調剤医療費はなぜ薬価改定の年度に減り、それでも長期では伸びるのか?
調剤医療費(電算処理分)は2012年度から2024年度までに約1.8兆円増えましたが、年度ごとの動きは鋸の歯のような形です。薬価改定のあった2016年度(▲4.9%)、2018年度(▲3.1%)、2020年度(▲2.6%)はいずれも前年度を下回りました。薬剤料は薬価×数量で決まるため、薬価が引き下げられた年度は同じ処方でも金額が減るからです。
それでも長期で伸びるのは、処方箋枚数が2012年度の7億8,986万枚から2024年度の8億9,859万枚へ増え続けているためです。高齢化で通院と処方の機会が増え、薬価の引き下げ分を枚数の増加が埋めてきました。2022年度(+1.7%)と2024年度(+1.6%)は改定の年度でも増加しており、枚数の伸びが薬価の引き下げを上回る局面に入っています。
今後もこの綱引きが続きます。2021年度から中間年にも薬価改定が行われるようになり、単価を抑える力は強まりました。一方で高齢者人口の増加は枚数を押し上げます。市場の伸び率は年1から2%程度の緩やかな水準にとどまる、というのが2024年度までの推移から読める見通しです。