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薬局数と医薬分業率|施設の推移と処方箋受取率の地域差【2026年版】

日本の薬局は2024年度末に63,203施設で、2019年度末から5年間で3,032施設増えました。医師の処方箋を薬局で受け取る割合を示す処方箋受取率(医薬分業率)は2025年度に82.2%に達し、2023年度に80%を超えて以降は伸びが小さくなっています。薬局で働く薬剤師は2024年末に19万7,437人で、12年間で約4.4万人増えました。薬局数は都市部で増え、18県では減っています。

薬局数(2024年度末)
63,203施設
5年間で+3,032施設。ドラッグストア併設の薬局を含む
出典: 厚生労働省 衛生行政報告例
処方箋受取率(2025年度)
82.2%
医薬分業率。2023年度に80%を超え、直近は+0.1ポイント
出典: 日本薬剤師会 医薬分業進捗状況
薬局の薬剤師数(2024年末)
197,437人
12年間で+44,425人。病院・診療所の薬剤師は63,290人
出典: 厚生労働省 医師・歯科医師・薬剤師統計
処方箋枚数(2025年度)
8億5,730万枚
日本薬剤師会推計(3月〜翌2月)。前年度比▲0.8%
出典: 日本薬剤師会 医薬分業進捗状況

薬局数の推移(2019-2024年度末、施設)

各年度末(3月31日)時点。2024年度末は63,203施設で、5年連続の増加
単位: 施設
020,00040,00060,00080,00060,1711960,9512061,7912162,3752262,8282363,20324
出典: 厚生労働省 衛生行政報告例(年度報)薬事関係(2019-2024年度末)
年度201920202021202220232024
薬局数(施設)60,17160,95161,79162,37562,82863,203
前年比—+1.3%+1.4%+0.9%+0.7%+0.6%
読み解き

薬局数は2019年度末の60,171施設から毎年増え、2024年度末に63,203施設となりました。年ごとの増加幅は375施設から840施設の間で、直近の2024年度が最も小さく、増加率は年1%前後に落ち着いています。ここでいう薬局は、医薬品医療機器等法に基づいて都道府県の許可を受けた薬局で、病院や診療所の中の調剤所は含みません。ドラッグストアが店内に設けた調剤薬局は1施設として数えられるため、近年の増加にはドラッグストアの調剤併設が含まれています。

規模感の目安として、日本フランチャイズチェーン協会が集計するコンビニエンスストアは2025年末に56,054店で、薬局はそれより約7,149施設多い水準です。集計の対象が異なるため単純な比較はできませんが、薬局が日常の生活圏に広く行き渡っていることが分かります。

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処方箋受取率(医薬分業率)の推移(2020-2025年度、%)

日本薬剤師会の推計(各年度3月〜翌2月の調剤分)。2023年度に80%を超え、2025年度は82.2%
単位: %
0.025.050.075.0100.075.72075.32176.42280.32382.12482.225
出典: 日本薬剤師会 医薬分業進捗状況(処方箋受取率の推計、2020-2025年度)
年度202020212022202320242025
処方箋受取率(%)75.7075.3076.4080.3082.1082.20
読み解き

処方箋受取率は、医療機関で発行された処方箋のうち薬局で受け付けられた割合を推計したもので、医薬分業率とも呼ばれます。日本薬剤師会は、薬局が受け付けた処方箋の枚数を、医療機関の外来で薬が処方されたと見込まれる延べ日数(投薬対象数。外来の受診日数に薬が処方される割合を掛けて推計)で割って算出しています。2020年度の75.7%から2022年度の76.4%までは1ポイント前後の動きでしたが、2023年度に80.3%へ約4ポイント上がり、初めて80%を超えました。

その後は2024年度82.1%、2025年度82.2%と、伸びは+0.1ポイントにとどまります。処方箋枚数は2025年度に8億5,730万枚で前年度より▲0.8%と、わずかに減りました。院外処方への移行によって薬局の処方箋が増える局面は終わりに近づき、今後の枚数は高齢化による受診の増減で決まる段階に入っています。

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薬局に従事する薬剤師数の推移(2012-2024年、人)

