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リース会社のビジネスモデル|収益の仕組みと与信・残価・サービス化【2026年版】

リース会社は、利用者が選んだ物件をメーカーから購入し、銀行借入や社債で調達した資金を元手に、中長期のリース料として回収します。収益の源は、物件価格に上乗せした金利やマージン、各種の手数料です。事業の核は、調達コスト・与信・残価という3つのリスクを管理することにあります。収益の仕組みと、近年広がる「所有から利用へ」のサービス化を整理します。

リース会社はどのように収益を上げるのか

物件を買い、リース料で回収する

リース会社の基本的な収益の仕組みは、金融に近いものです。利用者が選んだ物件(情報通信機器・自動車・産業機械など)をリース会社がメーカーから購入し、その物件を利用者に中長期で貸して、リース料として代金を回収します。リース料には、物件の購入価格に加え、資金を調達したコストや、リース会社の利益分が上乗せされています。

調達と運用の差が利益の源

リース会社は、物件を買うための資金を、銀行借入や社債、コマーシャルペーパー(短期の資金調達手段)で調達します。調達した資金のコスト(金利)と、リース料として得られる利回りの差が、収益の基本的な源です。この差を利ざやと呼びます。リース会社にとって、低いコストで安定的に資金を調達できるかどうかが、収益力を左右します。銀行系のリース会社が親銀行の資金基盤を強みとするのは、この調達面の優位があるためです。

金融収益に加えた手数料・サービス収益

収益の柱は物件のリースから得る金融的な収益ですが、それだけではありません。保守・整備を組み合わせたメンテナンス、保険や集金代行などの関連サービス、物件の販売や仲介から得る手数料も収益源です。近年は、物件を貸して金利を得るだけでなく、サービスを組み合わせて継続的な収益を得るモデルへと、各社が事業の幅を広げています。

事業の核となる3つのリスクをどう管理するのか

調達コスト(金利)のリスク

リース料は契約時に決まり、契約期間中は基本的に固定されます。一方で、資金の調達コスト(金利)は市場の動きで変わります。金利が上昇すると、すでに結んだ契約のリース料には転嫁できないため、調達コストと利回りの差である利ざやが縮みます。リース会社は、固定金利と変動金利の調達の組み合わせや、資産(リース債権)と負債(借入)の期間を合わせる管理で、金利変動の影響を抑えます。

信用リスク(与信)

リース料は分割で長期にわたって支払われるため、契約期間中に利用者が倒産したり支払いが滞ったりすると、リース料を回収できなくなります。これが信用リスクです。リース会社は、契約前に利用者の財務状況や事業の安定性を見極める与信審査を行い、業種や利用者を分散させ、必要に応じて保証や保険を組み合わせて、この回収不能のリスクを抑えます。

残価リスク

オペレーティングリースでは、リース会社が期間終了後に物件に残る価値(残価)を見込んでリース料を低く設定します。期間終了後の物件価値が想定を下回ると、見込んだ残価を回収できず損失が生じます。これが残価リスクです。自動車や建設機械のように中古市場のある物件では、リース会社は残価を慎重に見積もり、中古での再販や再リース、車種・機種の分散によってリスクを管理します。残価をどう見積もるかが、商品の価格競争力と収益を左右します。

リース会社が管理する主なリスク

事業の核となる調達コスト・与信・残価の3つに、物件・事務のリスクを加えた一覧と、その管理の手立て
調達コスト(金利)
リスクの内容
銀行借入・社債で調達した資金の金利が上がると、固定のリース料に転嫁できず利ざやが縮む
管理の手立て
固定・変動の調達構成の調整、資産と負債の期間を合わせる管理
信用リスク(与信)
リスクの内容
利用者の倒産・支払い遅延でリース料を回収できなくなる
管理の手立て
契約前の与信審査、業種・利用者の分散、保証・保険の活用
残価リスク
リスクの内容
オペレーティングリースで、期間終了後の物件価値(残価)が想定を下回る
管理の手立て
残価の慎重な見積もり、中古市場での再販・再リース、車種・機種の分散
物件・事務リスク
リスクの内容
物件の保守・管理や、多数の契約事務にかかる手間とコスト
管理の手立て
メンテナンスの体制、契約・請求のシステム化、業務の効率化
読み解き

