研修専業・公開講座
インソースは、1名から参加できる公開講座と、企業へ講師を派遣する研修を、新人研修・階層別研修・テーマ別研修など幅広いテーマで提供します。アルーは、新人・若手から管理職までの体系的な人材育成プログラムや、グローバル人材育成に強みを持ちます。いずれも研修を専業とし、多くの企業の人材育成を支えています。
企業向け研修サービスは、企業が外部に委託して実施する研修・人材育成の市場です。市場規模は2024年度に5,858億円(前年度比+4.6%)となり、2025年度には6,130億円と初めて6,000億円を超える見込みです。2020年度はコロナ禍で4,820億円まで落ち込みましたが、オンライン研修への移行で回復し、人的資本経営やリスキリングへの関心の高まりが市場を押し上げています。なお、この研修市場は、人材派遣・人材紹介・再就職支援の主要3業界には含まれない別の市場です。市場規模の推移・コロナ後の回復・成長の背景まで整理します。
企業向け研修サービス市場は、2016年度の5,080億円から緩やかに拡大してきましたが、2020年度はコロナ禍で4,820億円へと落ち込みました。対面で行う集合研修が中止・延期されたことが主因です。
その後はeラーニングやオンライン研修への移行が進み、2021年度以降は回復・拡大に転じました。コロナ前の2019年度(5,270億円)を上回り、2024年度は5,858億円、2025年度は6,130億円と初めて6,000億円を超える見込みです。人的資本経営やリスキリングへの関心が、企業の教育投資を後押ししています。
企業向け研修サービスは、研修を専業とする事業者、経営人材を育てるビジネススクール、人材サービスグループのソリューション会社、学校法人など、多様な提供者が手がけています。提供形態も集合研修・講師派遣・通信研修・eラーニングと幅広く、企業は目的に応じて使い分けています。
インソースは、1名から参加できる公開講座と、企業へ講師を派遣する研修を、新人研修・階層別研修・テーマ別研修など幅広いテーマで提供します。アルーは、新人・若手から管理職までの体系的な人材育成プログラムや、グローバル人材育成に強みを持ちます。いずれも研修を専業とし、多くの企業の人材育成を支えています。
グロービスは、経営知識やマネジメントを体系的に学ぶビジネススクール型の研修を手がけます。管理職・経営幹部の育成や、議論を通じた実践的な学びを重視する点が特徴で、人的資本経営の広がりとともに需要が高まっています。
リクルートマネジメントソリューションズは、研修に組織開発(組織の仕組みや風土づくり)や人事アセスメント(人材・組織の見極め)を組み合わせて提供します。産業能率大学 総合研究所は、学校法人が法人向けに展開する研修部門として、通信研修・講師派遣研修を手がけます。研修市場は特定の数社に集中しない分散した構造で、企業は内容や形態に応じて複数の提供者を使い分けています。
企業向け研修サービス市場は、2024年度に5,858億円、2025年度には6,130億円と初めて6,000億円を超える見込みです。背景にあるのが、人的資本経営の広がりです。人材を費用ではなく投資すべき資本ととらえる考え方が浸透し、上場企業には、人材への投資の状況を投資家に開示すること(人的資本の情報開示)も求められるようになりました。教育投資が企業価値に直結するという認識が、研修需要を支えています。
もうひとつの追い風が、政府が進めるリスキリング(学び直し)政策です。デジタル化や産業構造の変化に対応するため、社員のスキルを更新する必要が高まっています。新人研修・階層別研修といった従来の研修に加え、DX人材の育成への需要が伸びています。
人手不足のもとで採用が難しくなるほど、企業は既存の人材を育てて活かす方向に投資を厚くします。採用と育成は、人材戦略の両輪として結びついています。
市場は2020年度に4,820億円まで落ち込みました。コロナ前の2019年度(5,270億円)から大きく減少した主因は、対面で集まって行う集合研修の中止・延期です。研修は人が集まって実施するものが中心だったため、外出制限の影響を強く受けました。
転機となったのが、eラーニングやオンライン研修への移行です。オンラインであれば場所を問わず受講でき、録画による反復学習も可能です。研修の提供形態がオンラインへ広がったことで、2021年度以降は回復に転じ、コロナ前の水準を上回るまで戻りました。
現在は、オンラインと対面を組み合わせた研修が定着しつつあります。コロナ禍は研修のデジタル化を一気に進め、市場の構造を変える契機となりました。
企業向け研修サービス市場(5,858億円)は、人材ビジネスの主要3業界(人材派遣・人材紹介・再就職支援)には含まれない、別に集計される市場です。主要3業界が「人材を提供する・仲介する」サービスであるのに対し、研修は「人材を育てる」サービスで、性格が異なります。
そのため、人材サービス市場の規模として示される主要3業界の金額に、研修市場を足し合わせては扱いません。「人材サービス」「人材ビジネス」という言葉は、どこまでの範囲を指すかで規模が変わるため、引用する際は対象範囲の確認が必要です。
一方で、採用と育成は人材戦略として深く結びついています。人手不足のもとでは、採用(人材紹介・求人)と育成(研修・リスキリング)を組み合わせて人材を確保・活用する動きが強まっており、研修市場は人材サービス全体の重要な一角を占めています。
2025年度に6,130億円と初めて6,000億円を超える見込みで、2026年度以降も拡大基調が続くとみられます。人的資本の情報開示やリスキリング政策を背景に、企業の教育投資は底堅く推移します。DX人材やデジタルスキルの育成への需要が、当面の市場を牽引します。
中期では、eラーニングやオンライン研修の比重がさらに高まる見通しです。AIを活用した個別最適な学習や、スキルの可視化・タレントマネジメントと連動した研修など、研修のデジタル化が進みます。集合研修は、対話や体験を重視する領域に役割を移していきます。
長期では、人口減少のもとで一人ひとりの生産性を高める必要が一段と強まり、人材育成への投資の重要性が増します。採用と育成、配置を一体でとらえる人材戦略が広がるなかで、研修サービスは人材サービス全体と連携を深めていく見通しです。