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STAT DETAIL · USED CAR EXPORT

中古車市場と中古車輸出の動向|国内中古登録・オークション流通・仕向地別の海外展開【2026年版】

日本の中古車市場は、国内中古登録 (新車以外の車両を新オーナーに登録する手続き) 650 万台 (2024 年)・オークション流通 (USS 等の業者間オークションを経由した売買) 755 万台・中古車輸出 156 万台 (2024 年、JUMVEA = 日本中古自動車輸出業協同組合 公表値、2 年連続過去最高) の 3 つの流通経路から構成されます。引取車 (廃車になった車両、解体・リサイクル時の登録抹消車両) の平均使用年数は 17 年 (2024 年度) で長期化 (2010 年度 13.2 年 → 直近 17 年)。仕向地は UAE (22.6 万台、シェア 14.5%)・ロシア (19.9 万台、12.7%)・タンザニア (13.2 万台) が上位で、円安継続 + 新興国の中古車需要が背景。国内市場と海外輸出の対比、円安・EV シフト・リユース需要の構造を整理します。

中古車輸出 (2024年)
156万台
2 年連続過去最高、UAE 首位 22.6 万台 (シェア 14.5%)
出典: JUMVEA (日本中古自動車輸出業協同組合) 2025年2月公表
引取車 平均使用年数 (2024年度)
17
2010 年度 13.2 年 → 17 年で長期化、保有期間長期化の兆候
出典: JARC (自動車リサイクル促進センター)
国内中古登録 (2024年)
650万台
新車販売 442 万台 (登録 + 軽) との比率約 1.5:1、保有 8,200 万台基盤
出典: JARC 自動車リサイクル統計
オークション流通 (2024年度)
755万台
USS 等の業者間オークション経由、中古車流通の主たる経路
出典: JARC 自動車リサイクル統計

国内中古登録台数の長期推移 (2005-2024年)

単位: 万台
02505007501,0000510152024
出典: JARC (自動車リサイクル促進センター) 自動車リサイクル年報 (2005-2024年)
年度20052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
値(万台811807753718700654645692690684679676694696699687673630643650
前年比-0.5%-6.7%-4.6%-2.5%-6.6%-1.4%+7.3%-0.3%-0.9%-0.7%-0.4%+2.7%+0.3%+0.4%-1.7%-2.0%-6.4%+2.1%+1.1%
読み解き

国内中古登録は 20 年スパンで 600-800 万台のレンジで推移、直近 2024 年は 650 万台で 2020 年代に入ってからの緩やかな縮小傾向 (2020 年 687 万台 → 2024 年 650 万台)。保有 8,200 万台のストック基盤上で、新車販売 442 万台 (登録 + 軽) のフローと並走する独立した市場として機能。背景には人口減・新車販売の構造的縮小 + 中古車所有期間の長期化 (車検 5 回・10 年超ユーザーの増加) があります。

参考: オークション流通 (USS 等の業者間オークション経由の中古車売買) は 2024 年度 755 万台 で、中古登録の規模を上回る取引量。USS・JU・アライの 3 大運営者経由で中古車事業者間で売買され、最終消費者向け販売 + 中古車輸出 + 解体 (引取車) の 3 経路に分岐。同一車両が複数回オークションを経由するため、登録 (フロー終端) とは独立した中間流通指標です。

このグラフに関連するトピック

中古車輸出の主要仕向地 (2024年、上位10カ国 + その他、シェアは全体 156 万台基準)

単位: 万台11 カテゴリ・合計 156
012.52537.55046.6その他 (Top11以下)22.6UAE19.9ロシア13.2タンザニア10.4ニュージーランド9.8モンゴル8.7ケニア7.5スリランカ6.4南アフリカ5.8チリ5.1マレーシア
出典: JUMVEA (日本中古自動車輸出業協同組合) 2024年中古車輸出統計 (2025年2月公表) / ABA-J (全国輸出自動車協会連合会) 補完
カテゴリUAEロシアタンザニアニュージーランドモンゴルケニアスリランカ南アフリカチリマレーシアその他 (Top11以下)
値(万台22.6019.9013.2010.409.808.707.506.405.805.1046.60
シェア14.5%12.8%8.5%6.7%6.3%5.6%4.8%4.1%3.7%3.3%29.9%
読み解き

