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食品スーパーの主要企業|上場6社の売上・地盤を比較【2026年版】

食品スーパーの主要な上場6社を、売上規模・地盤・事業構成で比較します。単一ブランドの専業ではライフコーポレーションが営業収益8,813億円で売上最大手です。複数チェーンを束ねるU.S.M.Hは営業収益9,637億円と最大規模ながら不採算店の閉店で最終赤字となりました。バローホールディングスは連結9,241億円の多角化グループで、食品スーパー事業に絞ると5,407億円です。全国を寡占する企業はなく、地盤を分けた地域分散型の競争を、上場6社の業績と地盤から整理します。

上場6社の業績と地盤

上場6社の食品スーパー事業の業績(直近本決算)と地盤。金額は営業収益(アークスのみ売上高、バローは食品スーパー事業セグメント=連結9,241億は多角化グループ全体)。バローの純利益はセグメント非開示のため「—」

数値は各社の直近本決算(2026年2月期/3月期)です。原則として連結の営業収益ですが、アークスは売上高、バローは食品スーパー事業のセグメント営業収益(5,407億円)を用い、食品スーパーどうしを比べられるようにそろえています。単一ブランドの専業ではライフが8,813億円で売上最大手、複数チェーンを束ねるU.S.M.Hは9,637億円と最大規模ですが純利益は赤字です。バローは連結9,241億円の多角化グループですが、食品スーパー事業に絞ると5,407億円で、専業のライフを下回ります。

ライフコーポレーション — 専業で売上最大手

ライフコーポレーションは、単一ブランドの食品スーパー専業として売上が最も大きい企業です。近畿圏と首都圏を地盤に約300店を展開し、2026年2月期の営業収益は8,813億円(前年比+3.6%)、純利益は188億円で、いずれも過去最高となりました。

成長を支えるのは、既存店売上の堅調さ(前年比+2.6%)と、惣菜・生鮮といった生鮮食品の強さです。プライベートブランドや健康・簡便商品の開発にも力を入れています。単一ブランドに集中することで、店舗運営や商品政策を統一しやすいことが特徴です。

ヤオコー(ブルーゾーンHD) — 37期連続増収増益

ヤオコーは埼玉県を地盤とする高収益の食品スーパーで、中核のヤオコー単体(連結)は営業収益6,373億円37期連続の増収増益という長期の成長記録を続けています。地域の需要に合わせた品ぞろえと、惣菜・生鮮の売場づくりに強みがあります。

2025年10月、ヤオコーは単独株式移転により持株会社ブルーゾーンホールディングスへ移行しました。比較表の8,131億円は上場会社であるブルーゾーンHDの連結値で、ほかの上場会社と同じ基準です。同社は2025年10月に文化堂を傘下に収めるなど、グループの拡大を進めています。読者向けには、上場会社(ブルーゾーンHD)と中核の事業会社(ヤオコー)の2つの連結が併存する点に留意が必要です。

U.S.M.H — 最大規模だが最終赤字(増収≠増益)

U.S.M.H(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)は、マルエツ・カスミ・マックスバリュ関東・いなげや(2024年に完全子会社化)を傘下に持つ関東最大規模のイオングループの持株会社です。2026年2月期の営業収益は9,637億円(前年比+18.8%)と、いなげやの統合効果で過去最高を更新しました。

一方で、本業のもうけを示す営業利益は51億円の黒字を確保したものの、最終的に残る純利益は約32億円の赤字(▲32億円)となりました。不採算店の閉店に伴う損失(店舗の減損など)を特別損失として計上したためで、本業の店舗運営が赤字なのではなく、店舗整理の一時的な費用が最終損益を押し下げた形です。売上が過去最高でも特別損失で最終赤字となった例で、統合で広がった店舗網の整理と収益性の立て直しを同時に進める局面にあります。

アークス — 「八ヶ岳連峰経営」の地域連合

アークスは、北海道・東北・北関東で複数の食品スーパーが緩やかに連合する「八ヶ岳連峰経営」を特徴とする企業です。各社の独立性を保ちながら、調達や物流などの機能を共同化する地域連合型のグループで、東京・札幌の両証券取引所に上場しています。

2026年2月期の売上高は6,269億円(前年比+3.1%)、純利益124億円で、決算短信には営業利益率2.8%が記載されています。同社は売上高ベースで業績を開示しており、営業収益で開示する他社とは表記の基準が異なります。

バローHD — 中部の多角化グループ(食品スーパー事業を抜き出して比較)