2年ごとの調査(各年12月31日時点)。2024年は19万7,437人
単位: 人
050,000100,000150,000200,000153,01212161,19814172,14216180,41518188,98220190,73522197,43724
出典: 厚生労働省 医師・歯科医師・薬剤師統計(2012-2024年、隔年)
年2012201420162018202020222024
薬局の薬剤師数(人)153,012161,198172,142180,415188,982190,735197,437
読み解き

薬局に従事する薬剤師は、2012年末の15万3,012人から2024年末の19万7,437人へ、12年間で4万4,425人(+29.0%)増えました。同じ期間に病院や診療所に従事する薬剤師は52,704人から63,290人へ増えており、薬剤師の働き先としては薬局が最も大きく、かつ伸びも大きい領域です。2020年から2022年の増加は1,753人と小さかった一方、2024年は再び6,702人増えています。

薬局数の増加(2019年度末から2024年度末で+5.0%)より薬剤師の増加ペースが速いため、1薬局当たりの薬剤師は2024年時点で約3.1人です。薬局薬剤師のうち女性は12万7,929人(64.8%)で、男性の6万9,508人を大きく上回ります。

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都道府県別の薬局数と人口10万人当たり(2024年度末、上位5・下位3・人口10万人当たりの最高と最低)

令和6年度末 (2025-03-31)時点。前年度比は各都道府県の前年度末との差、人口10万人当たりの薬局数(人口10万対)は厚生労働省の公表値
東京
薬局数 上位1位
薬局数(施設)
7,215
前年度比(施設)
+98
人口10万人当たり(施設)
50.9
大阪
薬局数 上位2位
薬局数(施設)
4,664
前年度比(施設)
+53
人口10万人当たり(施設)
53.3
神奈川
薬局数 上位3位
薬局数(施設)
4,267
前年度比(施設)
+68
人口10万人当たり(施設)
46.3
愛知
薬局数 上位4位
薬局数(施設)
3,703
前年度比(施設)
+33
人口10万人当たり(施設)
49.6
埼玉
薬局数 上位5位
薬局数(施設)
3,238
前年度比(施設)
+36
人口10万人当たり(施設)
44.2
島根
薬局数 下位3位
薬局数(施設)
344
前年度比(施設)
+4
人口10万人当たり(施設)
53.6
福井
薬局数 下位2位
薬局数(施設)
335
前年度比(施設)
+4
人口10万人当たり(施設)
45.3
鳥取
薬局数 下位1位
薬局数(施設)
270
前年度比(施設)
▲6
人口10万人当たり(施設)
50.8
佐賀
人口10万人当たり 最高
薬局数(施設)
513
前年度比(施設)
+0
人口10万人当たり(施設)
65.1
沖縄
人口10万人当たり 最低
薬局数(施設)
577
前年度比(施設)
▲1
人口10万人当たり(施設)
39.4
読み解き

薬局数が最も多いのは東京の7,215施設で、全国の11.4%を占めます。大阪、神奈川、愛知、埼玉が続き、上位は人口の多い都府県です。最も少ないのは鳥取の270施設で、総数は人口規模に沿った分布です。直近1年の増減をみると、東京+98、神奈川+68、大阪+53と都市部で増える一方、鹿児島(▲23)や広島(▲11)など18県で減少しました(減少幅の大きい順に鹿児島、広島、青森、北海道、秋田、兵庫、鳥取、宮崎、奈良、和歌山、山形、新潟、長崎、静岡、香川、高知、大分、沖縄)。全国では増えていても、地方では減り始めている県があります。

人口10万人当たりの薬局数は、最も多い佐賀の65.1施設から最も少ない沖縄の39.4施設まで開きがあります。高知(61.0)、山口(60.8)など地方の県が上位に入り、千葉や埼玉など首都圏の県は下位です。人口当たりでは大都市圏の方が薬局が少なく、薬局の立地が人口だけでなく医療機関の分布や医薬分業の進み方に左右されていることを示しています。

都道府県別の処方箋受取率(2025年度、上位5・下位5)