2024 年の中古車輸出 156 万台は 2 年連続過去最高更新で、上位 10 か国で輸出全体の約 70% (109 万台)、その他 (Top11 以下) が約 30% (47 万台) という構造。首位 UAE 22.6 万台 (全体シェア 14.5%、前年比 +10.9%) は中東・アフリカ向けの再輸出ハブ機能、ロシア 19.9 万台 (シェア 12.7%、前年比 ▲8.7%) は欧米制裁下でも極東経由の経路を通じた継続需要、タンザニア 13.2 万台 (8.5%) はアフリカ東岸の現地需要が背景です。

仕向地構造は新興国・資源国中心 で、ニュージーランド・モンゴル・ケニア・スリランカ・南アフリカ・チリ・マレーシアが続きます。背景には (1) 円安継続 (140-160 円/ドル) による日本車の国際割安感、(2) 日本の右ハンドル車仕様が右側通行国 (英連邦・東南アジア・アフリカの一部) に適合、(3) 長期使用 (引取車 17 年) でも整備状態が良好な日本車の品質ブランド、(4) 燃料効率の良い HEV / コンパクト車への現地需要、の 4 要因。新車輸出 (米国・欧州中心) とは仕向地・需要構造が大きく異なる独立した市場領域です。

このグラフに関連するトピック

新車販売・中古車登録・中古車輸出の規模対比 (2022-2024年、登録車基準)

新車販売は JADA 登録車のみ (軽 156 万台 + 輸入車 32 万台は別軸)、中古車輸出は JUMVEA 集計 (軽 + 商用も含む全体値)
項目台数 (万台)構成比シェア
新車販売 (登録車のみ、JADA)2860.0%
中古車登録 (JARC)6500.0%
中古車輸出 (JUMVEA)1560.0%
合計1,092100.0%
読み解き

2024 年の登録車市場フローは、新車販売 286 万台 (JADA 登録車のみ、軽 156 万台と輸入車 32 万台は別軸)・中古登録 650 万台・中古車輸出 156 万台 (JUMVEA 全体集計、軽 + 商用も含む) と並走。新車 (登録車) vs 中古登録の比率は約 1:2.3 で、中古フローの方が新車を上回ります。保有 8,200 万台 (うち登録車 約 6,200 万台 + 軽 約 2,000 万台) のストック市場で、中古車事業者 (ガリバー / IDOM・ネクステージ・オートバックス) と業者間オークション (USS・JU・アライの 3 大運営者) が流動性を支える構造。

直近 3 年では、新車販売 (登録車) は 2023 年の供給制約解消で増加 → 2024 年やや反動減、中古登録は緩やかな縮小トレンド、中古車輸出は連続増加で過去最高更新。円安継続局面では中古車輸出が伸び、国内中古登録は新車市場の動向に連動する構造。3 系列は同一車両が複数フローに登場するため積み上げ表示には適さず、各系列の独立した規模感を並列対比する形式に。中古車輸出 156 万台は新車販売 442 万台 (登録 + 軽合計) の約 35% に相当する規模で、業界の中古資源を海外で活用するリユース型輸出産業として独立した位置づけです。

主要論点

円安継続で中古車輸出 156 万台は更に伸びるか?