バローホールディングスは中部地方を地盤に、食品スーパーにホームセンター・ドラッグストア・スポーツクラブなどを加えた多角化グループです。2026年3月期の連結営業収益は9,241億円ですが、これはグループ全体の数字で、決算短信のセグメント情報によると食品スーパー事業の営業収益は5,407億円(前年比+11.9%)です。一覧表ではこの食品スーパー事業の値を用いており、専業のライフ(8,813億円)を下回ります。

食品スーパー事業は31期連続の増収(既存店前年比105.2%)と堅調で、セグメントの営業利益は221億円(同+13.6%)です。グループ全体では営業利益275億円・純利益165億円で、次期は連結営業収益1兆円を目標に掲げています。多角化グループ全体の連結値(9,241億円)と、食品スーパー事業の規模(5,407億円)は分けて見る必要があります。

ベルク — 埼玉・北関東の高効率運営

ベルクは埼玉県・北関東を地盤とする食品スーパーで、効率的な店舗運営に強みがあります。2026年2月期の営業収益は4,234億円(前年比+9.2%)、営業利益179億円、純利益127億円です。

標準化した店舗フォーマットと、物流・作業の効率化により、限られた地盤で高い収益性を確保する運営が特徴です。地盤を広げすぎず、ドミナント(地域集中出店)で配送効率と知名度を高める戦略をとっています。

大手流通グループ・非上場チェーン

上場6社のほかに、大手流通グループの食品スーパーが大きな存在感を持ちます。イオングループはダイエー・まいばすけっと(小型スーパー)・マックスバリュ各社などを通じて食品スーパーを全国に展開し(U.S.M.Hもイオングループ)、セブン&アイ・ホールディングスは東北地盤のヨークベニマルなどを抱えます。これらの持株会社は総合スーパー(GMS)やコンビニを主に手がけるため、食品スーパー単体の規模は連結値からは読み取りにくくなっています。

さらに、低価格(エブリデーロープライス)を武器とするオーケーや、住友商事系のサミット、生活協同組合(生協)など、非上場ながら各地域で有力なプレイヤーがいます。全国を寡占する企業はなく、生鮮食品の地域性を背景に、上場・非上場・グループ系がそれぞれの地盤で競い合う地域分散型の構造です。

主要論点

食品スーパーの「最大手」はどこですか?

見方によって答えが変わります。単一ブランドの専業で売上が最も大きいのはライフコーポレーション(2026年2月期の営業収益8,813億円)です。一方、複数のチェーンを束ねる持株会社まで含めると、マルエツ・カスミ・いなげやを抱えるU.S.M.Hの営業収益9,637億円が最大規模になります。

注意したいのがバローHDです。連結営業収益9,241億円は数字のうえでは上位に見えますが、これはホームセンター・ドラッグストア等を含む多角化グループ全体の数字です。食品スーパー事業に絞ると5,407億円で、専業のライフ(8,813億円)を下回ります。連結売上をそのまま食品スーパーの規模として比べると事業範囲の広い企業を実際より大きく捉えてしまうため、本ページの一覧表ではバローは食品スーパー事業の値で比べています。

つまり「最大手」は、専業単体ならライフ、グループ規模ならU.S.M.H、と基準で変わります。規模を比べるときは、単一ブランドか複数チェーンの持株会社か、食品スーパー専業か多角化かという事業範囲の違いを踏まえることが大切です。

U.S.M.Hはなぜ営業収益が過去最高なのに赤字なのですか?

U.S.M.Hは2026年2月期に営業収益9,637億円(前年比+18.8%)と過去最高を更新しましたが、純利益は約32億円の赤字でした。増収の主因は、2024年に完全子会社化したいなげやの統合効果です。グループの店舗数・売上が一段と大きくなりました。

赤字の主因は、不採算店の閉店に伴う損失です。営業利益は51億円の黒字を確保しており、本業の店舗運営そのものが赤字というわけではありませんが、店舗の整理・減損などの特別な費用が最終損益を押し下げました。統合で広がった店舗網を、立地や採算の観点から見直す過程にあります。

これは増収でも特別損失で赤字になった例です。営業利益率1〜3%台と薄く、物価高でコスト増を吸収しにくい構造は業界に共通しますが、上場各社の多くは増益を確保しており、U.S.M.Hの最終赤字は不採算店の特別損失による例外的なケースです。

食品スーパーに全国的な「勝者」はいるのですか?