日本薬剤師会の推計。47都道府県の値を集計すると90%以上は6道県、75%未満は10府県
秋田
上位1位
受取率(2025年度、%)
94.0
前年度(2024年度、%)
93.6
青森
上位2位
受取率(2025年度、%)
92.6
前年度(2024年度、%)
92.2
新潟
上位3位
受取率(2025年度、%)
92.4
前年度(2024年度、%)
92.4
岩手
上位4位
受取率(2025年度、%)
91.9
前年度(2024年度、%)
91.3
宮城
上位5位
受取率(2025年度、%)
91.4
前年度(2024年度、%)
90.7
京都
下位5位
受取率(2025年度、%)
71.7
前年度(2024年度、%)
70.6
愛媛
下位4位
受取率(2025年度、%)
71.6
前年度(2024年度、%)
70.6
徳島
下位3位
受取率(2025年度、%)
71.2
前年度(2024年度、%)
70.2
福井
下位2位
受取率(2025年度、%)
67.1
前年度(2024年度、%)
65.2
和歌山
下位1位
受取率(2025年度、%)
66.6
前年度(2024年度、%)
66.0
読み解き

処方箋受取率が最も高いのは秋田の94.0%で、青森、新潟、岩手、宮城と東北・北陸信越の県が上位に並び、6道県が90%を超えています。最も低いのは和歌山の66.6%で、福井、徳島、愛媛、京都が続きます。最高と最低の差は27.4ポイントです。

全国が82%に達した今も、受取率が低い府県では、医療機関の中で薬を渡す院内処方(薬局で受け取る院外処方の対義語)が相当な割合で残っています。どの医療機関が院内処方を続けているかは、この推計からは分かりません。受取率が低い地域は薬局にとって処方箋が増える余地が残る地域であり、高い地域は院外処方への移行が完了して枚数の伸びが高齢化に依存する地域です。前年度からの変化は多くの県で1ポイント以内で、地域差の構図は固定的です。

主要論点

薬局はなぜ増え続けるのか、コンビニより多いのは飽和のしるしか?

薬局は2019年度末から2024年度末までの5年間で3,032施設増え、63,203施設になりました。コンビニエンスストアの56,054店(2025年末、日本フランチャイズチェーン協会の会員社)を上回る数で、それでも増加が続いています。

増え続ける背景には、薬局の商売の仕組みがあります。調剤の報酬は国が点数で決めるため薬局間の価格競争はなく、処方箋が発行される場所の近くに出店できれば収入を見込めます。診療所の隣や医療モールへの出店が続き、ドラッグストアも店内に調剤薬局を設けて処方箋を取り込んでいます。開設には都道府県の許可が必要ですが、参入そのものを制限する仕組みではありません。

ただし増加は都市部に偏っています。直近1年で東京は+98、神奈川は+68と増えた一方、18県では減少し、人口10万当たりでは佐賀の65.1施設に対して沖縄は39.4施設です。全国の総数は増えても、地方では減り始めた県があり、薬局の数を全国一律に「飽和」と言うことはできません。地方で薬局が減る背景は、経営主体の規模や後継者の状況とあわせて業界構造のページで扱います。

医薬分業率82%は到達点なのか?

処方箋受取率は2020年度の75.7%から2025年度の82.2%へ上がりました。2023年度に約4ポイント上がって80%を超えた後は、2024年度が82.1%、2025年度が82.2%で、伸びはほぼ止まっています。日本薬剤師会の推計する処方箋枚数も2025年度は8億5,730万枚と前年度をわずかに下回りました。

1990年代から進んだ医薬分業は、医療機関で診察を受け、薬は外の薬局で受け取るという形を広げてきました。受取率が8割を超えたことは、その量的な拡大がほぼ終わったことを意味します。残る2割弱には、和歌山(66.6%)や福井(67.1%)のように院内処方が残る地域と、病院の中で薬を渡す入院外の処方が含まれます。

分業率が頭打ちになると、薬局に来る処方箋の枚数は高齢化による受診の増減で決まります。市場規模のページで扱うように、調剤医療費の伸びは枚数の増加が支えており、その枚数の源泉が「分業の進展」から「高齢化」に移った点が、この数字の含意です。制度の側も、薬局を増やす段階から、かかりつけ機能や地域連携といった薬局の質を評価する段階に移っています。

薬剤師は足りているのか?