2023 → 2024 年で中古車輸出 153 → 156 万台 (+2.0%)、2 年連続過去最高更新 という基調。円安継続 (2024-2025 年は 140-160 円/ドルのレンジ推移) で日本車の国際割安感が拡大、UAE・ロシア・アフリカ向けの低価格・中古需要を直接刺激する構図です。2025 年 Q1-Q3 累計は 87 万台 (前年同期比 +15.1%、年率 200 万台ペース) という公表値があり (JUMVEA / ABA-J 2025 速報)、年内に過去最高を更新する可能性が高い見通し。

中長期での 200 万台超ペース定着シナリオは、(1) 円安の継続性 (FRB 利下げ進行で円高反転すれば伸び率鈍化)、(2) 対ロシア中古車輸出規制の動向 (2023 年に大型・高級車の輸出禁止、現在は排気量 1,900cc 以下と HEV 等に限定)、(3) アフリカ・南米の現地新車市場拡大 (中古車から新車へのシフト)、(4) EU・米国の右ハンドル車輸入規制 (年式・排ガス) で限定的、の 4 要因が方向感を左右します。中期的には 180-200 万台レンジで推移する可能性が高い見通しです。

引取車使用年数の長期化 (17 年) は何を意味するか?

引取車 (廃車になった車両、解体・リサイクル時の登録抹消車両) の平均使用年数は 2024 年度 17 年、2010 年度 13.2 年から長期化基調。同時期に保有 (ストック) の平均車齢も 9 年超に達しており、日本の車両保有期間が構造的に長期化 している兆候です。背景には (1) 新車価格の上昇 (HEV + 安全装備 + 半導体価格上昇)、(2) 整備技術の向上で 10 年超走行も安定稼働、(3) 軽自動車・コンパクト車での「長く乗る」ライフスタイルの定着、(4) 円安局面での「買い替えコストの上昇」、の 4 要因が並列。

業界への影響は 4 軸: (1) 新車販売の構造的縮小圧力 (買い替え周期延長で年間需要が減少)、(2) 中古車輸出の供給増 (使用年数長期化で輸出可能な中古車プールが拡大)、(3) 整備業の市場拡大 (10 年超車両の整備需要)、(4) リコール対応 + 保安基準適合の長期化リスク (古い車両ほど安全基準適合性が問題化)。これらは中長期で新車 OEM の収益基盤 + 整備業 + 中古車事業者の関係性を再定義する論点となります。

EV シフトで中古車市場・輸出は変わるか?

現状の中古車輸出 156 万台の主軸はガソリン車 + HEV (ハイブリッド) で、純 EV (バッテリー EV) は限定的。仕向地の UAE・ロシア・アフリカ・南米は充電インフラが整備途上で、EV 中古車の需要は限定的です。一方、(1) 日本国内の EV 保有が拡大 (2024 年新車販売の純 EV 比率は約 2-3%、保有累計は 30 万台規模)、(2) EV 中古車のバッテリー劣化問題 (リチウムイオン電池の経年劣化、走行可能距離の縮小)、(3) 新興国の充電インフラ整備 (中国製急速充電器の現地導入)、の 3 要因が中期で交差します。

中長期シナリオ: 2030 年代後半に EV 中古車の輸出市場が立ち上がる可能性があるが、現時点では 5-10 年先の構造変化。逆に、HEV 中古車の輸出が中核 として継続する見通し (日本の HEV 累計販売 1,000 万台超、トヨタ HEV 累計 3,200 万台 [グローバル]、海外でも日本車 HEV ブランドが確立)。中古車事業者 (USS・ガリバー [IDOM]・ネクステージ等) は EV 中古車の評価・整備・流通モデル の構築が中期 5-10 年の競争軸となり、新興国向け輸出ビジネスモデルとの両立が論点化します。

中期見通し

近未来 1-2 年

2026-2027 年の中古車輸出は年率 180-200 万台レンジで推移する見通し、円安継続シナリオでは過去最高更新のペース継続。国内中古登録は緩やかな縮小トレンド (年間 600-650 万台レンジ)、オークション流通は 700-770 万台水準で安定。引取車使用年数の長期化 (17 年 → 17-18 年へ) が中古車プール拡大 + 新車買い替え周期延長として両面で効く構造。中古車事業者 (USS・ガリバー [IDOM]・ネクステージ・オートバックス) の業績は中古車輸出の伸びに連動して堅調推移の見通しです。