リース会社の事業の核は、これらのリスクを引き受け、適切に管理することにあります。利用者から見れば、初期投資を抑えて設備を導入でき、設備の陳腐化や残価の変動、維持管理の手間といったリスクをリース会社に移せる点が、リースを使う利点です。リース会社は、その対価として、リスクに見合うリース料を得ます。

「所有から利用へ」— サービス化はどこまで進むのか

物件のリースからサービスの提供へ

近年、リース会社のビジネスモデルは、物件を貸して金利を得る従来の形から、サービスを組み合わせて付加価値を高める形へと広がっています。背景には、企業や個人が設備や車を「所有」せず「利用」する流れの強まりと、物件のリース単体では利ざやの確保が難しくなっていることがあります。物件の提供にサービスを重ねることで、継続的で安定した収益を得る狙いです。

メンテナンス一体・利用ベースの課金

具体的には、車両に保守・点検・税金・保険をまとめて引き受けるメンテナンスリース、設備の保守や運用を含めて提供する形、使った量や時間に応じて支払う利用ベースの課金などが広がっています。利用者は、設備の調達から維持管理までを一括で任せられ、自社で抱える管理の手間を減らせます。リース会社にとっては、保守や運用のサービスが継続的な収益源となります。

サブスクリプションと所有しない選択

個人向けでは、月額定額で新車に乗るカーリースやサブスクリプションが広がり、車を所有せずに使う選択肢が定着しつつあります。法人向けでも、パソコンやオフィス機器を月額で使う形が一般的になっています。所有にこだわらず必要な期間だけ使う考え方は、初期投資の負担や、使わなくなったときの処分の手間を避けたいニーズに合っています。

サービス化が収益構造を変える

サービス化は、リース会社の収益構造を、金利を中心とした金融収益から、保守・運用・データなどのサービス収益を含む構成へと変えていきます。2027年4月から適用される新しいリース会計基準で、借り手側のリースが原則すべて資産計上されることも、会計上の体裁ではなくサービスとしての利便性でリースを選ぶ流れを後押しします。物件を貸すだけでなく、利用者の設備や移動の課題をどう解決するかが、リース会社の競争の焦点になっていきます。

主要論点

リース会社はどうやって利益を出しているのか?

リース会社の収益は、金融に近い仕組みから生まれます。利用者が選んだ物件をメーカーから購入し、銀行借入や社債で調達した資金を元手に、中長期のリース料として回収します。リース料には物件価格に加えて、調達した資金の金利やマージンが含まれ、調達コストと運用利回りの差(利ざや)が収益の基本的な源です。

加えて、保守・整備を組み合わせたメンテナンス、保険や集金代行などの関連サービス、物件の販売・仲介の手数料も収益源です。低いコストで安定的に資金を調達でき、リスクを適切に管理できるリース会社ほど、収益力が高くなります。

近年は、物件を貸して金利を得るだけの形から、サービスを組み合わせて継続的な収益を得る形へと、各社が事業の幅を広げています。

金利が上がるとリース会社の収益はどうなるのか?

金利の上昇は、リース会社の収益にとって逆風になりえます。リース料は契約時に決まり、契約期間中は基本的に固定されます。一方、資金の調達コストは市場の金利で変動するため、金利が上がると、すでに結んだ契約では調達コストと利回りの差である利ざやが縮みます。

リース会社は、固定金利と変動金利の調達を組み合わせたり、資産(リース債権)と負債(借入)の期間を合わせたりして、金利変動の影響を抑えます。新規の契約では、上昇した調達コストをリース料に反映できるかどうかが、利ざやを確保する鍵になります。

調達面では、銀行系のリース会社が親銀行の資金基盤を、商社系が親会社の信用力を強みとします。低コストで安定的に資金を調達できるかが、金利上昇局面での収益力を左右します。

サービス化はリース会社のビジネスをどう変えるのか?

