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食品スーパーの惣菜・生鮮・PB|カテゴリ別前年比と中食シフト【2026年版】

食品スーパーの売上は、商品カテゴリーによって伸びに差があります。2025年の既存店前年比(前年から営業している店舗ベースの前年比、前年=100)は、一般食品が105.1、惣菜が103.5と高い一方、非食品は98.7と唯一前年を下回りました。中でも惣菜は、店内で調理して売る中食(持ち帰り総菜)の主力で、食品スーパーは中食市場の販路として30.3%(2025年)とコンビニに次ぐ2位を占めます。生鮮・惣菜の店内調理は差別化と高い粗利の源泉であり、プライベートブランド(PB)も食品を中心に強化が進みます。カテゴリ別の伸び、中食での位置、PBの現状を整理します。

惣菜の既存店前年比(2025年)
103.5
前年=100。猛暑・米飯商品の堅調で伸長。中食の主力カテゴリー
出典: スーパーマーケット販売統計調査2025(3協会、月次パネル)
一般食品の既存店前年比(2025年)
105.1
前年=100。米の価格高騰が押し上げ、全カテゴリーで最も高い。非食品は98.7と唯一前年割れ
出典: スーパーマーケット販売統計調査2025(3協会、月次パネル)
中食での食品スーパー(2025年)
30.3%
中食市場11兆7,075億円のうち3兆5,522億円。コンビニ(30.8%)に次ぐ2位、シェアは上昇基調
出典: 日本惣菜協会「2026年版 惣菜白書」(中食市場・チャネル別、2025年)
PB商品の取扱企業(2025年)
78.6%
業界推計値。総売上に占めるPB比率は平均9.9%。規模が大きいほど取扱率が高い
出典: スーパーマーケット年次統計調査2025(3協会)アンケート調査

カテゴリ別の既存店前年比(2025年、前年=100)

食品(一般食品・惣菜)が伸び、非食品は唯一前年を下回る。食品スーパーの中の中食シフトが表れる
読み解き

2025年の既存店前年比(前年=100)をカテゴリー別に見ると、最も高いのは一般食品の105.1で、米の価格高騰が押し上げました。次いで惣菜103.5(猛暑・米飯商品の堅調)、日配102.8と続きます。生鮮3部門(青果・水産・畜産)は合計で101.7で、青果102.4・畜産102.0に対し水産は100.1と伸び悩みました。一方、非食品は98.7と全カテゴリーで唯一前年を下回りました

食品が伸びて非食品が縮む構図は、食品スーパーが日々の食卓を支える業態であることを映しています。とりわけ惣菜や米飯など、すぐ食べられる食品(中食)への支出が増えており、店内調理の惣菜・生鮮が売上の伸びをけん引しています。

中食市場のチャネル別構成比(2025年、%)

中食市場11兆7,075億円の販路別シェア。食品スーパーはコンビニに次ぐ2位
読み解き

日本惣菜協会の推計では、中食(持ち帰って食べる総菜・弁当)の市場規模は2025年に11兆7,075億円(前年比+3.7%)でした。販路別のシェアは、コンビニが30.8%で最も高く、食品スーパーが30.3%(3兆5,522億円、前年比+4.9%)でこれに次ぐ2位です。惣菜専門店27.4%、総合スーパー8.6%、百貨店2.9%が続きます。

食品スーパーの中食シェアは2019年の26.6%から30.3%へと上昇を続けています。生鮮素材を店内で惣菜・弁当に加工できることが強みで、共働き世帯の増加や調理の簡便化を背景に、惣菜・生鮮の店内調理が食品スーパーの差別化と集客の柱になっています。

このグラフに関連するトピック

PB商品の取扱率(売上規模別、2025年、%)

規模が大きいほどPB商品の取扱率が高い(回答企業ベース)。大手ほどPBを品ぞろえに組み込んでいる
読み解き

プライベートブランド(PB)は、小売業が独自に企画する自社ブランド商品です。年次統計(回答企業ベース)では、PB商品を取り扱う企業は業界推計で78.6%にのぼります。店舗数の規模別(回答企業ベース、全体では81.6%)に見ると、1〜3店舗の企業では56.9%にとどまる一方、51店舗以上では97.0%とほぼ全社が取り扱っており、規模が大きいほどPBを品ぞろえに組み込んでいます。

総売上高に占めるPB比率は平均9.9%で、前回調査からやや上昇しました。PB商品の売上構成は、食品(ドライグロサリー)が46.9%、生鮮・日配が41.8%と食品系で約9割を占めます。今後の意向でも「増やしたい」が食品で63.1%、生鮮・日配で62.3%と高く、食品・生鮮を中心にPBを拡大する方向です。PBは、値ごろ感のある定番商品で客単価と利益を両立する手段として位置づけられています。

主要論点

食品スーパーでいま何が伸びていますか?

食品、とりわけ惣菜や一般食品が伸びています。2025年の既存店前年比(前年=100)は、一般食品が105.1、惣菜が103.5と高く、日配102.8が続きます。一般食品は米の価格高騰、惣菜は猛暑や米飯商品の堅調が背景です。

一方で、非食品は98.7と全カテゴリーで唯一前年を下回りました。生鮮3部門(青果・水産・畜産)は合計で101.7で、青果102.4に対し水産は100.1と差があります。

全体として、食品が伸びて非食品が縮む構図です。なかでも、すぐ食べられる惣菜・米飯などの中食への支出が増えており、店内で調理する惣菜・生鮮が売上の伸びをけん引しています。

惣菜・生鮮は食品スーパーの強みになるのですか?

