわせて幅広い品ぞろえが集客の基盤となっています。出店から1店舗あたりの収益力と専門性の強化へと、競争の軸が移っています。
なぜ上位各社の業績は分かれたのか?
2026年の決算では、上位各社の業績がはっきりと分かれました。新潟を地盤とするコメリは営業収益3,854億円 (前年比+1.6%)・営業利益231億円 (+2.9%) と増益で、自己資本比率も65.2%と高い水準を保っています。農業・園芸・金物に強く、プロや防災の需要を取り込んだことが寄与しました。
一方、全国に複数のブランドを持つDCMは営業収益5,423億円ながら営業利益が310億円 (▲6.7%) と減益、関西地盤のコーナン商事も営業利益が224億円 (▲10.4%) と減益となりました。物価上昇による消費の手控えや、物流コストの増加が利益を圧迫したためです。同じ市場環境でも、地域への密着度や農業・プロといった専門領域の強さ、コスト構造の違いが、増益と減益を分ける結果となっています。規模の大きさが必ずしも収益力に直結しない点が、成熟市場の特徴を表しています。
アークランズとジョイフル本田の経営統合は、業界に何をもたらすのか?
ホームセンター業界では2026年4月、アークランズとジョイフル本田が経営統合で基本合意しました。共同で持株会社を設立して両社がその傘下に入る形で、両社は2027年2月25日に上場を廃止し、持株会社が2027年3月1日に上場する予定です。新潟を地盤とするアークランズ (ムサシ・スーパービバホーム) と、関東の大型店を持つジョイフル本田が一つのグループとなります。
この統合は、オーバーストアのなかで規模を確保し、それぞれの強みを持ち寄る狙いがあります。ホームセンター業界では、DCMが2022年にケーヨーを、カインズが2022年に東急ハンズを完全子会社化するなど、再編の動きが続いてきました。市場が成熟するなかで、各社は単独での拡大から、統合による品ぞろえ・物流・専門性の補完へと戦略を広げています。今回の統合は、上位グループの顔ぶれと競争環境を変える可能性があり、業界全体の再編の流れを象徴する動きとして注目されます。
よくある質問 (FAQ)
ホームセンター業界の市場規模はどれくらいですか?
ホームセンターの店舗数は全国で何店ありますか?
ホームセンターの売上高ランキングで1位はどこですか?
ホームセンターで一番売れている商品は何ですか?
ホームセンターのプロ向け (事業者向け) とは何ですか?
アークランズとジョイフル本田はなぜ経営統合するのですか?
ホームセンター市場はなぜ頭打ちなのですか?
カインズ・DCM・コーナン商事の違いは何ですか?
関連業界
小売・EC 業界の他のカテゴリ
18 業界参考資料 / 一次ソース
- 1.
- 2.
- 3.
- 4.
- 5.
- 6.