薬局に従事する薬剤師は2012年末の15万3,012人から2024年末の19万7,437人へ、12年間で+29.0%増えました。同じ期間の薬局数の増加より速いペースで、1薬局当たりの薬剤師は約3.1人です。数の上では、薬局の増加を上回る薬剤師が薬局に流れ込んでいます。

一方で、薬剤師の仕事は変わりつつあります。厚生労働省の改定概要によると、2026年度(令和8年度)の報酬改定では、患者ごとに担当薬剤師が継続して関わるかかりつけ薬剤師の評価が包括的な指導料から電話でのフォローや残薬の調整といった実績に基づく形へ転換し、在宅医療への対応も要件が強まります。薬を揃えて渡す業務から、患者ごとに継続して関わる対人業務へ比重が移るほど、1人の薬剤師が扱える処方箋の枚数には限りが出ます。薬剤師の総数が増えても、求められる業務の量と質が同時に増えているのが現状です。

薬剤師が足りているかどうかは、地域と薬局の形態で答えが分かれます。この統計は全国の従事者数を示すもので、地域別の需給や充足率は分かりません。女性が64.8%を占める職種であることから、働き方の柔軟さも薬局が薬剤師を確保できるかを左右します。

中期見通し

近未来1-2年

薬局数は都市部の出店とドラッグストアの調剤併設で緩やかな増加が続く一方、減少する県は増える見通しです。処方箋受取率は82%前後で横ばいとなり、処方箋枚数の増減は高齢化による受診の動向で決まります。2026年度(令和8年度)の報酬改定(厚生労働省の改定概要)で、処方箋1枚ごとの基本点数である調剤基本料が見直され、処方箋が特定の医療機関に集中する薬局の評価が下がるため、新規出店の立地選びに影響します。

中期3-5年

薬局数の増加は鈍り、地方を中心に淘汰と再編が進みます。薬剤師の確保は都市部と地方で差が広がり、1薬局当たりの薬剤師数が地域によって分かれる見通しです。かかりつけ機能や在宅対応が報酬で評価されるため、薬局の数よりも機能の分布が問われるようになります。

長期5-10年

高齢者人口の増加が2040年ごろに頭打ちとなると、処方箋枚数の増加も止まります。薬局数は人口減少地域から減り、地域の医療機関との連携や在宅医療を担う薬局が残る構図です。薬剤師の役割は調剤から患者の服薬管理へ広がり、薬局の数と薬剤師の数の関係も、施設当たりの人数より機能当たりの配置で語られるようになります。

よくある質問

日本に薬局は何軒ありますか?
厚生労働省の衛生行政報告例によると、2024年度末(2025年3月31日時点)の薬局は63,203施設です。2019年度末の60,171施設から5年間で3,032施設増えました。ドラッグストアに併設された調剤薬局も1施設として含まれ、病院や診療所の中の調剤所は含みません。
薬局はコンビニより多いのですか?
多いです。薬局は2024年度末に63,203施設で、日本フランチャイズチェーン協会の会員社のコンビニエンスストア56,054店(2025年末)より約7,149施設多い水準です。ただし集計の対象が異なる(薬局は許可を受けた全施設、コンビニは協会の会員社の店舗)ため、規模感の目安として見てください。
医薬分業率(処方箋受取率)は何%ですか?
日本薬剤師会の推計で、2025年度の処方箋受取率は82.2%です。2023年度に初めて80%を超え、その後の伸びは小さくなっています。都道府県別では秋田の94.0%が最も高く、和歌山の66.6%が最も低くなっています。
処方箋枚数がページによって違うのはなぜですか?
このページの処方箋枚数(2025年度8億5,730万枚)は日本薬剤師会の推計で、各年度3月から翌年2月の調剤分を集計したものです。市場規模のページで使う厚生労働省の調剤医療費の統計は4月から翌年3月の年度集計で、対象も異なるため枚数が一致しません。受取率の分子にあたるのは日本薬剤師会の系列なので、このページではそちらに統一しています。
薬局で働く薬剤師は何人いますか?
厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によると、2024年末に薬局に従事する薬剤師は19万7,437人です。2012年の15万3,012人から12年間で+29.0%増えました。病院や診療所に従事する薬剤師は63,290人で、薬剤師の働き先としては薬局が最も大きな領域です。この統計は2年ごとの調査で、各年12月31日時点の届出に基づきます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    厚生労働省 衛生行政報告例(年度報)薬事関係
  2. 2.
    日本薬剤師会 医薬分業進捗状況
  3. 3.
    厚生労働省 医師・歯科医師・薬剤師統計
  4. 4.
    日本フランチャイズチェーン協会 コンビニエンスストア統計調査
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