「所有から利用へ」の流れは、リース会社のビジネスを、物件を貸して金利を得るモデルから、サービスを組み合わせて付加価値を高めるモデルへと変えつつあります。背景には、物件のリース単体では利ざやの確保が難しくなっていることと、利用者が設備や車を所有せず使う傾向の強まりがあります。

具体的には、保守・管理を一体で引き受けるメンテナンス、使った分だけ支払う利用ベースの課金、月額定額のサブスクリプションなどが広がっています。リース会社にとって、これらのサービスは継続的で安定した収益源となります。

2027年4月から適用される新しいリース会計基準で、借り手のリースが原則すべて資産計上されることも、会計上の体裁ではなくサービスとしての実質的な利便性でリースを選ぶ流れを後押しします。物件を貸すだけでなく、利用者の課題をどう解決するかが、競争の焦点になっていきます。

中期見通し

近未来1-2年

調達金利の上昇局面で、新規契約のリース料への転嫁と利ざやの確保が当面の課題となります。各社は、メンテナンスや保険などのサービス収益を伸ばし、金利だけに依存しない収益構成への移行を進めます。

中期3-5年

2027年4月の新リース会計基準の適用を受け、会計上の体裁ではなくサービスとしての利便性でリースを選ぶ流れが強まる見通しです。リース会社は、保守・運用・データを含むサービスの提供や、利用ベースの課金へと、収益モデルの転換を進めます。

長期

長期では、物件を貸す金融業から、利用者の設備や移動の課題を解決するサービス業へと、リース会社の位置づけが変化していく見通しです。金融収益を土台にしつつ、サービス収益や、環境・エネルギーなど新たな領域の事業を組み合わせて、収益源を多様化する動きが続くとみられます。

よくある質問

リース会社のビジネスモデルを簡単に言うと何ですか?
利用者が選んだ物件をメーカーから購入し、銀行借入や社債で調達した資金を元手に、中長期のリース料として回収する金融に近い仕組みです。リース料には物件価格に加えて、調達した資金の金利やマージンが含まれ、調達コストと運用利回りの差(利ざや)が収益の基本的な源です。加えて、保守・保険などのサービスや手数料も収益源です。
リース会社の収益の源は何ですか?
基本は、物件を貸して得る金融的な収益です。調達した資金のコスト(金利)と、リース料として得る利回りの差である利ざやが源になります。これに加えて、保守・整備を組み合わせたメンテナンス、保険や集金代行などの関連サービス、物件の販売・仲介の手数料が収益源です。近年はサービス収益の比重を高める動きが広がっています。
リース会社にとっての残価リスクとは何ですか?
オペレーティングリースで、リース会社が期間終了後に物件に残る価値(残価)を見込んでリース料を設定する際、期間終了後の物件価値が想定を下回ると、見込んだ残価を回収できず損失が生じます。これが残価リスクです。自動車や建設機械など中古市場のある物件では、残価を慎重に見積もり、再販や再リース、機種の分散で管理します。残価の見積もりが、商品の価格競争力と収益を左右します。
金利の上昇はリース会社にどう影響しますか?
リース料は契約時に固定される一方、資金の調達コストは市場の金利で変動するため、金利が上がるとすでに結んだ契約では利ざやが縮みます。リース会社は、固定・変動の調達の組み合わせや、資産と負債の期間を合わせる管理で影響を抑えます。新規契約では、上昇した調達コストをリース料に反映できるかが利ざや確保の鍵になります。
リースのサービス化とは何ですか?
物件を貸して金利を得る従来の形に加え、保守・管理を一体で引き受けるメンテナンス、使った分だけ支払う利用ベースの課金、月額定額のサブスクリプションなど、サービスを組み合わせて付加価値を高める動きです。「所有から利用へ」の流れを背景に、利用者は管理の手間を減らせ、リース会社は継続的な収益を得られます。新リース会計基準の適用も、サービスとしての利便性でリースを選ぶ流れを後押しします。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    公益社団法人リース事業協会「リースの仕組み・統計」
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