全国を寡占する企業はいません。食品スーパーは、各社が特定の地域を地盤として展開する地域分散型の業界です。ライフは近畿・首都圏、ヤオコーは埼玉、アークスは北海道・東北、バローは中部、ベルクは埼玉・北関東と、強い地盤がそれぞれ異なります。

背景には、生鮮食品の調達・物流が地域ごとに重要だという事情があります。地域の生産者や卸とのつながり、地元の食習慣に合わせた品ぞろえが競争力を左右するため、地盤の外へ一気に広げるのは容易ではありません。アークスの「八ヶ岳連峰経営」のように、各社の独立性を保ちながら緩やかに連合する形も、地域性を生かす工夫です。

近年は、仕入や物流の効率を高めるために経営統合や地域連合が進んでいます。全国を1社が制するのではなく、地盤を持つ企業どうしが統合・連携して規模の効率を追う動きが、業界再編の中心です。

中期見通し

近未来1-2年

物価高のもとで各社とも増収基調が続く一方、仕入原価・人件費の上昇と店舗整理の費用が利益を左右します。U.S.M.Hのように統合で広がった店舗網を見直す動きや、ライフ・ヤオコー・ベルクのように既存店の収益力を高める動きが続く見通しです。専業と多角化、単一ブランドと持株会社という事業構成の違いが、収益性の差として表れます。

中期3-5年

中期では、経営統合・地域連合による規模の効率化が大手の成長軸となります。調達・物流・システムの共同化でコストを下げ、プライベートブランドや惣菜(中食、持ち帰って食べる調理品)の開発力で1店舗あたりの収益力を高める競争が進む見通しです。地盤を持つ企業どうしの再編が、地域分散を保ちながら規模を追う形で続きます。

長期

長期では、人口減少と高齢化が地盤ごとの需要を左右します。地方では出店余地が乏しくなり、ネットスーパーや移動販売、食品アクセス(買い物のしやすさ)への対応が、地域に密着する食品スーパーの役割を決めます。規模だけでなく、地盤の需要に合わせた店舗運営と収益性を両立できる企業が、中長期で優位に立つと考えられます。

よくある質問

食品スーパーの売上が大きい企業はどこですか?
単一ブランドの専業ではライフコーポレーションが営業収益8,813億円(2026年2月期)で最大手です。複数チェーンを束ねる持株会社まで含めると、マルエツ・カスミ・いなげやを抱えるU.S.M.Hが営業収益9,637億円と最大規模になります。バローHDの連結9,241億円はホームセンター等を含む多角化グループ全体で、食品スーパー事業に絞ると5,407億円です。
U.S.M.Hは売上が過去最高なのになぜ赤字なのですか?
2026年2月期にいなげや統合で営業収益9,637億円と過去最高を更新しましたが、不採算店の閉店に伴う損失で純利益は約32億円の赤字となりました。営業利益は51億円の黒字で、本業が赤字なのではなく、店舗整理の費用が最終損益を押し下げた、増収でも特別損失で赤字となった例です。
ヤオコーとブルーゾーンホールディングスの関係は?
ヤオコーは2025年10月に単独株式移転で持株会社ブルーゾーンホールディングス(BZ HD)へ移行しました。上場会社はブルーゾーンHD(連結営業収益8,131億円)で、中核の事業会社がヤオコー(連結6,373億円、37期連続増収増益)です。比較表ではほかの上場会社と基準をそろえ、上場会社であるブルーゾーンHDの連結値を用いています。
バローの連結売上は食品スーパーの規模と考えてよいですか?
いいえ。バローHDの連結営業収益9,241億円は、食品スーパーにホームセンター・ドラッグストア・スポーツクラブなどを加えた多角化グループ全体の数字です。決算短信のセグメント情報では食品スーパー事業の営業収益は5,407億円で、専業のライフ(8,813億円)を下回ります。本ページの一覧表ではこの食品スーパー事業の値で比べています。
これらの企業以外に有力な食品スーパーはありますか?
あります。イオングループ(ダイエー・まいばすけっと・マックスバリュ各社など)やセブン&アイ系(ヨークベニマルなど)のグループ食品スーパーに加え、低価格のオーケー、住友商事系のサミット、生活協同組合(生協)などの非上場チェーンが各地域で有力です。全国を寡占する企業はなく、地盤を分けた競争となっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 決算短信(2026年2月期/3月期、本決算実績)
  2. 2.
    各社IR(決算説明資料・有価証券報告書)
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