はい、惣菜・生鮮は食品スーパーの差別化と収益の柱です。生鮮素材を店内で惣菜・弁当に加工できることが、コンビニや他業態にない強みになります。中食(持ち帰って食べる総菜・弁当)の市場では、食品スーパーは販路として30.3%(3兆5,522億円、2025年)を占め、コンビニ(30.8%)に次ぐ2位で、シェアは2019年の26.6%から上昇しています。

収益面でも惣菜は重要です。商品カテゴリー別の目標粗利益率は惣菜が38.7%と最も高く、青果・水産・畜産などの生鮮(20〜28%台)や一般食品(20%台)を上回ります。つまり惣菜は、売上が伸びているうえに各社が目標に置く粗利率も高いカテゴリーで、薄利の食品スーパーにとって収益改善の鍵になります(38.7%は実績ではなく各社が設定する目標値です)。生鮮の鮮度や惣菜の品ぞろえという価値を、人手をかけた店内調理で支えている点が、生活インフラ業態としての競争力につながっています。

食品スーパーのPB(プライベートブランド)はどう使われていますか?

PBは、値ごろ感のある定番商品で客単価と利益を両立する手段として使われています。年次統計(回答企業ベース)では、PB商品を取り扱う企業は業界推計で78.6%にのぼり、総売上高に占めるPB比率は平均9.9%です。店舗数の規模が大きいほど取扱率が高く(1〜3店舗56.9%から51店舗以上97.0%へ)、調達ロットを確保しやすい大手ほどPBを品ぞろえに組み込んでいます。

PB商品の売上構成は、食品(ドライグロサリー)46.9%・生鮮・日配41.8%と食品系で約9割を占めます。今後も「増やしたい」が食品63.1%・生鮮・日配62.3%と高く、食品・生鮮を中心に拡大する方向です。課題は、ナショナルブランド(メーカー品)との差別化と品質の訴求で、価格訴求だけでなく独自性のある商品づくりが各社のテーマになっています。

中期見通し

近未来1-2年

物価高のもとで、米飯・惣菜など中食への支出の増加が続くとみられます。惣菜は伸びと高い粗利益率(目標38.7%)を兼ね備えており、店内調理の惣菜・生鮮を強化する動きが各社で進む見通しです。PBも食品・生鮮を中心に拡大が続き、値ごろ感のある商品で客単価と利益を支えます。

中期3-5年

中食市場での食品スーパーの位置づけが一段と高まる見通しです。シェアは2019年の26.6%から30.3%へ上昇しており、生鮮を店内で惣菜に加工できる強みを生かした商品開発が競争軸になります。生鮮・惣菜の鮮度や品ぞろえ、PBの独自性で1店舗あたりの収益力を高める競争が続きます。一方で、店内調理は人手を要するため、後述の省人化との両立が課題です。

長期

人口減少と高齢化、共働き・単身世帯の増加が、食品スーパーの商品構成を左右します。すぐ食べられる中食や少量・簡便商品への需要が高まる一方、生鮮の店内調理を支える人手の確保が課題になります。生鮮・惣菜という強みを保ちながら、PBや効率的な売場運営で収益性を両立できるかが、長期の論点です。

よくある質問

2025年の食品スーパーで最も伸びた商品カテゴリーは何ですか?
既存店前年比(前年=100)で最も高いのは一般食品の105.1で、米の価格高騰が背景です。次いで惣菜103.5(猛暑・米飯商品の堅調)、日配102.8が続きます。一方、非食品は98.7と全カテゴリーで唯一前年を下回りました。
中食市場で食品スーパーはどのくらいのシェアですか?
日本惣菜協会の推計では、中食市場11兆7,075億円(2025年)のうち、食品スーパーは30.3%(3兆5,522億円)でコンビニ(30.8%)に次ぐ2位です。シェアは2019年の26.6%から上昇を続けており、生鮮素材を店内で惣菜・弁当に加工できることが強みです。
なぜ惣菜が食品スーパーで重視されるのですか?
惣菜は、売上が伸びているうえに粗利益率も高いためです。2025年の惣菜の既存店前年比は103.5で、商品カテゴリー別の目標粗利益率も38.7%と最も高くなっています。生鮮素材を店内で惣菜に加工できる点が差別化になり、薄利の食品スーパーにとって収益改善の柱になります。
食品スーパーのPB(プライベートブランド)の比率はどのくらいですか?
年次統計(回答企業ベース)では、総売上高に占めるPB比率は平均9.9%です。PB商品を取り扱う企業は業界推計で78.6%で、店舗数の規模が大きいほど取扱率が高くなります(1〜3店舗56.9%から51店舗以上97.0%へ)。PBの売上は食品・生鮮で約9割を占めます。
生鮮食品(青果・水産・畜産)の売上はどうなっていますか?
2025年の生鮮3部門(青果・水産・畜産)の既存店前年比は合計で101.7でした。内訳は青果102.4・畜産102.0に対し、水産は100.1と伸び悩みました。生鮮は食品スーパーの集客の核で、店内調理の惣菜の素材にもなる重要なカテゴリーです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    スーパーマーケット販売統計調査2025(全国・日本・オール日本スーパーマーケット協会)
  2. 2.
    スーパーマーケット年次統計調査2025(アンケート調査、3協会)
  3. 3.
    日本惣菜協会「2026年版 惣菜白書」(中食市場・チャネル別)
  4. 4.
    スーパーマーケット年次統計調査2025(経営指標レポート、参考)
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