中長期 3-5 年

2028-2030 年は円高反転シナリオ (FRB 利下げ + 日銀利上げで 120-130 円台へ) では中古車輸出の伸びが鈍化、150-180 万台レンジに収束する可能性。EV 中古車市場が国内で立ち上がり、海外仕向地の充電インフラ整備状況に応じて新興国輸出も部分的に開始される見通し。中古車事業者の競争軸は (1) EV バッテリー診断・整備能力、(2) 海外仕向地の現地ネットワーク、(3) リユース部品 + 解体ビジネスの収益化、の 3 軸に移行。引取車使用年数は 18-19 年へ更に長期化する見通しで、業界全体の循環構造がフロー型からストック・リユース型へ質的にシフトします。

関連業界への波及

中古車輸出 156 万台 + オークション流通 755 万台 + 中古登録 650 万台のフロー規模は、港湾物流 (神奈川 / 兵庫 / 福岡 / 千葉 / 北海道の輸出港経由)・自動車解体業 (約 5,000 社)・リサイクル部品流通・自動車保険 (中古車保険)・カーリース (中古車リース) の関連産業エコシステムを支えます。引取車使用年数の長期化は整備業 約 9 万社の市場拡大要因であり、新車販売縮小局面での業界全体の安定基盤として機能。中古車輸出は新車輸出 (17.8 兆円) と並ぶリユース型輸出産業として、日本の貿易収支 + 地方経済 (輸出港湾の地域経済) に継続的に貢献する基幹分野です。

よくある質問

日本の中古車輸出は何台ですか?
2024 年は 156 万台で 2 年連続過去最高更新 (JUMVEA 公表、2025 年 2 月)。仕向地は UAE (アラブ首長国連邦) 22.6 万台 (シェア 14.5%)・ロシア 19.9 万台 (12.7%)・タンザニア 13.2 万台が上位。
中古車輸出はどこに送られていますか?
新興国・資源国向けが中核: UAE (中東・アフリカ向け再輸出ハブ) / ロシア (極東経由) / タンザニア・ケニア・南アフリカ (アフリカ現地需要) / ニュージーランド・モンゴル・スリランカ・チリ・マレーシア。上位 10 か国で輸出全体の約 70% を占めます。
引取車の平均使用年数はどれくらいですか?
2024 年度は 17 年、2010 年度 13.2 年から長期化基調 (JARC 自動車リサイクル統計)。背景には新車価格上昇 + 整備技術向上 + 長期所有ライフスタイルの定着があります。
中古車輸出が伸びている理由は?
主因は 円安継続 (140-160 円/ドル) による日本車の国際割安感 + 新興国の中古車需要拡大 + 右ハンドル車の英連邦圏適合性 + HEV 等の燃料効率の良い車種の需要。2024 年は 2 年連続過去最高、2025 年 Q1-Q3 累計は前年比 +15.1% で年率 200 万台ペース (JUMVEA / ABA-J = 全国輸出自動車協会連合会 速報)。
中古車市場の主要事業者は?
業者間オークション: USS / JU / アライオートオークション。小売・買取: ガリバー (IDOM) / ネクステージ / オートバックス / ビッグモーター系列。中古車輸出: 商社系 + 専業 (神奈川・兵庫・福岡等の港湾近接に集中)。年間オークション流通は 755 万台規模。
EV シフトで中古車市場はどう変わりますか?
現状の中古車輸出主軸はガソリン + HEV (ハイブリッド) で純 EV は限定的。新興国の充電インフラ整備が課題。中長期 5-10 年では EV 中古車市場の立ち上がり可能性、HEV 中古車の輸出は引き続き中核。中古車事業者の競争軸は EV バッテリー診断・整備能力に移行する見通し。
データ出典
出典: 自動車リサイクル促進センター (JARC) 自動車リサイクル年報 (2005-2024) / 日本中古自動車輸出業協同組合 (JUMVEA) 中古車輸出統計 (2024 年通年 + 2025 年 Q1-Q3 速報) / 自販連 (JADA) メーカー別販売台数 (2022-2025) / 全国輸出自動車協会連合会 (ABA-J) 2025 業界速報
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